【 下赤阪の棚田2013】

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下赤阪の棚田2013年のいきもの目次

5月 入水の棚田
5月 入水の棚田
10月 実る棚田
10月 実る棚田
12月 冬の棚田
12月 冬の棚田

 下赤阪の棚田を尋ねるようになって2年。

 記事の量も多くなり、見たいページを探すのも一苦労。

 ということで大分遅くなりましたが、2013年の記事をまとめた目次をつくりました。




下赤阪の棚田2013年
5月の棚田

6月の棚田

7月の棚田
┃┗棚田の動物

8月の棚田
┃┗棚田の動物

9月の棚田
┃┣棚田の植物
┃┣地衣類
┃┗棚田の動物
┃ ┣昆虫
┃ ┗昆虫以外の動物

10月の棚田
┃┃┗単子葉植物・シダ植物
┃┗棚田の動物

11月の棚田
┃┗棚田の動物
┃ ┣無脊椎動物
┃ ┗脊椎動物

12月の棚田
 ┗棚田の鳥




 テーマごとにまとめたページやタグごとのリンクをつけました。

 これで少しでも棚田の生き物を見つけやすくなれば、と思います。

 本当は種ごとの索引も作りたいところですが、それはまだまだ先のことになりそうです。




■外部リンク■
千早赤阪村ホームページ - 下赤阪の棚田(11月にはライトアップ)
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会
ACRES_棚田の主な役割と「百選」の選定方法
一般社団法人 地域環境資源センター 農村環境部


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タグ: 下赤阪の棚田下赤阪の棚田2013いきもの目次/SA-tanada棚田棚田の生き物田んぼの生き物ビオトープ棚田の動物棚田の植物

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金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年12月下旬 その2 動物編


 大阪の南東部にある下赤阪の棚田。

 年末には花も減って、動物も減ってきました。

 そんな棚田ビオトープで出会った鳥たちを集めてみました。




稲刈りも終わって動物も減ってきた年末の下赤阪の棚田




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掲載ページ数は文一総合出版『ポケット図鑑 田んぼの生き物400』初版第1刷のものです。




動物界 脊索動物門 鳥綱
スズメ目
モズ(百舌,百舌鳥,鵙)
スズメ目 モズ科 モズ属
スズメより大きい
漂鳥


スズメ目ですが、上の嘴(くちばし)の先が下向きに鋭く曲がった猛禽(もうきん)型の嘴を持ちます。

自分とたいして変わらない大きさのスズメなどを狩ることもあります。
猛禽類を形態と採餌方法で分類するのなら、スズメ目ですが立派な猛禽といえるでしょう。

セグロセキレイ(背黒鶺鴒)
スズメ目 セキレイ科 セキレイ属
スズメより大きい
漂鳥
掲載:P171


よく見かける3セキレイ(三鶺鴒)のひとつ。

正面から顔を見ると黒い過眼線(かがんせん)で黒いハクセキレイのようですが、眉毛のように見える白い眉斑(びはん)がつながっているためそのように見えるだけです。

ハシボソガラス(嘴細烏)
スズメ目 カラス科 カラス属
全長50cm程度
留鳥
掲載:P174


この棚田で見かけるのはいつもハシボソガラス。

都市部を好むハシブトガラスと田園部を好むハシボソガラスということで、この角度ではわかりにくいですがハシボソガラスだと思います。

タカ目
ノスリ(※鵟)
タカ目 タカ科 ノスリ属
カラスくらい
漂鳥


言わずとしれた猛禽。

ちょっと頭が白いようですが、体の色と模様、以前もここで見かけたことから、ノスリとしました。

ネズミやカエル、ヘビなどを食べるノスリにとっては棚田はいいところだと思います。
しかしそういった動物たちが冬ごもりを始めた棚田で何をしているのでしょうか。

「※鵟」の漢字は鳥脚に狂(「鳥」の上に「狂」)

