【 下赤阪の棚田201309】

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金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年9月 その4 植物編の2+地衣類編


 稲穂が色付く9月の下赤阪の棚田で出会った生き物も、これで終わりです。

 今回は植物だけでなく、地衣類(ちいるい)という生き物も登場します。




よく実った9月下旬の下赤阪の棚田




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掲載ページ数は文一総合出版『ポケット図鑑 田んぼの生き物400』初版第1刷のものです。




 「出会った時期」は写真を撮ることができた時期のことで、その時期以外にはなかったということではありません。



植物界
被子植物門
双子葉植物綱

ゲンノウショウコ(現の証拠)

フウロソウ目 フウロソウ科 フウロソウ属
多年草
掲載:P229
出会った時期:中旬・下旬

山でばかり見ていたのですが、田んぼにも生える雑草でもあります。


ツリガネニンジン(釣鐘人参)

キキョウ目 キキョウ科 ツリガネニンジン属
多年草
掲載:P291
出会った時期:中旬・下旬

名前のように釣り鐘のような小さな花は、薄紫できれいです。
棚田の梅畑のところで咲いていました。


ヘクソカズラ(屁糞葛)

リンドウ目 アカネ科 ヘクソカズラ属
蔓性多年草
出会った時期:上旬・下旬

茎や葉がくさい臭がするというのが由来です。
確かに葉をちぎると青臭い中に何か腐ったような臭がします。


メヤブマオ(雌薮苧麻)

バラ目 イラクサ科 ヤブマオ属
多年草
出会った時期:上旬


よく見かける雑草のカラムシとよく似ていますが、メヤブマオは茎に左右同じ所につく対生(たいせい)、カラムシは葉が茎に互いちがいにつく互生(ごせい)です。

ウンシュウミカン(温州蜜柑)

ムクロジ目 ミカン科 ミカン属
常緑低木
出会った時期:上旬

棚田の北側にはみかん畑が広がっています。
棚田には数本植えられていますが、棚田を作っている人の自家用でしょうか。
休憩の時に食べる用?
でも食べごろになるのは稲刈りのあとでは?


カキノキ(柿の木)

ツツジ目 カキノキ科 カキノキ属
落葉広葉樹
出会った時期:上旬・中旬・下旬

上は上旬で下は下旬。
あまり色は変わっているように見えません。
この後カキは稲刈りの頃から急に色づき始めます。

クヌギ(櫟)

ブナ目 ブナ科 コナラ属
落葉高木
出会った時期:下旬

どんぐりの袴(はかま)と言われる殻斗(かくと)はまだ緑色で柔らかそうです。



単子葉植物綱
イネ目

イヌビエ(犬稗)

イネ科 ヒエ属
一年草
掲載:P217
出会った時期:中旬

田んぼに生える厄介な雑草のひとつです。
無農薬栽培では根絶の難しい雑草ですが、逆に除草剤が多く使われていない証拠でもあります。

栽培ヒエの原種です。


タイヌビエ(田犬稗)

イネ科 ヒエ属
一年草
掲載:P218
出会った時期:上旬

こちらもポピュラーな田んぼの雑草です。
イヌビエと同じように除草剤が多く使われていない証拠でしょう。


エノコログサ(狗尾草)

イネ科 エノコログサ属
一年草
掲載:P223
出会った時期:上旬・下旬

「猫じゃらし」で有名な雑草。
田んぼではなく道端に生えていました。


ススキ(薄)

イネ科 ススキ属
多年草
出会った時期:下旬

道端に生えていました。
どこからか種が飛んできたのでしょう。


メヒシバ(雌日芝)

イネ科 メヒシバ属
一年草
出会った時期:上旬

どこにでも生えている雑草の一つ。
エノコログサと同じように道端に生えていました。


クサスギカズラ目

ヒガンバナ(彼岸花)

ヒガンバナ科 ヒガンバナ属
多年草
掲載:P192
出会った時期:中旬・下旬

田んぼにつきもののヒガンバナ。
あちこちで咲いていました。


ニラ(韮,韭)

ヒガンバナ科 ネギ属
多年草
出会った時期:上旬・中旬・下旬


棚田の一角にいっぱい生えていました。
ネギと同じように花を咲かせると葉が硬くなると言われているので、食べるために育てているのではないのかもしれません。

よくスイセンの葉と間違われるニラですが、このように葉はスイセンより薄くしなやかな感じです。
もちろんちぎればニラの臭がしますし、花はまったくちがいます。
スイセンの葉は食中毒を起こしますので、間違わないように注意が必要です。
生命力旺盛なニラは、簡単に雑草になります。


