【 モササウルス】

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大阪でモササウルスというとやっぱりこことここ(一つは和歌山だけど) きしわだ自然資料館と和歌山県立自然博物館

 またモササウルスが話題になっているようです。
 大阪でモササウルスと聞くと、大阪府岸和田市のきしわだ自然資料館と、和歌山県海南市の和歌山県立自然博物館。
 どちらも日本のモササウルスが展示されています。

 きしわだ自然資料館は大阪府貝塚市(かいづかし)で見つかったもの。
 和歌山県立自然博物館は和歌山県有田郡(ありだぐん)有田川町(ありだがわちょう)でみつかったもの。
 どちらも日本のモササウルス。

 きしわだ自然資料館では2階にモササウルスコーナーがあります。
 真ん中に全身骨骼が。


 ただ残念ながらこちらはアメリカ産のモササウルス。
 日本産は展示ケースの中に。


 和歌山県立自然博物館は、水族展示が終わった後にモササウルスコーナーがあります。
 展示は体が結構残っている日本最大級のモササウルス。
 その化石が見つかった状態の産状化石。


 展示はレプリカ。
 まだ見つかったところで研究途中。
 常設展示をするわけにはいきません。


 実物の展示は、研究を止めることにもなります。
 ですからレプリカを作るということは、とても大切なことです。
 とはいえ質の高いレプリカは決して安くありませんので、簡単に作ろうというわけにはいきません。
 掘り出されてすぐ大きなレプリカは作られたのは、それだけこのモササウルがすごいということでしょう。

 ただ、現在は東京の国立科学博物館の「恐竜博2019」に出張中のようです。
 2019年11月28日から企画展「モササウルス復元プロジェクト」があるので、それをたのしみにしています。

■参考外部リンク■
きしわだ自然資料館 - 岸和田市公式ウェブサイト
和歌山県立自然博物館公式ホームページ

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タグ: モササウルスきしわだ自然資料館和歌山県立自然博物館化石古生物博物館

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でっかいモササウルスの化石だぜ! 和歌山県立自然博物館

 和歌山県海南市の海岸に建つ和歌山県立自然博物館。
 名前のように自然史の博物館です。

マリーナと和歌山県立自然博物館

 和歌山の山に住む動物の剥製、和歌山の石やアンモナイトなど、色々な生き物の標本がいっぱい。
 ですが、展示室の半分以上占めるのは、水族館ゾーン。
 和歌山近海に住む海の生き物が色々展示されています。
 イルカのような大型動物はいませんが、カニにエビに貝にヒトデなど、魚以外の生きものが多いのが特徴。

 ひさしぶりに行ったら、新しいコーナーができていました。
 モササウルスコーナー。

モササウルスコーナー

 モササウルスは白亜紀の後期、ティラノサウルスと同じ時代の海にいた巨大な爬虫類です。
 映画「ジュラシック・ワールド」に登場したことで知っている人もいるでしょう。
 恐竜じゃなくてトカゲの仲間ですが、海に適応して手足と尾がヒレ状になっています。
 ただ、「モササウルス」は特定の種類を指す場合と、その仲間全体を表す場合があるのでちょっと注意が必要。

モササウルス類の生態復元図

 中生代の海には大型の肉食爬虫類がいろいろいましたが、その最後に現れたのがモササウルス。
 日本では40例ほど化石が見つかっています。
 大阪でも見つかっていて、岸和田市のきしわだ自然資料館で展示されています。
 そして和歌山県有田川町もで発見されています。
 日本で最も保存部位が多いと言われるその化石が展示されています。

 まずはでかい!
 まだまだ研究途中ということで、見つかった時の状態を再現した「産状」で展示されています。
 手や背骨や肋骨や顎、みんなでかい!
 生きていたときはどんなに大きかったのか。
 海外の化石との比較で体長は6メートルと推定されています。
 展示室には入らないほど大きかったのでは!

背骨と肋骨とでっかい右手の化石

 この産状化石は、レプリカ。本物ではありません。
 レプリカの展示と聞いて「な~んだ」と思う人もいるかもしれません。
 しかし、実物を展示するということは、問題がないわけではありません。
 まず研究ができません。
 そして、痛む可能性もあります。
 化石の場合、痛むことは少ないと思いますが。
 ですから、レプリカの展示は、再現率が高ければ、実物の展示よりもいろいろな意味でいいのです。

産状化石レプリカ

 まだ研究の途中で、種もわかっていません。
 そのため「モササウルス亜科の一種」となっています。
 もちろん新種の可能性もあります。
 ということで日本でみつかった巨大なモササウルスの全体の復元はまだまだ。
 これからが楽しみです。

