【 大阪市立自然史博物館】

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「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」恐竜の卵の温め方がわかるかも!(卵の模様もわかるかも?)〈大阪市立自然史博物館〉

 大阪市立自然史博物館の「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」展。
 自然史博物館で卵というと、思い出すのが2015年夏の特別展「たまごとたね」。
 「たまごとたね」展では、もちろん恐竜の卵の化石も展示されていましたが、今、生きている動植物が中心。
 ということで、恐竜に近い鳥の卵について。

会場までまだ450mあります

 と、その前に鳥と恐竜の関係を。
 恐竜に興味のある人にとっては説明の必要はないことですが。

 結論を言えば、鳥は恐竜です。
 少し細かく言えば、飛ぶように進化して現代まで生き残ることができた恐竜。
 ですから、鳥と恐竜の骨には共通する部分がいくつもあります。
 ただ、鳥は飛ぶために特殊化してしまったので、なんでも恐竜と同じと思わないよう、ちょっと注意が必要です。

骨になると一層恐竜っぽくなる巨鳥のエピオニルスの一種

 と、前置きはここまで。
 鳥の卵というと、ニワトリの卵を思い出す人が多いと思います。
 多くの人にとって、もっとも身近な鳥の卵でしょう。
 ところが、鳥の卵は必ずしもニワトリの卵と同じというわけではないのです。

鳥の卵っぽいベニイロフラミンゴと
ちょととんがったキングペンギンの卵

 ニワトリの卵が「タマゴ型」なのは理由があります。
 タマゴが転がっても、遠くへ行くことはなく、尖ったほうを中心にくるりと円形に転がりもとに戻ります。
 そうすれば、タマゴがころがっても巣から離れていくことはありません。
 という説があります。

 親が巣から離れることがあるような鳥は、模様が保護色のようになり、目立ちにくくなります。

砂利の中で目立たない保護色のコチドリの卵
(たまごとたね展での展示※恐竜の卵展では展示されていません)

 常に親が温めているような鳥や、カワセミのように穴の奥の外から見えない暗いところのタマゴは白いものが多くなります。
 さらにカワセミのタマゴは丸い形をしていて、これも穴の奥の方にあるので転がる心配をしなくていいから、と言う説があります。

穴の奥に産むので白くて丸いカワセミとヤマセミの卵
(たまごとたね展での展示※恐竜の卵展では展示されていません)

 そして大阪の「恐竜の卵展」の始まりに合わせるように、名古屋大学と北海道大学から恐竜の卵の研究についての発表がありましした。
 プレスリリース(報道発表)のタイトルは『「恐竜が卵を暖める方法」を解明!』。
 恐竜の巣の化石(卵がいっぱいまとまって見つかった化石)がどんな岩から見つかるかで、恐竜がどんなところに巣を作ったのがわかります。
 それと同時に、恐竜の卵の温め方もわかるのです。

■参考外部リンク■
「恐竜が卵を温める方法」を解明!*PDFファイル(北海道大学)
「恐竜が卵を温める方法」を解明!*PDFファイル(名古屋大学)

 プレスリリースを参考にして巣が見つかった岩と卵の温め方をまとめてみました。

巣が見つかった岩 産卵した所 温め方 恐竜の種類
砂岩
(砂が固まった岩)
砂に産卵 太陽熱や地熱 竜脚形類恐竜
古土壌質泥岩
(古い土が固まった岩)
土に産卵 植物の発酵熱 カモノハシ竜
砂岩と泥岩両方 砂にも土にも産卵 抱卵 オヴィラプトロサウルス類,
トロオドン科
竜脚形類のティタノサウルス形類の巣の化石


