【 春の七種】

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七草粥の春の七種は身近な雑草と野菜です。

 1月7日は、春の七種を入れた七草粥の日。
 「春の七種」は「春の七草」とも書きます。
 お正月明けに7種類の植物を入れたおかゆを食べて一年の無病息災、つまり一年中病気をすることもなく元気に暮らしていけることを願います。

 その7種類の植物は、みんな身近な植物で、4種類は雑草、3種類は野菜。
 年末年始には、植物園などで展示されることがありますが、ネタの宝庫の錦織公園でも毎年、年末年始に展示されています。


芹 せり
和名:セリ
セリ目 セリ科 セリ属
多年草
分布:北海道~九州
適地:湿地や畦道
タグ:セリ



薺 なずな
和名:ナズナ
アブラナ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
田んぼの畦などにも生える水田雑草。
タグ:ナズナ



御形 ごぎょう
和名:ハハコグサ
キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草
分布:北海道~沖縄
適地:人里の道端、田の畦
タグ:ハハコグサ



繁縷 はこべら
和名:コハコベ
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
タグ:コハコベ



仏の座 ほとけのざ
和名:コオニタビラコ
キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草
分布:本州~九州
適地:湿地を好む
タグ:コオニタビラコ



菘 すずな
和名:カブ
アブラナ目 アブラナ科 アブラナ属
越年草
分布:アフガニスタン原産
適地:代表的な野菜
タグ:カブ



蘿蔔 すずしろ
和名:ダイコン
アブラナ目 アブラナ科 ダイコン属
越年草
分布:地中海原産
適地:代表的な野菜
タグ:ダイコン



 七草粥は旧暦の行事。
 旧暦の1月7日です。
 旧暦の正月は現在の1月下旬頃から2月中旬頃まで。
 今年の七草粥は、2月11日になります。

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タグ: 春の七種春の七草セリナズナハハコグサコハコベコオニタビラコカブダイコン錦織公園

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棚田のいきもの 2016年2月の植物いろいろ

 2月の下赤阪の棚田ビオトープで出会った生き物たち。
 その植物で、花でも実でもロゼットでもないものを集めてみました。


春の七種
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

春の七種(春の七草)は、1月7日に七種類の野草と野菜を入れたおかゆを食べ、一年の無病息災を願う行事です。
それがどうして2月の棚田なのでしょう。

それは、もともと旧暦の行事ということ。
旧暦の正月はだいたい1月下旬から2月中旬にかけて。
今年は2月14日。

そしてもう一つ。
春の七種のうち、5種類の野草は田んぼに生える雑草と言われます。
それならば、野草が多い下赤阪の棚田にもあるはず。
ということで、春の七種を探してみました。

芹 せり

和名:セリ
学名:Oenanthe javanica
セリ目 セリ科 セリ属
多年草
分布:北海道~九州
適地:湿地や畦道
タグ:セリ

水分が多いところを好み、棚田ではいつも水が染み出るようなところや水路の中などに生えています。

薺 なずな

和名:ナズナ 学名:Capsella bursa-pastoris
アブラナ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
タグ:ナズナ

別名「ペンペングサ」は、ハート型の果実を三味線のバチにみたてたもの。

空地にも生えるような結構しぶとい雑草。

御形 ごぎょう

和名:ハハコグサ 学名:Gnaphalium affine
キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草
分布:北海道~沖縄
適地:人里の道端、田の畦
別名:おぎょう
タグ:ハハコグサ

植物っぽくないグニャグニャとした形と、綿毛に覆われて白っぽく見えるのが特徴。

棚田ではあまり多くない野草。

繁縷 はこべら

和名:コハコベ
学名:Stellaria media
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
タグ:コハコベ

外来種のミドリハコベがよく似ています。

茎が赤いのがコハコベ。緑はミドリハコベ。

仏の座 ほとけのざ

和名:コオニタビラコ 学名:Lapsana apogonoides
キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草
分布:本州~九州
適地:湿地を好む
タグ:コオニタビラコ

