【 千早本道の花】

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金剛山の登山道の小さな噴水。杜鵑草(ほととぎす)


 金剛山(こんごうざん)で最も登山者が多い千早本道(ちはやほんどう)

 ここでも秋の花が咲き始めています。

 花の種類と量はほかの道と比べても負けてないと思いますが、マイナーで小さい花が多いので、意外と知られていないような気がします。

 そんな秋の千早本道で数少ない目立つ花のひとつ?がホトトギス(杜鵑草)。

 ホトトギスといっても鳥ではありません。
 ユリ科の植物です。



千早本道八合目付近で咲いていたホトトギス
千早本道八合目付近で咲いていたホトトギス
消毒も何もされていない野草ですから虫食いがいっぱいあって当然!




 ユリ科ですが、見た目の姿は小さな葉をいっぱいつけ丈も低いナルコユリやチゴユリのような感じです。

 しかし花はまったくちがっていて、不思議なかたちをしています。



ちょっとかわったホトトギスの花のアップ
ちょっとかわったホトトギスの花のアップ




 上に向かって開いた花びらは細く別れ、中心から束になった雄蕊(おしべ)が立ち上がったあと、そのまま外側へ反り返っていく様子は、まるで噴水が吹き上がっているようです。

 ホトトギスにはいろいろな種類があります。
 花びらが下に反っていないこと、花の真ん中から飛び出た雄蕊の束になったところに紫の斑点がないので、ヤマジノホトトギス(山路杜鵑草)のようです。



雄蕊の束に斑点がないのでヤマジノホトトギスのようです
雄蕊の束に斑点がないのでヤマジノホトトギスのようです




 大きいといっても花の直径はわずか数センチ。背も高くはありません。
 登っていく道ばかり見ていたら簡単に見落としてしまうでしょう。

 千早本道を歩くときは他の登山者のじゃまにならないよう、危なくないよう気をつけて、足元や道の外へ目を向けると、ホトトギスやもっと小さいな花がいっぱい咲いている様子を見ることが出来るでしょう。



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初夏の金剛山で出会った花2012 千早本道九合目編


 いくつもある登山道の中でも一番登山者が多いと思われる千早本道。
 ほぼ一合目ごとに標識があるわかりやすい道。

 そんな千早本道で、初夏の5月初旬の千早本道で出会った草花です。



※今回の「花」は学術的な生殖器官としての「花」ではなく、様々な色や形に変化した苞や萼も含む「見た目の花」を指します。
※「○合目」というのは、登山口から山頂までを、歩く時間でおおまかに十等分したものです。
※今回は、「○合目」の標識を過ぎてから次の表示が現れるまでを「○合目」とまとめています。
※標高はGPS付きカメラに記録されたものです。目安としてください。




▲九合目(分岐・楽な道) 標高1061m▲

ここでも道はふたて手にわかれます。
八合目から山腹の道で入った場合、まっすぐは楽な道、右の階段は杉林の中を通る近道。
八合目からまっすぐ階段を登ってきた場合は、左へ行くと楽な道、右へ行くと近道になります。
今回は楽な道を行きました。
こちらは広葉樹が多いところを通り、頂上広場のすぐ下は春から秋までいろいろな花が咲く花畑になっています。


ニシノオオタネツケバナ(西の大種漬花)

アブラナ科 タネツケバナ属
二年草
日本での分布:近畿以西の本州,九州,

ニシノオオタネツケバナ(西の大種漬花) ニシノオオタネツケバナ(西の大種漬花)
タネツケバナ(種漬花)にオオバタネツケバナ(大葉種漬花)などよく似た名前と姿の親戚がいます。
花の形、葉の形、そして高野山のものと同じ葉の形ということで、最終的にニシノオオタネツケバナ(西の大種漬花)になりました。


コハコベ(小繁縷)

ナデシコ科 ハコベ属
一年草
別名:ハコベラ,
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

コハコベ(小繁縷)
ウシハコベとよく似ていますが、雌しべの先が3つに分かれているように見えること、茎が紫色をしてることがコハコベの特徴です。
春の七草の「ハコベラ」です。


ヘビイチゴ(蛇苺)

バラ科 ヘビイチゴ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄,

ヘビイチゴ(蛇苺)
このように千早本道ではあちこちで咲いています。


ムラサキケマン(紫華鬘)

ケマンソウ科 キケマン属
二年草
別名:ヤブケマン,
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄,

ムラサキケマン(紫華鬘) ムラサキケマン(紫華鬘)




▲九合目花畑 標高1071m▲

千早本道で一番花が咲いているところです。
ここが唯一の花畑になるのは千早本道でおそらく唯一の日当たりがいいところだからでしょうか。


ニリンソウ(二輪草)

キンポウゲ科 イチリンソウ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

ニリンソウ(二輪草)
ニリンソウ(二輪草)
1本の茎の先に2輪の花を咲かせるのが名前の由来です。
この2輪は同時に咲かず、片方が先に成長して先、残りがそれを追うように成長して咲きます。
そのため2輪揃って咲いていても花茎の長さや花の大きさがちがうことがあります。
転法輪寺の境内でもいっぱい咲いています。


カキドオシ(垣通し)

シソ科 カキドオシ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄,

カキドオシ(垣通し)


オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)

ゴマノハグサ科 クワガタソウ属
越年草
別名:瑠璃唐草,天人唐草,星の瞳,
ヨーロッパ原産の帰化植物
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄,

オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)
外来種の雑草が山頂付近にあるのが、登山者が山ほどくる金剛山の千早本道だからでしょうか。
しかしここまでの間に見かけなかったので、日当たりの悪いところは苦手なのでしょう。


ニョイスミレ(如意菫)

スミレ科 スミレ属
多年草
別名:ツボスミレ
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

ニョイスミレ(如意菫)
ニョイスミレ(如意菫) ニョイスミレ(如意菫)
他のスミレが終わってから咲き始める遅咲きのスミレです。
千早本道では山頂近くでよく見かけますが、平地でも田畑や林でも咲くスミレです。




▲頂上 標高1095m▲



ユキザサ(雪笹)

ユリ科 ユキザサ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

ユキザサ(雪笹)
ユリ科のイメージから離れた小さな花が咲きます。
山頂トイレの横で咲いていました。





 金剛山好きの間では今ひとつ評判が悪い千早本道ですが、あちこちに今まで紹介した以上の花が咲いています。

 比較的安全に登れる道として、わりと余裕を持って道端の花を見ることができるのではないでしょうか。


 シーズンの土日で登り下りの人がいっぱいの時でなければ、ちょっと足元を見てみるのもいいかもしれません。



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初夏の金剛山で出会った花2012 千早本道登山口~四合目編


 いくつもある登山道の中でも一番登山者が多いと思われる千早本道。
 ほぼ一合目ごとに標識があるわかりやすい道です。

 そんな千早本道で、スミレもほとんど終わった初夏の5月初旬の千早本道で出会った草花です。



※今回の「花」は学術的な生殖器官としての「花」ではなく、様々な色や形に変化した苞や萼も含む「見た目の花」を指します。
※「○合目」というのは、登山口から山頂までを、歩く時間でおおまかに十等分したものです。
※今回は、「○合目」の標識を過ぎてから次の表示が現れるまでを「○合目」とまとめています。
※一般車両通行止めの高城茶屋の前を登山口として「零合目」、バスが通る府道705号線からの分岐を「負一合目」としました。
「零合目」「負一合目」ともIWO(いきもの は おもしろい!)独自の表記です。
※標高はGPS付きカメラに記録されたものです。目安としてください。


金剛山の動植物は傷つけたり持ち帰ったりせず、マナーを守り、大切な自然を未来へ残しましょう。




▲負一合目(府道705号線からの分岐) 標高522m▲

このあたりには商店は人家もありますので、普通の雑草が目立つところです。


スイバ(蓚,酸い葉)雄花

タデ科 スイバ属
多年草
別名:ギシギシ,スカンポ,ソレル,
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

スイバの雄花
スイバの雄花
元気良くまっすぐ伸びるスイバ
元気良くまっすぐ伸びるスイバ
雌雄異株(しゆういかぶ)でこれは雄花(おばな)
日常的によく見る雑草の一つ。


ハルジオン(春紫苑)

キク科 ムカシヨモギ属
多年草
北アメリカ原産の帰化植物
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

カタカナだと外国語みたいなハルジオンの花
カタカナだと外国語みたいなハルジオンの花

日常的によく見る雑草の一つ。
同じムカシヨモギ属のヒメジョオンとよく似ています。
違いは次の通り。
(つぼみ)が下を向いていたらハルジオン。
葉の付け根が茎を巻くようになっていたらハルジオン。
茎を折って中に空洞があったらハルジオン。
これらと違ったらヒメジオン。
垂れてるハルジオンのつぼみ
垂れてるハルジオンのつぼみ
茎を巻くハルジオンの葉
茎を巻くハルジオンの葉




▲零合目(登山口) 標高539m▲

二合目のすぐ下の七曲りの階段までは谷の川筋に沿って道が続きます。
日差しを嫌い湿気を好む動植物が多いところです。


シャガ(射干,著莪)

アヤメ科 アヤメ属
多年草
中国原産の帰化植物(史前帰化?)
日本での分布:本州,四国,九州,

アヤメとはまたちがうシャガの花
アヤメとはまたちがうシャガの花
根を張ると土が安定すると言われ、登山道の斜面などに植えられることがあります。


マムシグサ(蝮草)

サトイモ科 テンナンショウ属
多年草
日本での分布:関東以西の本州,九州,

マムシグサのちょっと変わった花
マムシグサのちょっと変わった花
金剛山ではスギ林でよく見かけます。

テンナンショウ属は種類や変異が多く、見た目で区別しにくいものが少なくありません。
そのため一般的なテンナンショウ属の「マムシグサ」に似ていて判別しにくいものは「マムシグサ」としました。


サトイモ科は花の周りを葉が変化した(ほう)が花のように包むおもしろいかたちをしています。
この独特な形をした苞は「仏炎苞(ぶつえんほう)」といいます。
中でもテンナンショウ属は苞が花を筒状になって包み、先がふたをするように伸びていくのが特徴です。
仏炎苞の中に見える棒状のものは花ではなく、花にひっついている「付属体」。
花はその下に固まってついています。
このような花の並び方を「肉穂(にくすい)花序(かじょ)」といいます。
誰かが仏炎苞をめくったのか中の付属体がよく見えます
誰かが仏炎苞をめくったのか
中の付属体がよく見えます
向かって右側が上になった雄花
向かって右側が上になった雄花
向かって左側が上になった雄花
向かって左側が上になった雄花
仏炎苞のつけねに隙間があるのが雄花(おばな)ですが、巻く方向が違うのは種類の違いになるのかどうかはわかりません。
この隙間は、中にある花の花粉をつけたコバエなどが出ていくためのものです。
と言うことで雌花(めばな)にはこの隙間はありません
雌花の奥のほうでは外に出られないコバエなどが死んでいます。




▲一合目(水場) 標高618m▲

以前は「一合目」の標識がかかっていましたが、現在はありません。
水場ですので、見落とすことはないと思います。

ここから先は山頂も含めて飲用水はありません(山頂には手洗い用の水や飲み物の自販機、売店などはあります)。
必要ならばここで補給してください。
ただし消毒されていない自然の水ですので、自己責任でお願いします。


マムシグサ(蝮草)?

サトイモ科 テンナンショウ属
多年草
日本での分布:山梨以西の本州,四国,九州,

とりあえずマムシグサ
とりあえずマムシグサ
一見マムシグサですが、小さな葉っぱ縁には粗い鋸歯(きょし)(ぎざぎざ)があります。
そして小さい葉がまとまってついた茎葉(けいよう)葉柄(ようへい))が1本しかありません(マムシグサは2本)。
ということで、マムシグサでない可能性もあります。





▲二合目(ベンチ・千早城址分岐) 標高654m▲

「七曲り」の階段を登りきったところ。
ここからは尾根道になり、しばらくスギの植林が続きます。


マムシグサ(蝮草)

サトイモ科 テンナンショウ属
多年草
日本での分布:関東以西の本州,九州,

あちこちに生えているマムシグサ
あちこちに生えているマムシグサ
テンナンショウ属を見分けるポイントの一つに、花が葉よりも上で咲くか、下で咲くか、があります。
マムシグサは花が葉よりも上で咲くテンナンショウ属のひとつです。





▲三合目 標高704m▲


マムシグサ(蝮草)

サトイモ科 テンナンショウ属
多年草
日本での分布:関東以西の本州,九州,

またまたマムシグサ またまたマムシグサ
このようにあちこちに生えています。





▲四合目 標高758m▲


マムシグサ(蝮草)

サトイモ科 テンナンショウ属
多年草
日本での分布:関東以西の本州,九州,

花の位置が微妙に低いマムシグサ
花の位置が微妙に低いマムシグサ
花の位置がちょっと低めなので、ちがう種類かもしれません。





 今回は五合目より下。

 ほとんどが杉林で、今の時期は花の種類も少なくマムシグサばかり目立ちます。

 これからは梅雨時のギンリョウソウが咲き始めるまでは花の少ない時期になります。



■外部リンク■
金剛山登山道情報(金剛山のホームページ)
金剛山を歩く
金剛山愛好会
金剛山 金剛山登山道・金剛山ハイキングコース
金剛山四季と風景の写真


テンナンショウ属について参考にさせてもらいました。
サトイモ科テンナンショウ属(萩生の森)萩生の森
テンナンショウの部屋山野を散策してみませんか可憐な緑の妖精が見られますよ
テンナンショウの仲間阿波の野草散歩


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