【 恐竜の卵】

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「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」足の指を見ていると鳥も恐竜も同じ!(やっぱり鳥も恐竜?)〈大阪市立自然史博物館〉

 大阪市立自然史博物館の「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」展。
 恐竜の卵を一度にたくさん見られる貴重な機会ですが、恐竜展なのに鳥の骨格標本が多いのが特徴。
 4種類の鳥がいます。
 そのすべてが古いタイプの鳥とされる古顎類というのも、おもしろいところ。


 それで、今回は卵ではなく、足を比べて見ました。
 特に、足の指、鳥の場合は趾(あしゆび)と言います。
 言うまでもなく、鳥は恐竜から進化した、というか恐竜の形態の一つが鳥と言えるでしょう。
 ということで、鳥の趾の分類を恐竜に当てはめてみました。

 鳥の趾の分類は『鳥の足型・足跡ハンドブック』小宮輝之・杉田平三 著 文一総合出版を参考にしました。

鳥の足型・足跡ハンドブック

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鳥の趾型
趾の数 趾の向き 名前 鳥の種類
3本趾 前3本 三趾足 主に地上に棲む鳥
4本趾 前3本後1本 三前趾足 多くの鳥
前の趾の一部が癒着 合趾足 ブッポウソウ目
前4本 皆前趾足 アマツバメ類
前2本後2本 対趾足 カッコウ類,インコ類
第4趾が前~後に可変 可変対趾足 フクロウ類,ミサゴ
第4趾が横~後に可変 外対趾足 キツツキ類

 次に全身骨格標本が展示されている鳥と恐竜の足跡を想像して分類しました。
 もちろん、恐竜と鳥の趾は同じでないものもあります。
 そのようなものは、鳥の呼び方を参考にして、独自に名前をつけました。
 分類の最後の番号は、展示されている進化分岐パネルの今の鳥から近い順番です。


二趾型三趾足(仮)

三趾型だが地面をつかむのは2本で1本は上を向く

シノベナートル・チャンギイ

竜盤類 獣脚類 トロオドン類 2
白亜紀後期

鳥によくある三趾足の変形ですが、現在の復元では歩くのに使われるのは2本の趾だったようです。

トロオドン・フォルモス

竜盤類 獣脚類 トロオドン類 2
白亜紀後期

三趾足

3本の趾全部が前を向く

エミュー

古顎類 0
現代

古顎類は地上で生活する飛べない鳥なので、多くが三趾足。
中にはダチョウのように2本趾のものもいます。

ヒクイドリ

古顎類 0
現代

エピオルニス

古顎類 0
第四紀

太くて短い指は、まるで獣脚類の恐竜のようです。

オビラプトロサウルス類

竜盤類 獣脚類 オビラプトロサウルス類 4
白亜紀後期

第二指が退化しつつあるようです。

プロバクトロサウルス・ゴビエンシス

鳥盤類 ハドロサウルス類 12
白亜紀前期

鳥から一番遠いはずの鳥盤類ですが、趾は鳥のようです。

三趾型四趾足(仮)

三趾型だが第1趾は消失していない

ブラウンキーウイ

古顎類 0
現代

エミューなどとちがいまだ大きい第1趾が残っています。

アジャンキンゲニア・ヤンシニ

竜盤類 竜脚類 オビラプトロサウルス類 4
白亜紀後期

トルヴォサウルス・タネリ

竜盤類 獣脚類 メガロサウルス類 8
ジュラ紀後期

皆前趾型五趾足(仮)

4本の趾が前を向き、退化した趾が1本ある

テリジノサウルス類

竜盤類 獣脚類 テリジノサウルス類 5
白亜紀後期

まだ趾が5本あった頃の面影を残しています。

エウヘロプス・ツダンスキイ(後肢)

竜盤類 竜脚類 ティタノサウルス類 9
白亜紀前期

もはや別の生き物と思ってしまうほど趾の形がちがっています。

四前側趾足(仮)

4本の趾が前の方を向き、1本が横を向く

エウヘロプス・ツダンスキイ(前肢)