動物を狩る猛禽ということで、獰猛なイメージですが、カラスに威嚇されていました。
特にカラスを怖がっているようには見えませんが、鬱陶しいのか、離れたところへ飛んでいっていきました。

左上がカラスで右下がノスリ
カラスは気が強いことで有名で、自分より大きな鳥を威嚇しているところをよく目にします。
南港野鳥園でもカラスが自分より大きいミサゴを威嚇していました。
カラス恐るべし。


キジ目
キジ(雉子,雉)
キジ目 キジ科 キジ属
カラスより大きい
留鳥
掲載:P166

日本の国鳥。

あまり飛ばないので藪の中を歩いている姿は小型の竜脚類恐竜のようです。

この時は、はじめにメスのキジを見つけ、写真を撮ろうとしていると目についたのがこのオス。
オスの写真をとっている間にメスはどこかに行ってしまいました。

ペアで行動する鳥は、このように片方が囮(おとり)となって注意をひきつけている間に片方を逃すという行動をとることがあります。




 このように爬虫類、両生類、昆虫は姿を消していました。

 実際は、小さなカの仲間やハエの仲間が飛んではいましたが、11月までは見かけていたバッタ類はもう見かけません。

 さらに毎月のように見かけていたテンと思われる糞も目にしません。
 それだけ食べ物がへってきているのでしょう。

 カワムツの稚魚がいたたまりも水は残っていましたがダンボールが沈んでいるだけで姿を見かけません。

 ダンボールの下でじっとしているのかもしれませんが、環境を乱したくないのでダンボールには手を触れませんでした。

 稲がなくなると同時に、動物にはちょっとさみしい季節になりました。



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金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年11月 その4 脊椎動物編


 収穫もはじまりだんだん寂しくなってきた11月の大阪府千早赤阪村の下赤阪の棚田。

 そこで出会った生き物の、魚や鳥などの脊椎動物(せきついどうぶつ)編です。




収穫も終わった11月下旬の下赤阪の棚田




動物界
脊索動物門
条鰭綱
コイ目
カワムツ(川※鯥)
コイ目 コイ科 カワムツ属
出会った時期:上旬・下旬
掲載:P71


水が止められた用水路の中で、斜面の途中のたまりの魚。
斜面に下にあるので染み出してきているようでまだ水がありました。

稚魚なのでまちがっているかもしれませんが、カワムツとしています。

サギにも狙われず、まだ生きていました。

※鯥は魚偏に陸の旁


鳥綱
スズメ目
セグロセキレイ(背黒鶺鴒)
スズメ目 セキレイ科 セキレイ属
出会った時期:上旬
掲載:P171


よく見かける3セキレイ(三鶺鴒)のひとつ。

よく2羽以上で行動していますが、この時は1羽でした。
きっと見えないところにいるのでしょう。

ホオジロ(頬白)
スズメ目 ホオジロ科 ホオジロ属
出会った時期:下旬

わかりにくいですが4羽のホオジロがいます
左上のホオジロのオス
右上のホオジロのメス
右下のメス?の左下のオス
右下のホオジロのメス?
一番下のオスが枝の向こう側になってわかりにくいですが、トータル4羽います。
一応オスとメス2羽ずつのようですが、微妙な距離感はどういう関係か気になります。
右下のホオジロは過眼線が濃いような感じもするのでオスかもしれません。
そうするとメス1羽に対してオス3羽となり、そのほうがこの状況に合っているかもしれません。

雄と雌の区別がつきにくい鳥ですが、オスのほうが顔の白い部分がより白くはっきりし、名前の由来になっています。
また、目のところ線(過眼線)が黒いのがオス、褐色がメスになります。


ハシボソガラス(嘴細烏)
スズメ目 カラス科 カラス属
出会った時期:上旬・下旬
掲載:P174


よく見かけるカラスはハシブトガラスとハシボソガラスの2種。
嘴(くちばし)とおでこに段差があるのでハシブトガラスのようですが、上の嘴がそれほど太くなさそうなのでハシボソガラスとしました。

ハト目
キジバト(雉鳩)
ハト目 ハト科 キジバト属
出会った時期:上旬


街よりも山の方を好むハト。

街にいるハト(カワラバト)ほどは群れないようです。


哺乳綱
ネコ目
ホンドテン(本土貂)の糞
ネコ目 イタチ科 テン属
出会った時期:上旬


イタチの可能性もありますが、今までどおりテンとしました。

カエルもいなくなり、虫も減ったのですが、まだ田んぼにやってきているようです。

野生の哺乳類はあまり姿を表しませんので、糞(ふん)や足跡は貴重な情報です。
テンのように縄張りの主張のため目立つところに糞をする種類は、姿が見えなくてもいることがわかります。



 冬になり、稲刈りの終わった田んぼもやっと雑草が目を出した程度。

 極端に食べ物が少なくなる季節がはじまります。

 鳥や哺乳類など冬でも活動できる動物たちは、これからも棚田に集まってくるのでしょうか。



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タグ: 鳥/SA-tanada脊椎動物/SA-tanadaカワムツホオジロキジバトホンドテン下赤阪の棚田2013下赤阪の棚田201311棚田の動物131111月の下赤阪の棚田の動物

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日本の棚田百選 下赤阪の棚田のしめくくり


 2013年11月9日。

 日本の棚田百選に選ばれた大阪の千早赤阪村(ちはやあかさかむら)の下赤阪の棚田で「金剛山の里 棚田夢灯り&収穫祭2013」が行われました。

 内容は棚田のライトアップと農産品などの模擬店。



 午後4時、隣にある村立中学校の吹奏楽部の演奏から棚田のイベントが始まります。

 演奏の最中に小学生が中心となって棚田に下りて行き、点灯が始まります。

 「ライトアップ」というと電気をつけるようですが、棚田の畦(あぜ)の部分に並べられた筒の中のロウソクに火をつけるようです。

 といってもまだ明るい4時半。

 火がついているのかどうかもわかりません。



明かりがかすかに見えはじめた5時頃<
明かりがかすかに見えはじめた5時頃




 太陽が雲に隠れ、暗くなり、風も冷たくなってきました。

 富田林(とんだばやし)の方では霧が出ているようです。

 みるみるあたりが暗くなってきて、棚田の輪郭が浮き上がってきます。



薄暗さの中に明かりが浮かび上がってきた5時30分頃
薄暗さの中に明かりが浮かび上がってきた5時30分頃




 そして棚田が闇に覆われ、輪郭だけが浮き上がってきます。

 昼間に何度も見た棚田ですが、またちがった景色です。



宵の明星とライトアップされ棚田
宵の明星とライトアップされた棚田
※画像スライドできます ⇒⇒


 奥の広場は目の前から棚田がはじまりますので、明かりが立体的に見えます。



奥の広場からだとライトアップ立体的に見えます
奥の広場からだとライトアップ立体的に見えます
※画像スライドできます ⇒⇒


 冬の間は畑になるのか、それとも来年の春まで休ませるのかわかりませんが、これで棚田の今年の稲作はおわりでしょう。

 今年は入水から収穫祭まで、稲だけでなく色々な生き物が命を育むのを見てきました。

 来年の棚田ではどんな新しい出会いがあるか、今から楽しみです。



中学校の前から全体を見たライトアップされた棚田
中学校の前から全体を見たライトアップされた棚田
※画像スライドできます ⇒⇒


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金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年10月上旬 その1 双子葉植物編


