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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

今年は櫓になってない櫓茸

 梅雨もキノコのシーズン。

 里山を模した錦織公園にも色々なキノコが。
 その中でもちょっと変わったキノコ。
 ヤグラタケ。
 キノコは普通、土の上か木の上にできます。
 でも、このキノコはどちらにもできません。

 できるのは、キノコの上。
 キノコから生える、キノコ。
 キノコの2階建て。
 その姿が名前の由来。

去年のおなじところのヤグラタケ
ヤグラタケ

 ところが。
 今年はちょっと変なヤグラタケが。
 キノコの横から生えています。
 もはや櫓ではありません。
 なぜでしょう?

いつもと同じ櫓のようですが

 ところで、この場所は毎年ヤグラタケが見られる場所。
 キノコはいきなり現れ、数日から数週間でくさって崩れたり、小さな動物に食べられたり、乾燥したりしてなくなります。
 でも、キノコの本体は木や土の中に残っています。
 キノコは、植物でいうと花や実のこと。
 本体は別。

横から生えていました

 ということは、土台となるベニタケ科のキノコ(宿主)と同時に、ヤグラタケの本体もいっしょにいる?
 ヤグラタケの胞子が毎年ベニタケ科のキノコにつくのではなく、一度取り付いたらずっといっしょで、キノコをつくったら、そこに便乗?  土台のキノコは毎年できているし、ヤグラタケが生えるのはキノコが腐り始めてから。
 土台となるキノコは大きな被害は受けていない?
 つまり、ヤグラタケは「キノコ」ができないときも土台となるキノコと一緒にいる、片方のみが利益を得る片利共生?

 謎です。

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タグ: ヤグラタケ寄生白いキノコ7月のキノコ錦織公園のキノコ錦織公園共生片利共生

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かなり意外な? 肉食系のイモムシ ヤドリガ

 9月に写した写真を見なおしていると、頭の尖った小さい虫がいました。
 テングスケバ。
 ウンカの仲間です。
 すっかり忘れていました。

この記事にはの画像があります。


 よくみると、この虫ヘンです。
 背中に白いものがついています。
 ウンカに近いアブラムシの仲間には、白いロウ物質をつけて体を守るものがありますが、これは翅の下で、どう考えても邪魔なだけ。

テングスケバとハゴロモヤドリガ

 これは、テングスケバがつくったものではありません。
 ハゴロモヤドリガ。
 ウンカやハゴロモなどに寄生する、蛾の幼虫です。
 ヤドリガは名前のように幼虫がセミやウンカなどに寄生する肉食系。
 と言っても、バリバリと食べるのではなく、寄生して“血”をもらう遠慮気味系?の肉食系。


 蝶や蛾の幼虫というと、植物の葉を食べる草食系のイメージですが、このように肉食系もいます。わずかですが。
 動物は、昆虫も脊椎動物も、実は植物を消化できません。
 植物を分解できる微生物を内蔵に住まわせ、分解してもらっているのです。
 ですから、動物は本来肉食。草食に向いていないのです。

 でも。
 だからこそ。
 動物が手を出さない植物を食べることができたから、蝶や蛾は昆虫の中でも種類を増やすことができたのでしょう。
 逆に草食が増えすぎたため、植物の取り合いの中から飛び出し、肉食に戻ったイモムシがいても不思議はありません。
 ところが蝶や蛾と同じように、植物食から分かれていったと考えられる蜂には、数多くの肉食の種類が現れましたが、蝶や蛾はそうではありません。
 なぜでしょう。

セミから落ちて蛹になろうとしているセミヤドリガの幼虫

 確かな理由はわかりませんが、一つの予想を。
 幼虫が肉食の昆虫の最大の問題は、生まれたての小さな幼虫がいかに食べ物にたどり着くか。
 蜂の場合は、食べ物になる昆虫などを麻痺させ卵と一緒に巣に入れる、直接卵を産み付ける、など親が積極的に、まるで子育てをするように行動します。

 蝶や蛾の場合、それをしない、いやできないに違いありません。
 蝶や蛾には蜂のように相手を麻痺させる毒針を持っていません。
 ほかの昆虫を運ぶこともできません。
 巣を作ることもできません。

 と考えると、ヤドリガの幼虫は、生まれた瞬間から寄生する相手を探すという結構ハードなサバイバルを行わなければならないのかもしれません。
 これは結構たいへんなこと。
 そうなら、蝶や蛾の仲間に、蜂のように寄生する種類が多くないことも納得できます。

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秋の錦織公園でであったヘンなキノコ

 秋の錦織公園。
 人の手が入った公園です。
 でも意外とキノコが多かったりします。

 そこで見つけたヘンなキノコ。
 キノコ自体は、まあ、そんなにヘンではありません。
 ところが生えているところ。
 なんだか黒いごにょっとしたものから生えています。


黒いごにょっとしたものから生えているキノコ

 このキノコはヤグラタケ(櫓茸)。
 黒いごにょっとしたものはキノコがくさったもの。
 ヤグラタケはベニタケ科のキノコの上に生えるシメジ科のキノコ。


傘が粉を吹いたようになっているのは厚膜胞子をつくったため

 キノコが腐ってきたので分解するために生えたようにも見えますが、寄生しているそうです。
 確かにキノコ(子実体)ができて腐るまでの期間は短く、菌糸を伸ばして栄養を集めてキノコ(子実体)をつくる暇はないように思えます。
 しかし、どの段階で寄生するのかはわかっていないようです。


傘の裏のヒダがあって普通のきのこっぽい

 大きなキノコの上に生えている姿を、櫓の上に生えているように見立てたのが由来だとか。
 しかし、それなら「櫓の上茸」じゃないのかな?
 これもよくわかりません。
 謎だらけのキノコです。


こちらはぎゅうぎゅうのヤグラタケ

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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秋の尾花と思ひ草 いつまでもと願い


 ナンバンギセル、咲きそうです。

 ススキなどのイネ科植物に寄生する一年草。

 奈良時代には「思ひ草(おもいぐさ)」と呼ばれていました。

 当時「尾花(おばな)」と呼ばれたススキの根本でうつむいて咲く姿を、思い悩む姿に例えたもの。



ナンバンギセル(南蛮煙管)Aeginetia indica
双子葉植物綱 ゴマノハグサ目 ハマウツボ科 ナンバンギセル属
一年草
寄生植物
万葉名:思ひ草(おもいぐさ)





 環境省のレッドデータブックにも、大阪のレッドデータブックにも記載はされていませんが、どこにでもあるという植物ではありません。

 ほこるススキの根元でひっそりと思い悩むように咲いている花。

 いつまでも咲いていてほしいと思います。



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2014年3月のひとりぼっちのヤドリギはちょっと復活


 ヤドリギ。

 他の樹木から栄養をもらう寄生植物です。
 ただ葉緑素を持っていて自分で栄養をつくることもできるので、半寄生植物ともいわれています。

 ポプラにとりついてまるまると茂っていた近所のヤドリギ

 ヤドリギは雄株(おかぶ)と雌株(めかぶ)がある雌雄異株(しゆういしゅ)の植物。

 でもこのヤドリギはたったひとつだけ。

 最も近いヤドリギまで直線距離でも500m。
 途中山あり谷あり建物ありで、見ることはできません。

 ということで、「ひとりぼっちのヤドリギ」です。



まるまると茂っていた2011年2月のヤドリギ
まるまると茂っていた2011年2月のヤドリギ




 ところがこのヤドリギ。
 急にやせてしまったのです。

 原因は謎。
 その年は寄生されている(宿主(しゅくしゅ)の)ポプラが葉を茂らせていなかったので、それと関係がありそう。



まるで伐採されたかのような2011年12月のヤドリギ
まるで伐採されたかのような2011年12月のヤドリギ




 そのままヤドリギは枯れてしまうのでしょうか。

 と思っていたら、その年のポプラは少し茂り、ヤドリギも少し復活したようです。



ポプラと同じように少し復活した2012年10月のヤドリギ
ポプラと同じように少し復活した2012年10月のヤドリギ




 そして2014年。

 まだまだまるまるとしていたころには及びませんが、ヤドリギも復活してきたようです。



少し復活した2014年3月のヤドリギ
少し復活した2014年3月のヤドリギ




 ヤドリギがしぼんでしまった時は、ポプラも葉が減ってしまいました。

 ポプラの葉が増えると、ヤドリギも枝が増えてきたようです。

 ポプラが先かヤドリギが先かわかりませんが、ヤドリギの成長と宿主のポプラの成長は関係があるのは確かなようです。

 丸々としたヤドリギがどうしてしぼんでしまったのかかりませんが、その原因はいつまでも続くものではなかったようです。



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とっても不思議な寄生蜂のこともわかる「のぞいてみようハチの世界〈自然史博物館〉」


 ハチばかりが集まった自然史博物館の「のぞいてみようハチの世界」。

 身近なハチから聞いたこともないハチまでいっぱい集まっています。



この記事にはハチの画像があります。




館企画の特別展恒例入り口垂幕「のぞいてみようハチの世界〈自然史博物館〉」
館企画の特別展恒例入り口垂幕
「のぞいてみようハチの世界
〈自然史博物館〉」

 「ハチ」と聞いて花の蜜を集めるミツバチや、獰猛(どうもう)な肉食のスズメバチを思い浮かべる人も少なくないと思います。

 しかしハチは葉っぱを食べるハチや昆虫などを狩って幼虫の餌にするカリバチ、そして他の虫などに寄生するキセイバチなどものすごく多様化しています。



 寄生バチは昆虫などの節足動物(せっそくどうぶつ)に寄生するので、普通それほど大きくありません。

 中にはハチとは思えないほどの小さなものもいます。

 それだけでなく、寄生した虫(宿主(しゅくしゅ))を操って(寄主操作(きしゅそうさ))、自分にとって得するように行動させるハチもいます。

 その様子が映像で展示されているのはサムライコマユバチとクモヒメバチ。

 宿主が特異な行動をする様子が映像で流されています。



イモムシに寄生するヒメバチやマユコバチの標本「のぞいてみようハチの世界〈自然史博物館〉」
イモムシに寄生するヒメバチやマユコバチの標本
「のぞいてみようハチの世界〈自然史博物館〉」




 自分が得するように宿主を操る寄生虫は幾つか知られていますが、ハチにもそういうものがいるというのは驚きました。

 なんて頭のいいハチなんでしょう。

 と思わずいってしまいますが、こういう時はファーブルさんの言葉を思い出します。

 どんなに驚くような行動をする昆虫であっても、それはただ単に本能のまま、決められた手順で行動しているだけ。
 途中まで進んでしまったら、もう元には戻れません。



寄生蜂を使って害虫を駆除するための天敵製剤「のぞいてみようハチの世界〈自然史博物館〉」
寄生蜂を使って害虫を駆除するための天敵製剤
「のぞいてみようハチの世界〈自然史博物館〉」




 ですからこういった寄生バチも「こうすれば得するに違いない」と思って動いているのではなく、訳もわからず決められて行動を行なっているだけでしょう。

 しかしよく考えると、何も考えないでこれだけ巧妙に動けるというのは、ある意味考えて動いていることよりもおどろくべきことなのかもしれません。



 そんなふしぎなハチがいっぱいの「のぞいてみようハチの世界」は大阪の自然史博物館で2012年10月14日まで開催中です。


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タグ: のぞいてみようハチの世界ハチ寄生寄生動物寄生昆虫

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花の文化園でナンバンギセルが咲いていました。


 花の文化園でナンバンギセル(南蛮煙管)が咲いていました。


 ナンバンギセルというのは、イネ科の植物に寄生する植物です。

 白い色で日の当たらないススキの根元に隠れるように咲いている姿は、ギンリョウソウに似ています。



 しかし、ナンバンギセルは

双子葉植物綱
ゴマノハグサ目
ハマウツボ科
ナンバンギセル属

花の文化園のナンバンギセル
花の文化園のナンバンギセル



 ギンリョウソウは

双子葉植物綱
ツツジ目
シャクジョウソウ科
ギンリョウソウ属

金剛山のギンリョウソウ
金剛山のギンリョウソウ



 ということで、「(もく)」からちがうので、別の植物といえるでしょう。



 全寄生植物のナンバンギセルは半寄生植物ヤドリギとちがって緑色の部分がありません。つまり葉緑体が無いので光合成をしません。
 ですから光合成でつくられる栄養は、ほかのものからもらいます。

 ナンバンギセルの場合は、寄生するのはイネ科の植物で、よく見つかるのはススキのようです。


 光合成を行わないのは真っ白なギンリョウソウも同じです。
 しかしギンリョウソウはほかの植物からではなく、菌類、キノコやカビの仲間から栄養をもらっているのです。

 そのため、寄生植物ではなく、「腐生植物(ふせいしょくぶつ)」と呼ばれています。



 花の文化園の野草園のナンバンギセルは、ススキの根元に隠れるように咲いています。

ススキの根元のナンバンギセル[花の文化園]
ススキの根元のナンバンギセル[花の文化園]


 光合成できるヤドリギですらいくつも寄生されると大木でも枯れるそうです。

 光合成をしないナンバンギセルがこんなにいっぱい生えていると、小さいススキは大丈夫なのか心配になってしまいます。
 植物園ですから、ススキには特別な栄養が与えられているのでしょうか?

 気になります。



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