【 十二支】

[カテゴリ リスト] 【表示記事リスト】
ビオトープ
┃《ビオトープとは
山・森・里山
川・湖・池
海岸・干潟・海
公園・緑地・田畑
都市
野鳥・鳥
モズ
哺乳類
爬虫類・両生類
恐竜と化石爬虫類

節足動物
甲虫
昆虫(甲虫以外)
甲殻類
虫(節足動物以外)
その他の海の動物
草花
野菜・食用作物
お茶
樹木
花木
紅葉・黄葉・褐葉
果物・実
コケ・シダ
その他植物について
微生物・菌類・細菌 等
地衣類
博物館・植物園・催事 等
季節
本・DVD・物語・伝承
架空・神話・創作
語彙集
フィールドワーク
リンク
ブログのご利用について


〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

そしてトラや大きな動物は消えていった

 実は、日本に住んでいたトラ
 でも日本の歴史が始まるより前にいなくなってしまいました。

アムールトラ〈天王寺動物園〉
アムールトラ

 トラがいた頃は、今よりも寒くて海面が下がり大陸と地続きだったときもあり、大きなシカやゾウもいました。
 でも、そういった大きな動物は日本にはいなくなりました。

 地球が暖かくなり、海水面が高くなり、平地も少なくなり、草原が森林に変わり、大きな草食動物が生きていけなくなった。
 そして大きな草食動物を食べる大きな肉食動物もいなくなった。
 と言われますが、トラは平原ではなく森に住みます。
 草原の森林化では説明ができません。

ヤベオオツノジカ(1万2千年前頃まで)の生態復元
ナウマンゾウ(1万5000年前頃まで)の生態復元
〈大阪市立自然史博物館〉
ヤベオオツノジカとナウマンゾウ

 トラ以外にもヒョウやオオヤマネコなどネコ科の動物が住んでいましたが、沖縄県西表島のイリオモテヤマネコと、長崎県対馬のツシマヤマネコ以外いなくなってしまいました。
 一斉に滅んだわけではありませんが、縄文時代がはじまりましたので、温暖化による環境の変化で数が減ったところへ、人間の活動がダメ押しをしたのかもしれません。

 ただ、同じ食肉目でネコ科に近縁のイヌ科の動物は、オオカミ、タヌキ、キツネと3種も生き残りました。
 大型の食肉目のクマも生き残りました。
 オオカミもクマも森が住処。
 単独行動が基本でトラとは食べ物があまり被らない雑食性のクマはともかく、集団で狩りを行うオオカミは、トラには最大のライバルだったのかもしれません。

更完境界絶滅(仮)を乗り越えたのに
明治になって絶滅してしまったニホンオオカミ
〈和歌山県立自然博物館〉
ニホンオオカミ

 生き物がなぜ絶滅したのか。
 その理由を見つけるのは本当に難しい。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: トラ十二支アムールトラヤベオオツノジカナウマンゾウニホンオオカミ

関連記事
スポンサーサイト



theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

日本在来の動物で一番トラなのは?

 2022年は寅年。
 トラ年。

 本来は動物とは関係がなかったのですが、干支が広がっていく過程でわかりやすいように動物が当てられるようになり、今に至ります。
 中国発祥ですので日本には住んでいなかったり日本風に変わっていたりする動物もあります。

 その一つが、今年のトラ。

アムールトラ〈天王寺動物園〉

 トラがネコの仲間なのはよく知られていると思います。
 分類でトラは。
  食肉目 ネコ型亜目 ネコ科 ヒョウ亜科 ヒョウ属
 ネコは。
  食肉目 ネコ型亜目 ネコ科 ネコ亜科 ネコ属
 亜科から分かれています。
 それどころか、「トラ」は分類では現れてきません。
 ヒョウ属だったのです。

ネコ科
亜科 ヒョウ亜科 ネコ亜科
ヒョウ属     ベンガルヤマネコ属 ネコ属   オオヤマネコ属  
ライオン トラ ベンガルヤマネコ イエネコ オオヤマネコ
亜種 ツシマヤマネコ イリオモテヤマネコ

 今の日本には、在来種としてのトラは住んでいません。
 しかし、大昔にはトラは住んでいました。
 ただ、それは日本の歴史が始まるはるか前。

 「歴史」は、本来、文字による人間の活動の記録のこと。
 つまり、日本の場合は奈良時代かせいぜい古墳時代、無理して弥生時代後期でしょうか。
 文書には日本にトラがいたことが記録されていないようなので、日本の歴史が始まるころにはもうトラが住んでいたことは忘れ去られていたようです。