ユリ目

オニドコロ(鬼野老)

ヤマノイモ科 ヤマノイモ属
多年草
出会った時期:上旬・中旬



図鑑ではオニドコロの雄花の房(花序)は上を向くと書いてますが、下を向いています。
右は雄花のアップ。

葉は幅が広いハート形がオニドコロの特徴。
ヤマノイモのような芋もできますが、毒あるので食べられません。
慣れればちがいはわかりやすいのですが、ヤマノイモと同じ所に生えるので注意が必要です。
ここでもヤマノイモと同じ所に生えていました。
実がなりかけている雌花。
同じヤマノイモ属のヤマノイモに似ていますが、花がうえを向いているのでオニドコロです。


ヤマノイモ(山の芋)

ヤマノイモ科 ヤマノイモ属
多年草
出会った時期:中旬


「ヤマイモ」とも言われます。

オニドコロと比べて葉が細いのが特徴。
葉の付け根にできる丸い芋のようなものはむかご。
埋めると芽が出てきてヤマノイモが育ちますが、種ではありません。
芋と同じようなものです。
むかごができるのがヤマノイモの特徴。
オニドコロにはできません。

その他の目

オモダカ(沢瀉,面高)

オモダカ目 オモダカ科 オモダカ属
多年草
掲載:P184
出会った時期:上旬・中旬


田んぼの中に生える雑草。
水中から茎や葉を伸ばす抽水植物(ちゅうすいしょくぶつ)で、仲間には水草として水槽ビオトープなどに利用されるものもあります。

ツユクサ(露草)

ツユクサ目 ツユクサ科 ツユクサ属
一年草
掲載:P193
出会った時期:中旬・下旬

きれいな花ですが、結構しぶとい雑草です。
湿気の多いところを好んで生えます。
花期の長い花です。


アオウキクサ(青浮草)

サトイモ目 ウキクサ科 アオウキクサ属
多年草
掲載:P183
出会った時期:上旬

平たい葉っぱだけでまるでコケのようですが、種子植物です。
そして葉っぱのようにみえるのは葉でも茎でもない葉状体(ようじょうたい)。
葉状体は苔類のコケの特徴でもあるので、収斂進化でコケ型に変わったのでしょうか。





シダ植物門

ノキシノブ(軒忍)

ウラボシ綱 ウラボシ目 ウラボシ科 ノキシノブ属
出会った時期:上旬

葉っぱが細かく分かれた(羽状複葉)イメージのあるシダですが、葉が1枚(単葉)がノキシノブの特徴。
家の軒に生えるのが名前の由来ですが、今は家よりも石垣や大きな木の幹に生えているのをよく見かけます。


ヒメノキシノブ(姫軒忍)

ウラボシ綱 ウラボシ目 ウラボシ科 ノキシノブ属
出会った時期:上旬

名前の通りノキシノブを小さくしたようなシダ。
草のように見えますが、花が咲かず種もできませんので、種子植物ではありません。
胞子で増えるのはコケと同じですが、茎の中に水や栄養を送る管の集まり(維管束)があり、その点では種子植物と同じです。

コケとちがい維管束(いかんそく)があるので大きく育つことができ、種子植物が繁栄するまでは数十メートルの高さまで育つシダがありました。
現在でも暖かい地域には高さ数メートルにもなるシダ植物が残っています。





菌界
地衣類

 地衣類にはちょっと説明が必要かもしれません。
 あまり聞き慣れないだけでなく、ちょっとかわった生き物だからです。

 地衣類は簡単に云うと、カビと光合成生物(シアノバクテリアや緑藻)が一緒になったものです。

 細胞の中に光合成をする葉緑体がいる植物に対して、光合成生物を細胞に入れずに菌糸で囲い込んで共生させているのが地衣類。

 高い山や南極など他の生き物が生きられないようなところにもいます。
 その分成長はとても遅く、1年かけても数ミリから1センチくらいと言われています。

 体を作っているのはカビやキノコの仲間ですが、見た目も育つところもどちらかと言うとコケの方に近いふしぎな生き物です。


コガネゴケ(黄金木毛)