 6月に田植えを行った下赤阪の棚田も4ヶ月がすぎていよいよ稲刈りの季節になりました。

 棚田によって田植えの時期が違ったようで、稲刈りの時期もバラバラ。

 狩り終わった田んぼとこれからの田んぼが入れ混じった10月上旬の、棚田で出会った生き物たちの双子葉植物(そうしようしょくぶつ)編です。




稲刈りが始まった下赤阪の棚田




 「双子葉植物」は、簡単に言うと双葉がある植物。
 種から最初に葉が2枚一緒に出る植物です。

 ただ、最初の葉が種の中に残っていることもありますので、見た目ではわからないこともあります。







植物界
被子植物門
双子葉植物綱
キク目

シオン(紫苑)

キク科 シオン属
多年草


画像では白くなっていますが、実際はほのかな紫色をしています。

アメリカセンダングサ(あめりか栴檀草)

キク科 センダングサ属
一年草
北アメリカ原産
掲載:P298

小さな種はひっつき虫になります。
これは花が終わって実が熟している最中のようです。

外来生物法の要注意外来生物に指定されています。


コセンダングサ(小栴檀草)

キク科 センダングサ属
一年草
北アメリカ原産


名前には「小」がついていますが、実際はアメリカセンダングサと変わらない大きさ。

こちらも外来生物法の要注意外来生物に指定されています。

コウゾリナ(剃刀菜)? キク科 コウゾリナ属
二年草


ちょっと自信はありません。
花の形やかたい毛が生えている葉や茎などの特徴が合います。
夏の花として扱われるようですが、花期は長いのでなんとかぎりぎり間にあったという感じです。

オオハルシャギク(大春車菊)

キク科 コスモス属
一年草

見たとおり、「コスモス」と呼ばれている花です。

中学校側の斜面で咲いていました。


ハキダメギク(掃溜菊)

キク科 コゴメギク属
一年生


名前の由来は、命名者の牧野富太郎さんが掃き溜めで発見したため。
多くの新種の植物を発見し、命名した方ですが、「イヌノフグリ」同様、「ええ~~~」って感じネーミングシリーズの一つ。
気まぐれなのか、あまりにもたくさんに名前をつけたのでめんどくさくなったのか、どうなのでしょうか。

ホソバアキノノゲシ(細葉秋の野芥子)

キク科 アキノノゲシ属
越年草


花弁がちょっと薄めの黄色いキク科の花です。

シソ目

アキノタムラソウ(秋の田村草)

シソ目 シソ科 アキギリ属
多年草

見るからにシソ科っぽい花です。
結構花期は長く、いつ行っても咲いています。


キツネノマゴ(狐の孫)

シソ目 キツネノマゴ科 キツネノマゴ属
一年草
掲載:P290

こちらも花期は長くいつ行っても咲いていますが、たいてい花穂の中の1つだけ。
1つずつ順番に咲いていくので花期が長いのでしょう。


オオバコ(大葉子)

オオバコ科 オオバコ属
多年草
別名:車前草
掲載:P271

きれいに咲いていました。
踏みつけに強いので、他の雑草が生えないような道端でも平気で生えます。


タデ目

イタドリ(虎杖,痛取)

タデ科 ソバカズラ属
多年草


一番上が花。
その下が実。

近い種類にオオイタドリがありますが、葉の付け根(葉柄側)がまっすぐになっているのがイタドリ。
凹んでハート型になっているのがオオイタドリ。

イヌタデ(犬蓼)

タデ科 ソバカズラ属
一年草
掲載:P256

オオバコくらいの小さい雑草で、あちこちで咲いていました。


ブナ目

クヌギ(櫟,椚,橡)

ブナ科 コナラ属
落葉高木

まだまだ殻斗(かくと)に緑色が残っています。


クリ(栗)

ブナ科 クリ属
落葉高木

見るからにクリって感じで転がっていました。
普通のクリの大きさでしたので、野生のシバグリではなく栽培用のクリのようです。


その他の目

イヌホオズキ(犬酸漿)

ナス目 ナス科 ナス属
一年草

花を見てわかるようにナスの仲間で、ナスと同じナス属。
名前にあるホオズキはナス科ですがホオズキ属。
実もホオズキというよりも小さいナスのようです。
名前に「イヌ」がつくのは役に立たないということ。
食用のナスと違って毒があります。