竜盤類 竜脚類 ティタノサウルス類 9
白亜紀前期

前の趾がどんどん退化していく恐竜の中で、趾が5本残っています。
体重を支えるために指がたくさん必要だったのでしょうか。

 そして表にまとめてみました。

恐竜の趾型
足痕の趾の数 趾の向き 名前 種類
2本趾(4本) 前2本
(上1本・小1本)
二趾型三趾足 トロオドン類
3本趾 前3本 三趾足 古顎類(現生鳥類)
オビラプトロサウルス類
ハドロサウルス類
3本趾(4本) 前3本(+1本) 三趾型四趾足 古顎類(現生鳥類)
オビラプトロサウルス類
4本趾(5本) 前4本(+1本) 皆前趾型五趾足 テリジノサウルス類
ティタノサウルス類
5本指(前肢) 前4本横1本 四前側趾足 ティタノサウルス類

 いろいろな恐竜と趾の骨で比べてみると、鳥と恐竜の区別はないように思えます。
 動物の進化では、一度失ったものは簡単には元に戻らないというルールがあります。
 そう考えると、鳥は恐竜の趾がまだ4本あった頃に誕生し、枝をつかみやすいように第1趾(親指)が後ろを向くように進化したのでしょう。
 恐竜絶滅後、地上に降りた鳥たちは、ティラノサウルスのように3本趾になった。
 というか、地上を歩いたり走ったりするには、後ろ向きの趾は必要ないということなのでしょう。
 確かに鳥になって枝にとまるようになるまでは、趾はみんな同じ方向を向いていました。

 大阪の恐竜の卵展を見られるのはあとわずか。
 めったに見られない恐竜の卵や巣の化石はもちろん、恐竜や鳥の足ちがいを観察してみるのもおもしろいかもしれません。

■参考外部リンク■
特別展「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」‐ 大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館

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タグ: 恐竜の卵dino-eggsシノベナートルオビラプトロサウルスプロバクトロサウルスブラウンキーウイアジャンキンゲニア恐竜大阪市立自然史博物館

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「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」恐竜の卵を産んだ場所がわかるかも!(恐竜が棲んでいた環境も?)〈大阪市立自然史博物館〉

 大阪市立自然史博物館の「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」展。
 恐竜の卵を一度にたくさん見られる貴重な機会。


 そこで、名古屋大学と北海道大学が発表した『「恐竜が卵を暖める方法」を解明!』をもとに、卵の化石がどんな岩に入っているのか、見てみました。
 恐竜の巣の化石(卵がいっぱいまとまって見つかった化石)がどんな岩から見つかるかで、恐竜がどんなところに巣を作ったのがわかり、さらに恐竜の卵の温め方もわかるのです。
 岩の種類は泥が固まった泥岩(でいがん)と砂が固まった砂岩(さがん)。
 砂岩は太陽熱や地熱で卵を温める恐竜。
 泥岩は植物の発酵熱で卵を温める恐竜。
 砂岩と泥岩の両方から見つかるのは、卵を大人が温める恐竜。


 ところが。
 展示されている化石には岩の種類は書かれていません。
 さらに、地質のド素人なので、見ただけでは泥岩か砂岩かわかりません。
 定義としては砂岩は固まっている粒の大きさが0.06~2ミリまで。
 泥岩は0.06ミリ以下、そして2ミリ以上が礫岩(れきがん)。
 しかし、展示物はケースの中でものさしを当てて測ることはできません。

 ということで、画像を見てつるつるっぽいのを泥岩風。
 ざらざらっぽいのを砂岩風。
 ざらざらのところどころに形がわかるつぶが混じっているのを砂礫岩風としました。

 それを卵化石の分類ごとに並べました。
 恐竜の卵の化石は、多くの場合どの恐竜の卵かわかりません。
 それで形や大きさ、呼吸のための気孔など殻の構造、そのほかいろいろな卵の特徴で分類されています。
 研究の結果、どの恐竜の卵かわかってきているものもあります。
 細かい説明や具体的な説明は、是非会場で。

