【 ネコ】

[カテゴリ リスト] 【表示記事リスト】
ビオトープ
┃《ビオトープとは
山・森・里山
川・湖・池
海岸・干潟・海
公園・緑地・田畑
都市
野鳥・鳥
モズ
哺乳類
爬虫類・両生類
恐竜と化石爬虫類

節足動物
甲虫
昆虫(甲虫以外)
甲殻類
虫(節足動物以外)
その他の海の動物
草花
野菜・食用作物
お茶
樹木
花木
紅葉・黄葉・褐葉
果物・実
コケ・シダ
その他植物について
微生物・菌類・細菌 等
地衣類
博物館・植物園・催事 等
季節
本・DVD・物語・伝承
架空・神話・創作
語彙集
フィールドワーク
リンク
ブログのご利用について


〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

知るからはじめる外来生物~未来へつなぐ地域の自然~〈大阪市立自然史博物館〉ネコはなにもの?

 あと残り2日になった大阪市立自然史博物館の外来生物展。
 いろいろな外来生物について展示されています。

会場までもうすぐ!


その下のノネコ

 総合的に対策が必要な外来種(総合対策外来種)の緊急対策外来種にノネコ(イエネコの野生化したもの)として指定されいている、ネコ。
 身近な生き物なのに外来生物展ではちょっと地味です。
 展示場所は入口から見える「3.大阪の外来生物」なんですが、解説板の縁の色が大阪の外来生物の茶色ではなく、最後の「8.外来生物とのつき合い方」のピンク色。
 そして標本もなく、文字中心のパネルが数枚。
 身近な生き物なのに、地味。
 なんかヘン。
 でも、なんとなくわかります。

どこかで見たことあるねこがいました!

 簡単にネコについて説明すると、本来地球上に存在しなかった人間が作り出した生き物です。
 といっても、遺伝子操作やクローン技術などではなく、人間にとって役に立つヤマネコを育て交配させてを繰り返し、とんでもない時間をかけて作り出したと考えられています。
 日本にも様々なネコの仲間が住んでいましたが、歴史がはじまるころ、つまりには記録が残るようになったころにはヤマネコが対馬と西表島にかろうじて残るだけに。
 今、日本にいるネコは国外から持ち込まれたものの子孫になります。
 外来種です。

 ネコのすべてが問題を起こすのではなく、問題となるのは人間の管理からはずれたネコ。
 家の中で飼われているネコ以外のネコです。
 たとえば、毎日夕方餌やりをしているネコも管理から外れたネコ。
 なぜなら、餌を食べるとき以外人間の管理を受けていないからです。
 その間は何をしているのかまったくわかりません。
 そういったネコは「野良猫」や「ノネコ」と呼ばれますが、外来生物展では「ノネコ」で統一されています。


 ノネコが起こす問題は、おそらく日本中の多くの人間が集まって住む地域での普遍的な問題かもしれませんし、野生動物の生息を脅かすこともあると言われています。
 本来ならもっとスペースを割いて詳しくやるべきことだと思います。
 しかし「5.日本の島の外来生物問題」でもパネル1枚だけ。
 違和感があります。
 でも、なんとなくわかります。


 「5.日本の島の外来生物問題」の「島のノネコ対策」のパネルに書かれています。
 「ノネコを殺さずに在来生態系を守ろうと、さまざまな関係者が一緒に進めているのが特徴です」
 そしてこうしめくくられています。
 「その対策は、飼い猫の適正な飼育の推奨と、ノネコを捕獲・不妊化して島から連れ出すことからなります。ネコの飼育施設を確保したり、引取先を見つけるのは簡単ではありません。関係者の努力が続いています。」

 害があるときには駆除が前提となっている多くの外来生物とちがい、ネコは特別なようです。
 なんとなくわかります。

■参考外部リンク■
知るからはじめる外来生物|大阪市立自然史博物館 #外来生物展
大阪市立自然史博物館

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ネコイエネコノネコ野良猫外来種知るからはじめる外来生物外来生物展大阪市立自然史博物館

