【 トリケラトプス】

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特別展「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」と長居植物園で 恐竜ビオトープを感じてみる! トリケラトプス登場編


 博物館と植物園がコラボした「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス-知られざる大陸ララミディアでの攻防-」。 
 そして「恐竜戦国時代の『エサ』?!-化石と長居植物園で知る植物の進化-」。

 化石と植物園で見ることができる植物の紹介も、いよいよ最後。




白亜紀にあったかもしれない植物に囲まれた会場入口




 もちろん今回の主役、トリケラトプスがいた時代・場所の植物です。

 トリケラトプスの大好物もあるかもしれません。



サントニアン 8630万年~8360万年前
カンパニアン 8360万年~7210万年前
中生代 白亜紀 後期
マーストリヒチアン 7210万年~6600万年前
トリケラトプス
鳥盤類
ケラトプシア類
産地:アメリカ
展示:恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス

今回のテーマになっている人気恐竜トリケラトプス。

体も大きくなり、各地で多様化していたそれまでのケラトプシア類とちがい、たった一種で各地に広がっていきました。

しかしそんなトリケラトプスも白亜紀末の大量絶滅に飲み込まれ、最後のケラトプシア類になってしまいました。


下に並ぶのはトリケラトプスと同じ時代のララミディア大陸にはえていた植物の化石です。
つまりトリケラトプスが食べたかもしれない植物。

白亜紀の後期になると被子植物の化石が増え、繁栄をはじめたことがわかります。

ただ、今の植物との関係がわからないものも少なくないということなので、一気に多様化して、絶滅してしまったものも少なくないのかもしれません。
まるでカンブリア爆発のようです。

セコイア・ダコテンシスの球果
裸子植物
球果類
ヒノキ科
産地:アメリカ
展示:恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス

今のセコイアの球果とよく似ています。

トリケラトプスが食べるのには小さいですが、ブドウのようにまとまっていたのなら、食べごたえがあったかもしれません。
セコイア
裸子植物門 マツ綱 マツ目 ヒノキ科
産地:アメリカ
展示:長居植物園内北 明石植物群北

100mを超える巨木になることで有名。
トリケラトプスも余裕で森の中を歩くことができたでしょう。

この植物園のセコイアはそこまで大きくありませんが幾本も植えられ森になっています。
セコイアの森の中を歩いてみると恐竜の気分を味わえるかもしれません。

メタセコイアの枝
裸子植物
球果類
ヒノキ科
産地:アメリカ
展示:恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス

葉の形や生え方、対生(左右同じ場所から葉が生えること)のところなど、今のメタセコイアにそっくりです。

葉と葉の間隔が開いているようにみえるのは、化石になる前に離れてしまったため?

落葉したものが化石になったのなら、枝に小さな葉がついたまま落ちるところもメタセコイアと同じです。
メタセコイア
裸子植物門 マツ綱 マツ目 ヒノキ科
産地:中国
展示:長居植物園内北 小池東

葉が上の化石とそっくりです。

数百万年前まで日本にも生えていましたが、その後絶滅しました。

今、日本のあちこちにはえているのは、は中国で見つかったメタセコイアを増やしたものです。
コルノフィルムの葉
被子植物
産地:アメリカ
展示:恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス

現在のミズキ属の植物と同じように葉の縁にそうように葉脈が走っています。

ミズキ属ならば、ヤマボウシのような花が咲き、甘い実がなっていたかもしれません?
ヤマボウシ
被子植物門 双子葉植物綱 ミズキ目 ミズキ科
産地:日本・朝鮮半島・中国・台湾
展示:長居植物園内中央 ユーカリ北西

花弁のように見えるのは総苞片。

モクレン同様、白亜紀の花は花弁がまだ現れていなかったのでしょうか。

マーストリヒチアン
後期
白亜紀
白亜紀末の大量絶滅
中生代

新生代 6600万年前~現在 哺乳類の繁栄



 白亜紀末の大量絶滅で恐竜は絶滅。

 その後哺乳類が繁栄することで、新生代の動物相は変わってしまいました。

 しかし植物は今もある植物と同じもの、近いものが白亜紀には生えていました。

 化石に残っているくらいですから、決して少なかったわけではないはずです。

 白亜紀末の大量絶滅はもちろん植物にもキカデオイデア類の絶滅など影響があったものの、生き残った植物が少なくないというのは、おもしろいところです。



 「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」はもう終わってしまいますが、植物園の樹木たちはまだまだ残ります。

