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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

いまはどこにもいない いにしえ の日本馬に会いにいく 近つ飛鳥博物館

 生き物のことを知りたかったら、自然科学系博物館施設。
 自然史博物館、恐竜博物館、動物園に水族館、そして植物園など。
 でも、人文社会科学系博物館だって、生き物のことを知ることができます。

 小さな古墳がたくさん集まった「近つ飛鳥」。
 大阪府の河南町にあります。
 奈良県明日香村の「飛鳥」は「遠つ飛鳥」。
 そこより近いので「近つ飛鳥」。
 現在は公園として整備され、大阪の古墳時代をテーマにした博物館があります。

山の中にあるので全体がよく見えない近つ飛鳥博物館
近つ飛鳥博物館

 世界最大の陵墓とも言われる大仙古墳(仁徳天皇陵)のジオラマからちょっと離れたところに馬が展示されています。
 四條畷市の蔀屋(しとみや)北遺跡から発掘されたほぼ全身が揃った馬の骨。
 その骨格と生体の復元モデルが並べて展示されています。

生体復元の愛称は遥馬(はるま)くん
古代馬

 横たわるように全身が埋葬されていたので、丁寧に葬られていたようです。

丁寧に埋葬されていたようです

化石と言いたくなりますが人間が埋葬したので化石ではありません

 日本には在来馬とされる馬がいますが、歴史が始まるころには日本に自然分布の馬はいなかったと考えられています。
 つまり、日本の在来馬は大陸から連れてこられた馬を日本人が長年育てた子孫になります。
 この馬も日本在来馬のご先祖様かもしれません。

同じ格好で並んでいるので見比べるとおもしろい!

 年齢は5~6歳、今から1500年ほど昔の5世紀後半の古墳時代中期の馬で、肩高(地面から肩までの高さ)は約125cm。
 日本在来馬でいうと、宮崎県の都井岬に住む御崎馬(みさきうま)の小さいクラスだそうです。
 それで御崎馬を参考にして復元されました。

御崎馬

※展示されていません

 テレビなどでよく目にするサラブレッドとちがって小柄なので全体が見やすく、馬の体の作りがよくわかります。
 馬はテレビよく見る動物ですが、意外とおもしろい体の作りをしています。
 四足で走るために特化したような骨格をじっくりと見ることができる考古学の博物館です。

■参考外部リンク■
近つ飛鳥博物館

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タグ: 日本在来馬御崎馬近つ飛鳥博物館古墳時代遥馬非生物系muse.人文社会muse.

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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2000年前の日本犬に会いに行く! 大阪府立弥生文化博物館

 生き物のことを知りたかったら、自然科学系博物館施設。
 自然史博物館、恐竜博物館、動物園に水族館の植物園などいろいろ。
 でも、人文社会科学系博物館だって、生き物のことを知ることができます。

 戌年にちなんで、犬が展示されている人文社会科学系博物館を。
 大阪府立弥生文化博物館。
 名前からわかるように、弥生時代がテーマの博物館。
 国史跡に指定されることになる弥生時代中期の大きな環濠集落遺跡が見つかったことで、隣に作られた博物館。
 池上・曽根遺跡と名付けられたその遺跡だけでなく、弥生時代について様々な角度からの展示が行なわれています。

弥生文化博物館
弥生文化博物館

 その一つが、犬、弥生犬。
 1万5千年前に東アジアでオオカミから作り出されたと言われる犬。
 日本には縄文時代の早い時期からいて、誕生してすぐに、当時は大陸とつながっていたかもしれない日本に渡ってきていたことがわかります。
 もちろん、縄文時代に続く弥生時代にも犬はいました。
 しかし、弥生犬は縄文犬とはちがう特徴がありました。
 弥生人は縄文人とはちがう特徴を持ち、東アジアの大陸から当時は島になっていた渡ってきたと考えられています。
 きっと犬も一緒に渡ってきたのでしょう。

