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公園ネコを考える5 ノラネコの生態について考えてみることにしました。

 ネコは人間がつくりだした、自然界には存在しない生き物です。
 といっても、錬金術のように材料を集めて錬成したものではありません。
 品種改良してつくりだしたものです。

これまでの【公園ネコを考える】
【1 ノラネコについて考えてみることにしました。】
【2 分類学的にネコについて考えてみることにしました。】
【3 人間との関係でネコを分類してみることにしました。】
【4 ヤマネコの生態について考えてみることにしました。】


 生き物はもともと環境などに応じて変わっていく能力を持っています。
 それを利用して、人間が都合よく作り変えていったものを、動物の場合は「家畜」といいます。
 ネコは、野生動物のヤマネコを家畜化したものです。

 人間は数多くの家畜を作り出してきましたが、その中でもネコは野生の特徴を最も残していると言われています。
 たとえば、絹を作り出すカイコガは、家畜化が進み、成虫は飛ぶこともできず、幼虫は食べ物を探すこともできなくなっています。
 つまり、人間が世話をしなければ生きていくことができないのです。
 ネコがノラネコになって生きていけるということは、それだけ野生を残しているという証かもしれません。


 ですから、完全に野生化した野猫の生態は、基本的にヤマネコと同じと考えられます。
 しかし、人間への依存をして生きている野良猫の場合、ヤマネコとちがうところも多いようです。
 その一つが縄張り。
 ヤマネコの場合、単独で生活し、平均約3平方キロメートル(約1.7キロメートル四方)のなわばりをもつといわれます。
 たとえば豊かな自然があると言われる明治神宮の面積は0.72平方キロメートルですから、広いことで有名でも数字の上では1匹も生きていくことはできません。
 つまり、近所の公園レベルでは、ネコは1匹でも生きていくことは、できるわけがないのです。

 でも、野良猫はたくさんいます。
 それは、食べ物が自然界にはない形で提供されているからです。
 一つは残飯。
 そして他には餌やり。
 どちらも特定の場所でなされます。
 結果、野良猫たちはそうした餌場を中心に縄張りが交差することになります。
 まだ、極めて狭い範囲で食べ物を得ることができるので、自ずと縄張り自体も狭いものになります。
 ですから、小さい公園でも多数の野良猫が生きていくことができるのです。


 縄張りが接する餌場で特に餌やりが行われる場合、本来は単独行動をするはずのネコが複数集まります。
 すると、そこには集団生活を行うイヌのように、序列が生まれます。
 これは飼い猫を複数を飼うと現れることで、ある意味家畜化の特徴とも言えることです。

 単純なネコとしての行動一つ一つは、おそらく野生のヤマネコと変わらない事が多いと思います。
 しかし、縄張りと集団行動という点では、かなり特異な状態にあるのが野良猫と言えるでしょう。
 そこに注目すれば、野良猫は明らかに飼猫の一種ということが言えるかもしれません。

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タグ: 公園ネコを考えるネコヤマネコネコの生態

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公園ネコを考える4 ヤマネコの生態について考えてみることにしました。

 野良猫が公園でどうやって生活しているかを考える前に、ネコがまだ野生だったころのヤマネコなどの生態を簡単に考えてみました。

これまでの【公園ネコを考える】
【1 ノラネコについて考えてみることにしました。】
【2 分類学的にネコについて考えてみることにしました。】
【3 人間との関係でネコを分類してみることにしました。】

 ネコは食肉目の哺乳類の動物。
 同じ食肉目には、ペットの座をネコと二分するイヌがいます。
 名前のように、肉食のグループ。
 ただパンダのように草食になってしまった動物もいます。

 ネコとイヌの共通の先祖は森林で生活していた肉食の動物だったと考えられています。
 森から草原へ出て行ったものがイヌ科のオオカミになり、家畜化してイヌになりました。

草原に住むイヌ科イヌ属のチュウゴクオオカミ(天王寺動物園)

 森に残って大型化していったものがネコ科のトラになりました。

森に住むネコ科ヒョウ属のアムールトラ(天王寺動物園)

 また森で小型化していったのがネコ科のヤマネコ。
 ヤマネコが家畜化したのが、身近にいるネコです。

熱帯林の水辺に住むネコ科ベンガルヤマネコ属のスナドリネコ
(天王寺動物園)

 見通しのいい草原へ出て行った食肉目は獲物を狩るためにはとにかく走らなければならなくなりました。
 ただ走るだけではなく、逃げまわる相手を俊敏に追いかけ、そして捕まえなければなりません。
 そこで体を中型化して、力と軽快さのバランスをとります。
 ただ肉食動物が狩ることができる最大の大きさは、自分と同じくらいまでといわれます。
 それを知ってか知らずか、草原の草食動物は大型化します。
 そこで群れをつくり大勢で連携をして、自分より大きな草食動物を狩るようになりました。
 オオカミです。

草原に出て行ったネコ科ヒョウ属のライオン(天王寺動物園)