気孔がやや少ない

スフェロウーリトゥス(球形の卵石)卵科

ハドロサウルス類
砂岩風
砂礫岩風

エロンガトウーリトゥス(長形の卵石)卵科

オヴィラプトロサウルス類
砂岩風
砂礫岩風

気孔が多い

ファヴェオロウーリトゥス(蜂の巣状の卵石)卵科

竜脚類?
ティタノサウルス形類?
砂礫岩風

ディクティオウーリトゥス(網状の卵石)卵科

メガロサウルス類?
原始的獣脚類?
砂礫岩風

デンドロウーリトゥス(樹状の卵石)卵科

メガロサウルス類 テリジノサウルス類
砂岩風

 どれもあまりつぶは目立たずざらっとした感じに見えます。
 ということは、砂岩でしょうか。
 素人が見分けることは難しそうです。

 砂岩だとすると、恐竜たちが卵を産んだのは陸地のちょっと乾燥したところかもしれません。
 草食動物にとっては、食べ物が少ない場所のように思いますが、展示されている化石は白亜紀のものばかり。
 後期には現在普通に見かける被子植物はすでに多様化していましたが、現在ほどあたりまえではなかったでしょう。
 今とちがって森林のまわりでも、乾燥気味の地面が見える場所が多かったのかもしれません。

 恐竜の卵の化石からもいろんなことが想像できます。

■参考外部リンク■
特別展「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」‐ 大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館

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タグ: 恐竜の卵dino-eggsスフェロウーリトゥス卵科エロンガトウーリトゥス卵科ファヴェオロウーリトゥス卵科ディクティオウーリトゥス卵科デンドロウーリトゥス卵科恐竜大阪市立自然史博物館

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「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」恐竜の卵の温め方がわかるかも!(卵の模様もわかるかも?)〈大阪市立自然史博物館〉

 大阪市立自然史博物館の「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」展。
 自然史博物館で卵というと、思い出すのが2015年夏の特別展「たまごとたね」。
 「たまごとたね」展では、もちろん恐竜の卵の化石も展示されていましたが、今、生きている動植物が中心。
 ということで、恐竜に近い鳥の卵について。

会場までまだ450mあります

 と、その前に鳥と恐竜の関係を。
 恐竜に興味のある人にとっては説明の必要はないことですが。

 結論を言えば、鳥は恐竜です。
 少し細かく言えば、飛ぶように進化して現代まで生き残ることができた恐竜。
 ですから、鳥と恐竜の骨には共通する部分がいくつもあります。
 ただ、鳥は飛ぶために特殊化してしまったので、なんでも恐竜と同じと思わないよう、ちょっと注意が必要です。

骨になると一層恐竜っぽくなる巨鳥のエピオニルスの一種

 と、前置きはここまで。
 鳥の卵というと、ニワトリの卵を思い出す人が多いと思います。
 多くの人にとって、もっとも身近な鳥の卵でしょう。
 ところが、鳥の卵は必ずしもニワトリの卵と同じというわけではないのです。

鳥の卵っぽいベニイロフラミンゴと
ちょととんがったキングペンギンの卵

 ニワトリの卵が「タマゴ型」なのは理由があります。
 タマゴが転がっても、遠くへ行くことはなく、尖ったほうを中心にくるりと円形に転がりもとに戻ります。
 そうすれば、タマゴがころがっても巣から離れていくことはありません。
 という説があります。

 親が巣から離れることがあるような鳥は、模様が保護色のようになり、目立ちにくくなります。

砂利の中で目立たない保護色のコチドリの卵
(たまごとたね展での展示※恐竜の卵展では展示されていません)

 常に親が温めているような鳥や、カワセミのように穴の奥の外から見えない暗いところのタマゴは白いものが多くなります。
 さらにカワセミのタマゴは丸い形をしていて、これも穴の奥の方にあるので転がる心配をしなくていいから、と言う説があります。

穴の奥に産むので白くて丸いカワセミとヤマセミの卵
(たまごとたね展での展示※恐竜の卵展では展示されていません)

 そして大阪の「恐竜の卵展」の始まりに合わせるように、名古屋大学と北海道大学から恐竜の卵の研究についての発表がありましした。
 プレスリリース(報道発表)のタイトルは『「恐竜が卵を暖める方法」を解明!』。
 恐竜の巣の化石(卵がいっぱいまとまって見つかった化石)がどんな岩から見つかるかで、恐竜がどんなところに巣を作ったのがわかります。
 それと同時に、恐竜の卵の温め方もわかるのです。