カタバミ(酢漿草,片喰)

カタバミ目 カタバミ科 カタバミ属
多年草
掲載:P248

掘り返された球根はバラけ、種は飛び散り、深く埋められても地面の上まで芽を出す繁殖力旺盛な雑草です。
でもカタバミだらけになっていないということは、万能ではないのでしょう。


カナムグラ(鉄葎)の雌花 イラクサ目 アサ科 カラハナソウ属
蔓性一年草

蔓性の植物で、トゲがあるので注意が必要です。


キカラスウリ(黄烏瓜)

ウリ目 ウリ科 カラスウリ属
蔓性多年草


名前の通り実が黄色くなっていました。

カラスウリと違って熟すと甘くて食べることができるようです。

ゲンノウショウコ(現の証拠)

フウロソウ目 フウロソウ科 フウロソウ属
多年草
掲載:P229

こちらも花期の長い花です。
赤花と白花がありますが、ここでは赤花のほうが優勢のようです。


ツリガネニンジン(釣鐘人参)

キキョウ目 キキョウ科 ツリガネニンジン属
多年草
掲載:P291

ツリガネニンジンも花期は長いようですが、時期によって咲いている場所が変わってきます。


ヒメミソハギ(姫禊萩)

フトモモ目 ミソハギ科 ヒメミソハギ属
一年草
掲載:P231

あまり見かけない感じの植物だと思っていたらミソハギ科。
日本には十数種類しかない植物です。
有名なミソハギ科の植物はサルスベリ。
在来種ではありませんが。


ヤブマメ(薮豆)

マメ目 マメ科 ヤブマメ属
蔓性一年草

この花の特徴は、咲かない花(閉鎖花)が地面の下にできること。
もちろんそのまま豆になります。
ちょっと南京豆っぽいですね。


カキノキ(柿の木)

ツツジ目 カキノキ科 カキノキ属
落葉高木

柿もだんだんオレンジ色になってきました。
渋柿ならもっと赤くなるまでおいておけば甘い熟柿(じゅくし)になります。


チャノキ(茶の木)

ツバキ目 ツバキ科 ツバキ属
常緑低木

お茶の花の季節を前に、実も熟してきています。


マルバアメリカアサガオ(丸葉あめりか朝顔)

ナス目 ヒルガオ科 サツマイモ属
蔓性一年草
北アメリカ原産


棚田の周りの笹薮の中で咲いていました。

名前がわからず「謎の花」としていたのですが、ツイッターでご指摘があり、確認しましたところ「マルバアメリカアサガオ」に修正しました。

普通ヒルガオ科の花は花弁の端がまっすぐか、ゆるやかにカーブしてみえるのですが、これは縁が丸くなっているのが特徴です。
それ以外はヒルガオ科っぽいと思っていたのですが、そのとおりでした。



 寒くなってきたとはいえ、まだまだ霜も降りない気温。
 棚田から稲がどんどん刈り取られていますが、花はまだまだ咲いています。


 棚田の生き物10月編はまだまだ続きます。



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タグ: 10月の下赤阪の棚田の植物果実/SA-tanada植物/SA-tanadaホソバアキノノゲシマルバアメリカアサガオヒメミソハギヤブマメ下赤阪の棚田2013下赤阪の棚田201310棚田の植物1310