関連記事
スポンサーサイト



theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

現代まで生き残ったたった2亜種の日本在来猫 対馬山猫 京都市動物園

 京都市動物園。
 いろいろな動物がいますが、他ではあまり見られない動物の一つが、ツシマヤマネコ(対馬山猫)。
 日本と韓国の間にある長崎県の島、対馬に生息する、ネコです。


 日本在来のネコ科動物で、唯一の種であり、2つしか生息していない亜種の一つ。
 もう一つは、沖縄県西表島のイリオモテヤマネコ。
 どちらもベンガルヤマネコの亜種ですが、ツシマヤマネコは亜種アムールヤマネコの変種という、ちょっとかわった位置づけ。
 このちがいは、日本に渡ってきた時期と、場所のちがいでしょう。
 イリオモテヤマネコのほうが古くに渡ってきたので固有な亜種になり、ツシマヤマネコは亜種になるほど時間がなかったのかもしれません。


 顔を見ると、ネコのようですが、なんかちょっとちがうようにも感じます。
 それはネコ(イエネコ)はヨーロッパヤマネコの亜種で、ちがう種だからかもしれません。


 京都市動物園のツシマヤマネコは、ネコらしいというのかあまり動かず丸まっているだけ。
 そして目の細かい網のせいであまり良く見えず、残念です。


 ツシマヤマネコは、環境省のレッドリストでは絶滅危惧種最高ランクの絶滅危惧IA類(CR)に指定されています。
 そして種の保存法の国内希少野生動植物種、国の天然記念物に指定されています。

■参考外部リンク■
京都市動物園
環境省_環境省レッドリスト2017の公表について
環境省_国内希少野生動植物種及び緊急指定種一覧
国指定文化財等データベース:主情報詳細

AQUA ぬいぐるみ サファリ ツシマヤマネコ 00090028

新品価格
¥972から
(2018/1/19 22:38時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ツシマヤマネコ京都市動物園ネコ環境省CR長崎CR絶滅危惧種国内希少野生動植物種国天然記念物

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

公園ネコを考える7 餌付けってなにか考えてみることにしました。その2環境への影響を考える

 公園ネコ問題でおそらくもっとも中心になること、餌付け。
 一般的に「餌付けはダメ」といわれますが、どうしてか考えてみました。
 前回はまわりに住んでいる人への迷惑について。
 これはそもそも議論する必要のないことです。
 今回は自然環境への悪い影響について。
 こちらについては、ちょっとややこしそうです。

これまでの【公園ネコを考える】
【ノラネコについて考えてみることにしました。】
まとめ1【ネコの分類について】
まとめ2【ネコの生態について】
まとめ3【ネコと餌付について】

いきものが生きていける限界

 そもそも生き物は、その環境によって生きていける数というのは限りがあります。
 食べ物であったり、住むところであったり、動きまわるところ、同じ種類の生き物の数、そして種類の数。
 それらが複雑に関係し合って単純に表すことはできませんが、全体でその場所が支えることができる生き物の「量」には限界があります。


 もちろん、バランスは生き物の生きることすべてに関係します。
 生き物は例外なく、生まれて死んでいきます。
 その間に“食べ”、そして“排泄”します。
 遺体も排泄物もほかの生き物の糧になり、いずれなくなります。
 動物が増えすぎるるということは、たとえば糞が増えすぎ、糞を分解してできる成分が増えることになります。
 場合によっては分解されずに溜まっていくことにもなります。
 つまり、今まではなくなっていたものがどんどん溜まっていってしまうのです。 
 そうすると、環境が変わってしまい、今まで生活していた生き物が、生きられなくなります。

