【 大阪市立自然史博物館】

[カテゴリ リスト] 【表示記事リスト】
ビオトープ
┃《ビオトープとは
山・森・里山
川・湖・池
海岸・干潟・海
公園・緑地・田畑
都市
野鳥・鳥
モズ
哺乳類
爬虫類・両生類
恐竜と化石爬虫類

節足動物
甲虫
昆虫(甲虫以外)
甲殻類
虫(節足動物以外)
その他の海の動物
草花
野菜・食用作物
お茶
樹木
花木
果物・実
紅葉・黄葉・褐葉
コケ・シダ
その他植物について
微生物・菌類・細菌 等
地衣類
博物館・植物園・催事 等
季節
本・DVD・物語・伝承
架空・神話・創作
語彙集
フィールドワーク
リンク
ブログのご利用について

〔関連タグ リスト〕
 ·石は地球のワンダー  ·Isi-Wonder  ·大阪市立自然史博物館  ·異常巻きアンモナイト  ·ディディモセラス  ·ポストリコセラス  ·バクリテス  ·アンモナイト  ·モササウルス  ·石は地球のワンダー  ·Isi-Wonder  ·大阪市立自然史博物館  ·紅鉛鉱  ·ツヤムン石  ·オーケン石  ·孔雀石  ·オパール  ·青鉛鉱  ·黄鉄鉱  ·Isi-Wonder  ·石は地球のワンダー  ·大阪市立自然史博物館  ·ミメット鉱  ·藍銅鉱  ·ダイヤモンド  ·金  ·アクアマリン  ·ウタツギョリュウ  ·47都道府県の石  ·47th-hyougajidai  ·氷河時代展  ·大阪市立自然史博物館  ·トラ  ·ニホンムカシジカ  ·ヘラジカ  ·ヒグマ  ·更新世  ·氷河時代  ·気候変動  ·47th-hyougajidai  ·氷河時代展  ·大阪市立自然史博物館  ·氷河擦痕  ·ドロップストーン  ·年輪  ·年縞  ·氷床コア  ·氷河時代  ·気候変動  ·47th-hyougajidai  ·氷河時代展  ·大阪市立自然史博物館  ·ヘラジカ  ·ケナガマンモス  ·ヤベオオツノジカ  ·ナウマンゾウ  ·パレオパラドキシア  ·デスモスチルス  ·生命大躍進  ·ダンクルオステウス  ·コッコステウス  ·ユーステノプテロン  ·板皮類  ·古生代の魚  ·巨大魚  ·大阪市立自然史博物館  ·seimeidaiyakusin

〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

特別展「石は地球のワンダー」アンモナイトの異常巻きは実は異常でなかった!?〈大阪市立自然史博物館〉

 「石は地球のワンダー」展
 サブタイトルは「鉱物と化石に魅せられた2人のコレクション」。
 その一人は鉱物学を研究した広島大学の故北川隆司教授の好物コレクション。
 そしてもう一つが、香川県在住の金澤芳廣氏から自然史博物館に寄贈された化石コレクション。


 金澤芳廣化石コレクションは、主に四国から見つけられた化石です。
 恐竜がいた中生代白亜紀後期の動物から植物までいろいろな生き物の化石が展示されています。
 そのなかでも興味深いのがアンモナイト、その「異常巻き」と言われるもの。

異常巻きアンモナイトのディディモセラス

 なぜ「異常巻き」と言われるかは、見ればわかります。
 アンモナイトは、巻き貝のように渦巻きの殻を持つ生き物で、体は貝ではなく、イカやタコのような形をしていたと考えられています。
 また殻も貝とはちょっとちがいます。
 巻き貝は横から見ると山のように三角形をしていますが、アンモナイトは膨らまずに平らに巻いていきます。
 全体の雰囲気は、水族館でよく展示されているオウムガイに似ています。
 ところが、それが想像もできないようなグニャグニャな形の殻になっているのです。

 アンモナイトもオウムガイも巻き貝も、みんな同じようにい「等角螺旋(対数螺旋,ベルヌーイ螺旋)」と呼ばれる規則でつくられています。
 それが「異常巻き」は、どう考えてもそんな規則があるようには見えません。

異常巻きアンモナイトのポストリコセラス

 アンモナイトが絶滅したのは、ちょうど白亜紀後期。
 古生代に誕生して、繁栄したアンモナイトが進化の袋小路に入って異常な巻き方になり、それが原因で絶滅してしまった、ともいわれていました。
 しかし、ちょっと待って下さい。
 異常巻きのアンモナイトの化石はたくさん見つかっています。
 会場でも「これでもかっ!」ってほど展示されています。