竪穴式住居に住む弥生人一家と弥生犬
竪穴式住居


 弥生文化博物館では、大阪府八尾市の亀井遺跡から見つかった全身骨格を元に復元された弥生犬が展示されています。

 名前は「海渡(カイト)」。

 尾は丸まっていないので、柴犬っぽくはありません。

弥生犬 海渡
海渡

 でも、竪穴式住居にいる弥生犬の尾は丸まっていて、柴犬っぽくなっています。

こちらは尾が丸くなってます

 横顔は額から上顎までに段差が小さいタイリクオオカミっぽい特徴が残っています。

弥生犬の横顔

 先に渡ってきた縄文犬ともども、日本犬のルーツになりました。

■参考外部リンク■
大阪府立弥生文化博物館

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タグ: 弥生犬日本犬弥生文化博物館弥生時代非生物系muse.人文社会muse.

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ちょっとかわった魚の使い方 実は“いきもの”がいっぱい!国立民族学博物館


 世界中に住む人々の文化が展示されている大阪の万博(ばんぱく)記念公園の国立民族学博物館。
.
 東アジア北部の民俗展示コーナーにはユニークな服が展示されています。
 革の服です。



万博記念公園の国立民族学博物館通称「民博」
万博記念公園の国立民族学博物館通称「民博」




 もちろん、牛や馬のようによく使われる革でも、ミンクやウサギなどの毛皮でもありません。
 当然、ヘビやワニの革でもありません。

 もっとユニークな革の服です。



 それは日本人にとっては馴染み深いもの。

 魚の革です。

 魚もそんなに珍しい種類ではありません。

 日本のどこにでもいるわけではありませんが、だれでも食べたことはあるような魚です。



民博に展示されている謎の革の服
民博に展示されている謎の革の服




 それは。

 サケ。

 塩鮭、新巻鮭のサケです。

 昔の北海道は魚の皮で服を作らなければならないほど獣(けもの)の皮が不足していたのでしょうか。

 それはわかりませんが、サケが季節が限られますが手に入れやすい大きな生き物であること、そして皮が丈夫で衣服に使えるからなのでしょう。

 展示されているものは見た目も丈夫そうで、立派な外套(アウター)になりそうです。
 実際サハリンアイヌは雨や雪を防ぐために使ったそうです。

 今でもサケの皮はいろいろなものに加工されて使われています。



サケの革で作られたサハリンアイヌの服のアップ
サケの革で作られたサハリンアイヌの服のアップ



 鮭というと北海道のイメージが強いですが、川を遡上するのは日本海側では島根県、太平洋側では千葉県が南限とされます。

 関東を流れる利根川(とねがわ)などは今でも風物詩となっていて、京阪神よりも身近な生き物だったのでしょう。

 一年を72等分して日本の季節の移り変わりを表す七十二候でも、12月の下旬、冬至の直前が「鱖魚群(さけのうお むらがる)」。
 「*鱖」はサケのこと。読みは「けい」。

 淡水魚を表し、近畿ではポピュラーなオイカワのこととする説もあります。
 ただ現在の七十二候は江戸時代に作られたものですので、サケと考えたほうがしっくりするでしょう。

 ともあれ、サケは北海道だけでなく、日本の多くの場所で初冬に恵みをもたらす生き物だったようです。

*鱖:魚偏に厥[魚厥]



 サケは川で産卵して寿命を終えますが、一生のほとんどは海で生活をします。

 つまり、海のものを川の上流に運んでいく役割を担っています。

 陸上で生活する人間もその恩恵を受ける生き物のひとつ。

 鮭の革の服もそう言う海の賜物(たまもの)のひとつなのです。



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タグ: 国立民族学博物館アイヌサケ鮭魚群七十二候非生物系muse.人文社会muse.

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おそろしい牛鬼の巻 実は“いきもの”がいっぱい!国立民族学博物館


 明日2013年の2月4日は立春。
 その前日の2013年2月3日は節分。

 ということで、「鬼」の記事です。
 といっても、頭に角が生え虎皮のパンツを履いた赤かったり青かったりする「鬼」ではありません。

 かない強いと噂される妖怪です。



 大阪吹田市の万博跡地にある国立民族学博物館。通称「民博(みんぱく)」。

 なんかややこしそうですが、今の言葉で言えば文化人類学博物館。

 これもややこしそうなので、簡単に言うと、世界に住む人々の文化を集めて展示した博物館。

 大阪万博の7年後の1977年に開館し、もう半世紀を迎えようかという博物館です。



 展示方法は開館当初から変わりません。

 広い展示室に高い天井、基本的に展示物と観覧者を隔てるガラスや透明アクリルのようなものはなく、多くの展示物は手を伸ばせば触れるところにあります。

 もちろん貴重な展示物です。
 むやみに触っていいものではありません。

 これは触っていいというのではなく、観覧者のマナーを信じているからこそできる展示方法なのです。



 そして基本的に写真撮影可能です。

 撮影については、最近は多くの博物館でできるようになってきましたが、民博ができた頃の日本では、展示物をケースに入れないことと合わせて「画期的」などと簡単に言えないほど先進的なことでした。

 このようにできた時から半世紀近くたった今でも日本が世界に誇れる博物館のひとつです。



 世界中の人々の「文化」の展示なので、“いきもの”は関係ない、と思うかもしれません。

 確かに生き物の自然科学系博物館的標本はありません。

 しかし“いきもの”は展示されています。



万博記念公園にある国立民族学博物館
万博記念公園にある国立民族学博物館




 人間の生活には生き物が深く関わってきます。

 それは肉や野菜のように食べ物であったり、ミツバチのように食べ物を集めてくれたり、馬のように人間や荷物を運んでくれたり、木のようにいろいろなものの材料になったり、時には田畑を荒らしたり人間の命を脅かしたり、神になることもあります。

 そういった人間と関わりのある生き物に対する人々の想いが形になったものが、民博に数多く展示されているのです。



 その中の一つ。

 日本の展示室の中に、ほかとちょっと違う雰囲気のものがあります。
 「牛鬼」です。

 「牛鬼」は「牛」といながら海から現れる妖怪で、日本各地に伝承が残り、ゲゲゲの鬼太郎と戦ったこともあります。

 非常に獰猛で残忍、人間を襲って食べてしまうという、妖怪というより怪獣にちかい存在です。

 そんな牛鬼に模した巨大な山車(だし)で町を巡行(じゅんこう)する祭りを行うところもあります。



日本の文化コーナーの愛媛県宇和島の牛鬼
日本の文化コーナーの愛媛県宇和島の牛鬼




 なかでも有名なのは愛媛県宇和島(うわじま)の牛鬼。それが展示されています。

 レモンを縦半分に切ったような細長い半球状の真っ赤な体に。角の生えた怖い動物の顔がのった長くて真っ赤な首がはえています。

 シンプルな作りですが、その分全体の異形としての雰囲気が増しているように感じます。

 乗用車よりも大きな体に、見上げるような長い首。
 数十人の男たちが担ぎあげ、首を振り赤い布やシュロで覆われた体を動かす姿は、街に現れた怪獣のようです。



妖怪らしい牛鬼の顔
妖怪らしい牛鬼の顔




 この牛鬼には魔除けや厄払(やくばら)いの役割があります。
 恐ろしい妖怪などを霊力を持った修行者が退治することで、その力をいいことに向けさせるパターンのひとつです。

 残念ながら民博の牛鬼が動くことはありませんが、年に一度しか見る機会がない牛鬼を間近で見ることができる博物館。

 国立民族学博物館にはほかにもいろいろな“いきもの”が展示されています。



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タグ: 牛鬼国立民族学博物館妖怪宇和島民俗学文化人類学万博公園非生物系muse.人文社会muse.

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