そしてトラや大きな動物は消えていった
実は、日本に住んでいたトラ。
でも日本の歴史が始まるより前にいなくなってしまいました。

トラがいた頃は、今よりも寒くて海面が下がり大陸と地続きだったときもあり、大きなシカやゾウもいました。
でも、そういった大きな動物は日本にはいなくなりました。
地球が暖かくなり、海水面が高くなり、平地も少なくなり、草原が森林に変わり、大きな草食動物が生きていけなくなった。
そして大きな草食動物を食べる大きな肉食動物もいなくなった。
と言われますが、トラは平原ではなく森に住みます。
草原の森林化では説明ができません。
ナウマンゾウ(1万5000年前頃まで)の生態復元
〈大阪市立自然史博物館〉

トラ以外にもヒョウやオオヤマネコなどネコ科の動物が住んでいましたが、沖縄県西表島のイリオモテヤマネコと、長崎県対馬のツシマヤマネコ以外いなくなってしまいました。
一斉に滅んだわけではありませんが、縄文時代がはじまりましたので、温暖化による環境の変化で数が減ったところへ、人間の活動がダメ押しをしたのかもしれません。
ただ、同じ食肉目でネコ科に近縁のイヌ科の動物は、オオカミ、タヌキ、キツネと3種も生き残りました。
大型の食肉目のクマも生き残りました。
オオカミもクマも森が住処。
単独行動が基本でトラとは食べ物があまり被らない雑食性のクマはともかく、集団で狩りを行うオオカミは、トラには最大のライバルだったのかもしれません。
明治になって絶滅してしまったニホンオオカミ
〈和歌山県立自然博物館〉

生き物がなぜ絶滅したのか。
その理由を見つけるのは本当に難しい。
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