■参考外部リンク■
「恐竜が卵を温める方法」を解明!*PDFファイル(北海道大学)
「恐竜が卵を温める方法」を解明!*PDFファイル(名古屋大学)

 プレスリリースを参考にして巣が見つかった岩と卵の温め方をまとめてみました。

巣が見つかった岩 産卵した所 温め方 恐竜の種類
砂岩
(砂が固まった岩)
砂に産卵 太陽熱や地熱 竜脚形類恐竜
古土壌質泥岩
(古い土が固まった岩)
土に産卵 植物の発酵熱 カモノハシ竜
砂岩と泥岩両方 砂にも土にも産卵 抱卵 オヴィラプトロサウルス類,
トロオドン科
竜脚形類のティタノサウルス形類の巣の化石


カモノハシ竜のハドロサウルス類の巣の化石


トロオドン類の卵の化石
ただし巣の下側をひっくり返して上にしているので
肝心の卵を埋めていたところはなくなっている可能性あります


オヴィラプトロサウルス類の巣の化石


 オヴィラプトロサウルス類やトロオドン科は泥岩も砂岩も半々の割合で見つかるので、土や砂を特に選んでなかったと考えられます。
 おもしろいのは、砂ばかり利用していた恐竜の巣は中緯度くらいまでの暖かい場所から見つかるのに対して、土ばかり選んでいた恐竜の巣は冬に寒くなる高緯度まで見つかります。
 そして砂も土も選んでいた恐竜も高緯度まで見つかります。
 太陽の光が弱く卵を温められない高緯度でも砂を使ったのは、恐竜が温めた、抱卵したからと考えられます。
 プレスリリースでは書かれていないのですが、涼しいところで卵を体で暖めるというのは、つまりその恐竜は内温性(恒温動物)ということを示唆しているように感じます。

卵を守る?温める?トロオドンの生体復元模型

 プレスリリースにはほかにも恐竜が寒い極地で越冬した可能性が書かれていました。
 いくら今より暖かかったと言っても、冬は日差しが極端に弱く、また日照時間も極端に短くなるので植物は成長が遅く、場合によっては休止するかもしれません。
 そういった状況で体が大きく大飯食らいの草食恐竜の命を支えることができたのか、とても興味があります。
 冬鳥と同じように暖かい夏に恐竜が少ない極地で子供を育て、冬には暖かく植物が多い中緯度地域へ移動した可能性もあるのでは、と思います。

 「恐竜の卵展」では、竜脚形類もカモノハシ竜もオヴィラプトロサウルス類もトロオドン科も、みんな卵や巣の化石が展示されています。
 そういった巣の化石を見ながら、卵の温め方や模様などを想像してみるのもおもしろいかもしれません。

■参考外部リンク■
特別展「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」‐ 大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館

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タグ: 恐竜の卵dino-eggsティタノサウルス形類ハドロサウルス類トロオドン類オヴィラプトロサウルス類トロオドン恐竜大阪市立自然史博物館

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「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」大きな恐竜もいろいろいるぞ!(卵もいっしょに)〈大阪市立自然史博物館〉

 タイトルのように恐竜の卵が、ほかでは見られないほどたくさん並んでいます。
 普通、恐竜展と言えば、大きな口と牙の肉食恐竜や、おっきな体に長い首の巨大恐竜の復元骨格が見どころで、特徴。
 ところが、今回は卵。
 確かにニワトリの卵よりはかなり大きいですが、もちろん見上げるような大きさはありません。
 ちょっと残念な恐竜展?

矢印のように右へ700m行きましょう

 いえいえ。
 ご安心ください。
 今回も大きな恐竜がいます!
 それも卵つきで!!