湿り気のあるところを好みますが、棚田ではあまり見かけません。

これは小さい葉が羽のように並んでいないので、コオニタビラコでないかもしれません。

菘 すずな

和名:カブ 学名:Brassica rapa var. rapa
アブラナ目 アブラナ科 アブラナ属
越年草
分布:アフガニスタン原産
適地:代表的な野菜
タグ:カブ

野菜のカブ。野生化はしていません。

葉の形からカブじゃないかと思いますが、自信はありません。

畑に植えられています。多くはありませんので自家用でしょう。

蘿蔔 すずしろ

和名:ダイコン 学名:Raphanus sativus var. longipinnatus
アブラナ目 アブラナ科 ダイコン属
越年草
分布:地中海原産
適地:代表的な野菜
タグ:ダイコン

ダイコン。野菜で野生化はしていません。

カブの隣りにありました。

こちらは葉の形からダイコンだと思います。

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
春の七種
植物いろいろ
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

アジサイ(紫陽花)の冬芽
Hydrangea macrophylla
var. macrophylla

ミズキ目
アジサイ科
アジサイ属
落葉低木
タグ:アジサイ

春が待ち遠しそうにふくらんできています。

クヌギエダイガフシ(椚枝毬五倍子)

クヌギ(櫟)Quercus acutissima
ブナ目 ブナ科 コナラ属
落葉高木
タグ:クヌギ

クヌギにできたこぶ。

植物は寄生した生き物を覆うようにコブを作ることがあります。

「虫嬰(ちゅうえい)」「虫こぶ」とよばれ、古くは「五倍子(ふし)」と呼ばれていました。

これはクヌギエダイガタマバチというハチが寄生しています。

なぜかクヌギのドングリにそっくり。

虫嬰・虫こぶは専門的な本などでは「ゴール(gall)」と書かれることがあります。
虫こぶを作らせる寄生生物は昆虫からダニ、線虫にカビにウイルスと様々。
それで「虫」という言葉は適切ではない、ということのようです。

ところが、「虫」の旧字体「蟲」は、人間よりずっと小さい動物全般を指し、昆虫はもちろんトカゲやミミズだって含みます。
さら「三尸の虫」のように、得体のしれない見えない寄生生物のようなものも含みます。
『蟲師』の「蟲」ですね。

ということで、虫こぶに「虫」の字を使うことはまったく問題ありません。
虫こぶの専門家の方にとって「虫」=「節足動物」なのかもしれませんが、さにあらず。
ということで、専門家ではありませんのでわかりやすい「虫嬰」「虫こぶ」を主に使っていきます。

