【 天王寺動物園】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

犬はいつ日本にやってきたのかな?

 自然界には存在しないイヌ。
 およそ1万5千年前に、東アジアに住む人間によってオオカミから作り出されたと言われています。

チュウゴクオオカミ(天王寺動物園)

 その後、世界に広がっていったのですが、日本にいつからイヌが現れたのかは、よくわかりません。
 少なくとも歴史が始まった時(古墳時代ごろ)にはにいるのが当たり前になってたようです。
 もっと昔の縄文時代の早い時期(1万年以上前)の遺跡からイヌの骨が見つかっているようです。
 縄文時代がはじまった1万5千年前ごろは、日本が大陸と地続きになっていた時期があります。
 ちょうどそのころに東アジアで誕生したイヌが人間とともに日本にやってきたとすると、腑に落ちます。

柴犬っぽいチュウゴクオオカミ(天王寺動物園)

 その後日本は大陸から離れ、二度とつながることはありませんでした。
 イヌの誕生が遅れていたら、日本にイヌがやってくるのはもっと遅れていたかもしれません。

 縄文時代の後、弥生時代がはじまります。
 弥生時代にもイヌがいて弥生犬とよばれ、縄文犬とはちがう特徴をもつとされます。
 弥生人は、稲作の技術を持って大陸からやってきたと考えられています。
 そのとき一緒に犬を連れてきたのでしょう。

弥生犬復元「海渡(カイト)」と
弥生時代の竪穴住居に住む4人家族の食事どきの団らん風景
(大阪府立弥生文化博物館)

 弥生時代の遺跡から、壺に納められたイヌの骨がみつかっています。
 一度埋葬されたあと、骨を壺に納め直したことからも、今と変わらぬほど大切にされていたことが伺われます。

犬の棺(長頸壺)と収められていた犬の骨
(弥生時代後期2世紀 奈良県桜井市大福遺跡
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館)



 そして国家が統一されていく古墳時代。
 前期から中期にかけて、力を誇示するため盛んに巨大な古墳が作られました。
 古墳には様々なものを象った陶器の埴輪がおかれます。
 日用品らしきものから武具、さまざまな動物、よくわからない抽象的なものなど、多岐にわたります。
 その中にイヌとされる埴輪もあります。

動物形埴輪 犬
(堺市 仁徳陵古墳(大仙陵古墳)5世紀 近つ飛鳥博物館)

 その後もイヌの飼育は続けられ、日本各地でさまざまな犬種が誕生しました。
 江戸時代には中国からペットとしてのイヌが持ち込まれ、さらに種類が増えます。
 明治時代になると、欧米から様々な洋犬が持ち込まれ、広がっていきました。
 と同時にそれまで日本にいたイヌたちが消えていき、絶滅したといわれるイヌもいます。
 明治後期に日本唯一の野生の犬ともいえるニホンオオカミが絶滅したのは皮肉な一致なのかもしれません。

 日本で人間が家を作り定住はじめたころから人間とともにいたイヌ。
 時代の変化とともに新しいイヌが現れ、どんどん変わってきましたが、常に人間のそばにいることはかわりないようです。

■参考外部リンク■
天王寺動物園
大阪府立弥生文化博物館
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館[トップページ]
近つ飛鳥博物館

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天王寺動物園に行って昼間に夜行性動物を見ちゃいました!


 日本で3番目に古く、日本で2番目に総入場者が1億人を超え、毎年百数十万から二百万人の入園者がある日本でもトップクラスの動物園。

 大阪市の天王寺(てんのうじ)動物園。




天王寺動物園新世界ゲート




 動物が住む環境を再現した生態展示が特徴の動物園です。

 アフリカのサバンナを再現したアフリカサバンナゾーンやゾウがいるアジア熱帯雨林ゾーンなどがあります。

 まわりを大きな木で囲み、周囲のビルなどが見えなくしているので、現地にいるような感じがしてきます。
 あべのハルカスができるまでは。




アジア熱帯雨林の奥に立つ300mのあべのハルカス




 動物園の新世界ゲートと天王寺公園の美術館下ゲートをつなぐ通路があります。
 新世界から動物園へ入らずに上を通って天王寺方面へ行く通路です。

 ちょうど動物園を南北に分けるような形になっていますが、下は自由に行き来することができます。

 ベンチがあったりゲームコーナーがあったりしますが、その奥にひっそりとあるのが夜行性動物舎。




入り口がちょっと目立たない夜行性動物舎




 中はもちろん真っ暗、ではなく、薄明かりがついているので、目が慣れれば足元も動物の姿も見ることができます。

 キウイのような外国の動物もいますが、日本の里山に住んでいるような身近な動物もいます。

 身近であっても夜行性なのでなかなか目にすることがない動物たちです。




おしりを向けていたら何かわからないキウイ




カヤネズミ(萱鼠)
ネズミ目 ネズミ科 カヤネズミ属
棲息環境:低地から山地までのススキなど背丈の高い草原,
日本での分布:東北南部の本州,四国,九州,


目が大きいカヤネズミ

カヤネズミの巣
[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 絶滅:東京都,
 絶滅危惧II類:群馬県,長野県,愛知県,福岡県,鹿児島県,
 準絶滅危惧種:茨城県,埼玉県,千葉県,神奈川県,石川県,
  岐阜県,静岡県,滋賀県,京都府,奈良県,岡山県,山口県,
  佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県,
 情報不足:山形県,福島県,富山県,
 その他:宮城県,栃木県,山梨県,大阪府,





ホンシュウモモンガ(本州摸摸具和)
ネズミ目 リス科 モモンガ属
棲息環境:山地の森林,
日本での分布:本州,
別名:ニホンモモンガ,ホンドモモンガ,モモンガ,


丸まっていたホンシュウモモンガ
[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 絶滅:東京都,
 絶滅危惧I類:愛知県,三重県,滋賀県,岡山県,福岡県,
  熊本県,宮崎県,
 絶滅危惧II類:秋田県,山形県, 神奈川県,京都府,兵庫県,
  奈良県,鳥取県,島根県,山口県,愛媛県,
 準絶滅危惧種:青森県,岩手県,群馬県,埼玉県,富山県 ,
  石川県,福井県,山梨県,長野県,岐阜県,和歌山県,
  広島県,高知県,
 情報不足:静岡県,大分県,
 その他:福島県,栃木県,





ホンドタヌキ(本土狸)
ネコ目 イヌ科 タヌキ属
棲息環境:平地の公園や住宅街から山地まで,
日本での分布:本州,四国,九州,


こっちむいてくれないホンドタヌキ
[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 その他:埼玉県,鹿児島県,





テン(貂,黄鼬)
ネコ目 イタチ科 テン属
棲息環境:山地の森林,
日本での分布(ホンドテン):北海道(移入種)本州、四国、九州,
日本での分布(ツシマテン):対馬,


丸まっているテン
[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 準絶滅危惧種:群馬県,千葉県,愛知県,
 その他:埼玉県,鹿児島県,





アライグマ(洗熊,浣熊)
ネコ目 アライグマ科 アライグマ属
棲息環境:水辺,
原産地:北アメリカ,,


イメージの割りに結構狂暴なアライグマ
特定外来生物





  • 絶滅(EX):我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
  • 野生絶滅(EW):飼育・栽培下でのみ存続している種
  • 絶滅危惧I類(CR+EN):絶滅の危機に瀕している種
  • 絶滅危惧II類(VU):絶滅の危険が増大している種
  • 準絶滅危惧(NT):現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
  • 情報不足(DD):評価するだけの情報が不足している種




 天王寺動物園の夜行性動物舎。

 夜行性の動物を見ることができる貴重な展示室です。



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天王寺動物園でキジの足を見ました。やっぱり地面の上の鳥っぽい!


 外国だけでなく日本の動物も展示されている大阪市の天王寺(てんのうじ)動物園。

 新世界ゲートの右側に鳥ばかりを集めたコーナーがあります。

 その中にいるのが、キジ。
 ニホンキジ(日本雉)です。

 日本の固有種で、日本の国鳥です。



天王寺動物園の雄と雌のキジ
天王寺動物園の雄と雌のキジ




 千早赤阪村(ちはやあかさかむら)の棚田で出会った鳥です。

 その時は長い尾を伸ばして歩く姿の恐竜をイメージしましたが、狭い檻の中ではやっぱり鳥。

 それでも近くから見ることは動物園だから。

 棚田ではよくわからなかった足を見てみます。



恐竜ぽく見えないのは尾羽根が短いから?
恐竜ぽく見えないのは尾羽根が短いから?




 かかとに後ろ向きについている第1趾(し)、人間の親指に相当する指です。

 ちょっと上の方から生えて短く、爪がやっと地面に付く程度。

 樹の枝に止まらない、地面を歩く鳥の特徴です。



キジの趾(あしゆび)
キジの趾(あしゆび)
左側の短いのが第1趾。




 動物園で見ることができる動物は、必ずしも野生にいる姿と同じではありません。

 しかし近くでじっくりと見ることができない動物を観察できるのが動物園。

 生き物が住んでいる自然と、飼育されている動物園、標本が展示されている博物館。

 それぞれの役割を理解して、使い分けると生き物と自然についてより多くのことを知ることができると思います。



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木陰だけでなく、ジャングルもある? 天王寺動物園


 夏の天気のいい日に天王寺(てんのうじ)動物園へ行きました。

 大阪の昔の繁華街新世界のはずれにある、日本で三番目に古い動物園です。



天王寺動物園出入口
天王寺動物園出入口




 空からはさんさんと太陽が容赦なく照りつける地獄のような状況で動物を見なければなりません。
 ほとんど体育会系行事です。

 と思っていたのですが、天王寺動物園は緑が多く、木陰もいっぱいあって、灼熱の炎天下で熱射病の心配をしながらさすらう、ということはありませんでした。



木陰どころかジャングルのアジアゾウがいるアジアの熱帯雨林ゾーン
木陰どころかジャングルのアジアゾウがいるアジアの熱帯雨林ゾーン




 入場者数が全国で2番目に1億人を超えた天王寺動物園は動物の展示に工夫がされています。

 そのひとつが「生態展示(せいたいてんじ)」。

 展示から檻を取り払い、できるだけ動物たちが生活していた状態に近い環境に置き、動物たちのストレスを軽減した上に、自然に近い状態で動物を見てもらおうということです。

 そうなると、動物同士を隔てる柵もとりはらわれます。



生態展示で本当の草原にいるようなアフリカサバナゾーンのエランド
生態展示で本当の草原にいるようなアフリカサバナゾーンのエランド




 もちろん逃げ出さないように、線が張られていますし、入園者との間には柵や水を張った溝などがあり、安全は図られています。

 たとえばライオンとシマウマが同じエリアに入らないよう分けられているのですが、それがコンクリートや鉄棒を使わず、地面に起伏や岩場など風景に溶け込むように仕切りに工夫されているのです。



木陰で涼むアミメキリンの足元にはホロホロチョウ
木陰で涼むアミメキリンの足元にはホロホロチョウ




 生態展示場のシマウマは群れでいました。

 ライオンは岩場に模した観測台の上から見ることができます。

 キリンは木陰でのんびりしていますし、その足元をホロホロチョウの群れが歩いています。

 このホロホロチョウは動物が混ざらないようにする柵の隙間よりも小さく、自由気ままに出入りしています。
 柵から出てきて目の前を歩いているときには驚きました。



柵など関係なしであたりをうろつくホロホロチョウ
柵など関係なしであたりをうろつくホロホロチョウ




 子供の頃の動物園の記憶には、生まれた場所と全く違う檻の中、ストレスからかあちこちの毛が抜け落ちて、見るからに痛々しい動物たちの姿があります。

 生まれた土地ではないことにはかわりありませんが、子供の頃の記憶よりも動物たちが元気なような気がします。


 つぎは、動物園の北西にかたまっている食肉目(ネコ目)なども生態展示になることを願っています。



 最後に、木陰が多いとはいえひなたも少なく無いですし、屋外です。
 真夏の炎天下では、帽子などで直射日光から頭を守り、まめな水分補給は忘れないようご注意ください。



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大阪のど真ん中に野鳥の楽園!?


大阪のど真ん中


 大阪のど真ん中に野鳥の楽園? を発見しました。
 といっても、知ってる人も多いと思います。
 ど真ん中ですから。

 それに、野鳥といっても見られるのは3種類で、楽園かどうかは、実は微妙です。

 その場所は。


その場所は


 となりには大阪市街の観光地の一つ、通天閣(つうてんかく)のある新世界(しんせかい)があります。ビルに囲まれた大阪のど真ん中にあります。

 天王寺(てんのうじ)動物園です。

 動物園なら鳥がいても当たり前?

 確かにそうです。
 世界中の鳥がいっぱいいます。

 しかし飼育展示されている鳥のことではありません。
 屋根の無いところを自由に飛びまわる鳥のことです。

 その自由な鳥たちは、コサギとアオサギとゴイサギです。

アシカプールのコサギ、アオサギ、ゴイサギ
アシカプールのコサギ、アオサギ、ゴイサギ




アシカとサギ


 サギを見ることができるのは、アシカのプール。
 天王寺(てんのうじ)動物園へいったことのある人なら、「ああ、そうか」と納得してもらえるでしょう。

 ここのアシカのプールでは、昔から魚の切り身をあげることができるのです。

 そう、サギたちはそのおこぼれを狙っているのです。


生ゴイサギ


 コサギは木田内川(きたないがわ)にも池井菜湖(ちいさいこ)にもいますが、結構小心者でこちらを横目で確認するとすぐ飛んでいってしまいます。

アシカプールのコサギ
アシカプールのコサギ



 コサギほど小心者ではありませんが、アオサギも横目でこちらをじっと見つめて、最後は飛んでいってしまいます。

アシカプールのアオサギ
アシカプールのアオサギ



 そしてゴイサギは木田内川(きたないがわ)にも池井菜湖(ちいさいこ)にもいません。じっくりと見る機会のなかった鳥です。
 それらが目の前、手を伸ばせば届くようなところにいるのです。

アシカプールのゴイサギ
アシカプールのゴイサギ



アシカプールのゴイサギの子供
アシカプールのゴイサギの子供




主役はアシカです


 もちろんここに来ている人は、大人も子供もみんなカリフォルニアアシカを見ています。

 目の前にいる鳥は決して珍しい鳥ではありませんが、近くで見ることが難しい鳥たちです。

 でも野生のカリフォルニアアシカは日本にはいません。多くの動物園や水族館で見ることはできますが。

 この4種類の動物のうちどれが一番珍しいかといえば、サギではなくカリフォルニアアシカでしょう、やっぱり。

サギの写真ばかり撮るのでふてくされている? カリフォルニアアシカ
サギの写真ばかり撮るのでふてくされている? カリフォルニアアシカ



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