■参考外部リンク■
モササウルス | モササウルス発掘プロジェクト|和歌山県立自然博物館
和歌山県立自然博物館公式ホームページ

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タグ: モササウルス和歌山県立自然博物館化石中生代白亜紀

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特別展「石は地球のワンダー」アンモナイトの異常巻きは実は異常でなかった!?〈大阪市立自然史博物館〉

 「石は地球のワンダー」展
 サブタイトルは「鉱物と化石に魅せられた2人のコレクション」。
 その一人は鉱物学を研究した広島大学の故北川隆司教授の好物コレクション。
 そしてもう一つが、香川県在住の金澤芳廣氏から自然史博物館に寄贈された化石コレクション。


 金澤芳廣化石コレクションは、主に四国から見つけられた化石です。
 恐竜がいた中生代白亜紀後期の動物から植物までいろいろな生き物の化石が展示されています。
 そのなかでも興味深いのがアンモナイト、その「異常巻き」と言われるもの。

異常巻きアンモナイトのディディモセラス

 なぜ「異常巻き」と言われるかは、見ればわかります。
 アンモナイトは、巻き貝のように渦巻きの殻を持つ生き物で、体は貝ではなく、イカやタコのような形をしていたと考えられています。
 また殻も貝とはちょっとちがいます。
 巻き貝は横から見ると山のように三角形をしていますが、アンモナイトは膨らまずに平らに巻いていきます。
 全体の雰囲気は、水族館でよく展示されているオウムガイに似ています。
 ところが、それが想像もできないようなグニャグニャな形の殻になっているのです。

 アンモナイトもオウムガイも巻き貝も、みんな同じようにい「等角螺旋(対数螺旋,ベルヌーイ螺旋)」と呼ばれる規則でつくられています。
 それが「異常巻き」は、どう考えてもそんな規則があるようには見えません。

異常巻きアンモナイトのポストリコセラス

 アンモナイトが絶滅したのは、ちょうど白亜紀後期。
 古生代に誕生して、繁栄したアンモナイトが進化の袋小路に入って異常な巻き方になり、それが原因で絶滅してしまった、ともいわれていました。
 しかし、ちょっと待って下さい。
 異常巻きのアンモナイトの化石はたくさん見つかっています。
 会場でも「これでもかっ!」ってほど展示されています。

 生き物が化石になって見つかるということは、実はとんでもない数のハードルがあるのです。
 まず、化石に残るような部分があること。
 形が崩れる前に埋もれること。
 熱や圧力で壊れないこと。
 そして地面の表面までやってくること。
 そのあと風化しないこと。
 最後に人間に見つかること。
 さらに、これだけのハードルを超えるためには、その生き物がたくさんいること、つまり繁栄してることが必要です。
 ということは、異常巻きがたくさん見つかるというのは、絶滅の道を歩んでいたのではなく、繁栄していたのです。

異常巻きというか巻いてないアンモナイトのバクリテスほか

 それだけでなく、「異常巻き」は同じ巻き方の化石がたくさんあるのです。
 つまり「異常」ではなく、進化の一つの方向として決まった巻き方だったのです。
 会場でも同じ属ごとに並べられています。
 見ると同じ巻き方のものがたくさんあります。

 たとえばディディモセラスは、先のほうが巻き貝のように三角形になって、その後ぐるりと向きを変えるものがあります。
 当然のことですが、アンモナイトの形はアンモナイトの生活の仕方に関係しています。
 オウムガイのような普通の形のアンモナイトは、オウムガイと同じように水中に浮かんで生活していたと考えられます。
 ということはディディモセラスは、巻き貝の殻のようなときは海底や岩などの上で巻き貝のように生活して、ある程度大きくなったらアンモナイトらしく水中に浮かんで生活したのかもしれません。

巻き貝+チューブワームのディディモセラス

 成長によって生活の場所を変えるのは、同じ種類の大人と食べ物の取り合いをしなくてすみます。
 体の大きさに応じた天敵から逃れるのにも役立つかもしれません。
 アンモナイトと同じ地層(和泉層群)からは、白亜紀末期の海の肉食動物最強とも言われるモササウルスの化石も見つかっています。
 アンモナイトを食べたと言われるモササウルスと同じ海で繁栄したのですから、モササウルス対策かも?

アンモナイトと同じ地層から見つかったモササウルスのアゴの化石

 と考えると、異常巻きのアンモナイトは絶滅寸前の進化の袋小路ではなく、1億年かけてもどのアンモナイトが達成できなかった新しい方向性を見つけ出した進化の成功者だったのかもしれません。
 たしかにそうすれば化石がたくさん見つかることも納得できます。

ディディモセラスいろいろ

 それなら、なぜそんな大繁栄したアンモナイトが絶滅したのでしょうか。
 それは謎でもなんでもありません。
 恐竜が絶滅するきっかけとなった大隕石の落下の影響で、海の生き物も多くが絶滅しました。
 アンモナイトはその中のひとつ。
 大繁栄した異常巻きアンモナイトも、隕石落下を生き残れるようには進化していなかったようです。

ディディモセラスいろいろ

 「異常巻き」のアンモナイトを一度にこれだけ見られる機会はそれほどないでしょう。
 いい加減のように見えて、実はちゃんと決まりがある「異常巻き」。
 じっくり観察すると何か発見があるかもしれません。

■参考外部リンク■
特別展 石は地球のワンダー|大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館
大阪市立科学館 公式ホームページ | 大阪市立科学館 公式ホームページ

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恐竜もすごいけど恐竜以外もすごい福井県立恐竜博物館


 北陸地方の福井県の勝山市にある福井県立恐竜博物館。

 世界三大恐竜博物館に数えられる博物館です。



 小高い丘の上にある博物館の前には広い駐車場があります。

 少し交通が不便なところにありますので、ほとんどの来館者は車で来るようです。

 だからでしょうか、夏休みだというのに勝山駅からの恐竜バスにのったのは3組。
 福井駅からシャトルバスがないのも頷けます。




田園風景の向こうに見える銀色卵の恐竜博物館




 駐車場から続く入り口は3階になり、そこから一気に地下までエスカレーターで下ります。

 恐竜以外の化石が並ぶ「ダイノストリート」を抜け、カマラサウルスの産状化石を横目に階段を登って行くと、ティラノサウルスのロボットが出迎えてくれます。

 ここから恐竜展示の本番、「恐竜の世界ゾーン」です。




「恐竜の世界ゾーン」で迎えてくれるティラノサウルスロボット




 まずは恐竜の基本的な情報をいろいろな展示で紹介してから、復元骨格の展示が始まります。

 この博物館の特徴は、一応パーテーションなどで区切りはあるものの、部屋にはなってなく、天井が吹き抜けになっているなど、古い博物館ではありえないようなデザインになっていること。

 吹き抜けになっているので上のフロアからも展示を見ることができるのです。

 ただおすすめ順路だと広めの通路の右に左にとせわしなく動かないといけないのが残念。




モンゴルのタルボサウルス(白)と北米のティラノサウルス(黒)が並ぶ
これで両者の違いがよくわか……らない?




 分類ごとに展示されている恐竜たちを見ながら、中国の四川省(しせんしょう)で見つかった恐竜の生体モデやロボットが並ぶジオラマへ。




伸び上がって葉を食べる全長20mのオメイサウルス




 それから鳥盤類の恐竜をいろいろ見ながら、天井のある「地球の科学ゾーン」へ。

 地球の地質や岩石などの地学についての展示になります。




トリケラトプスの仲間のアルバータケラトプス・ネモイ




 その壁際にあるのが福井県で見つかった恐竜、フクイサウルス、フクイラプトル、そしてドロマエオサウルスの仲間の化石です。

 ここに恐竜博物館が作られるきっかけになった恐竜たちです。




イグアノドンの仲間のフクイサウルス・テトリエンシス


アロサウルスの仲間のフクイラプトル・キタダニエンシス
「ラプトル」とついてますがドロマエオサウルスの仲間ではありません。


名前がまだ無いみたいなドロマエオサウルス類
「フクイラプトル」がもう使われてしまったので名前はどうなる?




 しかし、それまでの吹き抜けの華やかな展示と比べて、天井のあるところで展示ケースに入れられてほぼ真横からしか見ることができない状態でがっかり。

 ご当地恐竜なのに華々しいアメリカや中国の恐竜との差を感じてしまいます。



 車で来た人はあまり意識しないかもしれませんが、福井まで電車できて、さらに各駅停車で1時間揺られたあと、便数の少ないコミュニティーバスに乗り換えて来た者にしてみれば、もうちょっと福井の恐竜をかっこ良く見たかった。

 この展示ならもっと交通の便がいい福井市街のほうがよかったのに、と思ってしまいます。



 「地球の科学ゾーン」を出ると、「恐竜の世界ゾーン」を見下ろすようにスロープがあり、いろいろな角度でもう一度恐竜たちを見ながら2階へ。



2階から見た華やかな「恐竜の世界ゾーン」
※画像スライドできます ⇒⇒



 2階は「生命の歴史ゾーン」。
 先カンブリア紀から現代につながる地球の生き物がいろいろと展示されています。




エディアカラ動物の
チャルニオディスクス・アルボレウス

カンブリア紀ですが
バージェスの住人ではない
アカドバラドキシデス


 そして恐竜と同じ時代のモササウルスや翼竜、首長竜などいろいろ。

 もちろん動物だけでなく植物も。

 そして恐竜滅亡後の哺乳類の化石まで幅広く。

 恐竜博物館ということで簡単に流す人もいそうですが、名前に反して?ここもなかなかいい展示です。




見るからにモササウルスの仲間のプラテカルパス


頭が特徴的な翼竜のタペジャラ・ヴェルンホフェリ


バシロサウルスよりはクジラっぽいドルドン・アトロックス
恐竜滅亡後の4000万年前のクジラです。



 展示室のとなり、吹き抜けになっているエントランスホールにはティラノサウルスの全身骨格を間近で見ることができるダイノラボ、ミュージアムショップやレストランがあります。

 ただミュージアムショップはあまり大きくないので、夏休みなど混むときにはお土産を買うのにも想像以上の時間がかかる覚悟は必要。

 またレストランもお昼前から行列ができ、博物館周辺にはお店のたぐいは全く無いので、シーズン中の子供連れには昼食もなかなか難しいポイントになるかもしれません。



 トータルで考えると三大恐竜博物館の名に恥じない立派な展示だと思います。

 しかし外国の恐竜と勝山で見つかった恐竜たちの展示の差や、レストランのキャパシティなどを考えると、はたしてこの場所でいいのか、という気がしてしまいます。

 とてもいい博物館なだけに、電車で行くとどうしても残念感が。

 博物館に行く時には、車はもちろんのこと、遠方からの列車の場合は鉄道の乗り継ぎ時間やホテル選びなど、十分な下調べが必要かもしれません。



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ものすごく昔の和歌山の海にはこんなでっかいやつがいた!「発見!モササウルス」和歌山県立自然博物館


 和歌山県立自然博物館の「開館30周年記念特別展 発見!モササウルス―化石の発掘エピソードと最新情報―」に行ってきました。

和歌山県立自然博物館
和歌山県立自然博物館
 モササウルスは恐竜がいた中生代の白亜紀後期の海にいたトカゲに近い爬虫類(はちゅうるい)の一種。
 復元図もトカゲに似た細長い尾の姿でしたが、今は魚のような尾ヒレを持っていた姿に変わってきています。

 大きいものは10メートルを超え、海の王者とも。

 日本各地で化石が見つかっていて、博物館がある和歌山で見つかったものが展示されています。



 決して大きいとは言えない展示室ですが、その分モササウルスがぎっちりつまっています。

 まずはモササウルスの説明。
 そして発掘の様子のパネルジオラマ。
 石の中から化石を取り出すクリーニング作業も見ることができます。

 そしてモササウルスの化石の展示。



クリーニング作業ルーム
クリーニング作業ルーム
作業は10:30~11:30と14:00~15:00だそうです。




 まだクリーニングは終わってないので、クリーニングが済んだものを展示しています。

 背骨は太く、アゴは長く、歯は大きく、前足のヒレは何十センチもあります。
 こんな大きなヒレで泳ぐのですから、体が大きくないわけがありません。



大きい前足のヒレの化石
大きい前足のヒレの化石




 展示室の奥には化石が見つかった状態を(かたど)ったレプリカ(産状レプリカ)があります。

 化石の「見つかった状態」にもたくさんの情報があります。
 化石を扱う古生物学にかぎらず考古学などでも、見つかった状態は大切なのです。

 しかし見つけたままでは一番重要な化石を取り出すことができません。

 ということで、見つかった状態を立体的に残すためにレプリカが作られました。



ヒレの上に肋骨がのった産状レプリカ
ヒレの上に肋骨がのった産状レプリカ




 タイトル通りモササウルスだらけの展示ですが、なにもモササウルスの説明だけではありません。

 化石発掘の様子や石から化石を取り出すクリーニング、化石の産状から推理する生きていた時や亡くなった後の様子、石と化石の見分け方など化石研究についての情報もたくさんあります。



右下顎骨(前部)に残った鋭いモササウルスの歯
右下顎骨(前部)に残った鋭いモササウルスの歯




 日本では各地でモササウルスが見つかっていますが、ばらばらのものばかりでこれほどそろっているものはほかにはありません。

 さらに頭の骨や前後のヒレが見つかるなど、モササウルス研究にとって大変貴重な化石。

 モササウルス全体の研究に与える影響も少なくなさそうです。

 和歌山で見つかったモササウルスの化石はまだまだクリーニングの真っ最中。
 これからどんな発見があるのか楽しみです。



 そんなモササウルスの展示も2013年3月31日まで。

 残りあとわずか。

 さあ、和歌山へ急げ!



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モササウルスの最新の復元が見られるきしわだ自然資料館。


 ティラノサウルスがいた中生代(ちゅうせいだい)白亜紀(はくあき)末期の海最強の爬虫類(はちゅうるい)とも言われるモササウルスの全身復元骨格を常設展示しているきしわだ自然資料館。

 2階で展示室されている姿は、まるで海中を泳ぐようです。



きしわだ自然資料館2階で常設展示されているモササウルス
きしわだ自然資料館2階で常設展示されているモササウルス





先が折れ曲がっているモササウルスの尻尾
 この骨格、よく見ると尻尾のあたりがちょっと変です。

 伸びてきた尻尾(しっぽ)が先の方で不自然に折れ曲がっています。

 モササウルスは海の中にいますがトカゲやヘビの仲間。
 去年のモササウルス展ではオオトカゲのように尻尾が伸びていました。

 もしかして、展示の失敗なのでしょうか?



2010年11月3日~2011年1月30日の特別展「モササウルス」のときのモササウルス[きしわだ自然資料館]
2010年11月3日~2011年1月30日の特別展「モササウルス」
のときのモササウルス[きしわだ自然資料館]
今展示されているのと同じやつ?




 いえいえ、これは展示の失敗、ではありません。

 実はモササウルスの尾の先はトカゲやヘビのようにまっすぐ伸びるのではなく、下に折れ曲がっていることがわかったのです。

 どうしてそんな奇妙なことになっているのかというと、モササウルスの尾の先は魚の尾ひれ(尾鰭)のようになっていたのです。



 それなら二股に分かれているはず?

 確かにそういう気がしますが、たとえば二股(ふたまた)に分かれたサメの尾ひれは上にしか骨(軟骨)がありませんし、モササウルスと同じ爬虫類の魚竜(ぎょりゅう)の尾の先も二股ですが骨は下側にしか入っていません。
 クジラやイルカは尾の先が左右に広がっていますが、骨は真ん中だけ。

 サメや魚竜はもちろん、モササウルスよりも大きなクジラも自由に泳ぐことができるのですから、下にしか骨が無いササウルスの尻尾も不思議でも変もありません。



 それを復元したのがこの展示。
 去年のモササウルス展のは従来の古い展示。

 きしわだ自然資料館ではこういったことを含めてモササウルスの研究についてもパネルで展示されています。


 まるで岸和田はモササウルスファン巡礼の札所です。



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白亜紀末期最強? モササウルス登場! きしわだ自然資料館


 NHK朝の連続ドラマ「カーネーション」の舞台になっている大阪府岸和田市(きしわだ)

 その岸和田市の自然科学系博物館のきしわだ自然資料館。
 チリメンジャコの中から海の生き物を探す「チリモン」発祥の博物館です。

 そこでちょうど1年前にやっていたのがモササウルス展。
 2011年1月31日で展示は終わってしまいました。

 と思っていたら、去年の12月に常設展示になったと聞いたのでさっそく行ってきました。



 モササウルスというのは、恐竜のティラノサウルスがいた白亜紀(はくあき)末期の海にいた爬虫類(はちゅうるい)です。
きしわだ自然資料館の入り口
きしわだ自然資料館の入り口

 名前に「サウルス」とついていますが、恐竜ではありません。
 トカゲやヘビの仲間(有鱗目(ゆうりんもく))です。

 大きいものは頭から尻尾の先までで15メートル。
 ティラノサウルスを超える大きさがあり、白亜紀末期の海最強の生き物と言われることもあります。

 岸和田市がある大阪の南西部の泉南(せんなん)地方では、モササウルの化石がいくつも見つかっています。



 資料館2階展示室の入り口に立つとすぐ右手、天井から全身が復元された骨格の模型がぶら下がっています。



モササウルス「クリダステス・プロピトン(アメリカ)」の全身復元骨格模型
モササウルス「クリダステス・プロピトン(アメリカ)」の全身復元骨格模型
※複数の画像をパノラマ処理しているので背景がちょっと変です。




 さすがに15メートルものであはありませんが、人間よりも大きそうです。

 口を大きく開けて今にも獲物に喰らいつこうとしています。

 白亜紀末期の大阪湾に潜ると、このような状態で出遭ったかもしれません。



 モササウルルスのように絶滅して化石しか残っていない大昔から現在まで、泉南地方の自然について幅広く展示されているのが、きしわだ自然資料館。

 リチモン体験などのイベントも積極的に行っている楽しい博物館です。



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