なんとなく不吉なイメージのカラス。
好きな人よりも嫌いな人の方が圧倒的に多い「嫌われ指数」の高い鳥のような気がします。
野鳥マンガ『とりぱん』ではレギュラー鳥の一角で10巻の表紙を務めましたが、『とりぱん大図鑑』の「とりぱん的解説」では「無駄にIQが高い、鳥界のインテリヤクザ」。
著者のとりのなん子さんのカラス愛は感じますが、同じ身近な鳥のスズメが「人間のよき友」と書かれていることと対照的です。
しかし、日本では本来カラスはおめでたい鳥とされます。
なかでも
神武天皇を導いた
八咫烏やたがらすは有名で、日本サッカー協会のシンボルマークにもなっています。
一体いつからマイナスイメージになったのでしょうか。
カラスは身近な鳥だけにことわざや慣用句も多くあります。
中には「
烏合うごうの
衆しゅう」や「
烏からすの
行水ぎょうずい」のようなあまりよくないたとえもありますが、「烏の
濡ぬれ
羽ば色」のように美しいもののたとえもあります。
しかし。
カラス=黒。
黒がどうして美しい色のたとえになるのかふしぎでした。
金剛山山頂。
登山者が多い山だけに、カラスが住んでいます。
ベンチでご飯を食べていると、カラスが近づいてきました。
近くで見るカラスは思ってもいなかった色をしています。
黒地の中に青緑に輝く色が。
真っ黒ではないのです。

金剛山山頂広場のカラス(ハシブトガラス)
クチバシの付け根と額の間の段がはっきりしているのでハシブトガラス
「烏の濡れ羽色」は、女性の黒髪の美しさを水浴びをしたあとのカラスの羽根の色にたとえる慣用句です。
目の前のカラスが水浴びをしたかどうかわかりませんが、美しい羽根なのは確かです。
しかも首の辺りなどは向きによって
青緑あおみどり色の輝きが現れたり消えたりします。
構造色こうぞうしょくにちがいありません。

|

|
顔の向きで首のところの色が変わります。
|
単に黒いだけだと思っていたカラスが、青緑色の構造色を持つきれいな鳥だとは知りませんでした。
しかも毎日見かけるような身近な鳥だというのに。
もしかすると、毎日何気なく見ているような生き物の中にも、美しいものがもっといるのかもしれません。
※ 青緑色
※嫌われ指数
嫌っている人がどれくらいいるかなという雰囲気から、好きな人はどれだけいるかなという雰囲気を割った感覚的な雰囲気。
カラスのように嫌いな人ばかりで好きな人は少なそうなのは高くなります。
ハトのように嫌っている人が多そうでも公園で積極的にエサをあげている人もそれなりにいそうな鳥は嫌われ指数は低くなります。
メジロのように好かれる一方の鳥は限りなく0に近くなります。
指数といいつつ実数で表すことができず、すべてIWO(いきもの は おもしろい!)独自の適当勝手な雰囲気です。
タグ:
ハシブトガラス
カラス
構造色
ことわざ
金剛山の鳥
カラスくらいの鳥
- 関連記事
-
theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用