 逆に森に潜む食肉目は、待ち伏せ型。
 障害物が多い森の中では、大勢で飛びかかるのはむずかしく、1頭のほうが効率がいいでしょう。
 一気に瞬発力で仕留めるため、体を大きくして力を強くします。
 重い体重は、獲物を抑えこむのにも役に立ちます。
 そして大型化していったのがトラ。

人の生活の場に定着したネコ科ネコ属のノラネコ

 森にはもちろんトラよりもずっと小さな動物もいます。
 それは大きなトラの狩りの対象にはあまりならないでしょう。
 そのニッチ(隙間)に小型化して対応したのがヤマネコかもしれません。
 オオカミよりも小さくなったヤマネコは、きっと住む場所を広げていったことでしょう。
 ネズミやカエルのような小さな動物がいれば生きていけますから、大きな森でなくても生きていけるでしょう。
 さらに体が小さいほうが縄張りも小さくてすみます。

 森に住み、単独行動で、待ち伏せ型の狩りをする、食肉目の哺乳類。
 そのネコ科の特徴を残して小型化することで、生息範囲を広げていったヤマネコ。
 ところが、これがノラネコとなるとちょっとかわってきます。

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公園ネコを考える2 分類学的にネコについて考えてみることにしました。

公園ネコを考える1 ノラネコについて考えてみることにしました。
の続きです。

「ノラネコ」について知ること

 「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
 中国の古典「孫子」の言葉。
 相手についても自分についてもよく知ることが大切ということ。
 それで「ノラネコ」について、どういう生き物か考えてみることにしました。

 「ノラネコ」は分類学的な種類ではありません。
 分類学的には「リビアヤマネコ」を品種改良してつくられた「イエネコ」に含まれます。
 ノラネコから飼猫まで、普通「ネコ」と呼ばれる身近な動物は、みんな「イエネコ」です。
 みんな同じ種ということですが、人間が様々な品種をつくりだしたため、同じ種とは思えないほどちがいが出ています。


 「ネコ」は分類学的には次のように分けられます。

ヤマネコ

和名:ヤマネコ 学名:Felis silvestris
言葉としては野生のヤマネコや、山に住むようになったイエネコなどいろいろな種類が含まれます。
分類学としては、ネコ属の「ネコ」。
ヨーロッパ周辺の在来種の野生の猫と、そこから品種改良された身近なネコも含まれます。
日本在来種のイリオモテヤマネコやツシマヤマネコはベンガルヤマネコ属という違う属になります。

イエネコ

和名:イエネコ 学名:Felis silvestris catus
ふつうに「ネコ」と呼ばれる動物。
ヤマネコの亜種、つまりヤマネコという種をもっと細かく分類した時の名前。
飼猫も野良猫もみんなひっくるめた名前になります。


ベンガルヤマネコ

和名:ベンガルヤマネコ 学名:Prionailurus bengalensis
ベンガルヤマネコはベンガルヤマネコ属ですので、ネコ属のイエネコとはちがう種類になります。
日本在来種の「ネコ」イリオモテヤマネコとツシマヤマネコは、ベンガルヤマネコの亜種。
つまり、日本在来種の「ネコ」はベンガルヤマネコだけで、身近な「ネコ」はすべて外来種ということになります。
イリオモテヤマネコ Prionailurus bengalensis iriomotensis
ツシマヤマネコ Prionailurus bengalensis euptilurus

「学名」の見方

 ここで学名の読み方を少し。
 学名を覚えるのは大変ですが、学名の仕組みを覚えると学名からいろいろなことを知ることができ、とても便利です。
 学名は世界共通に使われる名前で、基本的に一つの種に一つしかありません。
 いろいろ細かいルールがありますが、簡単に見方の基本をイエネコの学名から説明します。


Felis silvestris catus

 イエネコの学名は3つの言葉からできています。
 最初の「Felis」は「属」という分類での名前で、頭文字を大文字にします。日本語では「ヤマネコ属」のことです。
 次の「silvestris」は生物分類の基本的な「種」の名前で、専門的には「種小名」といいます。こちらはすべて小文字。日本語では「ヤマネコ」のことです。
 学名の基本は属名と種小名の2つで表し、「二名法」といいます。

 余った最後の一つは何かというと、「亜種名」。
 日本語では「イエネコ」のことです。
 「亜種」は生き物としては同じ種ですが、見た目や体のつくりなどでちょっと違う特徴をもったグループのことです。
 植物の場合は亜種名の前に「ssp.」や「subsp.」とつけますが、動物の場合はそのまま続けます。


 ということで、上の「ネコ」の学名3つを並べてみると、いろんなことがわかってきます。

ヤマネコ Felis silvestris
イエネコ Felis silvestris catus
ベンガルヤマネコ Prionailurus bengalensis

 最初の属名は、ヤマネコとイエネコは同じですので、とても近いグループ。
 ところがベンガルヤマネコは違いますので、別のグループということがわかります。
 次の種小名もヤマネコとイエネコは同じですので、まったく同じグループということがわかります。
 最後の亜種名がイエネコにしかありませんので、ヤマネコの中のグループということがわかります。

 これらは日本語の名前からはわからないことです。
 このように、学名を覚えていなくても、学名の仕組みがわかればいろいろなことがわかってくるのです。

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