 会場に行ったけど植物園に行けなかった方も、会場に来られなかった方も、ぜひ長居植物園で恐竜ビオトープを感じてみてください。



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タグ: 恐竜戦国時代の覇者!Ceratopsia球果植物恐竜ビオトープトリケラトプスセコイア・ダコテンシスセコイアメタセコイアコルノフィルムヤマボウシ

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特別展「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」で でっかいティラノサウルスを見上げる![大阪市立自然史博物館]


 大阪市の南部にある長居公園内の大阪市立自然史博物館で開催れている特別展。

 「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス-知られざる大陸ララミディアでの攻防-」。

 タイトルにあるようにトリケラトプの恐竜展です。



桜をバックに特別展恒例の幟
桜をバックに特別展恒例の幟




 名前の通り、入り口ででっかいトリケラトプスの頭が迎えてくれます。

 そして数多くのトリケラトプスのご先祖様と親戚たちが、これでもか! これでもか! と並んでいます。

 大きな頭に大きな角。

 重戦車のような強そうなトリケラトプスは圧巻。



ずらっと並んだトリケラトプスの親戚たち
ずらっと並んだトリケラトプスの親戚たち




 それでも恐竜展と言ったら忘れてはならないのが、肉食の恐竜。

 もちろん、います。

 まずはヴェロキラプトル。

 白亜紀後期のカンパニアンの今のモンゴルのあたり出身の獣脚類ドロマエオサウルス科の恐竜。

 ちょうどララミディア大陸でケラトプシア類が多様化していった頃です。

 アジアに残ったケラトプシア類(トリケラトプスの仲間)のプロトケラトプスと戦った状態で化石になったと言われる「格闘化石」で有名です。

 ただ、今回はありません。

 残念。



意外と小さいヴェロキラプトル
意外と小さいヴェロキラプトル




 しかしヴェロキラプトルはかっこいいですが、ちょっと小さい。

 映画「ジュラシックパーク」シリーズでは人間よりも大きかったのですが、実際は中型犬くらいの大きさ。

 もっと大きな肉食恐竜が見たくなります。

 と思っていると出てくるのがテラトフォネウス。

 知名度は落ちてしまいますが、ティラノサウルス科の獣脚類恐竜。



プチT-Rexって感じのテラトフォネウス
プチT-Rexって感じのテラトフォネウス




 ヴェロキラプトルと同じ白亜紀後期のカンパニアン出身ですが、こちらはケラトプシア類が大きくなっていったララミディア大陸にいました。

 巨大化していったケラトプシア類に合わせてかヴェロキラプトルよりも大きいですが、せいぜいポニーか牛くらいの大きさ。

 当時のケラトプシア類にはもうかなわなかったかもしれません。



 そして後半に登場するのがトリケラトプス本人。

 でっかい!

 ヴェロキラプトルはもちろんのこと、テラトフォネウスでも勝てそうにありません。



人とくらべたらよくわかるでっかいトリケラトプス
人とくらべたらよくわかるでっかいトリケラトプス




 そして、その奥にでっかいのがそびえ立っています!

 そう。

 ティラノサウルス。

 説明の必要がないほど有名な最大級の肉食恐竜。

 恐竜と言ったらティラノサウルス!という人ばかりじゃないかなと思うくらい人気があります。

 しかしここはトリケラトプス展。

 人気のあるティラノサウルスでお客を呼ぼうというのでしょうか?



トリケラトプスを見ているティラノサウルス
トリケラトプスを見ているティラノサウルス




 いえいえそうではありません、と勝手に言ってしまいましょう。

 なぜなら、ティラノサウルスは、白亜紀後期マーストリヒチアンのララミディア大陸出身。
 トリケラトプスと同じです。

 トリケラトプスの化石からティラノサウルスの歯の跡が見つかっていますので、「食べられる-食べる」の関係にあったようです。

 そう、トリケラトプスと並べても違和感がない、いや、並べる意味がある肉食恐竜なのです。

 そしてトリケラトプスに引けを取らない大きさ!



 トリケラトプスのように360°から見ることができる、というわけにはいきませんが、かなりの向きから見ることができます。

 そして、なんと、下から見上げることもできるのです!

 トリケラトプスだけでなくティラのサウルスの見せ方にも凝っています。



でっかいティラノサウルスを見上げる!
でっかいティラノサウルスを見上げる!




