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生物多様性はつかみどころがないけれど興味を持つところから

 驚くような記事を見ました。
増水 釣り場の外来種が川へ流出 - Yahoo!ニュース

 長良川に観光のためにつくった釣堀に放たれたニジマスが、川の増水のために流出したというのです。

 長良川は岐阜県を流れ日本三大清流の一つと言われる一級河川。
 鵜飼が行われている川の一つです。
 そのウが捕まえるのがアユで、2015年に「清流長良川の鮎」として世界農業遺産に認定されました。

 逃げ出したニジマスは外来種で、世界の侵略的外来種ワースト100、日本の侵略的外来種ワースト100の両方に指定されています。
 さらに外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)で生態系被害防止外来種に指定されている魚です。
 動物食で、小魚や魚卵も食べます。
 長良川のアユも食べられるおそれがあります。

 釣り堀は、画像や状況などからすると長良川の河原に作られたようです。
 もちろん水面より上に作られたでしょうし、盛り土などで流れからは隔てられているようです。
 ただ、河原は川が作り出すもの。
 いつか増水した川の水がやってくるところです。
 どうしてそのような場所に外来種の釣り堀をつくったのかわかりません。

 つくったのは長良川漁業協同組合で記念式典には知事も参加されたようです。
 それだけの人々がそろっていて、どうして長良川の生態系を乱すようなことを行ったのでしょうか。

 意外と生物多様性に無頓着な人は少なくありません。
 生き物に興味がある人はもちろん、生き物を生業にしている人でも。
 そういう無頓着な人たちは自分にとって興味のある生き物、利益をもたらす生き物のことしか興味がありません。
 そういう人たちが「生物多様性」や「環境保護」「自然保護」などと言っても、それは自分にとって興味のある生き物、利益をもたらす生き物のことでしかありません。

 しかし「生物多様性」はたった五文字ですが、様々な生き物や環境が複雑に絡み合ったとてもややこしいものです。
 とてもとっつきにくいものかもしれません。
 その生物多様性をイメージしやすそうな本が『自宅で湿地帯ビオトープ! 生物多様性を守る水辺づくり』
 水辺のビオトープづくりを通して生物多様性を体感する方法を書いた本、でしょうか。
 生物多様性やビオトープなどよく聞く言葉の説明から、湿地帯ビオトープの作り方、巻末には生きもの図鑑も載っています。
 ゼロからはじめるときの入門書にいいと思います。

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『自宅で湿地帯ビオトープ! 生物多様性を守る水辺づくり』には手を出そう!

 タイトルの通り、自宅で湿地帯ビオトープの作り方とその実例の本です。
 そして「生物多様性を守る水辺づくり」の本です。

 著者は淡水魚と水生昆虫の生態学分類学の専門家の中島淳さん。
 表紙はアニメ化もされた『映像研には手を出すな!』の作者、マンガ家の大童澄瞳さん。
 出版社は大和書房。
 紙の本と電子書籍があります。

 ビオトープは水槽に水草や魚に小エビなど様々な種類の生き物を一緒に育てることによく使われるように思いますが、それを屋外に作るのです。
 それだけでなく、生物多様性からビオトープの本来の意味もサクッと説明されています。

 ほかにも湿地帯ビオトープのガイドもあります。
 巻末の湿地帯ビオトープの住人たちの図鑑は、トンボやアメンボなどのよく知られた生き物だけでなく、ミズムシやミズカメムシなどハンディ図鑑ではあまり見かけないようなものまで載っています。

 1冊にビオトープから生物多様性、外来種のことまでまるっと簡潔にまとめられている上に図鑑まで載ってる信じられないような本。
 水辺の環境の生物多様性についての入門書にもなると思います。

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2021年もやっていたプランター稲ビオトープ カブトエビはどこへ行く?

