ひっそりと人知れず光る姫蛍
ホタルがピークを迎えているようです。
といっても大きく明るいゲンジボタルでも、そのライバルのような扱いになっているヘイケボタルでもありません。
ヒメボタルです。

ゲンジボタルよりも少し黄色っぽいヒメボタルの光
ヒメボタル(姫蛍)は名前のように小さなホタルですが、ゲンジボタルやヘイケボタルとちがい幼虫が陸上に棲みます。
というか、ホタルの仲間は幼虫が水中に住むほうが少なかったりします。
川が流れる開けたところで光るのでよく目立つゲンジボタルとちがい、湿気の多い林の中で光るのでちょっと目立たないのがヒメボタル。
しかも光る期間も短く、時間も夜中だったりします。
ですから、ホタルなんていないと思っていた街の中の雑木林で見つかることがあります。
そういう意味では、ゲンジボタルよりも身近なホタルなのかもしれません。

ゲンジボタルよりもずっと早い明滅
ところがメスは羽が退化して飛ぶことができず、生息域を広げることが難しいのです。
たとえば、道路で林が分断されると、生息地は2箇所になり、片方にいなくなったら、1箇所だけになってしまいます。
街中の雑木林に生き残っていたホタルも、否応なしにそこでしか生きることができなかったからかもしれません。
そんな環境の変化に弱い生き物です。

ホタルの飛び方もいろいろ
平野部でヒメボタルの生息地が分散していることがあります。
そういう場所でも、開発される前はもっと連続して生息していたはずです。
それがどんどん減っていって、ばらばらになったのかもしれません。
近所にヒメボタルがいないのは、人が生活するようになっていなくなったのかもしれません。
そして、実は、近くの雑木林にひっそりと生き残っているかもしれません。


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