 ということで、ティラノサウルスが好きな人にもおすすめできる「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」。

 特に、ティラノサウルスの下にある、化石に残された傷から推測したティラのサウルの「トリケラトプスを食べるときのお食事マナー」はおすすめ!

 なんかいかにも的な力技のお食事マナーがCGで描かれています。

 動画でないのが残念!



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タグ: 恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプスティラノサウルスヴェロキラプトルテラトフォネウス大阪市立自然史博物館裸子植物白亜紀Ceratopsia

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特別展「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」で でっかい草食恐竜に出会う![大阪市立自然史博物館]


 タイトルにあるようにこの特別展はトリケラトプスが主人公。

 もちろん特別展のテーマとして選ばれるのですから、人気のある恐竜です。



「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」案内板と立て看板と幟
「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」案内板と立て看板と幟
地下鉄長居駅3番出口を出るとこの3点が出迎えてくれました。




 人気の秘密は、頭にある3本の大きな角とその後ろの大きなフリルという、ほかの草食恐竜とちがって頭に剣と盾を持ったようななんだか強そうな姿だからかもしれません。

 このトリケラトプス。

 けっこう変わった恐竜のようです。



 トリケラトプスの変わったところ。

 見ての通り大きな頭。

 角とフリルの大きさだけでなく、頭そのものも結構な大きさです。

 展示されているケラトプシア類(トリケラトプスの仲間)の化石を見ると、頭が大きいのは基本的な姿のようです。



会場入り口で出迎えてくれるトリケラトプスの128cmの大きな頭
会場入り口で出迎えてくれるトリケラトプスの128cmの大きな頭




 展示の後半でトリケラトプスとティラノサウルスが並んでいますが、比べるてみるとトリケラトプスの頭はそれほど大きいようには感じません。

 それはティラのサウルスが頭が大きい恐竜だから。

 出口近くにある同じ草食恐竜のディプロドクスと比べたら、トリケラトプスはびっくりするほどの大きな頭なのがわかります。

 ディプロドクスは全長20mを超える大きな竜脚形類の恐竜。でも展示されている頭は70cm。

 トリケラトプスは全長10m足らずで体は半分以下なのに、入り口で展示されている頭は倍近くの128cm。

 長さが倍近いのですから、大きさはもっとちがいます。

 ただしそれぞれ首と尻尾の割合が全然ちがいますし、展示されているディプロドクスは大人ではないかもしれませんから、単純に比べることはできませんが。



出口近くのディプロドクスの70cmの小さな頭
出口近くのディプロドクスの70cmの小さな頭




 なぜこんなにも頭の大きさに差があるのかというと、ひとつは植物の食べ方のちがいと考えられています。

 ディプロドクスは植物を引きちぎってそのまま丸飲み。

 もちろん丸飲みでは植物はまともに消化できません。

 胃袋の中に溜め込んだ石ですりつぶします。

 ですから頭に強い筋肉はいりませんから大きくなりません。



 ところが、トリケラトプスは歯ですりつぶしてから飲みこむのです。

 つまり、よく噛んで食べる。

 強い力がいりますから、強い筋肉がたくさん必要で、その支えとなるために頭も大きくなります。

 そしてこの食べ方はウシやヒツジのような今の草食哺乳類と同じ。

 ですから、トリケラトプスの歯の役割や並び方もシカやウシやヒツジと似ているところがあります。

 ちがう進化の道筋をたどった生き物が、同じような環境で似たような形になる収斂進化(しゅうれんしんか)の一つの例でしょうか。

 と言っても、シカやウシやヒツジもトリケラトプスほど頭は大きくありませんが。



トリケラトプスの顎
中生代の草食動物のトリケラトプスの顎


シカの顎(常設展第3展示室)
現在の草食動物のシカの顎(常設展第3展示室)
※特別展会場では展示されていません。

顎の先で植物を切りとり、隙間があって、奥の歯ですりつぶすという役割が同じ。



 ケラトプシア類が頭でっかちになりながらララミディア大陸に広がり多様化していくことができたのも、よく噛んで食べることがよかったのかもしれません。

 今の動物でも、繁栄している大型の草食動物の多くはトリケラトプスと同じようによくかんで食べる口や歯になっています。



ララミディア大陸最初のケラトプシア類のズニケラトプス
ララミディア大陸最初のケラトプシア類のズニケラトプス
この時すでにトリケラトプスの顎と同じつくりになっていました。
※ほかの画像と比べやすいように角度を変えています。




 特別展会場の出口近くに現在の牛の仲間の頭の骨も展示されているのですが、下顎が展示されていないのが残念。

 時間があれば博物館本館の常設展第3展示室に行って確認してみてください。

 色々な生き物と比べてみるとおもしろいと思います。

 そして第2展示室には特別展会場にはいない恐竜の化石も展示されています。

 特別展のチケットで常設展示も見られますので、行かないのはもったいない!