限界を超えてしまうと

 そうです。
 餌付けが行き過ぎると、限界を超える生き物が集まり、たとえば糞がおとされ、環境が変わってしまう(悪くなってしまう)のです。
 そうなれば、そこに住む生き物がいなくなり、今までいなかった別の生き物が住むようになります。
 冬にやってくる水鳥に餌付けをして増やしてしまった結果、その糞で水が富栄養化して環境が変化、もとからそこに住んでいた生き物が少なくなった池もあります。
 限度を超えた餌付けは、多くの生き物に、別の言葉を使えば環境にダメージを与えてしまうのです。

ネコと限界

 そして猫について。
 住宅街から離れた大きな自然公園で餌付けをしたとします。
 周りに人は住んでいませんので、周辺住民に対しての被害はないでしょう。 
 しかし、餌を求めて猫が集まり、またそういう場所なら捨てる人も少なくないでしょう。
 数が増えれば序列が下の猫は餌が足りなくなり、そこに住むトリやネズミやカエルなど小動物を食べます。
 過剰に猫が増えると、そういった小動物が減ってしまいます。
 そもそもネコの先祖となるヤマネコの行動範囲は、およそ2平方キロ。甲子園球場52個分、東京ドームなら43個分。
 餌付けでネコが集まった状態では、明らかに過密。
 環境の限界を超え、バランスが崩れて当然です。

イエネコと同じネコ属のボブキャット(神戸市立王子動物園)

見えなくてもたくさんいます

 目に見えないだけで、生き物はそこら中にたくさんいます。
 多種多様な無数の生き物たちが複雑に関係し合って生きているのが環境。
 見えない生き物たちのことも、考えなければなりません。
 視野が狭くなった蝶の保護をしている専門家の話をしました。
 餌付けをする人は、その専門家と同じかもしれません。
 その専門家は、自分が好きな蝶のことしか見えていません。
 同じように餌付けをしている人は、餌をあげたい生き物のことしか見えていないのでしょう。

ネコが入る余地は?

 ノラネコはそれほど環境に影響を与えないとする論文もあるそうです。
 しかし、現実問題として目に見えない無数の生き物が複雑に関係し合っている環境で、ネコがいいる時といない時の差を明確にすることは、事実上不可能でしょう。
 ただ、確実に言えることは、ネコは人間がつくりだした自然界に存在しなかった生き物だということ。
 仮に野生種のヤマネコとしたところで、日本のほとんどの地域では、日本に文明が現れるより昔に絶滅してしまった生き物です。
 つまり、日本の自然環境のほとんどはネコ無しで成立していました。
 ネコが入る余地は、本当はないのです。


自然保護・環境保護は人間の都合?

 猫好きの人にとっては悲しく、認めがたいことかもしれません。
 しかし、ネコは人間がつくりだした環境の中ではじめて居場所ができる特殊な動物(家畜)の一つなのが現実です。
 このブログでいつも書いているように、自然は人間の都合など一切関係ありません。
 感情で人間の都合を考えるとき、すでにそれば自然とは離れたことになってしまいます。
 もちろん、それは「自然保護」「環境保護」も同じ。
 どちらも「自然や環境にいいこと」ではなく、「特定の生き物にとっていいこと」、「人間からの見た目のいいこと」かもしれません。
 つまり「保護」が「人間の都合にいいこと」かもしれないことは、常に意識しなければならないでしょう。

餌付けは悪いこと?

 餌付けはいけないことなのでしょうか。
 「いい」「わるい」の単純な二元論で考えれば、「わるい」でしょう。
 環境を破壊してしまう可能性を含んでいますから。
 山で野鳥の写真を撮るため野鳥への餌付け行為を、環境を壊すと言って批判する登山者もいます。
 たしかに、餌付けは環境を壊す恐れがあります。
 しかし、登山という行為自体は言うまでもなく環境破壊行為です。
 人がめったに入らない山なら自然の回復力がまさり、野生のシカやクマの活動と同じように環境破壊には至らないでしょう。
 しかし、道ができ、多くの人が登り、山頂に売店があるような山では、明らかに登山は環境を破壊します。
 環境破壊を理由に餌付けを批判する登山者は、まず、自分の登山そのものをやめなければ、「目糞鼻糞を笑う」だけのことかもしれません。


 つまり、自然環境への影響を考えるとき、餌付けというのは、悪影響を与える要素の中の一つでしかないのです。
 餌付けを「環境の問題」とするとき、それは単純に餌付けだけを禁止すればいいだけの問題ではないのです。
 餌付を批判していいことをしたつもりになっていたら、もっとひどい環境破壊行為をしているかもしれません。
 ネコの餌付問題を環境の問題とするときは、餌付問題はゴールではなく、数多くある通過点のたった一つ、ということは意識しなければならないと思います。

 このように餌付けと自然環境の関係を考えるとき、個人が意図的に餌をあげることよりも大きな問題が見えてきますが、それはまた別の話に。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 公園ネコを考えるネコ餌付ネコの餌付

関連記事

theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

公園ネコを考える6 餌付けってなにか考えてみることにしました。その1まわりに住む人への影響

 野良猫の問題で、最も取り上げられるのが、「餌付け」かもしれません。
 ただ、「餌付け」そのものではなく、餌付けの結果の方がそもそもの問題なのですが。

これまでの【公園ネコを考える】
【1 ノラネコについて考えてみることにしました。】
【2 分類学的にネコについて考えてみることにしました。】
【3 人間との関係でネコを分類してみることにしました。】
【4 ヤマネコの生態について考えてみることにしました。】
【5 ノラネコの生態について考えてみることにしました。】

「餌付け」とは?

 それを考える前に、まずは、「餌付け」とはなんでしょうか。
 簡単に言うと、動物に餌をやって人間に慣れさせること。
 普通、動物は人間を避けます。
 その警戒心を和らげ、人間が用意した食べ物を食べるようにさせること。
  その結果、よく観察できたり、ペット化したり、捕まえたりすることができます。
 ですから、目的はいろいろあります。


 「餌付け」とは「人間が動物に餌をやること」。
 あまりにも漠然としすぎてしまい、今ひとつわかりにくそうです。
 実際は餌付けをする動物が、人間が管理している動物(ペットや家畜)か、管理していない動物(野生動物)のちがいがあり、このちがいが餌付けの意味に大きく関わってきます。
 普通、動物の餌付けの問題について語るときは、人間が管理していない動物への餌付けになります。
 この場合の「管理している動物」とは、目が行き届く限られた範囲内にいる動物のこと。
 ふらふらと自由に動き回る「野良猫」などは毎日餌をやっていたとしても含まれません。

「餌付け」の影響

 動物に対して餌付けをする人がいる一方、餌付けを否定する人もいます。
 餌付けをする人は、「かわいそう」とシンプルな理由だったりしますが、生き物を「かわいそう」と思う気持ちの一体何が悪いのでしょうか。
 餌付け問題に関しては、大きく分けると2つありそうです。
 一つは、餌付け場所の近隣住民の日常生活に支障がでること。
 もう一つは、環境に影響があること。


 どうして餌付けが近隣住民の生活に支障が出るのでしょうか。
 単純な話ですが、動物は食べて出すのが自然の成り行き。
 餌を食べようとして動物が集まると、もちろん、糞がたくさん落ちます。おしっこも。
 糞はもちろん不衛生ですし、おしっこも同じ。
 不快な匂いがあったり、動物によっては人間に有害な寄生虫や病原菌などを媒介することもあります。

 餌付け問題で有名なネコにしろハトにしろ、餌を食べられるわけですから、餌の時間がはじまる前にその場所にたくさん集まってきます。
 もしかしたら居着くかもしれません。
 もちろん、餌場の近くに人の住居があれば、そこにも来るでしょう。
 ということは、そこにも糞をするということ。
 たまに1つ2つならまだしも、それが毎日たくさんとなれば、住人の生活に影響が出ます。
 もしかしたら、病気になるかもしれません。不自由な生活を送らなければならなくなります。


だれが「かわいそう」か

 「かわいそう」という単純な気持ではじめたことですが、たまたまそこに住んでいるだけなのに、日常生活に支障が出てしまう。
 ネコやハトはかわいそうでも、人間はかわいそうではないのでしょうか。
 もし、人間よりもネコやハトがかわいそうなら、他人におしつけるのではなく、まず、餌やりをする人自身が「かわいそう」になり、耐えるべきではないでしょうか。
 もっとも、これも行き過ぎると多頭飼育崩壊して猫屋敷状態になり周辺の人の迷惑になってしまいますので、簡単な問題ではありません。

 でも、餌付け問題の一つは、日常生活の中で普通に考えれば、答えもおもずと明らかなことではないか、と思います。
 ということは、まわりに人が住んでいないところなら誰にも迷惑をかけないので餌付けも問題無いでしょうか。
 いいえ。
 今度は環境の問題がでてきますが、それは次回に。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 公園ネコを考えるネコ餌付ネコの餌付

関連記事

theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

公園ネコを考える5 ノラネコの生態について考えてみることにしました。

 ネコは人間がつくりだした、自然界には存在しない生き物です。
 といっても、錬金術のように材料を集めて錬成したものではありません。
 品種改良してつくりだしたものです。

これまでの【公園ネコを考える】
【1 ノラネコについて考えてみることにしました。】
【2 分類学的にネコについて考えてみることにしました。】
【3 人間との関係でネコを分類してみることにしました。】
【4 ヤマネコの生態について考えてみることにしました。】


 生き物はもともと環境などに応じて変わっていく能力を持っています。
 それを利用して、人間が都合よく作り変えていったものを、動物の場合は「家畜」といいます。
 ネコは、野生動物のヤマネコを家畜化したものです。

 人間は数多くの家畜を作り出してきましたが、その中でもネコは野生の特徴を最も残していると言われています。
 たとえば、絹を作り出すカイコガは、家畜化が進み、成虫は飛ぶこともできず、幼虫は食べ物を探すこともできなくなっています。
 つまり、人間が世話をしなければ生きていくことができないのです。
 ネコがノラネコになって生きていけるということは、それだけ野生を残しているという証かもしれません。


 ですから、完全に野生化した野猫の生態は、基本的にヤマネコと同じと考えられます。
 しかし、人間への依存をして生きている野良猫の場合、ヤマネコとちがうところも多いようです。
 その一つが縄張り。
 ヤマネコの場合、単独で生活し、平均約3平方キロメートル(約1.7キロメートル四方)のなわばりをもつといわれます。
 たとえば豊かな自然があると言われる明治神宮の面積は0.72平方キロメートルですから、広いことで有名でも数字の上では1匹も生きていくことはできません。
 つまり、近所の公園レベルでは、ネコは1匹でも生きていくことは、できるわけがないのです。

 でも、野良猫はたくさんいます。
 それは、食べ物が自然界にはない形で提供されているからです。
 一つは残飯。
 そして他には餌やり。
 どちらも特定の場所でなされます。
 結果、野良猫たちはそうした餌場を中心に縄張りが交差することになります。
 まだ、極めて狭い範囲で食べ物を得ることができるので、自ずと縄張り自体も狭いものになります。
 ですから、小さい公園でも多数の野良猫が生きていくことができるのです。


 縄張りが接する餌場で特に餌やりが行われる場合、本来は単独行動をするはずのネコが複数集まります。
 すると、そこには集団生活を行うイヌのように、序列が生まれます。
 これは飼い猫を複数を飼うと現れることで、ある意味家畜化の特徴とも言えることです。