 さて、何年もプランタービオトープでカブトエビを育てて感じることは。

 カブトエビのすごさ。
 さすが外来生物。

この記事にはの画像があります。


 カブトエビは近所の田んぼに住む節足動物の中では一番の大きさ。
 タガメやタイコウチやゲンゴロウが住むような田んぼならまだまだ小さいほうですが、近所にはそんな水生昆虫はいないのでカブトエビが一番。
 もちろんプランタービオトープでも一番の大きさ。
 卵もカイエビやホウネンエビよりも大きいので、生まれたときから差がついています。
 そして雑食性で共食いをするくらいですから、甲羅のないホウネンエビなど簡単に食べられてしまいます。

 田んぼでもカブトエビが大量にいるところではカイエビやホウネンエビはあまり見かけないように思います。
 たまにカブトエビとカイエビが同じ場所にいることもありますが、プランター程度の大きさではそうはいかないようです。
 何度やっても、カブトエビにえさをやっても、カイエビはすぐにいなくなってしまいます。
 ホウネンエビは微妙にカブトエビの行動範囲とずれるためか、わずかに生き残りますが。
 ところが、カブトエビを徹底的にほかの水槽に移すと、カイエビもホウネンエビもずっと長い間生きています。

 カブトエビは外来種。
 そしてカブトエビはカイエビやホウネンエビを食べていきます。
 ブラックバスやウシガエルのような大食いの外来種は、在来種を食べて日本の環境を壊してしまいます。
 カブトエビは特定外来生物に指定されても不思議はないように思います。

カブトエビ
カブトエビ

 ただ、カブトエビが見られるのは田んぼばかり。
 田んぼは人工的な環境。
 今のところ、カブトエビは田んぼやその周辺からしか見つかっていないようです。
 人工の環境に生息が限られているので問題になっていないのかもしれません。
 ただ、カイエビやホウネンエビも今は田んぼやその周辺でしか見られなくなってきました。
 治水が進み川の氾濫は激減し、雨が降っても水が排水され、カイエビなどが住みやすい環境が大きく減ってしまったからでしょう。
 実際、田んぼのように浅くて数か月単位で水が溜まったり乾燥したりを繰り返すような環境は、心当たりがありません。

カイエビ
カイエビ

 大阪市の大阪市立自然史博物館が大和川水系と淀川水系の淀川周辺の生物を調査してまとめた特別展の図録『大和川の自然』と『みんなでつくる淀川大図鑑』をみると、カブトエビはもちろんカイエビやホウネンエビも水田に住む生物となっています。
 いまやカイエビもホウネンエビも自然の環境にはいない、と言えないまでも、少なくと、田んぼが主な生息地になっているように感じます。
 つまり在来種のカイエビやホウネンエビは、外来種のカブトエビと住む環境を同じにしているのです。

ホウネンエビ
ホウネンエビ

 ということは、いくら田んぼが人工の環境だと言っても、そこに依存している在来種がいる以上、外来種のカブトエビについては、駆除を検討する必要があるかもしれません。
 少なくとも、田んぼに意図的にカブトエビを放つのは、在来種のカイエビなどからすると、良くないことのように思います。
 ただ、田んぼは個人所有で収入を生み出す場所ですから、単純に在来種の保護をすることも良くないでしょう。
 もちろん小さ小さなプランターと大きな大きな田んぼを同じように考えることはできません。
 ですがカイエビやホウネンエビなど在来種の田んぼの生き物と、外来種のカブトエビとの関係は、よく考えていかなければならない問題のように思います。

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2021年もやっていたプランター稲ビオトープ 肥料で失敗?

 ことしもプランター稲ビオトープやっていました。
 今年のテーマは、稲に肥料をやる。

プランター稲ビオトープ

 プランターで稲を育てて、そこでカイエビやホウネンエビなどの「田んぼの生き物」を育てるビオトープ。
 最初は簡単にカブトエビを育てることができると思っていたが、それが大間違い。
 プランターに水を張るとたくさんの生き物が生まれるものの、みるみる減っていき、カブトエビだけに。
 そのカブトエビもほどなくいなくなってしまいます。
 カブトエビは体が大きい上に成長速度も早く、雑食なのでカイエビなどを食べてしまった、と考えました。

カブトエビ

 そこで、カブトエビは見つけ次第すべて別の水槽で育てるようにしました。
 するとカイエビたちは餌をやらなくても成長し長生きするようになりました。
 でも水質が富栄養化しないように肥料を少なくしました。
 結果、稲の収量が減ってしまいました。
 ということで、肥料の量を増やそしてみることにしたのです。

カイエビ

 結果、稲の肥料を普通にやりはじめた途端、みるみるカイエビの数が減っていき、あっという間に見られなくなってしまいました。
 肥料を極端に少なめにした去年はもっと長い間泳ぐ姿を見ていましたので、稲の肥料はカイエビにとってはいいものではないようです。
 でも、栄養が溶け込んでいる山や川の水ではなく栄養のない水道水なので、肥料は必要。
 少なからず、多からず。
 プランター稲ビオトープの肥料は微妙な調整が必要なようです。

ホウネンエビ

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実は2020年もやっていたプランター稲ビオトープ カイエビVSカブトエビ?

 今年もプランター稲ビオトープはじめていました。
 プランター田んぼでカブトエビやカイエビなどを育てて、小さな田んぼを再現できるか挑戦を続けています。

 今年のテーマは、カブトエビを取り除く、です。
 今までプランター稲は1ヶ月もしないうちにカイミジンコを残して全滅していました。
 去年はプランターの中に網で囲んだところを作り、そこにカブトエビを隔離しました。
 すると、いつもはすぐいなくなるカイエビが1ヶ月以上いました。

プランタービオトープのホウネンエビとカイエビ

 カイエビがいなくなるのは、カブトエビに食べられるから。
 カブトエビがいなくなるのは、食べ物がなくなるから。
 そう考えました。
 隔離したカブトエビには餌をやりましたが、カイエビには何もしません。
 イネを育てるために時々肥料をやるだけ。
 それであっという間の全滅は避けられたので、自然に土の上に増える微生物でまかなえるのでしょう。
 そもそもカブトエビより小さいですから。

 ということで、今年は孵化直後から見つけ次第徹底的にプランターからカブトエビを取り除きました。
 もちろん、カブトエビはたくさんあるエビ伝説の容器に入れて育てました。
 共食いが起きにくいように大きさを合わせ、成長するにつれて同じ容器に同居する数を減らしていって。

プランタービオトープのカイエビ
大きさは8ミリくらい
腹部の小さなつぶつぶは卵

 その結果、9月までカイエビが生き残りました。
 ホウネンエビも。
 カイエビがプランターでこんなに長く、何匹も生き残ったことは初めてです。
 やはりカイエビの全滅はカブトエビが関係していそうです。

プランタービオトープのホウネンエビ
おおきさは20ミリくらい 腹部の小さなつぶつぶは卵

 そこから考えると、カブトエビというのは田んぼの水生甲殻類の中ではかなり獰猛な肉食動物というになります。
 たしかに、以前からカブトエビの多い田んぼではカイエビは見えないかいても少なく、カイエビの多いところではカブトエビはあまり見かけません。
 という感じがします。

 しかも、日本のカブトエビは外来種と考えられています。
 それに対してカイエビやホウネンエビは在来種、のようです。
 もしかして、カブトエビは田んぼの在来種を食べ尽くしてしまいかねない恐怖の外来種、なのでしょうか。

プランタービオトープのカブトエビ
大きさは50ミリくらい

 しかし、よく考えてみれば、田んぼは人間が作った人工の環境。
 自然にはない環境。
 だからカブトエビも問題ない?
 というか、カブトエビが日本にやってきておよそ100年と言われます。
 カブトエビが原因でカイエビが全滅した地域はあるのでしょうか?

茂った藻類を食べてカイエビは育っていたのかも

 というか、カイエビやホウネンエビも稲作と一緒に入ってきた外来種の可能性は?
 カイエビは複数の種がいて、なかには特定の池に住むものとかいるようですが、ホウネンエビの方は?
 なかなかおもしろそうです。

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プランター稲ビオトープ2019 カブトエビは侵略的外来種?

 田んぼの生き物、カブトエビ。
 数年間、プランターで稲と一緒に育ててみて感じたこと。

20リットル程度のプランターで稲を育てるための肥料だけでは、カブトエビ1匹すらまともに育てるのは難しい。
そんな状態だからカブトエビがほかの生き物(カイエビ、ホウネンエビ、そのほか多数のミジンコ類)はほぼ食べつくされる?
言い換えれば、餌をやれば数多く育てることは可能。

この記事にはの画像があります。


 しかし、田んぼに行ってみると、なんかちがいます。
 カブトエビがいる田んぼは、カブトエビ密度が異常に高いことがよくあります。
 それくらいの密度なら、プランターでも可能のはず。

エビ伝説でおなじみアメリカカブトエビ

 でも、カブトエビの田んぼの周りを歩いてみると、まったくいないところもあることに気づきます。
 というか、いるところのほうが圧倒的に少ないように感じます。
 つまり田んぼ全体で見ると、カブトエビの密度はかなりまばら。
 まるで集団で食べ物のある場所を移動しているようです。
 それならば狭いプランターではなかなか成長できないのも納得できます。

 そこで気になるのは、カブトエビに食べつくされる様々な甲殻類。
 まるで、カブトエビは田んぼの中の生態系の頂点というより、もはやブラックバスやウシガエルのような食べ尽くす型の外来種のようです。
 実際、カブトエビは外来種と考えられています。

いつもお腹を上にしているホウネンエビ

 日本にいるカブトエビは大きく分けると3タイプ。
 アメリカカブトエビ、ヨーロッパカブトエビ、そしてアジアカブトエビ。
 名前が原産地を表しています。
 日本はアジアですから、アジアカブトエビは在来種のようですが、日本にはいなかったといわれています。

■参考外部リンク■
カブトエビ類 / 国立環境研究所 侵入生物DB

 在来種の可能性も捨てきれないような気がしますが、カブトエビがみつかるのは、人工的に作られた田んぼとその周辺の用水路くらい。
 田んぼから離れた自然にできた湿地などでカブトエビが見つかったという話を聞かないので、外来種のほうが納得できます。

二枚貝みたいなカイエビ

 カブトエビがいるだけでほかの甲殻類がいなくなってしまうほどの大食いは、カブトエビが外来種とすると、とても深刻な問題のような気がします。
 実は、田んぼではカブトエビによって様々な甲殻類が絶滅にひんしているのかもしれません。
 食べられるのが見えるか見えないかという小さな生き物ばかりなので気付かれていないだけなんでしょうか。
 カブトエビが田んぼという人工の場所だけにとどまっていればまだしも、そこから外に飛び出したら、特定外来生物並みに暴れるような気もします。
 しかし、今のところそのような外来種には指定されていません。

カイエビみたいですがずっと小さいカイミジンコ

 幸いにも、水が流れるような川が苦手なのでしょう。
 池の水を抜く番組でも今のところ一度も登場していませんので、池も苦手なのでしょう。
 田んぼから離れたところで見ることはありません。
 それとも、ただ、小さい生き物なので見過ごされているだけなのでしょうか。

 気になります。

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プランター稲ビオトープ2019 去年の再確認と新たな問題?

 今年もプランター稲ビオトープはじめています。
 プランターで稲を育てるバケツ稲のプランター版。
 そこで田んぼのようにカブトエビとかいろいろ育ててみようということです。

この記事にはの画像があります。


 しかしいつもカブトエビが1匹くらいに、ホウネンエビが数匹。
 それもすぐいなくなりあとはカイミジンコばかりになってしまいます。
 その後いろいろと試した結果、原因として考えられるものは次の通り。
 カブトエビだけ生き残るのは、カブトエビが他の生き物を食べてしまうから。
 そのカブトエビも死んでしまうのは、食べ物がなくなってしまうから。

生まれたてか1回脱皮したあとのカブトエビ

 それで去年はカブトエビを見つけ次第隔離。
 別のケースで餌をやりながら育てました。
 すると、いつもはすぐいなくなるカイエビが卵を産めるくらいまで育つことができますが。
 数はとても少ないですが。

5ミリもないけどもうホウネンエビっぽい

 ということで、今年も同じようにカブトエビの隔離をすることにしました。

1ミリもないけどもうカイエビっぽい

 結果。
 一ヶ月ほどで10匹以上のホウネンエビと、カイエビ2匹、その他ミジンコ類無数。
 カブトエビは生まれたてでも見つけ次第隔離して育てたので、30匹以上。
 カイエビが少ないのが気になりますが、なかなか。
 やっぱり、カブトエビが原因の中心にいたようです。

大きくなったカブトエビ

 しかし、気になるのがカイエビの少なさ。
 なにか理由があるはずです。

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フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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