トラ 下顎骨・上顎骨
山口県 中期更新世(13万~180万年前)
大阪市立自然史博物館〈氷河時代展(終了しています)〉

トラ 左第5中手骨
岐阜県 後期更新世(1万2千~13万年前)
大阪市立自然史博物館〈氷河時代展(終了しています)〉

 1万年以上前にはトラ以外にもヒョウやオオヤマネコなどネコ科の動物が住んでいました。
 それが、沖縄県西表島のイリオモテヤマネコと、長崎県対馬のツシマヤマネコ以外日本からいなくなってしまいました。

ツシマヤマネコ〈京都市動物園〉

イリオモテヤマネコ〈国立科学博物館〉

 ということで、現在の日本の在来種でもっともトラに近いのは、イリオモテヤマネコと、ツシマヤマネコ。

トラ

Panthera tigris
食肉目 ネコ型亜目 ネコ科 ヒョウ亜科 ヒョウ属

ツシマヤマネコ
対馬山猫
Prionailurus bengalensis euptilurus
食肉目 ネコ型亜目 ネコ科 ネコ亜科 ベンガルヤマネコ属 種ベンガルヤマネコ
ベンガルヤマネコの亜種アムールヤマネコの日本在来種の名

イリオモテヤマネコ
西表山猫
Prionailurus bengalensis iriomotensis
食肉目 ネコ型亜目 ネコ科 ネコ亜科 ベンガルヤマネコ属 種ベンガルヤマネコ
ベンガルヤマネコの日本固有亜種

ベンガルヤマネコ〈天王寺動物園〉

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: トラ十二支アムールトラツシマヤマネコイリオモテヤマネコベンガルヤマネコ

関連記事

theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

いったいどこからウシなんでしょうか?

 2021年は丑年。
 動物の牛がシンボルになっています。
 そこで、動物の分類でどこからが牛か考えてみました。

六甲山牧場のウシ
六甲山牧場のウシ

 とりあえずウィキペディアを見てみると。

 牛はウシ亜種で、その上の分類はオーロックス種。
 「ウシ」がなくなってしまいました。
 でもその上はウシ族。
 そして上へ上へとたどっていきます。
 ウシ亜科、ウシ科、ウシ亜目。
 次は鯨偶蹄目でとうとう「ウシ」は無くなってしまいました。

 でも鯨偶蹄目はクジラと一緒になる前は偶蹄目と呼ばれていて、またの名を「ウシ目」。
 ということで、無理矢理には目レベルから、またはその下の亜目レベルから「牛」と言えそうに思えます。

 そこでそれぞれの分類にどんな動物が含まれるか見てみました。

鯨偶蹄目
偶蹄類(旧ウシ目) クジラ亜目
ウシ亜目 イノシシ亜目 ラクダ亜目
真反芻小目 マメジカ小目
ウシ科 シカ科 キリン科他
ウシ亜科 ヤギ亜科 インパラ亜科他
ウシ族 ネジツノレイヨウ族他 シャモア族 ヤギ族 ジャコウウシ族他
ウシ属 アジアスイギュウ属他 カモシカ属 ヤギ属 シロイワヤギ属 ヒツジ属
ウシ コブウシ ヤク スイギュウ エランド ニホンカモシカ ヤギ シロイワヤギ ヒツジ ジャコウウシ インパラ ニホンジカ キリン マメジカ イノシシ ラクダ クジラ・イルカ
赤色が「ウシ」がつく分類 黄色が日本在来種の偶蹄類

 どこまで牛か、を直感的に考えてみます。

 まず、ウシ目。
 ラクダやイノシシが含まれます。
 言うまでもなく、ラクダはラクダ、イノシシはイノシシ。
 牛とは思えません。
 「目(もく)」はからだの一部に注目したもので、生活の仕方や見た目でも様々なものを含みます。

 次にウシ亜目。
 今度はキリンがいます。
 そしてシカも現れてきます。
 今度もどう考えても牛ではありません。

奈良公園のニホンジカ
奈良公園のニホンジカ

 そしてウシ科。
 「科」という区分ではわりと生活の仕方が似てきますので、見た目もなんとなく似てきます。
 しかし、ヤギやヒツジが含まれます。

天王寺動物園のヒツジ
天王寺動物園のヒツジ

六甲山牧場のヤギ
ヤギ

 まだまだウシではないようです。
 ただ、カモシカが含まれます。
 枝分かれしない角が2本。
 からだもシカよりは重量感があるように思えます。
 ウシとシカの中間という感じです。

神戸市立森林植物園のニホンカモシカ
神戸市立森林植物園のニホンカモシカ

 ウシ亜科。
 ウィキペディアの「ウシ」の項目では「広義では、ウシ亜科 (subfamilia Bovinae) の総称」とあります。
 ここにはエランドが含まれます。
 走るのが早そうな姿は、牛よりもカモシカのほうが近いような気がします。

天王寺動物園のエランド
エランド

 ウシ族。
 ここには水牛が含まれます。
 もう牛と言ってもいいような気がしてきます。

 最後にウシ属。
 チベットなど標高が高い地域にいるヤクが含まれますが、これはもう、牛でしょう。

六甲山牧場のウシ(ホルスタイン)
ホルスタイン

 ということで、どこまで牛かの結論は。
 分類学的にウシは鯨偶蹄目ウシ科ウシ属の種オーロックスの亜種、Bos primigenius taurusのこと。
 学術的でない牛については。
 「ウシ」が使われる偶蹄類以下どのグループでもいいんじゃないかな、と思います。

 ちなみに、個人的にはギリでカモシカから?

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ウシ十二支ホルスタインエランドニホンカモシカヤギヒツジニホンジカ

関連記事

theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

イノシシはむかしから身近な、そして大切ないきものでした。

 2019年、最初はイノシシです。

 そして十二支の最後の干支動物。

 和名:イノシシ
 漢字表記:猪,豬
 学名:Sus scrofa
 脊椎動物亜門 哺乳綱 鯨偶蹄目 イノシシ科 イノシシ属

イノシシの親子の剥製〈きしわだ自然資料館〉

 ユーラシア大陸に分布し、日本では北海道を除き本州から沖縄まで広く分布します。
 本州から九州に分布するのが、亜種のニホンイノシシ(Sus scrofa leucomystax)。
 奄美諸島から琉球諸島に分布するのが、亜種のリュウキュウイノシシ(Sus scrofa riukiuanus)。

 「イノシシ」の「シシ」は「肉」のことで、古代の日本では大切な食料だったことがわかります。
 そのイノシシを家畜化したものがブタ(Sus scrofa domesticus)。
 学名を見ればわかるように、イノシシとブタは同じ「イノシシ」という種のちがう亜種ということになります。
 つまりブタもイノシシの一種ということができます。
 古代の遺跡から発掘される骨がイノシシかブタかについては諸説ありますが、弥生時代には大陸からブタが持ち込まれていた可能性は高いようです。

動物形埴輪 猪 藤井寺4号墳 5世紀〈大阪府立近つ飛鳥博物館〉

 大阪の和泉市にある大阪府立弥生文化博物館では、各地の古代遺跡からの発掘成果をもとに仮想した卑弥呼の食卓を再現しています。
 お膳の左奥の椀に盛られているのがサトイモ、タケノコと一緒に煮られたブタ肉。
 発掘された様々なものから、日本では弥生時代やさらに昔の縄文時代からすでにイノシシは身近な動物だったようです。

復元された卑弥呼の食卓〈大阪府立弥生文化博物館〉


そのサトイモ・タケノコ・ブタ肉の煮物〈大阪府立弥生文化博物館〉

 ところが、十二支のイノシシにはある秘密があるのですが、それは次回に。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: イノシシニホンイノシシリュウキュウイノシシブタ埴輪卑弥呼十二支

関連記事

theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

二十四節気・七十二候
プロフィール

ノート

Author:ノート
都会の植え込みから自然あふれる山まで。
フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

検索フォーム
カレンダー
02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
BLOG & NEWS | 動物プロダクション SCIENCE FACTORY ltd.
けろんの100円で昆虫採集!
相生山からのメッセージ
ななこの『生き物のお世話』ブログ
雑記帳~身の回りの出来事やら自然やら~
とある昆虫研究者のメモ
ACTOW
徳川広和・恐竜・古生物・模型・フィギュア作品ギャラリー
コトラ&ミーのこんにちは ご近所さん
すみれ奏へようこそ
そぞろ歩き
デジカメ・昆虫・写真
くろねこのチラシの裏
どくだみ荘日乗
故郷の廃家
とらログ
ようこそ大阪市立自然史博物館へ
インターネットミュージアム
いきもの を ぱちり!
管理画面
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS