金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年10月上旬 その1 双子葉植物編
6月に田植えを行った下赤阪の棚田も4ヶ月がすぎていよいよ稲刈りの季節になりました。
棚田によって田植えの時期が違ったようで、稲刈りの時期もバラバラ。
狩り終わった田んぼとこれからの田んぼが入れ混じった10月上旬の、棚田で出会った生き物たちの双子葉植物(そうしようしょくぶつ)編です。

稲刈りが始まった下赤阪の棚田
「双子葉植物」は、簡単に言うと双葉がある植物。
種から最初に葉が2枚一緒に出る植物です。
ただ、最初の葉が種の中に残っていることもありますので、見た目ではわからないこともあります。
植物界
被子植物門
双子葉植物綱
キク目
シオン(紫苑) キク科 シオン属多年草 | |
![]() | |
画像では白くなっていますが、実際はほのかな紫色をしています。 |
![]() |
| |
アメリカセンダングサ(あめりか栴檀草) キク科 センダングサ属一年草 北アメリカ原産 掲載:P298 | |
![]() | |
小さな種はひっつき虫になります。 これは花が終わって実が熟している最中のようです。 外来生物法の要注意外来生物に指定されています。 | |
コセンダングサ(小栴檀草) キク科 センダングサ属一年草 北アメリカ原産 | |
![]() | |
名前には「小」がついていますが、実際はアメリカセンダングサと変わらない大きさ。 こちらも外来生物法の要注意外来生物に指定されています。 |
![]() |
| |
コウゾリナ(剃刀菜)?
キク科 コウゾリナ属 | |
![]() | |
ちょっと自信はありません。 花の形やかたい毛が生えている葉や茎などの特徴が合います。 夏の花として扱われるようですが、花期は長いのでなんとかぎりぎり間にあったという感じです。 |
![]() |
| |
オオハルシャギク(大春車菊) キク科 コスモス属一年草 | |
![]() | |
見たとおり、「コスモス」と呼ばれている花です。 中学校側の斜面で咲いていました。 | |
ハキダメギク(掃溜菊) キク科 コゴメギク属一年生 | |
![]() | |
名前の由来は、命名者の牧野富太郎さんが掃き溜めで発見したため。 多くの新種の植物を発見し、命名した方ですが、「イヌノフグリ」同様、「ええ~~~」って感じネーミングシリーズの一つ。 気まぐれなのか、あまりにもたくさんに名前をつけたのでめんどくさくなったのか、どうなのでしょうか。 |
![]() |
| |
ホソバアキノノゲシ(細葉秋の野芥子) キク科 アキノノゲシ属越年草 | |
![]() | |
花弁がちょっと薄めの黄色いキク科の花です。 |
![]() |
シソ目
アキノタムラソウ(秋の田村草) シソ目 シソ科 アキギリ属多年草 |
![]() |
見るからにシソ科っぽい花です。 結構花期は長く、いつ行っても咲いています。 |
キツネノマゴ(狐の孫) シソ目 キツネノマゴ科 キツネノマゴ属一年草 掲載:P290 |
![]() |
こちらも花期は長くいつ行っても咲いていますが、たいてい花穂の中の1つだけ。 1つずつ順番に咲いていくので花期が長いのでしょう。 |
オオバコ(大葉子) オオバコ科 オオバコ属多年草 別名:車前草 掲載:P271 |
![]() |
きれいに咲いていました。 踏みつけに強いので、他の雑草が生えないような道端でも平気で生えます。 |
タデ目
イタドリ(虎杖,痛取) タデ科 ソバカズラ属多年草 | |
![]() | |
![]() | |
一番上が花。 その下が実。 近い種類にオオイタドリがありますが、葉の付け根(葉柄側)がまっすぐになっているのがイタドリ。 凹んでハート型になっているのがオオイタドリ。 |
![]() |
| |
イヌタデ(犬蓼) タデ科 ソバカズラ属一年草 掲載:P256 | |
![]() | |
オオバコくらいの小さい雑草で、あちこちで咲いていました。 |
ブナ目
クヌギ(櫟,椚,橡) ブナ科 コナラ属落葉高木 | |
![]() | |
まだまだ殻斗(かくと)に緑色が残っています。 | |
クリ(栗) ブナ科 クリ属落葉高木 | |
![]() | |
見るからにクリって感じで転がっていました。 普通のクリの大きさでしたので、野生のシバグリではなく栽培用のクリのようです。 |
その他の目
イヌホオズキ(犬酸漿) ナス目 ナス科 ナス属一年草 | |
![]() | |
![]() |
![]() |
花を見てわかるようにナスの仲間で、ナスと同じナス属。 名前にあるホオズキはナス科ですがホオズキ属。 実もホオズキというよりも小さいナスのようです。 名前に「イヌ」がつくのは役に立たないということ。 食用のナスと違って毒があります。 | |
カタバミ(酢漿草,片喰) カタバミ目 カタバミ科 カタバミ属多年草 掲載:P248 | |
![]() | |
掘り返された球根はバラけ、種は飛び散り、深く埋められても地面の上まで芽を出す繁殖力旺盛な雑草です。 でもカタバミだらけになっていないということは、万能ではないのでしょう。 | |
カナムグラ(鉄葎)の雌花
イラクサ目 アサ科 カラハナソウ属 | |
![]() | |
蔓性の植物で、トゲがあるので注意が必要です。 | |
キカラスウリ(黄烏瓜) ウリ目 ウリ科 カラスウリ属蔓性多年草 | |
名前の通り実が黄色くなっていました。 カラスウリと違って熟すと甘くて食べることができるようです。 |
![]() |
| |
ゲンノウショウコ(現の証拠) フウロソウ目 フウロソウ科 フウロソウ属多年草 掲載:P229 | |
![]() | |
![]() | |
こちらも花期の長い花です。 赤花と白花がありますが、ここでは赤花のほうが優勢のようです。 | |
ツリガネニンジン(釣鐘人参) キキョウ目 キキョウ科 ツリガネニンジン属多年草 掲載:P291 | |
![]() | |
ツリガネニンジンも花期は長いようですが、時期によって咲いている場所が変わってきます。 | |
ヒメミソハギ(姫禊萩) フトモモ目 ミソハギ科 ヒメミソハギ属一年草 掲載:P231 | |
![]() | |
あまり見かけない感じの植物だと思っていたらミソハギ科。 日本には十数種類しかない植物です。 有名なミソハギ科の植物はサルスベリ。 在来種ではありませんが。 | |
ヤブマメ(薮豆) マメ目 マメ科 ヤブマメ属蔓性一年草 | |
![]() | |
この花の特徴は、咲かない花(閉鎖花)が地面の下にできること。 もちろんそのまま豆になります。 ちょっと南京豆っぽいですね。 | |
カキノキ(柿の木) ツツジ目 カキノキ科 カキノキ属落葉高木 | |
![]() | |
柿もだんだんオレンジ色になってきました。 渋柿ならもっと赤くなるまでおいておけば甘い熟柿(じゅくし)になります。 | |
チャノキ(茶の木) ツバキ目 ツバキ科 ツバキ属常緑低木 | |
![]() |
![]() |
お茶の花の季節を前に、実も熟してきています。 | |
マルバアメリカアサガオ(丸葉あめりか朝顔) ナス目 ヒルガオ科 サツマイモ属蔓性一年草 北アメリカ原産 | |
棚田の周りの笹薮の中で咲いていました。 名前がわからず「謎の花」としていたのですが、ツイッターでご指摘があり、確認しましたところ「マルバアメリカアサガオ」に修正しました。 普通ヒルガオ科の花は花弁の端がまっすぐか、ゆるやかにカーブしてみえるのですが、これは縁が丸くなっているのが特徴です。 それ以外はヒルガオ科っぽいと思っていたのですが、そのとおりでした。 |
![]() |
寒くなってきたとはいえ、まだまだ霜も降りない気温。
棚田から稲がどんどん刈り取られていますが、花はまだまだ咲いています。
棚田の生き物10月編はまだまだ続きます。

タグ: 10月の下赤阪の棚田の植物 果実/SA-tanada 植物/SA-tanada ホソバアキノノゲシ マルバアメリカアサガオ ヒメミソハギ ヤブマメ 下赤阪の棚田2013 下赤阪の棚田201310 棚田の植物1310

- 関連記事
-
- 七十二候第五十七候「金盞香」。「金盞」ってキンセンカではありません? (2013/11/20)
- 金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年10月上旬 その1 双子葉植物編 (2013/11/10)
- 金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年9月 その4 植物編の2+地衣類編 (2013/10/23)
スポンサーサイト