ドラマのキーとなったムジナモを植物園でじっくり見ることができました。
植物園でムジナモ見てきました。

ムジナモはナデシコ目モウセンゴケ科ムジナモ属の多年性浮漂植物。
漢字では貉藻、狢藻。
学名はAldrovanda vesiculosa L.。
分類学の祖、カール・フォン・リンネ(L.)さんの命名。
南北アメリカと南極を除く世界中から見つかっているものの、分布は点々として決して多くはないようです。

日本ではじめてムジナモを発見したのが朝ドラらんまんの主人公のモデル、牧野富太郎さん。
すでにリンネさんに見つかっていたので、学名に「Makino」はついていません。

モウセンゴケ科からもわかるように食虫植物。
ナデシコ目モウセンゴケ科は食虫植物界でも一大勢力。
モウセンゴケ属のねとねと葉っぱ系と、ハエトリグサ属の二枚貝型系があります。
ムジナモはどちらでもないムジナモ属ですが、ハエトリグサと同じ二枚貝型系。
ただハエトリグサのように湿地に生えるのではなく、水に浮かぶ水草。

牧野さんに見つけられて百年ちょっと。
残念なことに日本では野生種がほぼ絶滅状態。
植物園では見ることができるのに。

ドラマでは主人公の大発見から大学の出入り禁止につながる大きなポイントになります。
ドラマは熱狂的なファンも多いようです。
休日の植物園の牧野富太郎コーナーはさぞかし大勢の人が聖地ととりかこみ、じっくり観察することはできないでしょう。
と思ったら、だれもいません。
時々通りかかる人も、少し立ち止まるくらい。
ここは大阪市の咲くやこの花館。
地下鉄でアクセスでき、入園者も少なくありません。
間が悪かったのでしょうか。

ドラマの主人公の名前は槙野万太郎。
ものすごく史実に似ていますが、創作。
ファンの方はムジナモも創作上の架空の植物と思っているのでしょうか。
ドラマも残すはあと1ヶ月ちょっと。
牧野富太郎コーナーもドラマに合わせて終了するかもしれません。
牧野さんが名付けたり見つけたりした植物は身近にもいろいろあります。
でもわかりやすく実物を見られるのはやっぱり植物園。
ドラマをきっかけにそういう植物を知ることになれば。
今ならめずらしい植物をじっくり見られるかもしれません。
タグ: ムジナモ 食虫植物 モウセンゴケ科 浮漂植物 水草 咲くやこの花館 植物園

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