 単純なネコとしての行動一つ一つは、おそらく野生のヤマネコと変わらない事が多いと思います。
 しかし、縄張りと集団行動という点では、かなり特異な状態にあるのが野良猫と言えるでしょう。
 そこに注目すれば、野良猫は明らかに飼猫の一種ということが言えるかもしれません。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 公園ネコを考えるネコヤマネコネコの生態

関連記事

theme : 雑学・情報
genre : 学問・文化・芸術

公園ネコを考える4 ヤマネコの生態について考えてみることにしました。

 野良猫が公園でどうやって生活しているかを考える前に、ネコがまだ野生だったころのヤマネコなどの生態を簡単に考えてみました。

これまでの【公園ネコを考える】
【1 ノラネコについて考えてみることにしました。】
【2 分類学的にネコについて考えてみることにしました。】
【3 人間との関係でネコを分類してみることにしました。】

 ネコは食肉目の哺乳類の動物。
 同じ食肉目には、ペットの座をネコと二分するイヌがいます。
 名前のように、肉食のグループ。
 ただパンダのように草食になってしまった動物もいます。

 ネコとイヌの共通の先祖は森林で生活していた肉食の動物だったと考えられています。
 森から草原へ出て行ったものがイヌ科のオオカミになり、家畜化してイヌになりました。

草原に住むイヌ科イヌ属のチュウゴクオオカミ(天王寺動物園)

 森に残って大型化していったものがネコ科のトラになりました。

森に住むネコ科ヒョウ属のアムールトラ(天王寺動物園)

 また森で小型化していったのがネコ科のヤマネコ。
 ヤマネコが家畜化したのが、身近にいるネコです。

熱帯林の水辺に住むネコ科ベンガルヤマネコ属のスナドリネコ
(天王寺動物園)

 見通しのいい草原へ出て行った食肉目は獲物を狩るためにはとにかく走らなければならなくなりました。
 ただ走るだけではなく、逃げまわる相手を俊敏に追いかけ、そして捕まえなければなりません。
 そこで体を中型化して、力と軽快さのバランスをとります。
 ただ肉食動物が狩ることができる最大の大きさは、自分と同じくらいまでといわれます。
 それを知ってか知らずか、草原の草食動物は大型化します。
 そこで群れをつくり大勢で連携をして、自分より大きな草食動物を狩るようになりました。
 オオカミです。

草原に出て行ったネコ科ヒョウ属のライオン(天王寺動物園)

 逆に森に潜む食肉目は、待ち伏せ型。
 障害物が多い森の中では、大勢で飛びかかるのはむずかしく、1頭のほうが効率がいいでしょう。
 一気に瞬発力で仕留めるため、体を大きくして力を強くします。
 重い体重は、獲物を抑えこむのにも役に立ちます。
 そして大型化していったのがトラ。

人の生活の場に定着したネコ科ネコ属のノラネコ

 森にはもちろんトラよりもずっと小さな動物もいます。
 それは大きなトラの狩りの対象にはあまりならないでしょう。
 そのニッチ(隙間)に小型化して対応したのがヤマネコかもしれません。
 オオカミよりも小さくなったヤマネコは、きっと住む場所を広げていったことでしょう。
 ネズミやカエルのような小さな動物がいれば生きていけますから、大きな森でなくても生きていけるでしょう。
 さらに体が小さいほうが縄張りも小さくてすみます。

 森に住み、単独行動で、待ち伏せ型の狩りをする、食肉目の哺乳類。
 そのネコ科の特徴を残して小型化することで、生息範囲を広げていったヤマネコ。
 ところが、これがノラネコとなるとちょっとかわってきます。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 公園ネコを考えるネコヤマネコネコの生態

関連記事

theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

公園ネコを考える3 人間との関係でネコを分類してみることにしました。

これまでの【公園ネコを考える】
【1 ノラネコについて考えてみることにしました。】
【2 分類学的にネコについて考えてみることにしました。】

 公園のノラネコへのエサやり問題を考えるため、「ノラネコ」という生き物を考えることにしました。
 まずは分類学的に生物としてネコを分類して、「ネコ」と呼ばれる動物にもいろいろな種類があることを学名から見ました。
 でも、野生種も飼猫もノラネコもみんな同じ。
 ノラネコを考えるとき、学名のちがいはあまり役に立ちそうにありません。
 ということで、人間との関わり方でネコを分類する方法で考えてみました。

野猫(のねこ)

あまり聞き慣れない言葉かもしれません。
そこれもそのはず、人間に頼らないで生きている猫のことです。
言い換えれば、野生に戻ったネコです。
人間から食べ物をもらったりはしません。
つまりイノシシやクマなどの野生動物と同じ。
ですので、人間の前に姿を現すのはまれ。
そういう意味ではヤマネコと同じですが、分類学上ではイエネコ。ノラネコと同じです。
公園ネコを考えるときにはおそらく関係のないネコでしょう。


野良猫(のらねこ)

今度は聞き慣れた言葉だと思います。
基本的なイメージとしてはノラネコそのものです。
少し具体的に書くと、特定の人に家にすみつくのではなく、不特定の人から餌をもらったりするような、人間に依存しつつもはっきりとした飼い主がいない状態のネコです。
直接エサを貰わないでも、ゴミを漁るなど人間の生活に依存し、誰からも管理されないネコも含みます。
公園ネコを考えるときに対象となるネコです。

地域猫(ちいきねこ)

最近は不幸な野良猫を減らすため、地域で飼っていこうと考えることも増えてきました。
特定の地域に住んでいる人々がルールを決め、エサやりや不妊の手術をするなどの世話をします。
地域の人々にゆるやかに管理されているような状態で、特定の飼い主がいるわけでなく、不特定多数の人から餌をもらう点では野良猫です。
しかし、ルールが決められて管理されているという点では、同じ地域に住む不特定多数の人に飼われているネコで、野良猫とはちょっとちがってきます。
イメージとしては、野良猫と飼猫の中間。


飼猫(かいねこ)

はっきりとした飼い主がいるネコ。
基本的に飼い主と一緒に住み、室内で飼われているので飼い主からしか餌を貰わないことがはっきりしている、室内猫。
自分が飼っているネコと思っていても、自由に外を出歩かせている場合は、見えていないところで何をしているかわかりませんので、野良猫として考えます。
野猫・野良猫との関係からIWO(いきもの は おもしろい!)独自の定義ですので、人前で使うときにはご注意ください。

 少しは具体的にネコの生活を意識することができるようになりました。
 ということで、公園ネコを考えるときは、上の「野良猫」が基本的な対象になります。
 また、状況によっては「地域猫」も対象になることもあるでしょう。
 これでよりノラネコがイメージしやすくなりました。

ノラネコの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)

新品価格
¥1,404から
(2016/5/8 21:55時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 公園ネコを考えるノラネコ公園ネコネコイエネコ野猫野良猫地域猫飼猫ネコの分類

関連記事

theme : 雑学・情報
genre : 学問・文化・芸術

二十四節気・七十二候
プロフィール

ノート

Author:ノート
都会の植え込みから自然あふれる山まで。
フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

検索フォーム
カレンダー
08 | 2022/09 | 10
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
BLOG & NEWS | 動物プロダクション SCIENCE FACTORY ltd.
けろんの100円で昆虫採集!
相生山からのメッセージ
ななこの『生き物のお世話』ブログ
雑記帳~身の回りの出来事やら自然やら~
とある昆虫研究者のメモ
ACTOW
徳川広和・恐竜・古生物・模型・フィギュア作品ギャラリー
コトラ&ミーのこんにちは ご近所さん
すみれ奏へようこそ
そぞろ歩き
デジカメ・昆虫・写真
くろねこのチラシの裏
どくだみ荘日乗
故郷の廃家
とらログ
ようこそ大阪市立自然史博物館へ
インターネットミュージアム
いきもの を ぱちり!
管理画面
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS