巨樹・古樹・老樹 その67 天王寺の堀越神社の大阪市指定保存樹林第10号の堀越さんのご神木の楠
大阪の天王寺駅の少し北にある小さな神社。
でも、聖徳太子が四天王寺と一緒に建立したと言われるので千四百年の歴史を持つ古い神社。
そして「一生に一度の願いを聞いてくださる神さん」。
境内の南に堀があり、それを渡って参拝したのが由来と言われます。
ただ、昔から今のような狭い境内とは思えませんので、その堀がどこにあったのかは見ただけではわかりません。

その小さい境内に焦げたような黒くて太い木が生えています。
高さ13メートル幹周り3.2メートル。
幹には菰が巻かれ、「御神木」と書かれた木札が掛けられています。
堀越さんのご神木の楠(2017年12月)

「堀越さんのご神木」とよばれ樹齢550年と言われるクスノキです。
そんなに大きく感じないのは、数度の落雷と二度の大火を経験したため。
それだけでなく大阪大空襲もくぐり抜けてきたはず。
幹は真っ黒に炭化して、枯れているように見えます。
ところが横から見てみると、幹を後ろに伸ばしています。

そして神社の外から見ると、道路の方に枝を出し、たくさん葉をつけています。

若いクスノキでも、もっと大きな木は珍しくはありません。
しかし、黒焦げになった太い幹を見ていると、このクスノキがご神木とされるのも納得できます。
このクスノキ。
昭和40年の地下鉄谷町線の工事のため、ここに移されたのです。
大火や空襲だけでなく、掘り返され植え直されるという、年老いた木にはつらい出来事まで乗り越えてきました。
炭化した幹、そして何度もの大変な出来事を耐えてきたクスノキ。
多くの人が訪れ、手を合わせて行きます。
■参考外部リンク■
浪華茶臼山・堀越神社(大阪天王寺)
大阪市市政 保存樹・保存樹林等、貴重な緑の保全・育成への助成について
「巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自に選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
タグ: 巨樹・古樹・老樹 堀越さんのご神木 大阪市指定保存樹 クスノキ 堀越神社

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