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タグ: 恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプスケラトプシア類ズニケラトプス大阪市立自然史博物館恐竜白亜紀Ceratopsia収斂進化

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「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」でケラトプスだらけっ![大阪市立自然史博物館 特別展]


内覧会当日は「予告」つきだった長居公園南西入口の案内板
内覧会当日は「予告」つきだった長居公園南西入口の案内板



 大阪市立自然史博物館で「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」がはじまりました。

 サブタイトルは「知られざる大陸ララミディアでの攻防」。

 「ララミディア」は今の北アメリカのロッキー山脈から西側部分のこと。

 恐竜の中でもトップクラスの人気を誇るトリケラトプス。

 そのトリケラトプスがいた中生代白亜紀後期にはこの部分が細長い大陸になっていました。

 当時の北アメリカは、浅い海で隔てられたアパラチア大陸との2つに分かれていたのです。



中生代白亜紀後期の北アメリカ大陸(展示パネル)
中生代白亜紀後期の北アメリカ大陸(展示パネル)




 その細長いララミディア大陸で大繁栄したのがトリケラトプスの仲間たち。
 アジアから渡ってきたと考えられています。

 トリケラトプスの仲間は「角竜(つのりゅう)」とよく言われますが、ここでは「ケラトプシア類」という名前で統一されています。

 ケラトプシア類は角があり頭の後ろに「フリル」を持つのが特徴。

 種によって角の数や大きさやフリルの形が変わるので、ちがいがわかりやすい恐竜になります。

 そのケラトプシア類を、登場から多様化(恐竜戦国時代)、そして最終形態のトリケラトプスにまとまっていく様子が展示の中心です。



 今回の面白いところは、入ってすぐに植物化石の展示があること。

 普通、恐竜展での植物化石は無いか後半に申し訳程度に展示されてるくらいですが、ここでは前半と後半の2箇所に展示されています。

 特に後半はトリケラトプスと同じ時代に同じ場所に生えていた植物。

 実際にトリケラトプスが食べていた植物かもしれません。



白亜紀初期の裸子植物クラッソストローブスの雄性球果
白亜紀初期の裸子植物クラッソストローブスの雄性球果
オシベのかたまりです。
日本に生えていたものなのでトリケラトプスのご先祖様が食べていたかもしれません。



 ケラトプシア類で最大の頭の飾りを持つカスモサウルスの頭部成体復元や全身骨格をすぎると、7つのケラトプシア類の頭が迎えてくれます。

 あまり実用的には見えないけどキャラ立ちはしっかりしているものもあれば、実用的に見えるシンプルなものまでいろいろ。

 まるで戦国武将の兜の立物(たてもの)のよう。

 確かに恐竜戦国時代です。

 7つ並んだ「兜」からお気に入りのケラトプシア類を見つけてみるものおもしろいかも。

 どうせなら、人気投票やって「将軍恐竜」を決めてもおもしろそう。



恐竜戦国時代ケラトプシア七雄?
恐竜戦国時代ケラトプシア七雄?
※画像スライドできます ⇒⇒


 ただ「戦国時代」といいますが、互いに闘いながら領土拡大をしていたわけではありません。

 ケラトプシア類が激しく入れ替わった理由は気候の変動で植物の種類が変わったためとも言われていますが、まだはっきりとわかっていないようです。



 戦国時代の次は、トリケラトプスの全身復元骨格が真ん中に展示されています。

 順路に沿ってまわると360°からみることができるうれしい展示です。



ど~んと立ってるトリケラトプスの全身復元骨格
ど~んと立ってるトリケラトプスの全身復元骨格




 フリルのデザインがインフレーションを起こして収集がつかなくなるかと思われたところで現れたケラトプシア類がトリケラトプス。

 最後に現れたとは思えないほどシンプルな角と飾りのトリケラトプスは、ララミディア大陸全域とはいかないまでも結構広い範囲に広がったようです。

 そして、当然草食のトリケラトプスを食べる肉食の恐竜もいたわけです。

 それは、ティラノサウルス。

 全身の復元骨格が展示されています。



 もちろんトリケラトプスと深い関係があります。

 なんとトリケラトプスの化石からティラノサウルスの歯型が見つかっています。

 そう、本当にトリケラトプスを食べていたのです!

 歯型から推測されたトリケラトプスの食べ方をCG画像で再現したパネルもあります!



こちらもほぼ全周から見ることができるティラノサウルス
こちらもほぼ全周から見ることができるティラノサウルス




 展示されている恐竜の種類は決して多くありませんが、ケラトプシア類にしぼっていろいろな角度からとらえた展示。

 本体はもちろん食べ物から解剖図など、まるで今生きている動物のようです。

 恐竜展というとどうしても「恐竜」という造形を中心に展示が作られることが多いように思いますが、今回は「生きている恐竜」を感じます。



 そして忘れてならないのは特別展のガイドブック。

 展示物の資料になると同時に、展示パネルで書ききれなかったと思えるコラムなどいろいろ盛りだくさん。

 単なる展示カタログじゃなくて、これもひとつの恐竜本。

 ミュージアムショップで通販されると思います。



 そしてIWO(いきもの は おもしろい!)が勝手に決めた「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」シークレットアイティム。

 ララミディア戦国記。



ララミディア戦国記はどこにあるのでしょうか?!
ララミディア戦国記はどこにあるのでしょうか?!
背景はぼかしています。




 さあ、どこにあるでしょう。

 見つければいいことがある、かも?



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タグ: 恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプスティラノサウルスケラトプシア類大阪市立自然史博物館恐竜白亜紀Ceratopsia

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毛のある無しだけじゃない。博物館と遊園地!京セラドームの「世界大恐竜展」とATCの「大恐竜帝国2013」のどっち行く?


 長かった夏休みもあとわずか。

 夏休みの前に終わってしまうのが京セラドームの「世界大恐竜展」。
 9月1日までのATCホールの「大恐竜帝国2013」より1週間早く8月25日には終わってしまいます。

 チラシでは違いがわかりにくいこの二つの恐竜展。

 入場料も家族連れとなると決して安いというわけではないので、どちらに行こうか悩んでいる人も少なくないようです。



 IWO(いきもの は おもしろい!)では「毛がある京セラドーム」「毛が無いATC」と言ってきました



毛のあるティラノサウルスの京セラドーム
毛のあるティラノサウルスの
京セラドーム
毛が無いティラノサウルスのATC
毛が無いティラノサウルスのATC


 それは展示されている恐竜のことで、必ずしも全体のちがいのことではありません。


 イベント全体を比べたとき、IWOのキーワードは「博物館それとも遊園地」



 恐竜展なのでどうしても恐竜に関する展示で決めてしまいますが、実はそれ以外にも大きな違いがあったのです。

 化石の展示が少ないATC。
 ですから、恐竜化石を見たい人は京セラドームの方がいいでしょう。



京セラドームのIWO的見どころスピノサウルス全身骨格模型
京セラドームのIWO的見どころスピノサウルス全身骨格模型




 じゃあ、ATCの方はどうなのかというと、それが恐竜展示以外のポイントです。

 ATCの会場の中には恐竜化石や恐竜ロボットの展示以外にも、子供向け恐竜イベントや、ふわふわ遊具、飲食コーナー、やたら広い売店、ザリガニ釣りや昆虫販売など小さい子供が喜びそうなものがたくさん。

 そして疲れた時のためにベンチも。

 恐竜展示を見終わっても、まだまだ会場内で遊んだりのんびりしたりできます。
 もう一度恐竜展示を見ることもできます。

 つまり、遊園地。

 恐竜イベント+遊園地がATCの特徴なのです。

 二つの要素が足されているのですから、入場料がちょっと高いのかもしれません。



ふわふわ遊具や迷路があって遊園地っぽいATC
ふわふわ遊具や迷路があって遊園地っぽいATC




 それに対して、恐竜化石とロボット展示に絞り込んだのが京セラドーム。

 売店と体験コーナーならありますが、ATCと比べるとずっと小さく、その先はもう会場出口。

 その分恐竜関連の展示を充実させています。



 ですから、会場全体のイメージとしては。


 京セラドームは博物館。

 ATCは遊園地。



 恐竜をたくさん見たいのなら京セラドーム。

 恐竜を見たあともいろいろ楽しめるのがATC。
 ただし小さな子供に限りますが。



大きいティラノサウルスの歯の化石
大きいティラノサウルスの歯の化石
体はティラノサウルスより大きいのに歯は小さいスピノサウルスの歯
体はティラノサウルスより大きいのに
歯は小さいスピノサウルスの歯
どちらも京セラドーム「世界大恐竜展」



 売店を見ればその違いがわかりやすいかもしれません。

 京セラドームは小さい売り場に少ない種類。

 でも陳列棚にきれいに並べられているので大人も小さな子供も見やすく取りやすい。
 そして限られたスペースを効率よく使っています。

 博物館の恐竜展などによく出店している業者さんなので、商品も恐竜好きなら思わず買ってしまうようなものばかり。

 博物館のミュージアムショップのようです。



 ATCは広い売り場に数多くの種類が並んでいますが、平面的な陳列で目立つ大きなPOPも無く、広いだけにどこになにがあるのかわかりません。

 種類が多いのに京セラドームにあった恐竜グッズが置いてなかったり(多すぎで気付かなかっただけ?)と、まさに子供向け。

 にもかかわらず商品は会議机の上に高く積まれていて、小さな子供はちょっと見にくいのでは、と気になります。

 ところが、どこになにがあるのかわからない“ごちゃごちゃ感”が子供にとっては遊園地のように楽しいおもちゃ箱感覚。


 ただ、いかにもプロが作った感じのスッキリとした京セラドームの売店に対して、なんだか素人っぽいごちゃごちゃした売り場は、せっかくのロボット巨大恐竜のドキドキワクワクが冷めてしまいそうで大人的には残念。



 きれいで見やすく絞り込んだグッズで恐竜好き向けの京セラドーム

 おもちゃ箱風の“ごちゃごちゃ感”で子供向けのATC



キョウリュウジャーにも出てくるATCのトリケラトプス
キョウリュウジャーにも出てくるATCのトリケラトプス




 ということで、一見よく似ている京セラドームの「世界大恐竜展」とATCホールの「大恐竜帝国2013」。

 でも実はまったく違っていたりします。

 京セラドームは博物館。

 ATCは遊園地。

 連れて行く子供の好みを考えると、選びやすいかもしれません。



 ただし、これらはIWOの独自の判断。

 それにイベントは生き物。

 たった1ヶ月の間でもどんどん変わっていくことがあります。

 どちらも7月終わりから8月初めの情報。

 出発前には最新の情報をブログなどで確認されることをおすすめします。



 余談。

 もちろんIWOとしては、中生代全体の恐竜を中心とした爬虫類化石と、糞化石や植物などの化石もある京セラドームの「世界大恐竜展」がおすすめです。

 ATCの「大恐竜帝国2013」の全方向から見られるフロア展示もいいのですが、化石展示の量で京セラドームの「世界大恐竜展」にはちょっと負けてしまいます。



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タグ: 世界大恐竜展大恐竜帝国2013大恐竜帝国恐竜ティラノサウルススピノサウルストリケラトプス

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赤ちゃんから大人までのトリケラトプスの化石が並んで成長していく様子が見られます。「新説・恐竜の成長」展[大阪市立自然史博物館]


 2012年3月10日から大阪市立自然史博物館ではじまった特別展「新説・恐竜の成長」。

 大人の恐竜と子供の恐竜を並べて、同じ恐竜でも大人と子供でいろいろなちがいがあることを教えてくれます。



 見所のひとつがトリケラトプス。

 なんと頭の化石が7つも並んでいます。

 それも生まれたてのような赤ちゃんから大人まで、成長の順を追って。




成長順に7つも並んだトリケラトプスの頭の化石
「新説・恐竜の成長」[大阪市立自然史博物館]
※画像スライドできます ⇒⇒




 赤ちゃんの化石は丸い形に大きな目、角も襟飾(えりかざ)りも小さくみるからに「赤ちゃん」です。

 でも一抱(ひとかか)えほどありそうな大きさは、「赤ちゃん」ではありません。



 赤ちゃんのとなりの「小型幼体」はまだ子供っぽさが残っていますが、次第に大きくなるにつれ角張ってきて大人になっていくのがわかります。

 そして草食恐竜なのにちょっと怖いほど迫力がある大人の「成体」になります。



 子供から大人まで並べてみると、だんだん大きくなるだけでなく、妙なことに形も変わっていくことがわかります。

 もちろんトリケラトプスとしての基本的な形は変わりませんが、まるでちがう種類のトリケラトプスのようです。



 たとえば目の上の二つの角。

 子供のころは後ろ側に反っているのが途中で前向きに変わります。

 そして後頭部にぐわっと広がった襟飾りも、子供のころについている縁の三角のギザギザが大型亜成体のころにはなくなります。

 成体にもなると襟飾りに穴が開き、展示の監修をしているロッキー博物館の研究が行われるまでは、「トロサウルス」というちがう種類の恐竜と考えられていました。



トロサウルス(トリケラトプスの成体)「新説・恐竜の成長」[大阪市立自然史博物館]
トロサウルス(トリケラトプスの成体)
「新説・恐竜の成長」
[大阪市立自然史博物館]
トリケラトプスの大型幼体「新説・恐竜の成長」[大阪市立自然史博物館]
トリケラトプスの大型幼体
「新説・恐竜の成長」
[大阪市立自然史博物館]
※目の上の角と襟飾りに注意してください※




 大きな頭に大きな目の赤ちゃん顔から大人顔に成長するだけでなく、ちがう種類と思われるほど形が変わる恐竜の成長。

 これだけ多く並べられているのはトリケラトプスだけですが、ティラノサウルスやパキケファロサウルスも子供と大人の化石が並べてあります。

 やはりどれも大きさの違いだけではありません。


 恐竜の成長は、なかなかおもしろそうです。

 それを間近に見ることができるのが、「新説・恐竜の成長」展。

 2012年6月3日まで大阪市立自然史博物館で開催中!



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12メートルのティラノサウルスが吼え、乱杭歯を震わせてせまってくる! 「新説・恐竜の成長」展[大阪市立自然史博物館]


 大阪市立自然史博物館で2012年3月10日から特別展「新説・恐竜の成長」がはじまります。
 映画「ジュラシック・パーク」の監修をしたアメリカ・ロッキー博物館の古生物学者ホーナー博士の研究成果が展示されています。

 その内覧会にブロガー招待で参加させていただきました。



会場入り口の階段
会場入り口の階段




 ティラノサウルスやトリケラトプスなどの有名恐竜の化石から、恐竜が成長していく様子の展示がメインテーマです。

 そして日本初公開の、現在見つかっている中で最大のティラノサウルスの頭の化石の実物が展示されているのが見所です。



 まずはトリケラトプスのコーナー。

 人間の頭よりも大きいくせに丸くって赤ちゃんぽい化石から、人間よりの大きい大人の化石まで順番に並んでいます。

 どれも3つの角がありトリケラトプスなのはわかりますが、角の大きさや向き、後頭部に広がる襟飾(えりかざ)りの形もちがい、まるでちがう種の恐竜のようです。

 最近までちがう種類だと考えられていたというのも納得できます。



成長順に並ぶトリケラトプスの頭の化石
成長順に並ぶトリケラトプスの頭の化石




 そしてヒパクロサウルスの大きな復元模型の次は、いよいよティラノサウルスです。

 展示室の中央には12メートルのティラノサウルスロボットが、来館者を見回しています。

 大人になったティラノサウルスは11~13メートルの大きさがあるといわれていますので、実物大。
 それが動き乱杭歯(らんぐいば)の口をあけて向かってくるのですから、すごい迫力です。



動く吼えるアニマトロニクスのティラノサウルス
動く吼えるアニマトロニクスのティラノサウルス




 そして壁の方には全身の復元骨格。
 こちらの方がなじみのあるティラノサウルスかもしれません。

 そして透明のケースに入っているのが、世界最大のティラノサウルスの頭の化石。
 しかも本物です。

 ティラノサウルスの化石の展示は珍しいものではありませんが、多くの場合はレプリカ。

 本物が展示されるのは珍しいことだそうです。



世界最大のティラノサウルスの頭の化石の実物
世界最大のティラノサウルスの頭の化石の実物




 そのほかにも大阪会場特別展示のヒパクロサウルスの全身骨格など、恐竜展らしい大きく迫力があるものばかりの「新説・恐竜の成長」展でです!



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タグ: 新説・恐竜の成長ティラノサウルストリケラトプス大阪市立自然史博物館恐竜アニマトロニクス

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