河? 海? フグはどっち
大阪の自然海岸
海に行きました。
もちろん海の生き物を見に。
行き先は大阪にほんのわずかに残った自然の海岸があるところ。大阪の南端の岬町(みさきちょう)の長松海岸。
引潮時を見計らって行って来ました。

海草だらけの春の海岸
小さなフグ
海草だらけの海岸の潮溜(しおだま)りには小さなヤドカリやカニばかり。
そんな中で見かけた唯一の魚。
フグ。
冬になるとテレビでよく見るトラフグによく似ていますのですぐわかりました。
でも大きさは15センチくらいでしょうか。
きっとクサフグでしょう。

海で見たクサフグ
「河豚」
フグ。
漢字で書くと「河豚」。
「海豚」ではありません。「“河”豚」です。
もちろん中国語でも「河豚(ホートゥン)」。
海水魚なのに「河」?
中国では「河」というと大河の黄河(こうが)のこと。
実際黄河にはフグがいるとか。
意外と思うかもしれませんが、ナイル川にアマゾン川と大河にもちゃんと住んでいます。
実は、淡水のフグはそれほど珍しいものではないようです。
河でも海でも大丈夫
このときも海に流れ込んでいる小川でフグが泳いでいました。
満潮時には海水が流れ込みそうな雰囲気ですが、今は干潮。盛んに水が流れていますので、淡水だと思います。塩分があったとしても限りなく淡水に近いことでしょう。
そんなとこまで平気に流れをさかのぼってきます。
海でも川でも、フグの行動範囲はどっちでもOK。
河豚と海豚
ちなみに、「海豚」はイルカのことです。
中国語でも「海豚(ハイトゥン)」。でも、淡水の揚子江にイルカはすんでいます。
なら、別に「海豚」がフグで「河豚」がイルカでもいいような気がします。
現在の中国に文化的につながる古代中国の国は黄河付近にあることが多かったので、「フグ=河豚」「イルカ=海豚」になったのかもしれません。
たとえば古代中国を統一したのが黄河(こうが)流域の秦(しん)ではなく、長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))流域の楚(そ)だったら、フグが「海豚」、イルカが「河豚」になっていた、かも、しれません?

海岸から遠くに見える関空


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