【 夏の花】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

生き物を育てることの責任ときれいな花

 公園を歩いていると、草刈りからしばらくたった立入禁止のゆるい斜面に突然ピンク色の花が。


 葉は無いか目立たなく、細い花茎の先に6枚の大きな花被片。
 ヒガンバナ科の園芸品種?

 サフランモドキのようです。
 キジカクシ目ヒガンバナ科、中南米の原産で観賞用に栽培されます。
 この場所ではじめて見ましたし、なんか違和感があります。


 24時間出入り自由なため、だけかが勝手に植えたものかもしれません。

 公園管理者を困らせようと思って植えたわけではいないでしょう。
 むしろきれいな花が増えればと、善意だったかもしれません。
 でもそれは植物を育てる責任を放棄していることになります。
 さらに他人に無理やり押しつけていることにも。
 公園デザインの調和は崩れるし、植えられた植物にとってもいい環境ではないかもしれません。
 人工的な環境の維持は、計画的な管理が大切です。

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タグ: サフランモドキヒガンバナ科夏の花ピンク色の花桃色の花

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夏の岩湧山で出会った謎の白い花

 7月末の岩湧山。
 山頂の茅場ではいろいろな花が咲きます。

道端で咲いていたオカトラノオ

 トレッキングルートを歩いていると、白い花が咲いていました。
 丈の低い草。
 花は小さく葉は大きい。

道端で咲いていた白くて小さな花

 白い花は5枚の花びらにオシベは5本。
 それが2つ、3つ茎の先に。
 見たことがあるような気がしますが、わかりません。
 家に帰っていろいろと調べてみても、みつかりません。
 何冊も図鑑を見ても載っていません。
 岩湧山に通じる金剛山で咲く草を集めた本にも載っていません。

謎の白い花

 そんな珍しい花が道端で咲いているのに、だれもネットにあげていない。
 ちょっと信じられません。

 Googleレンズを使うとシロバナイナモリソウが。
 そっくりに見えますが、じっくり観察すると花弁の形や質感、オシベなどがちがいます。

 行き詰まったところで、あることに気づきました。
 これは珍しい植物ではなく、岩湧山山頂にありふれた植物の花がなにかの事情で傷ついたものでは?

 小さい白い花というと、さっき咲いていたオカトラノオ。
 オカトラノオはたくさんの花が並んで房状になります。
 だからその可能性を考えていませんでした。

 はたして。

 花の形はそっくり。
 オシベもそっくり。
 葉の形も質感もそっくり。

オカトラノオの花

 解決。

 オカトラノオです。

 ただどうしてこんなに花が少なくなったのかは、謎のままです。

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秋の七草じゃないけれど。大思草

 真夏の岩湧山山頂の茅場を彩る植物。
 忘れてならないのは、ナンバンギセル。
 万葉集では思草(おもいぐさ)。
 ススキなどイネ科植物に寄生する植物。
 そのちょっと大きいオオナンバンギセルが咲きます。

大南蛮煙管

 オオナンバンギセルは一年草ですが、だいたい同じ場所で咲くので、適した環境では多年草のようです。
 ただ、今年はちょっと少ない。

オオナンバンギセル

 来年はたくさん咲いていると、いいな。

オオナンバンギセル
大南蛮煙管
Aeginetia sinensis G.Beck
ゴマノハグサ目 ハマウツボ科 ナンバンギセル属
一年草寄生植物

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里山の茅場に咲く秋の七草 ききょう

 もうすぐ8月。

 大阪南部の低山、岩湧山山頂の茅場ではいろいろな花が咲く季節。

 青紫色の花がたくさん咲いていました。
 キキョウ。

Platycodon grandiflorus

 ここは今も茅場として使われている場所。
 春にはススキが刈られ、焼かれ、焼け残った木があれば刈られます。
 そうやって林になるのを抑え、ススキは維持されます。
 そのような場所を好む植物も同じように維持されることになります。
 キキョウもそういった植物の一つでしょう。

キキョウ

 ここでは秋の七草のほとんどが見られます。
 身近では見ることができない花も多い秋の七草。
 それが人の手が入る里山で見ることができるということは、昔は身近な植物ばかりだったのでしょう。

紙風船のようなキキョウのツボミ
桔梗

 ただ、キキョウは環境省のレッドリストも大阪府のレッドリストも「絶滅の危険が増大している種」の絶滅危惧Ⅱ類(VU)。
 ここのキキョウは誰かが持ち込んだタネからはじまったのか。
 それとも鳥か何か動物や風が運んできたタネからはじまったのか。
 気になります。

キキョウ
桔梗
Platycodon grandiflorus (Jacq.) A.DC. (1830)
キク目 キキョウ科 キキョウ属
多年草

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なんとかまにあった土木通の花

 だいたい梅雨のおわりくらいに咲く花。
 ツチアケビ。
 名前にアケビと付きますが、ランの仲間。
 菌類に寄生して、地面の上に現れるのは花を咲かせて、タネをばらまく間だけ。

 多年草ですが、花は数年に一度くらいしか咲かないようです。
 ここは運良く群生地のようで、ほぼ毎年出会うことができます。
 果たして今年は。

 薄暗い林床でほのかに赤みがかったクリーム色のツチアケビ。


 根本にも同じ色の花被片がちらばり散ってしまったかな、と思ったら、まだ咲いていました。


 このあと赤い実をつけることになります。
 その実をアケビに見立てたことが由来のようです。
 アケビと言うにはちょっと細長いような気がしますが、ランの中では大きい方かもしれません。

 もう少ししたら見られるでしょう。

ツチアケビ
土木通
Cyrtosia septentrionalis (Rchb.f.) Garay
キジカクシ目 ラン ツチアケビ属

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タグ: ツチアケビ夏の花黄色い花クリーム色の花

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真っ白いから光合成はしません! ギンリョウソウ

 金剛山のギンリョウソウに間に合いました。
 今年はちょっと早めでもう終わったと思っていました。

ギンリョウソウ

 ギンリョウソウは林床に咲く真っ白な植物。
 全体が真っ白ということは、光合成をしない植物。
 タシロランと同じように菌類から栄養をとっています。

 ただ、タシロランとちがうのは、菌類の種類。
 落ち葉などを分解する菌類から栄養を取るのがタシロラン。
 ギンリョウソウは樹木と共生している菌類から栄養を取っています。
 つまり、菌類を介して樹木の栄養を取っているとも言えます。
 同じ白い植物ですが、ちょっと事情はちがっています。

 ほかの特徴は、タネを虫に運んでもらうこと。
 それも実を食べてもらって。
 つまり、タネは昆虫の消化器を素通りできるほどとても小さい。
 食べてもらう昆虫はカマドウマやモリチャバネゴキブリなど。

花は終わって実がふくらんでいます
銀竜草

 光合成をやめてしまっただけでなく、タネを広める方法もちょっと変わっています。

 学名はMonotropastrum humile (D.Don) H.Hara。
 最近、朝ドラらんまんの主人公のモデル、牧野富太郎さんがギンリョウソウについて書いた手紙のことが報道されていましたが、命名は牧野さんではありません。
 分類を変更した H.Haraさんは、植物学者の原寛さんのこと。
 牧野さんが創刊した『植物研究雑誌』の三代目編集長。
 朝ドラに登場するでしょうか?

ギンリョウソウ
銀竜草
Monotropastrum humile (D.Don) H.Hara
ツツジ目 ツツジ科 シャクジョウソウ亜科 ギンリョウソウ属

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タグ: ギンリョウソウ白い花夏の花梅雨の花腐生植物菌従属栄養植物

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真っ白いから光合成はしません! 田代蘭(牧野富太郎さん)

 タシロランが咲いていました。
 広葉樹の落ち葉が厚く積もった場所に咲く真っ白な植物です。

田代蘭

 6月後半ころ突然現れ、半月ほどで跡形もなく消えてしまう。
 まるで幽霊のようです。

 真っ白なのは、光合成しないから。
 地面の下に広がる菌類から栄養をもらっています。
 多くの植物は菌類に水や土の中の栄養を集めてもらう代わりに、光合成で作った栄養をわたす形で共生しているようです。
 ところがタシロランは光合成できません。
 つまり菌類から一方的に栄養をとっているようです。
 それでも毎年この場所では咲いていますので、菌類を弱らせるほどではないのでしょう。

タシロラン

 光合成しないので、地面の上に出てくるのは花を咲かせてタネを広げるときだけ。
 だからすぐ消えてしまうので気づかれないこともあるでしょう。
 実は身近で咲いているのかもしれません。

Epipogium roseum

 タシロランの学名はEpipogium roseum (D.Don) Lindl.。
 Makinoさんの名前はありません。
 実は和名の命名が朝ドラらんまんの主人公のモデル、牧野富太郎さんです。
 発見者の田代善太郎さんの名前から命名されました。
 朝ドラにもタシロランと田代さんは登場するでしょうか?
 出てこないような気がしますが、たのしみです。

タシロラン
田代蘭
Epipogium roseum (D.Don) Lindl.
ラン目 ラン科 トラキチラン属

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