 生き物が化石になって見つかるということは、実はとんでもない数のハードルがあるのです。
 まず、化石に残るような部分があること。
 形が崩れる前に埋もれること。
 熱や圧力で壊れないこと。
 そして地面の表面までやってくること。
 そのあと風化しないこと。
 最後に人間に見つかること。
 さらに、これだけのハードルを超えるためには、その生き物がたくさんいること、つまり繁栄してることが必要です。
 ということは、異常巻きがたくさん見つかるというのは、絶滅の道を歩んでいたのではなく、繁栄していたのです。

異常巻きというか巻いてないアンモナイトのバクリテスほか

 それだけでなく、「異常巻き」は同じ巻き方の化石がたくさんあるのです。
 つまり「異常」ではなく、進化の一つの方向として決まった巻き方だったのです。
 会場でも同じ属ごとに並べられています。
 見ると同じ巻き方のものがたくさんあります。

 たとえばディディモセラスは、先のほうが巻き貝のように三角形になって、その後ぐるりと向きを変えるものがあります。
 当然のことですが、アンモナイトの形はアンモナイトの生活の仕方に関係しています。
 オウムガイのような普通の形のアンモナイトは、オウムガイと同じように水中に浮かんで生活していたと考えられます。
 ということはディディモセラスは、巻き貝の殻のようなときは海底や岩などの上で巻き貝のように生活して、ある程度大きくなったらアンモナイトらしく水中に浮かんで生活したのかもしれません。

巻き貝+チューブワームのディディモセラス

 成長によって生活の場所を変えるのは、同じ種類の大人と食べ物の取り合いをしなくてすみます。
 体の大きさに応じた天敵から逃れるのにも役立つかもしれません。
 アンモナイトと同じ地層(和泉層群)からは、白亜紀末期の海の肉食動物最強とも言われるモササウルスの化石も見つかっています。
 アンモナイトを食べたと言われるモササウルスと同じ海で繁栄したのですから、モササウルス対策かも?

アンモナイトと同じ地層から見つかったモササウルスのアゴの化石

 と考えると、異常巻きのアンモナイトは絶滅寸前の進化の袋小路ではなく、1億年かけてもどのアンモナイトが達成できなかった新しい方向性を見つけ出した進化の成功者だったのかもしれません。
 たしかにそうすれば化石がたくさん見つかることも納得できます。

ディディモセラスいろいろ

 それなら、なぜそんな大繁栄したアンモナイトが絶滅したのでしょうか。
 それは謎でもなんでもありません。
 恐竜が絶滅するきっかけとなった大隕石の落下の影響で、海の生き物も多くが絶滅しました。
 アンモナイトはその中のひとつ。
 大繁栄した異常巻きアンモナイトも、隕石落下を生き残れるようには進化していなかったようです。

ディディモセラスいろいろ

 「異常巻き」のアンモナイトを一度にこれだけ見られる機会はそれほどないでしょう。
 いい加減のように見えて、実はちゃんと決まりがある「異常巻き」。
 じっくり観察すると何か発見があるかもしれません。

■参考外部リンク■
特別展 石は地球のワンダー|大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館
大阪市立科学館 公式ホームページ | 大阪市立科学館 公式ホームページ

マダガスカル 産 アンモナイト シルバー ボックス

新品価格
¥1,299から
(2017/5/25 22:57時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 石は地球のワンダー  Isi-Wonder  大阪市立自然史博物館  異常巻きアンモナイト  ディディモセラス  ポストリコセラス  バクリテス  アンモナイト  モササウルス 

関連記事
スポンサーサイト

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

特別展「石は地球のワンダー」地球と石と生き物の関係がわかる!?〈大阪市立自然史博物館〉

 生き物のブログでどうして化石でもない石を扱うのか、不思議におもわれるかもしれません。
 同じ石でもたしかに生き物が生きた証の化石ならともかく、そうでない鉱物がたくさんでてくるのは、たしかにヘンです。

 しかし、石と生き物には共通するところがあります。
 とても重要なことが。
 それは、どちらも地球にある物質でできていること。


 当たり前と思うかもしれませんが、その「当たり前」がとても大切。
 生き物体を作る物質は、もちろん地球ができたときからあります。
 はじめは大きな大きな岩だったでしょう。
 それが長い時間をかけて風化して、他の物質とひっついて新しい化合物になり、それを生き物が取り込んで別の化合物に変えて体を作ります。
 その生き物が食べられれば、食べた生き物にうつります。
 そして死んでしまい、他の生き物に食べられなければ、再び地球の中に戻り、石になります。