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
植物いろいろ
隠花植物
植物界
シダ植物門 シダ綱

ヤマヤブソテツ(山藪蘇鉄)
Cyrtomium fortunei var. clivicola

ウラボシ目 オシダ科 ヤブソテツ属
常緑性

細かく切れ込んだ葉というシダのイメージを壊すシダ。

短剣のような先が尖った葉が並ぶシダ。

ヤブソテツの仲間はよく似たものが多いので、まちがっているかもしれません。

小さな葉の大きさや長さ、数、光沢の有無など色々なちがいがあります。

イノモトソウ(井の許草)Pteris multifida

ウラボシ目 イノモトソウ科 イノモトソウ属
常緑性

こちらも葉が切れ込まないシダ。

胞子ができる葉(胞子葉)と胞子ができない葉(栄養葉)があります。

上は胞子葉。

胞子は葉の裏、くるりと曲がった葉の縁にできます。

下の葉の縁がギザギザなのが栄養葉。

ノキシノブ(軒忍)Lepisorus thunbergianus

ウラボシ目 ウラボシ科 ノキシノブ属
常緑性
タグ:ノキシノブ

ただ細長いだけの葉のシダ。

家の軒に生えることが名前の由来。

でも、樹の幹や岩の上などいろんなところに生えます。

シダ植物門 シダ綱
植物界
コケ植物門 蘚綱

ネズミノオゴケ(鼠の尾蘚)Myuroclada maximowiczii

シトネゴケ目 アオギヌゴケ科 ネズミノオゴケ属

スギゴケのような蘚類のコケ。

小さな葉が茎にはりつくようになっていて、それがウロコに覆われたネズミの尾に見立てたことが由来といわれます。

葉を広げるほかの蘚類とはちょっとちがった雰囲気です。

コケ植物門 蘚綱
植物界
隠花植物

 冬だから植物はみんな枯れちゃう、ということはありません。
 根雪にならないところでは。
 さすがに目立つ花はありませんが、いろんな植物がしっかりちゃっかり生きています。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次
■参考外部リンク■

下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会


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真実の春の七種を見に行こう! 錦織公園の河内の里

 今日は春の七種の日。
 それは1月7日のこと?
 いやいや、それは偽り?の春の七種。
 今日こそ真実の春の七種。

 春の七種、または春の七草。
 七種類の植物を入れたおかゆ、七草粥を食べて一年の無病息災を願う行事。
 そのような形に落ち着いたのは江戸時代。
 そう。
 旧暦の時代の行事です。
 月の満ち欠けに合わせた旧暦の1月7日。
 2016年は2月14日になります。

 ということでやってきたのはおなじみの錦織公園。
 ここの河内の里では年末から年始にかけて春の七種が展示されています
 正月気分が抜ける頃には展示が終わってしまいます。
 ところが、じつは、河内の里には春の七種が生えていたのです!

芹 せり

和名:セリ
セリ目 セリ科 セリ属
多年草
分布:北海道~九州
適地:湿地や畦道
タグ:セリ

水気の多いところが好きな野草。

それどろこか、水路のような水が流れるところにも生えます。

水田雑草の一つですが、探すのは常に水があるような場所。
それかいつも湿っているような場所。

気に入ったところだと、どんどん成長していく雑草ですが、合わない場所だとすぐ弱ってしまいます。

今年はものすごく弱ってしまったので、探すのに苦労すると思います。

薺 なずな

和名:ナズナ
アブラナ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
田んぼの畦などにも生える水田雑草。
タグ:ナズナ

別名「ぺんぺんぐさ」。

ハート型の実が三味線のバチににていることが別名の由来。

道端にも生える雑草なので、乾燥した道端から畑のまわりまでいろんなところに生えます。

ロゼットはクシのように細かい葉がたくさん並びますが、茎に生える葉は、細長い葉で形がまったくちがいます。

もう花が咲いているのもあるので、ロゼットよりもハート型の実で探すほうが見つけやすいかもしれません。

御形 ごぎょう

和名:ハハコグサ
キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草
分布:北海道~沖縄
適地:人里の道端、田の畦
タグ:ハハコグサ

「おぎょう」とも読みます。

葉の表面に細かい毛が生えていて、白っぽく見えます。

これは葉っぱらしい形のロゼットになっていますが、ときにはキクラゲみたいな植物らしくない形になることもあります。

チチコグサやチチコグサモドキなどよく似たロゼットの植物があります。

下はチチコグサ。

ハハコグサよりも薄い感じで形が整っています。

錦織公園では圧倒的にチチコグサやチチコグサモドキのほうが多いので注意が必要です。

繁縷 はこべら

和名:コハコベ
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
タグ:コハコベ

茎が緑色は外来種のミドリハコベ、かもしれません。

メシベの先が5つに分かれていたらウシハコベ

地面を這うように茎を伸ばしますので、緑色のじゅうたんのように見えます。

田畑ではよく見かける雑草。

田んぼや畑で離れたところから緑の絨毯のように見えたら、ハコベかもしれません。

仏の座 ほとけのざ

和名:コオニタビラコ
キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草
分布:本州~九州
適地:湿地を好む
タグ:コオニタビラコ

「ホトケノザ」という和名の植物がありますが、そちらはシソ科の雑草で、違う種類。

湿り気があって日の当たる場所が好きな雑草。

田んぼのまわりでみかけます。

名前のようにロゼットも小さめ。

錦織公園では、河内の里以外にも日当たりのいい斜面の下の方で見かけることがあります。

赤いのは冬の寒さを凌ぐため糖分を増やしそれが赤い色素になったためです。

菘 すずな

和名:カブ
アブラナ目 アブラナ科 アブラナ属
越年草
分布:アフガニスタン原産
適地:代表的な野菜
タグ:カブ

外来種の野菜。

食用部分は胚軸。胚軸は、簡単に言うと根でも茎でもないところ。

野生化しているものは見たことがありません。

ということで、見かけるのは畑。

普通の田畑では、見かけることができないかもしれません。

蘿蔔 すずしろ

和名:ダイコン
アブラナ目 アブラナ科 ダイコン属
越年草
分布:地中海原産
適地:代表的な野菜
タグ:ダイコン

身近な野菜のダイコン。

カブと同じように外来種の野菜。

食用部分は胚軸と根の一部。このように見た目だけでなくカブとは明らかに違う種類。

こちらも野生化しているのは見かけません。

 すべて錦織公園の河内の里の里の家と園周辺の田畑にありました。
 カブとダイコン以外は勝手に生えたもの。
 河内の里の里の家と園周辺は、河内地方の農家をイメージしたものです。
 とはいえ、5種類の草は勝手に生えたようです。  昔の日本人の生活では、春の七種の7種類の植物は、身近なものだったのです。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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春のななくさは 七種類の草で無病息災

 今日、1月7日は七草粥の日。
 テレビではまるで呪文のように唱えています。

 お正月も一区切り。
 一年の普通の日々がはじまります。
 そんな日に7種類の植物を入れたおかゆを食べて、一年の無病息災を願います。

お正月モードの河内の里の里の家

 「七種(ななくさ)」とも「七草」とも書かれる7種類の植物は、次のように歌われます。

せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ
これぞななくさ

 錦織公園の河内の里では、毎年年末から年始にかけて春の七種が展示されています。

芹 せり

スーパーで売っている野菜ですが、雑草としても生えます。
水辺を好むので、田んぼの畦や水路などでみかけることがります。
タグ:セリ

薺 なずな

別名「ぺんぺんぐさ」。
ハート型の実が特徴。
道端にも生える雑草。
タグ:ナズナ

御形 ごぎょう(ハハコグサ)

「おぎょう」とも。
花弁のない花と短い毛が生えた葉が特徴。
タグ:ハハコグサ

繁縷 はこべら(コハコベ)

茎が緑色は外来種のミドリハコベ
メシベの先が5つに分かれていたらウシハコベ
タグ:コハコベ

仏の座 ほとけのざ(コオニタビラコ)

「ホトケノザ」という植物がありますが、そちらはシソ科の雑草で、普通食べません。
湿り気があって日の当たる場所が好きな雑草。
田んぼのまわりでみかけます。
タグ:コオニタビラコ

菘 すずな(カブ)

外来種の野菜。
自生はできないようで、見かけるのは畑の中。
タグ:カブ

蘿蔔 すずしろ(ダイコン)

身近な野菜のダイコン。
こちらも外来種の野菜で、野生化しているのは見かけません。
タグ:ダイコン

 七種のうち、4種類は雑草。
 1種類はスーパーで売っていますが、雑草としても見かけます。
 野菜は2種類だけ。
 たしかに縁起をかつぐための食べ物のようです。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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錦織公園で“本当に”春の七種さがし


 1月7日です。

 春の七種(ななくさ)です。



 「おや?」と思う人も少なくでしょう。

 なぜなら、今は2月下旬。



 そもそも春の七種は明治よりもずっと昔から1月7日の風習でした(一部地域を除く)。

 そう、本来は昔の暦(こよみ)、旧暦、太陰暦(たいいんれき)の1月7日なのです。

 太陰暦は月の動きに合わせた暦で、太陽暦と比べると毎年ずれが生じます。

 そのため1月1日は、二十四節気の雨水(うすい)直前の新月の日と決められています。

 2015年は2月19日が旧正月。

 そして2月25日が1月7日になります。



 ということで、旧正月前の錦織公園(にしこおりこうえん)の河内(かわち)の里に春の七種を探しに行きました。

 里山を残した大きな公園に中にある河内地方の農家を模したエリアです。

 毎年年末年始には春の七種が展示されていますが、さすがに旧正月までは置かれていません。

 ここには擬似的な田畑が作られていますので、「田畑の雑草」と言われる春の七種もあるかもしれません。



芹(せり)
和名:セリ(芹)
セリ目 セリ科 セリ属
多年草 丈.20-50cm 冬.常緑
分布:北海道~九州
適地:湿地や畦道
水分の多い土壌や水の流れがゆるやかな浅瀬などを好む水田雑草。
タグ:セリ
野菜でもありますが、水辺の雑草。

周囲に田んぼがあるため池は多いのですが、安全確保のために近寄れません。

そんな中で水辺に近寄れる場所の一つが河内の里。

でも、セリが生えているのは田んぼの角。

ここにはオモダカも生えていますので、意図的に生やしているのかもしれません。

薺(なずな)
和名:ナズナ(薺)
アブラナ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草 丈.10-50cm 冬.ロゼット
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
田んぼの畦などにも生える水田雑草。
タグ:ナズナ
乾燥気味のところでも生えるありきたりの雑草なのですが、よく手入れされている錦織公園ではあまり多くありません。

丈が高いため簡単に刈られてしまうのでしょうか。

この日は花を咲かせているのはもちろん、ロゼットも見つかりませんでした。

右の画像はお正月展示のナズナです。
御形(ごぎょう)
和名:ハハコグサ(母子草)
キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草 丈.10-30cm 冬.ロゼット
分布:北海道~沖縄
適地:人里の道端、田の畦
全体が綿毛に覆われ白っぽく見える。
タグ:ハハコグサ
ナズナ同様乾燥気味のところでもよく生える雑草。

河内の里でもよく見かけます。

越年草ですので、去年芽を出して、ロゼット状態で暖かくなるのを待っているのでしょう。

繁縷(はこべら)
和名:コハコベ(小繁縷)
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草 丈.10-20cm 冬.常緑
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
花柱3個,雄蕊1~7本。
タグ:コハコベ
これもありふれた雑草です。

地面を這うように成長するので草刈りから逃れやすいのでしょうか、よく見かけます。

仏の座(ほとけのざ)
和名:コオニタビラコ(小鬼田平子)
キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草 丈.5-25cm 冬.ロゼット
分布:本州~九州
適地:湿地を好む
水田雑草。
タグ:コオニタビラコ
水田雑草ということで、公園ではなかなか見かけません。

右の画像はナズナと同じようにお正月展示のものです。
下の画像は河内の里でみつけたもの。

一見コオニタビラコのようですが、大きいのでヤブタビラコではないかと思います。
菘(すずな)
和名:カブ(蕪)
アブラナ目 アブラナ科 アブラナ属
越年草 丈.20-60cm 冬.ロゼット
分布:アフガニスタン原産
適地:代表的な野菜
食用部分は胚軸。
タグ:カブ
これは雑草ではなく野菜です。

外来種で野生化はしていないようですので、カブ畑以外では見つからないでしょう。

ところが冬野菜として河内の里の畑では毎年育てられていますので、見ることができました。

蘿蔔(すずしろ)
和名:ダイコン(大根)
アブラナ目 アブラナ科 ダイコン属
越年草 丈.50-100cm 冬.ロゼット
分布:地中海原産
適地:代表的な野菜
食用部分は胚軸と根の一部。
タグ:ダイコン
こちらも外来種の野菜です。

一部には野生種があるようですが、普通はみかけません。

こちらも冬野菜として畑で栽培されているので、見ることができました。




 ということで、7種類揃えることはできませんでした。

 でも、ここの田畑は擬似的な小さなもの。

 普通の田畑だったら、カブとダイコン以外はきっと見つかったことでしょう。

 機会があれば、探してみたいと思います。

 でも、むやみに田畑に入ることはお勧めできることではありませんので、機会はいつやってくるか……



タグ♦ 春の七種 錦織公園

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園


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錦織公園で春の七種さがし


 1月7日。

 人日(じんじつ)の節句(せっく)。

 七草粥(ななくさがゆ)の日。

 この日に7種類の野菜・山菜のはいったおかゆを食べると、無病息災になるといわれる伝統的な習慣です。

 発祥は古代の中国ですが、今のような形になったのは江戸時代の日本と言われています。



 ということで、毎年恒例になっている大阪の南河内地方にある府営の錦織公園の河内の里に行ってきました。

 ここでは年末から年始にかけての間だけ、春の七種を展示しています。




錦織公園の河内の里の里の家の前に並ぶ春の七種




 春の七種を覚える言葉があります。

 まずはそれから。



  せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ 

  これぞななくさ



和名:セリ(芹)
セリ目 セリ科 セリ属
多年草 丈.20-50cm 冬.常緑
分布:北海道~九州
適地:湿地や畦道
水分の多い土壌や水の流れがゆるやかな浅瀬などを好む水田雑草。
道端のような乾燥気味のところには生えませんが、田んぼの用水路のようなところに生えていたりします。
近くに田んぼがあったら、探してみてください。
生えているかもしれません。

和名:ナズナ(薺)
アブラナ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草 丈.10-50cm 冬.ロゼット
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
田んぼの畦などにも生える水田雑草。
道端や畑にも生える。
根出葉は頭大羽状鋸歯。

空き地のようなちょっと乾燥気味のところにも生えます。
住宅街の空き地や公園の草地など探してみると、生えているかもしれません。

和名:ハハコグサ(母子草)
キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草 丈.10-30cm 冬.ロゼット
分布:北海道~沖縄
適地:人里の道端、田の畦
全体が綿毛に覆われ白っぽく見える。
果実には冠毛があり風で舞う。
多くは晩春から初夏に咲くが秋に咲くものもある。
街路樹の根本など乾燥気味のところにも生えます。
人間の生活圏によく生える雑草です。

和名:コハコベ(小繁縷)
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草 丈.10-20cm 冬.常緑
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
5枚の花弁は深く切れ込み10枚のように見える。
花柱3個,雄蕊1~7本。
史前帰化植物?
ツル植物のように地面を這うように広がります。
田んぼや畑などを好むようです。

和名:コオニタビラコ(小鬼田平子)
キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草 丈.5-25cm 冬.ロゼット
分布:本州~九州
適地:湿地を好む
水田雑草。
ロゼットを仏像の台座に見立てたのが由来といわれる。
キク科に似たような種類が多いので、春の七種のなかでは見つけるのが難しいほうかもしれません。

和名:カブ(蕪)
アブラナ目 アブラナ科 アブラナ属
越年草 丈.20-60cm 冬.ロゼット
分布:アフガニスタン原産
適地:代表的な野菜
ロゼット状態のまま茎は大きく成長しない。
食用部分は胚軸。
花はアブラナに似る。
日本の気候風土に合わないのか、それとも花が咲く前に収穫してしまうためか、野生化しているのはみかけません。
ということで、畑にしかないでしょう。

和名:ダイコン(大根)
アブラナ目 アブラナ科 ダイコン属
越年草 丈.50-100cm 冬.ロゼット
分布:地中海原産
適地:代表的な野菜
通常は栽培のため花期がずれることもある。
ロゼット状態のまま茎は大きく成長しない。
食用部分は胚軸と根の一部。
こちらも野生化している話は聞きません。
畑以外で野生化しているダイコンがあったら、きっと最近まで畑だったところにちがいありません?




 分布を見ればわかるように7種中5種類は雑草。
 2種類は野菜。

 ちょっと違和感がある組み合わせですが、伝統的な習慣のものですから、「そういうもの」なのでしょう。

 「すずな」「すずしろ」は江戸時代以前の室町時代の文献に見られるようなので、カブもダイコンもかなり早い時期に日本に入ってきていたようです。



 錦織公園の春の七草の展示はこの時期に限ってのことなので、タイミングがずれるともうおいてないかもしれません。

 でも、里の家の周りをじっくり探してみると、自生しているもの、栽培されているものがきっとみつかるでしょう。



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錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園


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春の七種は食べるだけじゃなくて探してみるのもおもしろいかも


 1月7日は七草粥の日。

 正しくは「七種(ななくさ)の節句(せっく)」。

 七草粥(ななくさがゆ)を食べて無病息災(病気も災いもないこと)を願います。



 七種、七種類の草はこのように歌われています。


「芹(せり)、薺(なづな)、御行(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)、これぞ七種(ななくさ)」


 もしかしたら全部聞いたことがない植物かもしれません。

 ということで確認するため、この時期には七種を展示している大阪の錦織公園(にしこおりこうえん)の河内の里に行ってみました。



お正月モードの錦織公園の河内の里
お正月モードの錦織公園の河内の里




 河内の里の里の家に通じる小さな橋の上に7つのプランターが並べら、それぞれに七種が1種類づつ植えられています。



和名:セリ(芹)
セリ目 セリ科 セリ属
多年草

芹(せり)
水辺を好みます。
河内の里の田んぼや錦織公園の近くの田圃にも生えています。


和名:ナズナ(薺)
フウチョウソウ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草

薺(なずな) 薺(なずな)
実の形が三味線のバチに似ていることから「ペンペングサ」と呼ばれるようになった、といわれています。
空き地や畑の畦などによく生える草です。
実ができていればわかりやすいと思います。


和名:ハハコグサ(母子草)
キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草

御形(ごぎょう)
葉には短く白い毛が生えていて、白っぽく見えます。
春には舌状花がない小さくて黄色い花を咲かせます。


和名:ハコベ(繁縷)
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草

繁縷(はこべら)
普通の雑草ですが、コハコベなど他のハコベ属の種類とよく似ています。


和名:コオニタビラコ(小鬼田平子)
キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草

仏の座(ほとけのざ)
ロゼット状のときは、タンポポなどほかのキク科とよく似ています。

和名が「ホトケノザ」という植物がありますが、そちらはシソ科。
春の七草の「仏の座」とはちがいます。


和名:カブ(蕪)
フウチョウソウ目 アブラナ科 アブラナ属
一年草・越年草

菘(すずな)
古くから野菜として食べられていましたが、中国から伝わった外来種と考えられています。
野生化はしていないようでうですので、意外と弱いのでしょうか。


和名:ダイコン(大根)
フウチョウソウ目 アブラナ科 ダイコン属
一年草・二年草

蘿蔔(すずしろ)
古くから食べられていますが、こちらも外来種。
野生種が見られないのはカブと同じ。
昔から食べられているようですので、野菜化が著しくて自然に生きる力が弱くなっているのかもしれません。




 ということで、セリ、カブ、ダイコン以外は今では雑草としても生える植物。
 いや、セリも水辺で見かける雑草のひとつ。

 逆に雑草で見かけないのはカブとダイコンだけ。

 近所に畑や田圃があったらのぞいてみると、カブとダイコン以外の五草と出会えるかもしれません。



 ところで、春の七種を食べる1月7日は本当は旧暦。

 2014年は2月6日。

 まだ一ヶ月先です。



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