トルヴォサウルス・タネリ
分類:獣脚亜目 メガロサウルス上科 メガロサウルス科
時代:ジュラ紀後期(1億6350万年前~1億4500万年前)
産地:アメリカ コロラド州
全長:9~10m
ジュラ紀最大級の肉食恐竜
トルヴォサウルスの胚と巣
分類:獣脚亜目 メガロサウルス上科 メガロサウルス科
時代:ジュラ紀後期(1億6350万年前~1億4500万年前)
産地:ポルトガル リスボン県
エウヘロプス・ツダンスキィ
分類:竜脚亜目 ティタノサウルス形類
時代:白亜紀前期(1億4500万年前~1億50万年前)
産地:中国 山東省
全長:10m
ファヴェオロウーリトゥス卵科の一種
時代:白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前)
産地:中国 河南省
ティタノサウルス形類の卵?
テリジノサウルス類
分類:獣脚亜目 テリジノサウルス上科 テリジノサウルス科
時代:白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前)
産地:中国 浙江省 台州市
デンドロウーリトゥス卵科の一種
時代:白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前)
産地;中国 浙江省 台州市
メガロサウルス類かテリジノサウルス類の卵?
トロオドン・フォルモススとトロオドンの巣
分類:獣脚亜目 トロオドン科
時代:白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前)
産地:アメリカ モンタナ州 ティートン郡
プロバクトロサウルス・ゴビエンシス
分類:鳥脚亜目 ハドロサウルス上科
時代:白亜紀前期(1億4500万年前~1億50万年前)
産地:中国 内モンゴル自治区
パラスフェロウーリトゥス卵科の一種
分類:スフェロウーリトゥス卵科
時代:白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前)
産地:中国 浙江省 紹興市
ハドロサウルス類の卵?
エピオルニスの一種と卵
分類:エピオルニス目
時代:第四紀(258万年前~現在)
産地:マダガスカル
推定体重500kg
恐竜ではありません
最大級の飛べない鳥

 恐竜とその卵の化石。
 ちょっと注意が必要です。
 なぜなら、卵の化石が見つかっても、それがどの恐竜のものかは多くの場合、わかりません。
 卵の中に恐竜の赤ちゃんがあった場合や、恐竜の体内から見つかった場合は、種類がわかることもあります。
 しかし、多くは卵だけが見つかります。

 たとえば、卵の化石の上に恐竜の化石があったとしても、必ずしも卵を守っていたとは限りません。
 卵を食べようとしていたかもしれませんし、全く関係なく行き倒れになったのかもしれません。
 それどころか、他で死んだ恐竜の遺体が川の氾濫で流されてきてたまたま上に乗っただけかもしれません。
 ですから、恐竜の卵展でも同じ仲間のものと思われる卵の化石が並べられていることもあります。
 なかなか、化石の世界は難しいのです。

 それでも、卵とその親かもしれない恐竜がいっしょに、しかもいくつも並ぶ機会は、めったにないことだと思います。
 ほんと、すごい!

■参考外部リンク■
特別展「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」‐ 大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館

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「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」巨大な恐竜も最初は卵だった!(結構おっきいけど)〈大阪市立自然史博物館〉

 「恐竜の卵」。
 副題は「恐竜誕生に秘められた謎」
 タイトルのように恐竜の卵がこれでもか! と展示。
 これだけ恐竜の卵がまとまって見られる機会は、ほかにない! とも言われます。
 恐竜展というと、大人の恐竜のでっかい復元骨格がやたらを並ぶのが定番のイメージですが、今回は卵。
 もちろん、大人の恐竜もありますが、とにかく卵。
 卵とその誕生から、恐竜の大繁栄の秘密を探るのです。

おなじみ長居公園南西入口の大看板

 恐竜というと爬虫類。
 そして鳥の先祖。
 というか、今では鳥は恐竜に含まれるということは、有名になってきました。
 ということで、会場では鳥や爬虫類の卵も展示され、恐竜と比べることができます。

ヒクイドリとエミューの卵

 卵の化石も、割れた殻のかけらが展示されているのではなく、ほとんどが卵の形が残り、見つかった状態のもの。
 いくつもの卵が集まったまま化石になったやつです。
 つまり、恐竜は卵をまとめて産んだということで、巣があったのです。
 もっとも、産みっぱなしの恐竜もいたようなので、「巣」と言っていいのかちょっと不安です。
 でも、覆いかぶさって卵を守っていたと思える恐竜もいるので、「巣」と言っていいでしょう。
 地面の上に巣をつくる鳥と同じです。
 「鳥は恐竜」というのも、納得できます。

産みっぱなし型?の卵 デンドロウーリトゥス卵科の一種

 でも、大きさといい形といい、到底鳥とは思えないものばかり。
 今いる爬虫類でもいろいろな卵の殻の仕組みがあり、鳥も独自の特徴があります。
 もちろん恐竜もいろいろな卵があり、形も産み方もさまざま。
 単純に「恐竜」ってひとくくりにはできそうにありません。
 それに鳥も言われているほど恐竜ではないような気もしてきます。
 恐竜にはいろいろな型があるということなのでしょう。

きっちり型の卵 エロンガトウーリトゥス卵科の一種

 と、卵だけしないような感じがしてきますが、ちゃんと肉食恐竜やでっかい恐竜もいます。
 卵の中の赤ちゃん恐竜、卵を持った恐竜や翼竜もいます。
 ほかの恐竜展では見られないようなものがいっぱい。
 日本初公開もあり、実物化石もたくさん!

肉食恐竜のトルヴォサウルス・タネリ

体が大きい竜脚類のエウヘロプス・ツダンスキィ

オヴィラプトロサウルス類の胚 つまり卵の中の赤ちゃん恐竜

体内に卵を含むオヴィラプトロサウルス類 お腹の黒いのが卵

翼竜ダーウィノプテルス・モデュラリスのメス 赤い矢印の先が卵

卵を守る? トロオドン生態復元模型

 そして忘れてはいけないのが、卵の分類。
 言うまでもないことですが、卵だけではどの恐竜かわかりません。
 というか、恐竜かどうかもわかりません。
 そこで、卵化石も形や大きさ、殻の仕組みなどから分類されています。
 会場のはじめの方にあるので、見ておくと卵の見え方も変わってくるかもしれません。

様々な卵化石 丸いのや細長いの 大きいのや小さいの

 巨大な恐竜も最初は卵だった。
 「恐竜の卵」ではリアルな生き物、恐竜を体感できます!

■参考外部リンク■
特別展「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」‐ 大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館

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「発掘!モンゴル恐竜化石展」大阪名物と思ったら……恐竜のたまご



 モンゴルの恐竜化石の実物がいっぱい展示されている「発掘! モンゴル恐竜化石展」。



3月までの旧展示の会場入口看板
3月までの旧展示の会場入口看板




 会場入口だけでなくチラシがいつの間にかリニューアル。

 裏面を見ると……

 「大阪名物、たこ焼き?」??



展示されている「大阪名物、たこ焼き?」
展示されている「大阪名物、たこ焼き?」




 化石展が開かれている大阪に合わせてモンゴル恐竜型のたこ焼きでも作ったのでしょうか?!

 チラシの写真では恐竜型をしていませんが、たしかにココアパウダーをまぶしたたこ焼きのようです。

 本当にたこ焼き!?

 と思いながらも、すでに実物を見ていますから、これがなにか知っています。



 なんとたこ焼きのように見えたのは、恐竜の卵の化石でした。

 それがたこ焼きのように丸い形のまま固まって化石になったものが展示されているのです。



エクレア風の? 細長い獣脚類の卵
エクレア風の? 細長い獣脚類の卵




 この卵はまるのですがほかにも長細いものなどいろいろ展示されています。

 10メートルをこえる大きさにまで成長する恐竜ですから、卵も人間くらいの大きさ……と想像していましますが、ここにあるのはせいぜいソフトボールよりもちょっと大きいかな、というくらい。

 意外にも小さい卵です。

 ただ、どの恐竜の卵かはっきりとわからないものも多いので、小さな恐竜の卵、という可能性もありますが。



オブラプトルの仲間の胎児の骨も残っている卵の殻
オブラプトルの仲間の胎児の骨も残っている卵の殻
長い骨は足の骨




 ただ、大きくても数十センチ。1メートルをこえるような大きな卵は見つかっていないようですので、小さく生まれて大きく育つのが、恐竜の特徴なのでしょう。

 ほかにも卵の中に残っていた孵化する前の赤ちゃんの化石や、あかちゃん恐竜も展示さているので、小さな卵から生まれた恐竜が大きく育っていく様子も想像できる「発掘! モンゴル恐竜化石展」。

 いつの間にか残り一ヶ月余りになってしまいました。



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タグ: 恐竜の卵発掘!モンゴル恐竜化石展大阪市立自然史博物館恐竜

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