コガネゴケ科 コガネゴケ属
痂状地衣類
出会った時期:上旬

粉をまぶし長に見える痂状地衣類(かじょうちいるい)。
樹皮につく地衣類です。
ノキシノブがついていた同じクヌギについていました。


ヒメレンゲゴケ(姫蓮華木毛)

ハナゴケ科 ハナゴケ属
樹状地衣類
出会った時期:上旬


草のように立ち上がった樹状地衣類。
「樹」とついていますが実際は2~3センチほどの大きさです。
先についている赤い部分には胞子が詰まっています。

小屋の横に倒れていた丸太についていました。



 4回続いた9月の棚田の生き物もこれが最後。

 生き物の種類が多く、農薬や除草剤も少なく丁寧に守られていることがわかります。

 作業者が通れるように舗装された道をちょっと歩いただけでこれだけの生き物と出会うことが出来ました。

 専門的にじっくり探すともっとたくさんの生き物がいることでしょう。

 棚田は景観だけでなく、生物の多様性でも大切なビオトープのようです。



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金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年9月 その2 植物編の1


 日本の棚田100選にえらばれた棚田がある大阪府千早赤阪村。

 その棚田が黄色く色付きはじめる9月に出会った生き物たち。

 その植物編の1つ目です。




ほのかに黄色く色付いてきた9月中旬の下赤阪の棚田




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 「出会った時期」は写真を撮ることができた時期のことで、その時期以外にはなかったということではありません。



被子植物門
双子葉植物綱
キク目

ハハコグサ(秋の母子草)

キク目 キク科 ハハコグサ属
一年草
出会った時期:下旬


全部蕾のようですが、これでもちゃんと咲いているものもあります。多分。

本来ハハコグサが咲くのは春で、秋に咲くのはアキノハハコグサ。

アキノハハコグサは葉の付け根が茎をまくようになること、そして環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されるほど希少種になること、そしてハハコグサでも秋に咲くものがあること。

ということで秋ですがハハコグサ。

ヒメジョオン(姫女苑)

キク目 キク科 ムカシヨモギ属
一年草
掲載:P302
出会った時期:中旬


住宅街の公園にも生えるようなよくある雑草。
よく似た植物がありますが、葉の付け根が茎に巻きつかないのが特徴。

アメリカセンダングサ(あめりか栴檀草)

キク目 キク科 センダングサ属
一年草
掲載:P298
出会った時期:中旬

北アメリカ原産の外来種。
種はひっつき虫になります。


ヨメナ(嫁菜)

キク目 

キク科 

シオン属
多年草
出会った時期:中旬・下旬

持っているデジカメではどうしてもノコンギクパープルを再現できません。
実物はきれいな薄紫色をしています。


ヨシノアザミ(吉野薊)?

キク目 キク科 アザミ属
多年草
花期:9~11月
出会った時期:中旬


コウゾリナ(剃刀菜)?

キク目 キク科 コウゾリナ属
二年草
出会った時期:中旬・下旬


ちょっと自信がありませんが、硬そうな毛が生えた茎、葉柄がない披針形の葉なのでコウゾリナかな、と思います。
5月ころから10月ころまで咲いている開花期の長い花です。

ヒマワリ(向日葵)

キク目 キク科  ヒマワリ属
一年草
出会った時期:上旬

空いた棚田に植えられていました。
棚田を見に来た人のために植えられているのでしょう。


オオハルシャギク(大春車菊)

キク目 キク科 コスモス属
一年草
出会った時期:下旬

コスモスの和名。
ただし「コスモス」はコスモス属の総称ですが、「オオハルシャギク」はこのタイプのコスモスのことです。
メキシコが原産地の外来種。
中学校の近くの斜面にたくさん植えられています。




シソ目

キツネノマゴ(狐の孫)

シソ目 キツネノマゴ科 キツネノマゴ属
一年草
掲載:P290
出会った時期:上旬・中旬・下旬

下唇ばかり目立つのでシソ科でないように感じますが、よく見ると上唇もありシソ科の花の形をしているのがわかります。
花穂にたくさんついているのですが、なぜか一つが二つくらいしか咲いていません。
そのため長い間咲いています。


シソ(紫蘇)

シソ目 シソ科 シソ属
一年草
出会った時期:中旬

中国からの史前帰化と考えられています。
恐らく以前栽培していたシソの種がこぼれて育ったものでしょう。
シソは雑草のようによく育ちます。


アキノタムラソウ(秋の田村草)

シソ目 シソ科 アキギリ属
多年草
出会った時期:上旬・中旬・下旬

秋になるといつ行っても棚田のどこかで咲いています。




マメ目

クズ(葛)

マメ目 マメ科 クズ属
蔓性多年草
出会った時期:中旬・下旬

駆除の難しい雑草王ですので、棚田の中には生えていません。
上の棚田との間に生えています。


ノアズキ(野小豆)

マメ目 マメ科
蔓性多年草
出会った時期:上旬・中旬・下旬

これも花期の長い植物で秋にはいつ行っても咲いています。


コマツナギ(駒繋)

マメ目 マメ科 コマツナギ属
落葉小低木
掲載:P241
出会った時期:上旬

草のように見えますが、小さくて細い木です。
馬を繋げるくらいしっかりしているというのが由来だそうです。




タデ目

イヌタデ

タデ目 タデ科 ソバカズラ属
一年草
掲載:P256
出会った時期:下旬

この画像では咲いているものはひとつもありません。
咲くと5枚の花びらが広がります。


イタドリ

タデ目 タデ科 ソバカズラ属
多年草
出会った時期:上旬・中旬


春の若芽は山菜になります。
棚田の周りの色んな所に生えています。



その他の目

オオニシキソウ(大錦草)

キントラノオ目 トウダイグサ科 トウダイグサ属
一年草
出会った時期:中旬

アメリカからやって来た外来種。


アレチウリ

ウリ目 ウリ科 アレチウリ属
蔓性一年草
出会った時期:上旬


北米原産の外来種。
日本の侵略的外来種ワースト100に選定されています。

ユウゲショウ(夕化粧)

フトモモ目 アカバナ科 マツヨイグサ属
多年草
出会った時期:上旬・中旬

アメリカ原産の外来種。
住宅街の道端などでもよく見かけます。


ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)

ナデシコ目 ヤマゴボウ科 ヤマゴボウ属
多年草
出会った時期:上旬

アメリが原産の外来種。
実も含めて全体に毒があるので食べないように。
果汁は服につくととれないのでハイキングの時などは注意が必要です。


カタバミ

カタバミ目 カタバミ科 カタバミ属
多年草
掲載:P248
出会った時期:上旬・下旬

花は綺麗ですが、小さな雑草王。
種を四方八方へ飛ばし、球根はパラパラとすぐ崩れてしまうので畑ではなかなか厄介な雑草です。


カラスウリ(烏瓜)

ウリ目 ウリ科 カラスウリ属
蔓性多年草
出会った時期:上旬・下旬


あちこちで実がが熟していましたが、まだ咲いている花がありました。
結構花期が長いようです。

 棚田はきれいに手入れをされていますので大きな雑草は生えていませんが、その隙間や棚田の周りにいろいろな植物が生えています。

 在来種に混じって外来種も少なくないのは人里に近い証拠なのでしょう。



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金剛山が育む棚田の登熟 下赤阪の棚田2013年9月下旬


 夕暮れが早くなり、夜が涼しくなり虫の声も聞こえてくるようになりました。

 大阪南東部の千早赤阪村(ちはやあかさかむら)にある下赤阪の棚田も稲穂が垂れ、黄色くなり、秋の色が濃くなってきています。



黄色くなった穂が垂れている下赤阪の棚田の稲
黄色くなった穂が垂れている下赤阪の棚田の稲




 「登熟(とうじゅく)」は完熟した種を食べる農作物が実って完熟してく期間のことです。

 稲作でも籾(もみ)が緑色で硬さを感じるようになる時期を「登熟期」と呼びますが、さすがに棚田のお米を触るわけにはいきませんので、「実っている最中」という意味です。



登熟が進んでいる9月下旬の下赤阪の棚田
登熟が進んでいる9月下旬の下赤阪の棚田
※画像スライドできます ⇒⇒


 近くで見ると穂は黄色くなって垂れていますが、まだまだ葉は黄緑色。

 遠くから見るとまだまだ緑色が強く見えます。



富田林市立総合スポーツ公園から見た下赤阪の棚田
富田林市立総合スポーツ公園から見た下赤阪の棚田




 今年は10月6日に稲刈りイベントがあるようです。

 稲刈りまであとわずか。

 黄金に棚田が現れるのもあとわずか。

 でも、今の様子からすると、黄金の棚田が現れる前に稲刈りがはじまりそうな?



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七十二候第四十五候「玄鳥去」ですが、ツバメは元気に飛び交っています。


 家の軒先、商店や駅の庇(ひさし)の下など人が生活している場所に巣を作るツバメ。

 スズメ以上に身近な野鳥かもしれません。



空を舞う「玄鳥去」頃のツバメ
空を舞う「玄鳥去」頃のツバメ




 ツバメは春に南の国から日本に帰ってきて、夏に子を育て、秋に南の方へ去っていく渡鳥です。

 一年を72個に分け、それぞれに自然の移り変わりを表した七十二候(しちじゅうにこう)にも4月初旬頃に第十三候「玄鳥至(つばめいきたる)」、ツバメが南の国方帰ってくるというのがあります。

 そして秋分直前に第四十五候「玄鳥去(つばめさる)」があります。

 ちょうど今頃。

 ツバメは南の国へ渡るとき、葦原などに集まり、数千、数万という群れになって一斉に飛び立ちます。
 その時の様子を表したものでしょう。



 稲穂が垂れて黄色く染まりつつある金剛山の麓にある下赤阪(しもあかさか)の棚田、日本の棚田百選に選ばれた棚田です。



ツバメが舞う「玄鳥去」頃の下赤阪の棚田
ツバメが舞う「玄鳥去」頃の下赤阪の棚田




 ここの棚田は農薬も押さえられ丁寧に管理されているようで、自然が豊かで多くの虫が集まります。

 その証拠に田んぼの上ではたくさんのトンボが舞い、その上ではたくさんのツバメも舞っています。



「玄鳥去」頃の下赤阪の棚田の上を舞うツバメ
「玄鳥去」頃の下赤阪の棚田の上を舞うツバメ




 七十二候「玄鳥去」になってもまだ盛んにツバメが舞っています。

 ツバメの集合場所へ行く前に、南の国まで飛んでいくためのエネルギーを蓄えているのでしょう。

 大阪ではまだまだ最高気温が30℃を超える日が続きますが、いきものたちは確実に秋へとかわっていっています。



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金剛山が育む棚田の台風一過 下赤阪の棚田2013年9月中旬


 日本各地に様々な被害をもたらした台風18号。

 氾濫した川の水に飲み込まれてしまった田んぼがテレビに写っています。
 川が氾濫しなくても強い風で倒されているものもあるようです。

 日本の棚田百選の下赤阪の棚田はどうなっているでしょうか。

 ということで、台風一過の下赤阪の棚田へ行きました。




 ほんの2週間あまり前の下赤阪の棚田は、やっと穂に色がつき始めたくらいでした。

 そこがもっと黄色くなり、重くなり、みんな葉より下に垂らせています。

 稲穂が重たそうですが、倒れているものはありません。
 みんな元気に育っています。



頭を垂れる9月中旬の下赤阪の棚田の稲穂
頭を垂れる9月中旬の下赤阪の棚田の稲穂




 そして、真っ赤なヒガンバナが咲き始めています。

 名前の通りお彼岸(秋分の日とその前後3日間)の頃に咲く真っ赤な花です。



ヒガンバナと9月の下赤阪の棚田
ヒガンバナと9月の下赤阪の棚田




 棚田が黄金色に染まるまではまだ時間がありますが、真っ赤のヒガンバナと穂を垂れる黄緑の稲もいい感じです。



ヒガンバナが咲く9月の下赤阪の棚田
ヒガンバナが咲く9月の下赤阪の棚田




 これからも稲穂はどんどん重くなり、中ではお米がどんどん大きくなっていくことでしょう。



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金剛山が育む棚田の乳熟 下赤阪の棚田2013年9月初旬


 暑い夏も一段落。
 ときおり秋を感じる瞬間もあります。

 日本の棚田百選に選ばれた大阪府千早赤阪村(ちはやあかさかむら)の下赤阪の棚田の稲も、花が終わり穂が膨らんできました。



穂が垂れ始めていた9月初旬の下赤阪の棚田の稲
穂が垂れ始めていた9月初旬の下赤阪の棚田の稲




 徐々に垂れ始めていますが、まだ緑色。

 もみの中ではお米がどんどん大きくなっていることでしょう。

 そういう状態のことを「乳熟(にゅうじゅく)」といいます。



少し黄緑色になってきた9月初旬の下赤阪の棚田
少し黄緑色になってきた9月初旬の下赤阪の棚田
※画像スライドできます ⇒⇒




 稲刈りまではあと1ヶ月はかかると思いますが、それまでどんどん熟して穂が垂れ、稲も黄金色に染まっていくことでしょう。



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