カモノハシ竜のハドロサウルス類の巣の化石


トロオドン類の卵の化石
ただし巣の下側をひっくり返して上にしているので
肝心の卵を埋めていたところはなくなっている可能性あります


オヴィラプトロサウルス類の巣の化石


 オヴィラプトロサウルス類やトロオドン科は泥岩も砂岩も半々の割合で見つかるので、土や砂を特に選んでなかったと考えられます。
 おもしろいのは、砂ばかり利用していた恐竜の巣は中緯度くらいまでの暖かい場所から見つかるのに対して、土ばかり選んでいた恐竜の巣は冬に寒くなる高緯度まで見つかります。
 そして砂も土も選んでいた恐竜も高緯度まで見つかります。
 太陽の光が弱く卵を温められない高緯度でも砂を使ったのは、恐竜が温めた、抱卵したからと考えられます。
 プレスリリースでは書かれていないのですが、涼しいところで卵を体で暖めるというのは、つまりその恐竜は内温性(恒温動物)ということを示唆しているように感じます。

卵を守る?温める?トロオドンの生体復元模型

 プレスリリースにはほかにも恐竜が寒い極地で越冬した可能性が書かれていました。
 いくら今より暖かかったと言っても、冬は日差しが極端に弱く、また日照時間も極端に短くなるので植物は成長が遅く、場合によっては休止するかもしれません。
 そういった状況で体が大きく大飯食らいの草食恐竜の命を支えることができたのか、とても興味があります。
 冬鳥と同じように暖かい夏に恐竜が少ない極地で子供を育て、冬には暖かく植物が多い中緯度地域へ移動した可能性もあるのでは、と思います。

 「恐竜の卵展」では、竜脚形類もカモノハシ竜もオヴィラプトロサウルス類もトロオドン科も、みんな卵や巣の化石が展示されています。
 そういった巣の化石を見ながら、卵の温め方や模様などを想像してみるのもおもしろいかもしれません。

■参考外部リンク■
特別展「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」‐ 大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館

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「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」大きな恐竜もいろいろいるぞ!(卵もいっしょに)〈大阪市立自然史博物館〉

 タイトルのように恐竜の卵が、ほかでは見られないほどたくさん並んでいます。
 普通、恐竜展と言えば、大きな口と牙の肉食恐竜や、おっきな体に長い首の巨大恐竜の復元骨格が見どころで、特徴。
 ところが、今回は卵。
 確かにニワトリの卵よりはかなり大きいですが、もちろん見上げるような大きさはありません。
 ちょっと残念な恐竜展?

矢印のように右へ700m行きましょう

 いえいえ。
 ご安心ください。
 今回も大きな恐竜がいます!
 それも卵つきで!!

トルヴォサウルス・タネリ
分類:獣脚亜目 メガロサウルス上科 メガロサウルス科
時代:ジュラ紀後期(1億6350万年前~1億4500万年前)
産地:アメリカ コロラド州
全長:9~10m
ジュラ紀最大級の肉食恐竜
トルヴォサウルスの胚と巣
分類:獣脚亜目 メガロサウルス上科 メガロサウルス科
時代:ジュラ紀後期(1億6350万年前~1億4500万年前)
産地:ポルトガル リスボン県
エウヘロプス・ツダンスキィ
分類:竜脚亜目 ティタノサウルス形類
時代:白亜紀前期(1億4500万年前~1億50万年前)
産地:中国 山東省
全長:10m
ファヴェオロウーリトゥス卵科の一種
時代:白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前)
産地:中国 河南省
ティタノサウルス形類の卵?
テリジノサウルス類
分類:獣脚亜目 テリジノサウルス上科 テリジノサウルス科
時代:白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前)
産地:中国 浙江省 台州市
デンドロウーリトゥス卵科の一種
時代:白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前)
産地;中国 浙江省 台州市
メガロサウルス類かテリジノサウルス類の卵?
トロオドン・フォルモススとトロオドンの巣
分類:獣脚亜目 トロオドン科
時代:白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前)
産地:アメリカ モンタナ州 ティートン郡
プロバクトロサウルス・ゴビエンシス
分類:鳥脚亜目 ハドロサウルス上科
時代:白亜紀前期(1億4500万年前~1億50万年前)
産地:中国 内モンゴル自治区
パラスフェロウーリトゥス卵科の一種
分類:スフェロウーリトゥス卵科
時代:白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前)
産地:中国 浙江省 紹興市
ハドロサウルス類の卵?
エピオルニスの一種と卵
分類:エピオルニス目
時代:第四紀(258万年前~現在)
産地:マダガスカル
推定体重500kg
恐竜ではありません
最大級の飛べない鳥

 恐竜とその卵の化石。
 ちょっと注意が必要です。
 なぜなら、卵の化石が見つかっても、それがどの恐竜のものかは多くの場合、わかりません。
 卵の中に恐竜の赤ちゃんがあった場合や、恐竜の体内から見つかった場合は、種類がわかることもあります。
 しかし、多くは卵だけが見つかります。

 たとえば、卵の化石の上に恐竜の化石があったとしても、必ずしも卵を守っていたとは限りません。
 卵を食べようとしていたかもしれませんし、全く関係なく行き倒れになったのかもしれません。
 それどころか、他で死んだ恐竜の遺体が川の氾濫で流されてきてたまたま上に乗っただけかもしれません。
 ですから、恐竜の卵展でも同じ仲間のものと思われる卵の化石が並べられていることもあります。
 なかなか、化石の世界は難しいのです。

 それでも、卵とその親かもしれない恐竜がいっしょに、しかもいくつも並ぶ機会は、めったにないことだと思います。
 ほんと、すごい!

■参考外部リンク■
特別展「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」‐ 大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館

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「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」巨大な恐竜も最初は卵だった!(結構おっきいけど)〈大阪市立自然史博物館〉

 「恐竜の卵」。
 副題は「恐竜誕生に秘められた謎」
 タイトルのように恐竜の卵がこれでもか! と展示。
 これだけ恐竜の卵がまとまって見られる機会は、ほかにない! とも言われます。
 恐竜展というと、大人の恐竜のでっかい復元骨格がやたらを並ぶのが定番のイメージですが、今回は卵。
 もちろん、大人の恐竜もありますが、とにかく卵。
 卵とその誕生から、恐竜の大繁栄の秘密を探るのです。

おなじみ長居公園南西入口の大看板

 恐竜というと爬虫類。
 そして鳥の先祖。
 というか、今では鳥は恐竜に含まれるということは、有名になってきました。
 ということで、会場では鳥や爬虫類の卵も展示され、恐竜と比べることができます。

ヒクイドリとエミューの卵

 卵の化石も、割れた殻のかけらが展示されているのではなく、ほとんどが卵の形が残り、見つかった状態のもの。
 いくつもの卵が集まったまま化石になったやつです。
 つまり、恐竜は卵をまとめて産んだということで、巣があったのです。
 もっとも、産みっぱなしの恐竜もいたようなので、「巣」と言っていいのかちょっと不安です。
 でも、覆いかぶさって卵を守っていたと思える恐竜もいるので、「巣」と言っていいでしょう。
 地面の上に巣をつくる鳥と同じです。
 「鳥は恐竜」というのも、納得できます。

産みっぱなし型?の卵 デンドロウーリトゥス卵科の一種

 でも、大きさといい形といい、到底鳥とは思えないものばかり。
 今いる爬虫類でもいろいろな卵の殻の仕組みがあり、鳥も独自の特徴があります。
 もちろん恐竜もいろいろな卵があり、形も産み方もさまざま。
 単純に「恐竜」ってひとくくりにはできそうにありません。
 それに鳥も言われているほど恐竜ではないような気もしてきます。
 恐竜にはいろいろな型があるということなのでしょう。

きっちり型の卵 エロンガトウーリトゥス卵科の一種

 と、卵だけしないような感じがしてきますが、ちゃんと肉食恐竜やでっかい恐竜もいます。
 卵の中の赤ちゃん恐竜、卵を持った恐竜や翼竜もいます。
 ほかの恐竜展では見られないようなものがいっぱい。
 日本初公開もあり、実物化石もたくさん!

肉食恐竜のトルヴォサウルス・タネリ

体が大きい竜脚類のエウヘロプス・ツダンスキィ

オヴィラプトロサウルス類の胚 つまり卵の中の赤ちゃん恐竜

体内に卵を含むオヴィラプトロサウルス類 お腹の黒いのが卵

翼竜ダーウィノプテルス・モデュラリスのメス 赤い矢印の先が卵

卵を守る? トロオドン生態復元模型

 そして忘れてはいけないのが、卵の分類。
 言うまでもないことですが、卵だけではどの恐竜かわかりません。
 というか、恐竜かどうかもわかりません。
 そこで、卵化石も形や大きさ、殻の仕組みなどから分類されています。
 会場のはじめの方にあるので、見ておくと卵の見え方も変わってくるかもしれません。

様々な卵化石 丸いのや細長いの 大きいのや小さいの

 巨大な恐竜も最初は卵だった。
 「恐竜の卵」ではリアルな生き物、恐竜を体感できます!

■参考外部リンク■
特別展「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」‐ 大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館

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第48回特別展「瀬戸内海の自然を楽しむ」瀬戸内海の“いろいろ”な“もの”がいっぱい!〈大阪市立自然史博物館〉

 大阪市立自然史博物館の2017年の夏の特別展が始まりました。
 第48回特別展「瀬戸内海の自然を楽しむ-生き物のにぎわいとその恵み-」。
 大和川、淀川大阪湾ときて、瀬戸内海です。
 ということは、次は太平洋?!

いつもの予告付

 閑話休題。
 瀬戸内海は太平洋と日本海に通じる海ですが、それぞれ狭い海峡で隔てられていて、日本ではここだけにしか無い個性的な海です。
 大阪自然史博物館は瀬戸内海沿岸の博物館や水族館と連携して観察会や調査会を行い、様々な情報や標本を蓄積してきました。
 その成果が展示されています。

瀬戸内海の地図

特別展では大阪湾から福岡県・大分県までの帯状の部分が瀬戸内海

 会場は「瀬戸内海の自然」「瀬戸内海の漁業」「消えた風景」「抱える問題と解決に向けて」「瀬戸内海を調べよう」の5つのテーマに分かれています。
 見ての通り真ん中の3つは人間が関わる民俗学的なテーマで、そういう展示もたくさんあります。
 自然史の博物館としてはちょっと意外な感じもしますが、それだけ瀬戸内海は人々の生活と密着しているということなのでしょう。

瀬戸内海の立体地図

深さ高さが誇張されていますが海の深さのほうがより誇張されています

「瀬戸内海の自然」

 展示スペースが一番広くて、展示内容も多岐にわたり、地質と動植物の標本がいっぱい!
 ですが、意外と瀬戸内海の固有種はいないようです。
 それもそのはず、たった2万年前(地質学的には)は陸地で川が流れていました。
 2万年程度じゃ固有種が生まれるのはちょっと難しそうです。
 残念。

2万年前の「瀬戸内海」

水色が今の瀬戸内海 白いところが当時の海 紫の線が当時の川

鯨の骨格標本シリーズ第三弾のオスのザトウクジラ 名前を募集中

ナガスクジラの「ナガスケ」 マッコウクジラの「マツコ」 じゃあ「さとうくん」?

明治時代の瀬戸内海にあった捕鯨会社のモリ

瀬戸内海には大きなクジラも迷い込みますが
住みついているのはイルカと変わらない大きさのスナメリだけ
その他いろいろあって続かなかったようです

コカスリウスバカゲロウの巨大模型!

物凄くリアルで今にも動き出しそう!

大分県杵築湾のカブトガニ

「瀬戸内海の漁業」と「消えた風景と抱える問題」と「解決に向けて」

 これは人間と瀬戸内海の関わりで、様々な漁具など自然史からちょっと離れた展示がでてきます。
 瀬戸内海がいかに人間の生活と密接に関係していたのかがわかります。

タコツボいろいろ

「瀬戸内海を調べよう」

 これも人間の活動ですから民俗学的にも思えますが、視点はその成果ですから、自然科学の領域ですね。
 おどろいたいのは、瀬戸内海の最も最初の学術的な調査は、イギリスのチャレンジャー号だったこと。
 チャレンジャー号は、今からおよそ140年前に世界中で学術的海洋調査を行ったイギリスの海洋調査船です。
 その調査報告書や、記載された生き物の標本なども展示されています。

チャレンジャー号探検航海調査報告書

 大阪に住んでいると淡路島より西側の瀬戸内海は、身近でちょっと遠い海だったのですが、そこには思っていなかったドラマがたくさんあることがわかりました。
 自然史の博物館らしく瀬戸内海の生き物のことだけでなく、瀬戸内海の生き物と人間の関係もわかるおもしろい特別展でした。
 展示内容の幅が広いだけに、見る視点を変えると夏休みの自由研究のネタがたくさん!

■参考外部リンク■
第48回特別展 瀬戸内海の自然を楽しむ~生き物のにぎわいとその恵み~
大阪市立自然史博物館

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特別展「石は地球のワンダー」アンモナイトの異常巻きは実は異常でなかった!?〈大阪市立自然史博物館〉

 「石は地球のワンダー」展
 サブタイトルは「鉱物と化石に魅せられた2人のコレクション」。
 その一人は鉱物学を研究した広島大学の故北川隆司教授の好物コレクション。
 そしてもう一つが、香川県在住の金澤芳廣氏から自然史博物館に寄贈された化石コレクション。


 金澤芳廣化石コレクションは、主に四国から見つけられた化石です。
 恐竜がいた中生代白亜紀後期の動物から植物までいろいろな生き物の化石が展示されています。
 そのなかでも興味深いのがアンモナイト、その「異常巻き」と言われるもの。

異常巻きアンモナイトのディディモセラス

 なぜ「異常巻き」と言われるかは、見ればわかります。
 アンモナイトは、巻き貝のように渦巻きの殻を持つ生き物で、体は貝ではなく、イカやタコのような形をしていたと考えられています。
 また殻も貝とはちょっとちがいます。
 巻き貝は横から見ると山のように三角形をしていますが、アンモナイトは膨らまずに平らに巻いていきます。
 全体の雰囲気は、水族館でよく展示されているオウムガイに似ています。
 ところが、それが想像もできないようなグニャグニャな形の殻になっているのです。

 アンモナイトもオウムガイも巻き貝も、みんな同じようにい「等角螺旋(対数螺旋,ベルヌーイ螺旋)」と呼ばれる規則でつくられています。
 それが「異常巻き」は、どう考えてもそんな規則があるようには見えません。

異常巻きアンモナイトのポストリコセラス

 アンモナイトが絶滅したのは、ちょうど白亜紀後期。
 古生代に誕生して、繁栄したアンモナイトが進化の袋小路に入って異常な巻き方になり、それが原因で絶滅してしまった、ともいわれていました。
 しかし、ちょっと待って下さい。
 異常巻きのアンモナイトの化石はたくさん見つかっています。
 会場でも「これでもかっ!」ってほど展示されています。

 生き物が化石になって見つかるということは、実はとんでもない数のハードルがあるのです。
 まず、化石に残るような部分があること。
 形が崩れる前に埋もれること。
 熱や圧力で壊れないこと。
 そして地面の表面までやってくること。
 そのあと風化しないこと。
 最後に人間に見つかること。
 さらに、これだけのハードルを超えるためには、その生き物がたくさんいること、つまり繁栄してることが必要です。
 ということは、異常巻きがたくさん見つかるというのは、絶滅の道を歩んでいたのではなく、繁栄していたのです。

異常巻きというか巻いてないアンモナイトのバクリテスほか

 それだけでなく、「異常巻き」は同じ巻き方の化石がたくさんあるのです。
 つまり「異常」ではなく、進化の一つの方向として決まった巻き方だったのです。
 会場でも同じ属ごとに並べられています。
 見ると同じ巻き方のものがたくさんあります。

 たとえばディディモセラスは、先のほうが巻き貝のように三角形になって、その後ぐるりと向きを変えるものがあります。
 当然のことですが、アンモナイトの形はアンモナイトの生活の仕方に関係しています。
 オウムガイのような普通の形のアンモナイトは、オウムガイと同じように水中に浮かんで生活していたと考えられます。
 ということはディディモセラスは、巻き貝の殻のようなときは海底や岩などの上で巻き貝のように生活して、ある程度大きくなったらアンモナイトらしく水中に浮かんで生活したのかもしれません。

巻き貝+チューブワームのディディモセラス

 成長によって生活の場所を変えるのは、同じ種類の大人と食べ物の取り合いをしなくてすみます。
 体の大きさに応じた天敵から逃れるのにも役立つかもしれません。
 アンモナイトと同じ地層(和泉層群)からは、白亜紀末期の海の肉食動物最強とも言われるモササウルスの化石も見つかっています。
 アンモナイトを食べたと言われるモササウルスと同じ海で繁栄したのですから、モササウルス対策かも?

アンモナイトと同じ地層から見つかったモササウルスのアゴの化石

 と考えると、異常巻きのアンモナイトは絶滅寸前の進化の袋小路ではなく、1億年かけてもどのアンモナイトが達成できなかった新しい方向性を見つけ出した進化の成功者だったのかもしれません。
 たしかにそうすれば化石がたくさん見つかることも納得できます。

ディディモセラスいろいろ

 それなら、なぜそんな大繁栄したアンモナイトが絶滅したのでしょうか。
 それは謎でもなんでもありません。
 恐竜が絶滅するきっかけとなった大隕石の落下の影響で、海の生き物も多くが絶滅しました。
 アンモナイトはその中のひとつ。
 大繁栄した異常巻きアンモナイトも、隕石落下を生き残れるようには進化していなかったようです。

ディディモセラスいろいろ

 「異常巻き」のアンモナイトを一度にこれだけ見られる機会はそれほどないでしょう。
 いい加減のように見えて、実はちゃんと決まりがある「異常巻き」。
 じっくり観察すると何か発見があるかもしれません。

■参考外部リンク■
特別展 石は地球のワンダー|大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館
大阪市立科学館 公式ホームページ | 大阪市立科学館 公式ホームページ

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特別展「石は地球のワンダー」地球と石と生き物の関係がわかる!?〈大阪市立自然史博物館〉

 生き物のブログでどうして化石でもない石を扱うのか、不思議におもわれるかもしれません。
 同じ石でもたしかに生き物が生きた証の化石ならともかく、そうでない鉱物がたくさんでてくるのは、たしかにヘンです。

 しかし、石と生き物には共通するところがあります。
 とても重要なことが。
 それは、どちらも地球にある物質でできていること。


 当たり前と思うかもしれませんが、その「当たり前」がとても大切。
 生き物体を作る物質は、もちろん地球ができたときからあります。
 はじめは大きな大きな岩だったでしょう。
 それが長い時間をかけて風化して、他の物質とひっついて新しい化合物になり、それを生き物が取り込んで別の化合物に変えて体を作ります。
 その生き物が食べられれば、食べた生き物にうつります。
 そして死んでしまい、他の生き物に食べられなければ、再び地球の中に戻り、石になります。

 そういう意味では、生き物は石が姿をかえたもので、石は生き物が姿を変えたもの、とも言えるでしょう。
 もちろん、その間にはとても長い時間の流れと、様々な変化があるのですが。

 今回の展示には鉱物の化学式も書かれています。
 そこでウィキペディアを参考にして、人間の体を作っている物質と同じ物質は赤く色を変えました。
 その中でも特に人間の体の1%以上を占める重要な物質は太字にしました。
 展示された中の、きれいなものだけ抜き出してみましたが、さあ、どういう結果でしょうか。

紅鉛鉱 PbCr4

ツヤムン石 Ca(U2)2(V28)・5-8H2

オーケン石 Ca10Si184618H2

孔雀石 Cu2(CO3)(OH)2

蛍石 Ca2

オパール(蛋白石) Si2・nH2

青鉛鉱 PbCu2+(S4)(OH)2

蛍石 Ca2

石英(煙水晶) Si2

黄鉄鉱 FeS2

 真っ赤です。
 結果はツヤムン石のU(ウラン)以外は、全て人間の体を作っているものと同じ物質でできていました。
 しかも人間の体の1%以上を占める重要な物質を含む鉱石も、黄鉄鉱以外すべて。

 石と人間。
 誰に聞いてもまったく違うもの、と答えるでしょう。
 ところが、作っている物質で考えると、とても近い兄弟であることがわかります。
 石も人間も、地球にある同じ物質で作り出されたものなのです。

 会場では、鉱物の名前だけでなく、一緒に書かれてある化学式も一緒に見てください。
 多くの鉱物は、あなたのからだを作っているものと同じ物質だけでできていますから。

人体の構成割合が1%以上の元素
酸素 65%
炭素 18%
水素 10%
窒素 3%
カルシウム Ca 1.5%
リン 1%

人体の構成割合が1%未満の元素の一部
イオウ:  鉄:Fe  フッ素:  ケイ素:Si  鉛:Pb  銅:Cu  クロム:Cr  バナジウム: 

参考:人体 - Wikipedia

■参考外部リンク■
特別展 石は地球のワンダー|大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館
大阪市立科学館 公式ホームページ | 大阪市立科学館 公式ホームページ

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特別展「石は地球のワンダー」地球がつくったきれいな石がいっぱい!〈大阪市立自然史博物館〉

 大阪市立自然史博物館の春の特別展が始まりました。
 特別展「石は地球のワンダー ~鉱物と化石に魅せられた2人のコレクション~」。

駐輪禁止になって前がスッキリした南西入口の看板

 「石」です。
 子供がハマるものトップ3にランキングされるにちがいないもの。それも男女問わず。
 しかし、大人になるとすっかり興味を失ってしまうものトップ3にランキングされているにちがいありません。
 たしかに、子供の世界の石は身近なものばかり。
 それも手元にあればいずれ飽きてしまうでしょう。

 しかし、大人には大人の「石」の世界があるのです。
 そのコレクション。
 「石マニア」でなくても目を引くものがたくさんある!と思います。

 ということで、細かい説明はあとにして、「地球が作った芸術品」の数々を。

あえて壁を作らず自由に見て回れるレイアウト

北川隆司鉱物コレクション

 鉱物学を研究した広島大学の故北川隆司教授が世界中から収集した鉱物コレクション。
 2000点の中から160点が展示されています。
 全国を巡回して、関西では最後だそうです。

博物館のおすすめのミメット鉱 Pb5(AsO4)3Cl
ミメット鉱

博物館のおすすめの藍銅鉱 Cu3(CO3)2(OH)2
藍銅鉱

緑鉛鉱 (PO4)3Cl 緑鉛鉱
岩塩 NaCl 岩塩

 宝石の原石もあります。

ダイヤモンド C
ダイヤモンド

自然金 Au
金

アクアマリン Be3Al2Si6O18
アクアマリン

金澤芳廣化石コレクション

 香川県在住の金澤芳廣氏から自然史博物館に寄贈された化石コレクションです。
 特に自然史博物館の学芸員(当時)が中心となった研究で香川県初の恐竜化石が見つかったのは、去年テレビ番組で紹介されました。
 その化石も展示されています。

博物館のおすすめの異常巻きアンモナイト
異常巻きアンモナイト

大きなアンモナイト

イセエビくらいの大きさのエビの化石

47都道府県の石(岩石・鉱物・化石)

 都道府県の鳥や木や花は制定されているのに、「石」が1つもないことが発見されたことがきっかけとなり、できました。
 日本地質学会では、都道府県の石をきっかけに地面の成り立ちなど興味を持ってもらい、防災減災にも役立てることも目的としています。

宮城県の化石 ウタツギョリュウの化石の複製
ウタツギョリュウ

マチカネワニの化石以外ピンとこない大阪の石

東京の岩石 無人(むにん)岩と化石 トウキョウホタテ

 石と鉱物と化石のちがいなどいろいろありあますが、まずは人間ではない地球がつくったきれいで不思議な石を見ているだけでも、おもしろい!
 博物館だけじゃなく、美術館としても楽しめる特別展です。

■参考外部リンク■
特別展 石は地球のワンダー|大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館
大阪市立科学館 公式ホームページ | 大阪市立科学館 公式ホームページ

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タグ: Isi-Wonder  石は地球のワンダー  大阪市立自然史博物館  ミメット鉱  藍銅鉱  ダイヤモンド    アクアマリン  ウタツギョリュウ  47都道府県の石 

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新米ビオトープ管理士でフィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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