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猛禽も気になる棚田の稲刈り 下赤阪の棚田とノスリ


 稲刈り中の下赤阪(しもあかさか)の棚田。

 大阪南東部の金剛山の麓の棚田です。



稲刈りが進む下赤阪の棚田
稲刈りが進む下赤阪の棚田




 ふと空を見上げると大きな鳥が気流に乗って飛んでいます。

 白くありませんし羽ばたいていないのでサギの類ではありません。

 こういう鳥を見た時にまずチェックするのはカラスかどうか。

 色は黒くないのでカラスではありません。

 次はトビかどうか。

 広げた尾羽(おばね)は扇型(円尾(えんび))なのでトビではありません。
 トビは真ん中がへこんだ凹型(凹尾(おうび))。



棚田の空を舞う猛禽と思われる鳥
棚田の空を舞う猛禽と思われる鳥




 軽く空を舞っている鳥の翼の裏は白い色。

 そして少し角度がついたところに斑(まだら)の模様が。

 よく見ると翼の後の風切羽(かざきりばね)と尾羽に特徴的な縞模様があります。



 これらの特徴を合わせてみると。

 どうやら、ノスリのようです。

 翼の斑模様は「ノスリ斑(はん)」とも呼ばれます。



ノスリ(※)

鳥綱 タカ目 タカ科 ノスリ属
漂鳥
カラスくらい

ノスリ
※「のすり」の漢字は鳥脚に狂(「鳥」の上に「狂」)




 ノスリは渡りはしないけど季節で住む所替える漂鳥(ひょうちょう)、田畑の近くにもやってくる猛禽(もうきん)です。

 猛禽というと小さな鳥を刈るイメージがありますが、ノスリが食べるのはネズミやトカゲヘビなどの小さな脊椎動物(せきついどうぶつ)。

 ですから田畑のような開けた所にやってくるのでしょう。



 見ているとくるくると空を回りながら林の向こうに消えていき、戻ってくることはありませんでした。

 この日も棚田に食べ物を探しに来たところ、稲刈りで人間が多かったのであきらめて別の田んぼに向かったのかもしれません。


 それとも、ノスリも棚田の稲刈りを見に来たのでしょうか。



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金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年9月 その4 植物編の2+地衣類編


 稲穂が色付く9月の下赤阪の棚田で出会った生き物も、これで終わりです。

 今回は植物だけでなく、地衣類(ちいるい)という生き物も登場します。




よく実った9月下旬の下赤阪の棚田




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掲載ページ数は文一総合出版『ポケット図鑑 田んぼの生き物400』初版第1刷のものです。




 「出会った時期」は写真を撮ることができた時期のことで、その時期以外にはなかったということではありません。



植物界
被子植物門
双子葉植物綱

ゲンノウショウコ(現の証拠)

フウロソウ目 フウロソウ科 フウロソウ属
多年草
掲載:P229
出会った時期:中旬・下旬

山でばかり見ていたのですが、田んぼにも生える雑草でもあります。


ツリガネニンジン(釣鐘人参)

キキョウ目 キキョウ科 ツリガネニンジン属
多年草
掲載:P291
出会った時期:中旬・下旬

名前のように釣り鐘のような小さな花は、薄紫できれいです。
棚田の梅畑のところで咲いていました。


ヘクソカズラ(屁糞葛)

リンドウ目 アカネ科 ヘクソカズラ属
蔓性多年草
出会った時期:上旬・下旬

茎や葉がくさい臭がするというのが由来です。
確かに葉をちぎると青臭い中に何か腐ったような臭がします。


メヤブマオ(雌薮苧麻)

バラ目 イラクサ科 ヤブマオ属
多年草
出会った時期:上旬


よく見かける雑草のカラムシとよく似ていますが、メヤブマオは茎に左右同じ所につく対生(たいせい)、カラムシは葉が茎に互いちがいにつく互生(ごせい)です。

ウンシュウミカン(温州蜜柑)

ムクロジ目 ミカン科 ミカン属
常緑低木
出会った時期:上旬

棚田の北側にはみかん畑が広がっています。
棚田には数本植えられていますが、棚田を作っている人の自家用でしょうか。
休憩の時に食べる用?
でも食べごろになるのは稲刈りのあとでは?


カキノキ(柿の木)

ツツジ目 カキノキ科 カキノキ属
落葉広葉樹
出会った時期:上旬・中旬・下旬

上は上旬で下は下旬。
あまり色は変わっているように見えません。
この後カキは稲刈りの頃から急に色づき始めます。

クヌギ(櫟)

ブナ目 ブナ科 コナラ属
落葉高木
出会った時期:下旬

どんぐりの袴(はかま)と言われる殻斗(かくと)はまだ緑色で柔らかそうです。



単子葉植物綱
イネ目

イヌビエ(犬稗)

イネ科 ヒエ属
一年草
掲載:P217
出会った時期:中旬

田んぼに生える厄介な雑草のひとつです。
無農薬栽培では根絶の難しい雑草ですが、逆に除草剤が多く使われていない証拠でもあります。

栽培ヒエの原種です。


タイヌビエ(田犬稗)

イネ科 ヒエ属
一年草
掲載:P218
出会った時期:上旬

こちらもポピュラーな田んぼの雑草です。
イヌビエと同じように除草剤が多く使われていない証拠でしょう。


エノコログサ(狗尾草)

イネ科 エノコログサ属
一年草
掲載:P223
出会った時期:上旬・下旬

「猫じゃらし」で有名な雑草。
田んぼではなく道端に生えていました。


ススキ(薄)

イネ科 ススキ属
多年草
出会った時期:下旬

道端に生えていました。
どこからか種が飛んできたのでしょう。


メヒシバ(雌日芝)

イネ科 メヒシバ属
一年草
出会った時期:上旬

どこにでも生えている雑草の一つ。
エノコログサと同じように道端に生えていました。


クサスギカズラ目

ヒガンバナ(彼岸花)

ヒガンバナ科 ヒガンバナ属
多年草
掲載:P192
出会った時期:中旬・下旬

田んぼにつきもののヒガンバナ。
あちこちで咲いていました。


ニラ(韮,韭)

ヒガンバナ科 ネギ属
多年草
出会った時期:上旬・中旬・下旬


棚田の一角にいっぱい生えていました。
ネギと同じように花を咲かせると葉が硬くなると言われているので、食べるために育てているのではないのかもしれません。

よくスイセンの葉と間違われるニラですが、このように葉はスイセンより薄くしなやかな感じです。
もちろんちぎればニラの臭がしますし、花はまったくちがいます。
スイセンの葉は食中毒を起こしますので、間違わないように注意が必要です。
生命力旺盛なニラは、簡単に雑草になります。


ユリ目

オニドコロ(鬼野老)

ヤマノイモ科 ヤマノイモ属
多年草
出会った時期:上旬・中旬



図鑑ではオニドコロの雄花の房(花序)は上を向くと書いてますが、下を向いています。
右は雄花のアップ。

葉は幅が広いハート形がオニドコロの特徴。
ヤマノイモのような芋もできますが、毒あるので食べられません。
慣れればちがいはわかりやすいのですが、ヤマノイモと同じ所に生えるので注意が必要です。
ここでもヤマノイモと同じ所に生えていました。
実がなりかけている雌花。
同じヤマノイモ属のヤマノイモに似ていますが、花がうえを向いているのでオニドコロです。


ヤマノイモ(山の芋)

ヤマノイモ科 ヤマノイモ属
多年草
出会った時期:中旬


「ヤマイモ」とも言われます。

オニドコロと比べて葉が細いのが特徴。
葉の付け根にできる丸い芋のようなものはむかご。
埋めると芽が出てきてヤマノイモが育ちますが、種ではありません。
芋と同じようなものです。
むかごができるのがヤマノイモの特徴。
オニドコロにはできません。

その他の目

オモダカ(沢瀉,面高)

オモダカ目 オモダカ科 オモダカ属
多年草
掲載:P184
出会った時期:上旬・中旬


田んぼの中に生える雑草。
水中から茎や葉を伸ばす抽水植物(ちゅうすいしょくぶつ)で、仲間には水草として水槽ビオトープなどに利用されるものもあります。

ツユクサ(露草)

ツユクサ目 ツユクサ科 ツユクサ属
一年草
掲載:P193
出会った時期:中旬・下旬

きれいな花ですが、結構しぶとい雑草です。
湿気の多いところを好んで生えます。
花期の長い花です。


アオウキクサ(青浮草)

サトイモ目 ウキクサ科 アオウキクサ属
多年草
掲載:P183
出会った時期:上旬

平たい葉っぱだけでまるでコケのようですが、種子植物です。
そして葉っぱのようにみえるのは葉でも茎でもない葉状体(ようじょうたい)。
葉状体は苔類のコケの特徴でもあるので、収斂進化でコケ型に変わったのでしょうか。





シダ植物門

ノキシノブ(軒忍)

ウラボシ綱 ウラボシ目 ウラボシ科 ノキシノブ属
出会った時期:上旬

葉っぱが細かく分かれた(羽状複葉)イメージのあるシダですが、葉が1枚(単葉)がノキシノブの特徴。
家の軒に生えるのが名前の由来ですが、今は家よりも石垣や大きな木の幹に生えているのをよく見かけます。


ヒメノキシノブ(姫軒忍)

ウラボシ綱 ウラボシ目 ウラボシ科 ノキシノブ属
出会った時期:上旬

名前の通りノキシノブを小さくしたようなシダ。
草のように見えますが、花が咲かず種もできませんので、種子植物ではありません。
胞子で増えるのはコケと同じですが、茎の中に水や栄養を送る管の集まり(維管束)があり、その点では種子植物と同じです。

コケとちがい維管束(いかんそく)があるので大きく育つことができ、種子植物が繁栄するまでは数十メートルの高さまで育つシダがありました。
現在でも暖かい地域には高さ数メートルにもなるシダ植物が残っています。





菌界
地衣類

 地衣類にはちょっと説明が必要かもしれません。
 あまり聞き慣れないだけでなく、ちょっとかわった生き物だからです。

 地衣類は簡単に云うと、カビと光合成生物(シアノバクテリアや緑藻)が一緒になったものです。

 細胞の中に光合成をする葉緑体がいる植物に対して、光合成生物を細胞に入れずに菌糸で囲い込んで共生させているのが地衣類。

 高い山や南極など他の生き物が生きられないようなところにもいます。
 その分成長はとても遅く、1年かけても数ミリから1センチくらいと言われています。

 体を作っているのはカビやキノコの仲間ですが、見た目も育つところもどちらかと言うとコケの方に近いふしぎな生き物です。


コガネゴケ(黄金木毛)

コガネゴケ科 コガネゴケ属
痂状地衣類
出会った時期:上旬

粉をまぶし長に見える痂状地衣類(かじょうちいるい)。
樹皮につく地衣類です。
ノキシノブがついていた同じクヌギについていました。


ヒメレンゲゴケ(姫蓮華木毛)

ハナゴケ科 ハナゴケ属
樹状地衣類
出会った時期:上旬


草のように立ち上がった樹状地衣類。
「樹」とついていますが実際は2~3センチほどの大きさです。
先についている赤い部分には胞子が詰まっています。

小屋の横に倒れていた丸太についていました。



 4回続いた9月の棚田の生き物もこれが最後。

 生き物の種類が多く、農薬や除草剤も少なく丁寧に守られていることがわかります。

 作業者が通れるように舗装された道をちょっと歩いただけでこれだけの生き物と出会うことが出来ました。

 専門的にじっくり探すともっとたくさんの生き物がいることでしょう。

 棚田は景観だけでなく、生物の多様性でも大切なビオトープのようです。



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タグ: 9月の下赤阪の棚田の植物果実/SA-tanadaシダ/SA-tanada地衣類/SA-tanada珠芽/SA-tanadaヤマノイモイヌビエ下赤阪の棚田2013下赤阪の棚田201309棚田の植物1309

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