 そういう意味では、生き物は石が姿をかえたもので、石は生き物が姿を変えたもの、とも言えるでしょう。
 もちろん、その間にはとても長い時間の流れと、様々な変化があるのですが。

 今回の展示には鉱物の化学式も書かれています。
 そこでウィキペディアを参考にして、人間の体を作っている物質と同じ物質は赤く色を変えました。
 その中でも特に人間の体の1%以上を占める重要な物質は太字にしました。
 展示された中の、きれいなものだけ抜き出してみましたが、さあ、どういう結果でしょうか。

紅鉛鉱 PbCr4

ツヤムン石 Ca(U2)2(V28)・5-8H2

オーケン石 Ca10Si184618H2

孔雀石 Cu2(CO3)(OH)2

蛍石 Ca2

オパール(蛋白石) Si2・nH2

青鉛鉱 PbCu2+(S4)(OH)2

蛍石 Ca2

石英(煙水晶) Si2

黄鉄鉱 FeS2

 真っ赤です。
 結果はツヤムン石のU(ウラン)以外は、全て人間の体を作っているものと同じ物質でできていました。
 しかも人間の体の1%以上を占める重要な物質を含む鉱石も、黄鉄鉱以外すべて。

 石と人間。
 誰に聞いてもまったく違うもの、と答えるでしょう。
 ところが、作っている物質で考えると、とても近い兄弟であることがわかります。
 石も人間も、地球にある同じ物質で作り出されたものなのです。

 会場では、鉱物の名前だけでなく、一緒に書かれてある化学式も一緒に見てください。
 多くの鉱物は、あなたのからだを作っているものと同じ物質だけでできていますから。

人体の構成割合が1%以上の元素
酸素 65%
炭素 18%
水素 10%
窒素 3%
カルシウム Ca 1.5%
リン 1%

人体の構成割合が1%未満の元素の一部
イオウ:  鉄:Fe  フッ素:  ケイ素:Si  鉛:Pb  銅:Cu  クロム:Cr  バナジウム: 

参考:人体 - Wikipedia

■参考外部リンク■
特別展 石は地球のワンダー|大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館
大阪市立科学館 公式ホームページ | 大阪市立科学館 公式ホームページ

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 石は地球のワンダー  Isi-Wonder  大阪市立自然史博物館  紅鉛鉱  ツヤムン石  オーケン石  孔雀石  オパール  青鉛鉱  黄鉄鉱 

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

特別展「石は地球のワンダー」地球がつくったきれいな石がいっぱい!〈大阪市立自然史博物館〉

 大阪市立自然史博物館の春の特別展が始まりました。
 特別展「石は地球のワンダー ~鉱物と化石に魅せられた2人のコレクション~」。

駐輪禁止になって前がスッキリした南西入口の看板

 「石」です。
 子供がハマるものトップ3にランキングされるにちがいないもの。それも男女問わず。
 しかし、大人になるとすっかり興味を失ってしまうものトップ3にランキングされているにちがいありません。
 たしかに、子供の世界の石は身近なものばかり。
 それも手元にあればいずれ飽きてしまうでしょう。

 しかし、大人には大人の「石」の世界があるのです。
 そのコレクション。
 「石マニア」でなくても目を引くものがたくさんある!と思います。

 ということで、細かい説明はあとにして、「地球が作った芸術品」の数々を。

あえて壁を作らず自由に見て回れるレイアウト

北川隆司鉱物コレクション

 鉱物学を研究した広島大学の故北川隆司教授が世界中から収集した鉱物コレクション。
 2000点の中から160点が展示されています。
 全国を巡回して、関西では最後だそうです。

博物館のおすすめのミメット鉱 Pb5(AsO4)3Cl
ミメット鉱

博物館のおすすめの藍銅鉱 Cu3(CO3)2(OH)2
藍銅鉱

緑鉛鉱 (PO4)3Cl 緑鉛鉱
岩塩 NaCl 岩塩

 宝石の原石もあります。

ダイヤモンド C
ダイヤモンド

自然金 Au
金

アクアマリン Be3Al2Si6O18
アクアマリン

金澤芳廣化石コレクション

 香川県在住の金澤芳廣氏から自然史博物館に寄贈された化石コレクションです。
 特に自然史博物館の学芸員(当時)が中心となった研究で香川県初の恐竜化石が見つかったのは、去年テレビ番組で紹介されました。
 その化石も展示されています。

博物館のおすすめの異常巻きアンモナイト
異常巻きアンモナイト

大きなアンモナイト

イセエビくらいの大きさのエビの化石

47都道府県の石(岩石・鉱物・化石)

 都道府県の鳥や木や花は制定されているのに、「石」が1つもないことが発見されたことがきっかけとなり、できました。
 日本地質学会では、都道府県の石をきっかけに地面の成り立ちなど興味を持ってもらい、防災減災にも役立てることも目的としています。

宮城県の化石 ウタツギョリュウの化石の複製
ウタツギョリュウ

マチカネワニの化石以外ピンとこない大阪の石

東京の岩石 無人(むにん)岩と化石 トウキョウホタテ

 石と鉱物と化石のちがいなどいろいろありあますが、まずは人間ではない地球がつくったきれいで不思議な石を見ているだけでも、おもしろい!
 博物館だけじゃなく、美術館としても楽しめる特別展です。

■参考外部リンク■
特別展 石は地球のワンダー|大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館
大阪市立科学館 公式ホームページ | 大阪市立科学館 公式ホームページ

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: Isi-Wonder  石は地球のワンダー  大阪市立自然史博物館  ミメット鉱  藍銅鉱  ダイヤモンド    アクアマリン  ウタツギョリュウ  47都道府県の石 

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

第47回特別展「氷河時代」寒いときは日本にトラだっていました!?〈大阪市立自然史博物館〉

 どうも日本にトラがいたことにこだわる方が多いようです。
 日本のトラについて書いたページによくメッセージがあります。
 日本にもいろいろな動物たちがいて、絶滅してしまった動物も少なくありません。
 日本だけでなく地球上から絶滅してしまった動物もいますが、日本で絶滅しても、ほかの地域に生き残っている動物もいます。
 トラはそんな動物の一つ。

●今までの「氷河時代展」の記事
【気候変動はなにも今にはじまったことではありません?!】
【大きな動物は日本中しかも大阪にもいました!?】
【気候変動の証拠はいつの時代にだってあります!?】

センター南門の看板

 そう、日本にトラはいたのです。
 それを実感できるのが、自然史博物館の「氷河時代展」。
 もちろん、今の日本に野生のトラはいません。
 そして、少なくとも文書(もんじょ)には日本にトラがいたことは残っていないようです。
 つまり、日本で歴史が始まったころには、トラはもういなくなっていた、ということです。

トラ左第5中手骨 後期更新世 岐阜県郡上市

トラ下顎骨 トラ上顎骨・関顎骨 中期更新世 山口県美祢市

 トラが見つかった時代の様子を年表風にまとめてみました。
 いつものように直感的に時代の長さがわかるように、基本的に表の縦の高さは時代の長さに比例するようになっています。
 ただし、完新世はものすごーく短く文字が見えなくなるので、かなり高くしています。

年前
新生代第四紀完新世後氷期↑ 0(現在)縄文時代
更新世後期最終氷期↑ 1万1700トラ(岐阜県郡上市)
最終間氷期↑ 7万最古の石器(島根県出雲市)
中期↑ 12万6000
ヴルム氷期↑ 15万トラ(山口県美祢市)
間氷期↑ 70万
カラブリアン↑ 78万1000
リス氷期↑ 130万
ジェラシアン間氷期↑ 180万
ミンデル氷期↑ 230万
新第三紀↑ 258万
「氷河時代展」解説書と展示を元に「日本地質学会-地質系統・年代の日本語記述ガイドライン」と「氷河期 - Wikipedia」も参考にしました。

 日本は骨が残りにくい地質になっています。
 もともと化石自体が残りにくいものなのに、日本で化石が見つかるとは、当時は普通にトラがいたのかもしれません。
 ただ、それは寒かった氷期(ひょうき)に限られるようです。
 化石がないから暖かい間氷期(かんぴょうき)にいなかったとはいえませんが。

 なぜ寒い時期にしかいなかったのか。
 考えれる理由はいくつかあります。
 まず、寒いと氷が増えて海水面が下がり、日本が大陸と陸続きになったり、海峡が狭くなって、どんどん日本に動物がやってきます。
 トラも、トラが食べる動物も。
 そして寒いと草原が増え、大型草食動物も生きていくことができるようになります。
 大型草食動物がたくさんいるので、大型肉食獣のトラも生きていけるのです。

 最終氷期のトラと同じ岐阜県の郡上市(ぐじょうし)の熊石洞(くまいしどう)で見つかった日本では絶滅した動物たちです。

ヤベツノオオジカの角 更新世後期 岐阜県郡上市(地球上から絶滅)


ニホンムカシジカの角と下顎骨 更新世後期 岐阜県郡上市
(地球上から絶滅)


ヘラジカの下顎骨 更新世後期 岐阜県郡上市


ナウマンゾウの下顎骨 更新世後期 岐阜県郡上市(地球上から絶滅)


ヒグマの椎骨 更新世後期 岐阜県郡上市(北海道では絶滅していません)


 考古学的な証拠から現在日本と呼ばれる地域の中で、ホモ・サピエンスとトラが同じ時代に住んでいたことはまちがいないようです。
 ただ、家や土器をつくりだすようになり現在の日本人につながる縄文時代は、最後の氷期が終わって地球が暖かくなってから。
 そのころには日本のトラは全滅していたかもしれません。

本館のヤベツノオオジカとナウマンゾウ

 また、最終氷期とその前の氷期にトラの化石が見つかっていますが、その間の間氷期がどうだったのかわかりません。
 現在いないことを考えると、暖かかった最終間氷期には日本のトラは絶滅していた可能性が高そうです。
 このように生き物の絶滅と進出は、地質学的な尺度で見ると日本のような島では頻繁に起こっていたようです。
 つまり、生き物の生息について考えるとき、人間の極端に狭い尺度で考えるのではなく、もっと広い尺度で考え、想像することが大切なようです。
 そんな証拠がたくさんあるのが、「氷河時代展」です。

■参考外部リンク■
第47回特別展 氷河時代|大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 47th-hyougajidai  氷河時代展  大阪市立自然史博物館  トラ  ニホンムカシジカ  ヘラジカ  ヒグマ  更新世  氷河時代  気候変動 

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

第47回特別展「氷河時代」気候変動の証拠はいつの時代にだってあります!?〈大阪市立自然史博物館〉

 氷河時代は、もちろん今よりも寒かった時代です。
 それどころか、地球全体が凍ったこともあったことがわかっています。
 不思議です。
 温暖化温暖化と言われていますので、二酸化炭素が地球を温めるのはわかります。
 じゃあ、地球を冷やすのは何でしょう。

●今までの「氷河時代展」の記事
【気候変動はなにも今にはじまったことではありません?!】
【大きな動物は日本中しかも大阪にもいました!?】

園路分岐点の看板

 これはとんでもない不思議ですが、それ以前に、どうして何万年や何百万年の昔、人間がいなかった時代の温度がわかるのでしょうか。
 こちらのほうも、とんでもない謎です。

 それを教えてくれるのが、氷河時代展!

 寒い氷河時代には、もちろん氷河があります。
 氷河は名前のように、氷の川。
 目で見てもわからないほどゆっくりですが、川のように氷が流れていきます。
 そのとき、地面の石を巻き込んだり、地面を削ったりします。
 川の流れとそっくり。
 もちろん、流れるものも、流れ方もちがいますから、削り跡もちがいます。
 ですから、岩の表面に残った跡から、氷河があったことから、氷河の流れる方向までわかります。

なでると流れた方向がわかる氷河擦痕

 氷河は流れながら石を取り込んでいきます。
 そして氷河が溶けた時に落とします。
 そういった石がたくさん見つかれば、そこまで氷河がやってきたことがわかります。

氷河が運んだ石のドロップストーン

 そのほか、氷河だけが作ることができる地形の痕跡が見つかれば、氷河があったことがわかります。
 この方法だと、理屈の上では地球が固まってから今までの間の氷河があった時代と場所を知ることができます。
 実際は、地面は動き、新しく創りだされているので、古い時代になればなるほど、地層がそのまま残っていることは少ないのですが。

 このように古い時代のことは知ることができても、とても大雑把になってしまいます。
 でも、「最近」のことならばもっと細かい気候の変動の様子を知ることができます。
 その一つが木の年輪。
 日本の場合、木は春から秋に成長しますが、冬は成長しないので区切りができます。
 それが年輪。
 たとえば、木が成長する春から秋にかけて寒いとあまり成長しなくて年輪が狭くなり、暖かいとよく成長して広くなります。
 いつ切られたのかが分かれば、さかのぼっていけば、いつが寒くていつが暖かかったかがわかります。
 もちろん、実際の木の成長はそんな単純なものではありませんので、年輪を読み解くにはさまざまな専門的知識や技術が必要です。

同じように見えて微妙にちがいがある秋田杉の年輪

 木の寿命は長くても数百年。
 時折樹齢何百年、数千年と聞きますが、そんな木は稀。
 ですが、遺跡から発掘された木や化石になった木の年輪の幅の変化をつなぎあわせていき、1万くらいさかのぼれるところもあります。

 年輪よりも昔のことを知ることができるのが、年縞。
 湖などに底に溜まって縞状になった層のこと。
 四季の変化によって底にたまるものが変わります。
 その時の気温などの変化によってたまるものの種類や量が変わります。
 それが毎年繰り返され、木の年輪のような縞模様になります。
 それで、いつ、どのような気候の変化があったのかわかるのです。

世界の基準になってる福井県水月湖の年縞

 展示されている滋賀県水月湖の年縞は、数万年分の気候変動の様子が記録されています。
 しかも誤差が少なく、世界の標準になっている年縞です。

 ほかにも氷床コアがあります。
 南極やグリーンランドに雪が積もってできた厚い氷の塊。
 厚く積もった雪と一緒に空気や空気中のホコリ等が閉じ込められます。
 その空気やホコリ等からその時の気候の様子がわかります。

溶けてないと思ったら氷床コアのレプリカ

 ほかにもどういった環境で育つかわかっている生き物の化石が見つかったら、その場所の昔の環境がわかります。
 もちろん、寒かったのか暖かかったのかも。
 こういった情報を総合して、過去の気候の変化を読み解くことができるのです。

 そういう貴重な証拠を見ることができるのが「氷河時代展」。
 さまざまな過去の証拠や、詳しい説明は会場で。
 実際に触れるものもあります!
 たぶん、気候変動の証拠の実物を一度に見られる機会は、そうないでしょうから。

■参考外部リンク■
第47回特別展 氷河時代|大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 47th-hyougajidai  氷河時代展  大阪市立自然史博物館  氷河擦痕  ドロップストーン  年輪  年縞  氷床コア  氷河時代  気候変動 

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

第47回特別展「氷河時代」大きな動物は日本中しかも大阪にもいました!?〈大阪市立自然史博物館〉

 副題は「化石でたどる日本の気候変動」。
 動物などいろいろな化石で、日本の気温の変化をなぞっています。
 「氷河時代」というと、普通は新生代、恐竜が滅んでからのこと。
 残念、大きな動物の化石は、ない!

●今までの「氷河時代展」の記事
【気候変動はなにも今にはじまったことではありません?!】

特別展恒例の幟

 いえいえ、まったくいないわけではありません。
 哺乳動物には「ベルクマンの法則」というのがあります。
 同じ種類の動物は、寒いところに住む種のほうが大きくなる、というものです。
 簡単に言うと、寒いところの哺乳類は、でかい! ってことです(かなり乱暴な説明!)。
 つまり、今よりも寒い氷河時代には、今よりも大きな哺乳類がいたはずだ! ということ。

 まずは入口の、ヘラジカ。
 これは大阪万博のとき展示されていたという年代物。
 最終氷期(最も近い寒い氷河時代)のころは、日本中にいたと考えられています。
 奈良公園や厳島神社に行ったことがある方は実感できると思いますが、ニホンジカは四足で立っているとそんなに大きくありません。
 ただ、鹿せんべいを食べようと伸び上がると、人間よりも大きく(長く)なりますが。
 ヘラジカはニホンジカよりちょっと大きいくらいですが、ちょっと牛っぽくてずいぶん重そう。

角がないのでちょっと残念なヘラジカ

 そして、その奥にもっと大きな動物が見えますが、順路は右手へ。
 うーん、やっぱり、こういうのは入り口から見えないほうがその場で見たときのインパクトが強いように思います。

 そして20億年前の化石や、7万年の歴史を刻んだ地層などを見ながらグルっと回って、その大きな生き物たち。
 まず目を引くのは、真ん中のケナガマンモス。
 ただ、日本でマンモスがいたと思われるのは北海道だけですが、別のゾウ、ナウマンゾウは大阪にもいました。
 頭の骨だけですが、マンモスのとなりにちょこんとあります。
 マンモスとナウマンゾウは同じゾウ科のゾウ。
 どちらも肩の高さが3メートルほど。
 アフリカゾウよりも小さいとはいえ、見上げるような大きさ。

アフリカゾウより遥かに迫力がある牙のケナガマンモス

 マンモスの隣には大きな角の鹿がいます。
 ヤベオオツノジカ。
 マンモスの隣では小さく感じまずが、肩の高さ2メートル近く。人間よりもずっと大きく、ずっと重い鹿で、大阪にいました。
 ニホンジカとちがい、角が手を広げたような形になり、ヘラジカのように大きく広がっています。
 もし、奈良公園の鹿がニホンジカでなくヤベオオツノジカだったとしたら、まるでオオタカが襲ってきたように、上の方から角を広げた顔が降りてきて鹿せんべいを食べます。
 もっとくれとヤベオオツノジカが群がってきたら……
 春日大社の参拝は命がけになったでしょう。

背骨の長い突起(棘突起)は筋肉がたくさんついてた証拠のヤベオオツノジカ

 会場のは骨を組み立てたものですが、本館のナウマンホールには、生きているときの姿を再現したヤベオオツノジカと、ナウマンゾウがいます。

大昔の大阪にいた本館のヤベオオツノジカとナウマンゾウ

 そして、ちょっと目立たないですが、もう一つ大きな生き物が。
 ケナガマンモスの展示場所からちょっと戻ったところに、ぺったりと寝そべっています。
 パレオパラドキシア。
 今から1300万年前、今の氷河時代が始まるより前の、まだ暖かかった時代の日本にいた束柱類と言われる絶滅哺乳類。
 展示されている化石は、組み立てずに並べているだけなので、生きている姿が想像しにくいですが、海辺でカバかセイウチのような生活をしていたと考えられています。

寝そべってる?パレオパラドキシア

 パレオパラドキシアの体長は2メートルほど。
 大きいとはいえ、ゾウには及びません。
 やっぱり、暖かいよりも寒いほうが哺乳類は大きくなるのだなぁ。
 ベルクマンの法則は正しかった!

 パレオパラドキシアと同じ束柱類のデスモスチルスの復元骨格が本館第2展示室にあります。
 こちらは四足で立っています。

パレオパラドキシアもこんな感じだった?本館のデスモスチルス

 ということで、氷河時代展の後には博物館本館がおすすめです。

■参考外部リンク■
第47回特別展 氷河時代|大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 47th-hyougajidai  氷河時代展  大阪市立自然史博物館  ヘラジカ  ケナガマンモス  ヤベオオツノジカ  ナウマンゾウ  パレオパラドキシア  デスモスチルス 

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

特別展「生命大躍進展」にはダンクルオステウスとか今はいなくなった超古代魚がたくさん!〈大阪市立自然史博物館〉

 大阪展は終わってしまいました。
 でも期間中に書けなかったことがまだ少しあります。
 ブロガー招待していただいた自然史博物館には申し訳なく思いますが、すでに4つ書いていますし、入場券でも見に行っていますので、大目に見てもらえると信じています。
 そして生命大躍進展は岡山会場ではじまりましたので、見逃した方はまだだいじょうぶです。

●今までの「生命大躍進展」の記事
【生命誕生から人類まで40億年の本物の証拠がたくさん!】
【5億年分のいろんな動物がたくさん!】
【カンブリア爆発のいろんな動物がたくさん!】
【巨大ウミサソリとぞわぞわの節足動物がたくさん!】

しょくぽんといっしょ

 生命大躍進展の見どころはとてもたくさんありますが、その一つは6メートルのダンクルオステウスの実物大生態復元模型。
 化石の実物でもレプリカでもありませんが、現在の知識で復元した生き物は、専門家でない者にとっては、ある意味化石以上に意味のあるもの。
 クジラも首長竜もいなかった時代にも、こんな大きな生き物が海を泳いでいたということを実感できます。
 文字や絵ではちょっとわかりにくいことです。

迫力ある6メートルのダンクルオステウス!

 ただ、このダンクルオステウスはちょっとクセモノ。
 なぜなら、頭の骨しか見つかっていないのです。
 大きな頭の化石を残していながら、軟骨魚類という骨が柔らかい種類。
 体の骨が化石になりにくいのです。
 そもそも大きな生き物の全身が化石に残ることはとてもまれなこと。
 さらに骨自体が化石になりにくい。
 そして大きな生き物は数がものすごく少ないとしたら。
 ですから、このダンクスオステウスの胴体は、100%想像なのです。

ダンクルオステウスの頭の化石のレプリカ

 といっても、まったくのデタラメにつくったわけではありません。
 近い種類の魚の化石などから推測して復元していくことになります。
 ということは、復元をする人の知識やセンスが大きく影響します。
 つまり、10人いれば、10種類の復元があるわけです。
 とはいえ、ダンクルオステウスに恐竜のうような体をつけるわけはなく、概ね似たような姿になります。

 ダンクルオステウスは古生代の巨大魚ということで結構有名ですから、復元図はよく目にします。
 それらの多くは細長い尾の上下にヒレがつくオタマジャクシのような姿。
 ヒレの形はオタマジャクシよりもスマートな形が多いですが。
 生命大躍進展のダンクルオステウスもスマートなオタマジャクシ型。

鏃のようなダンクルオステウスの尾とヒレ

 残念ながら、今回の復元に至るまでの経緯は図録にも載っていませんのでわかりません。
 ただ、今は一般的な復元された姿ということは言えるでしょう。
 ところが、オリジナルグッズを販売している売店で売られているフェバリットのダンクルオステウスのフィギュア。
 ビニールモデルとソフトモデルの2種とも尾ヒレはサメのような形をしています。

FP-304 ダンクレオステウス ビニールモデル

新品価格
¥1,318から
(2016/7/18 22:09時点)

FP-004 ダンクレオステウス ソフトモデル

新品価格
¥969から
(2016/7/18 22:10時点)

アニア AS-07 ホオジロザメ

新品価格
¥459から
(2016/7/18 23:11時点)

 もちろん、このデザインも適当につくったものではありません。
 原型デザインは古生物復元模型作家の徳川広和さん。
 ご本人から直接お聞きしたこともありますが、ブログによると、ダンクルオステウスに近い種類と考えられ全身の化石が見つかっているコッコステウスを参考にしたものだそうです。
 ただコッコステウスは小型魚なので、同じ軟骨魚類で今も生きている巨大サメ類も参考にし、研究者の監修のもとつくりだされた姿です。
 専門家ではないので、どちらの復元が正しいのかはわかりません。
 しかし、会場に展示されているコッコステウスの化石を見ればなんか納得できます。

全身残ったコッコステウスの化石

 コッコステウスの化石では、背骨が尾の方で急に上向きに曲がっています。
 これはサメと同じ。
 サメの場合、この向きが変わっているところから尾ビレがはじまります。
 つまり、この上に曲がった背骨は、ブーメラン型の尾の上側。
 そして下側は細長い軟骨が支えています。
 タイやイワシなどの魚の尾ビレには背骨はなく、細い鰭条で支えられています。
 このように見た目は似ていても、尾のつくりはまったくちがいます。
 コッコステウスは、サメのように背骨で上のヒレを支え、下のヒレを細長い軟骨で支えていたと考えられています。
 当然、近い種類のダンクルオステウスも同じと考えてもおかしくありません。

タイやイワシの尾に近い形のユーステノプテロンの化石の尾

 魚の尾ヒレというと、どうしても胴の後端から扇形に広がったものを想像してしまいますが、泳ぐための尾ヒレの形として考えると、むしろ少数派になります。
 たとえは今もいる魚類でも、軟骨魚類はエイのように尾になっているか、サメのようなブーメラン型。
 また尾をヒレに変化させた生き物でも、このブーメラン型の尾は少なくありません。
 魚竜とかモササウルスのように。
 と考えると、ブーメラン型の尾ヒレは進化としてはよくある形なのかもしれません。

 会場には、ほかにも古代魚の化石がたくさん。
 見くらべてみると、おもしろい発見があるかもしれません。
 そしてグッズコーナーもチェックです。

2016/07/19加筆

【年代層序表〈顕生代〉β2 動物と植物】

■参考外部リンク■
生命大躍進展 人類誕生に至る40億年の壮大な生命進化の展覧会
ようこそ大阪市立自然史博物館へ
岡山シティミュージアム/生命大躍進
恐竜・古生物模型作品ギャラリー: ダンクレオステウス Dunkleosteus
古生物をテーマにしたフィギュアとグッズ - Favorite Store

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 生命大躍進  ダンクルオステウス  コッコステウス  ユーステノプテロン  板皮類  古生代の魚  巨大魚  大阪市立自然史博物館  seimeidaiyakusin 

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

二十四節気・七十二候
プロフィール

ノート

Author:ノート
都会の植え込みから自然あふれる山まで。
新米ビオトープ管理士でフィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

検索フォーム
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
Yahoo!天気・災害
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
bk1
リンク
動物プロダクション サイエンスとゆかいな仲間たち
けろんの100円で昆虫採集!
相生山からのメッセージ
ななこの『生き物のお世話』ブログ
雑記帳~身の回りの出来事やら自然やら~
とある昆虫研究者のメモ
ACTOW
徳川広和・恐竜・古生物・模型・フィギュア作品ギャラリー
コトラ&ミーのこんにちは ご近所さん
すみれ奏へようこそ
そぞろ歩き
デジカメ・昆虫・写真
くろねこのチラシの裏
どくだみ荘日乗
故郷の廃家
とらログ
ようこそ大阪市立自然史博物館へ
インターネットミュージアム
いきもの を ぱちり!
管理画面
Amazon
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる