特別展「たまごとたね -いのちのはじまりと不思議-」は知っているのに知らないタマゴとタネがいっぱい!〈大阪市立自然史博物館〉
大阪市立自然史博物館の夏の特別展「たまごとたね -いのちのはじまりと不思議-」がはじまりました。
多くの動植物の「はじまり」になるタマゴとタネを比べています。
動きまわることができる動物と、動くことができない植物。
昔からちがう生き物と考えられてきました。
でも、そのはじまりのタマゴとタネは、なんとなく似ているような気もします。
果たして、タマゴとタネは似ているのでしょうか。

内覧会だったので「予告」付きの看板
まず、入り口にとんでもなく大きな葉。
人間よりも、ずっとずっと大きい葉。
タネの特別展なのに、一番目立つところに葉?
これは世界一大きなタネと言われるフタゴヤシの葉。
長さ60センチ、重さ20キロにもなる大きなタネ。
もちろん、たったひとつのタネの大きさです。
葉が大きいのも納得できます。

でかい!フタゴヤシの葉
動物や植物の展示は決して珍しくはありませんが、タマゴやタネがこんなに並ぶことは、そうあることではないでしょう。
珍しい生き物はもちろん、身近な生き物でもタマゴやタネを目にする機会は意外となかったりします。
そんな身近な生き物、野鳥のタマゴが本当にたくさん並んでいます。
コチドリにコアジサシ、オオタカやトビびやハチクマのようなあまり身近にいない鳥から、メジロにキジバトにハシボソガラスのような身近な鳥まで。
毎日のように見かける鳥でも、タマゴは見たことがなかったります。
こんなで形こんな模様だったのです!

鳥はよく見てもタマゴははじめてのカラス
珍しいタネだってあります。
先が曲がった太いトゲが何本も飛び出た武器のようなタネ。
大きさは10センチほど。
その名も「ライオンゴロシ」。
体にひっついた実をとろうとくわえたら最後、口に刺さって取れなくなり、エサが食べられなくなったライオンついには餓死してしまう。
という伝説を持つ世界最大級のひっつき虫。
たしかに伝説を真実と思わせるほど、ひっつき虫の限界を超えた大きさと形をしています。

確かにライオンを殺しそうな凶悪な実
標本だけでなく、生きている状態の生体展示もあります。
タマゴとタネ展らしくニホンイシガメ、クサガメ、ニホンヤモリのタマゴの生体展示?
会期中に孵化するのでしょうか。

親つき?のニホンヤモリのタマゴ
そして大きさ対決。
最大のタマゴはダチョウ。
最大のタネは入り口にもあったフタゴヤシ。
並べてみると圧倒的な差でフタゴヤシの勝ち!
なにしろ、葉1枚がダチョウよりずっと大きいのですから、しかたありません。

右のケースで一番大きいのがフタゴヤシのタネ
※画像スライドできます ⇒⇒
それなら、タマゴを産む最大の生き物、恐竜はどうでしょう。
ちょっと離れたところに恐竜のタマゴがあります。
全長30メートルに達することもある、恐竜の中でも最大級のティタノサウルス類のものと思われるタマゴの化石です。
それならタマゴが勝てるかも?
と思ったのですが、実は、恐竜は小さく生んで大きく育てる型の生き物。
ティタノサウスル類の場合、タマゴから大人になると重さでなんと1750倍になるのです!
人間にたとえると、3000グラムの赤ちゃんが、大人になったら50トンになるということ。
50トンというと、自然史博物館入口にいるナガスクジラのナガスケが生きていた時より重いのです!
やっぱりタマゴはタネに勝てないのでしょうか。
9月には最大のタマゴと言われる絶滅鳥類のエピオルニスのタマゴがやってくるそうなので、タネに一矢報いることができるかもしれません?!

体の割に意外と小さい恐竜のタマゴ
と、いろいろなありとあらゆるタマゴとタネが集められています。
体の半分くらいありそうなキウイのタマゴと剥製。
哺乳類なのにタマゴを産むカモノハシのタマゴと剥製。
そして、身近な食べ物なのにおそらく見たことがある人はほとどいないじゃないかなと思うパイナップルのタネ。
本当に、紹介しきれないほどたくさんのタマゴとタネが展示されています。

今度食べるときは確認しようと思うパイナップルのタネ
見たことも聞いたこともないめずらしいタマゴとタネから、よく知っている生き物のタマゴとタネまで。
初めて見るタマゴとタネばかりでした。
タマゴとタネは大きな役割と見た目はなんとなく似ているように思いますが、やっぱり動物と植物ほどの隔たりがるように感じました。
実際どうなのかは、ぜひ博物館で確認して下さい。

タグ: たまごとたね 大阪市立自然史博物館 タマゴ タネ フタゴヤシ カラス ライオンゴロシ ニホンヤモリ パイナップル 46th-tamagototane

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