犬はいつ日本にやってきたのかな?
自然界には存在しないイヌ。
およそ1万5千年前に、東アジアに住む人間によってオオカミから作り出されたと言われています。

その後、世界に広がっていったのですが、日本にいつからイヌが現れたのかは、よくわかりません。
少なくとも歴史が始まった時(古墳時代ごろ)にはにいるのが当たり前になってたようです。
もっと昔の縄文時代の早い時期(1万年以上前)の遺跡からイヌの骨が見つかっているようです。
縄文時代がはじまった1万5千年前ごろは、日本が大陸と地続きになっていた時期があります。
ちょうどそのころに東アジアで誕生したイヌが人間とともに日本にやってきたとすると、腑に落ちます。

その後日本は大陸から離れ、二度とつながることはありませんでした。
イヌの誕生が遅れていたら、日本にイヌがやってくるのはもっと遅れていたかもしれません。
縄文時代の後、弥生時代がはじまります。
弥生時代にもイヌがいて弥生犬とよばれ、縄文犬とはちがう特徴をもつとされます。
弥生人は、稲作の技術を持って大陸からやってきたと考えられています。
そのとき一緒に犬を連れてきたのでしょう。
弥生時代の竪穴住居に住む4人家族の食事どきの団らん風景
(大阪府立弥生文化博物館)

弥生時代の遺跡から、壺に納められたイヌの骨がみつかっています。
一度埋葬されたあと、骨を壺に納め直したことからも、今と変わらぬほど大切にされていたことが伺われます。
(弥生時代後期2世紀 奈良県桜井市大福遺跡
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館)


そして国家が統一されていく古墳時代。
前期から中期にかけて、力を誇示するため盛んに巨大な古墳が作られました。
古墳には様々なものを象った陶器の埴輪がおかれます。
日用品らしきものから武具、さまざまな動物、よくわからない抽象的なものなど、多岐にわたります。
その中にイヌとされる埴輪もあります。
(堺市 仁徳陵古墳(大仙陵古墳)5世紀 近つ飛鳥博物館)

その後もイヌの飼育は続けられ、日本各地でさまざまな犬種が誕生しました。
江戸時代には中国からペットとしてのイヌが持ち込まれ、さらに種類が増えます。
明治時代になると、欧米から様々な洋犬が持ち込まれ、広がっていきました。
と同時にそれまで日本にいたイヌたちが消えていき、絶滅したといわれるイヌもいます。
明治後期に日本唯一の野生の犬ともいえるニホンオオカミが絶滅したのは皮肉な一致なのかもしれません。
日本で人間が家を作り定住はじめたころから人間とともにいたイヌ。
時代の変化とともに新しいイヌが現れ、どんどん変わってきましたが、常に人間のそばにいることはかわりないようです。
■参考外部リンク■
天王寺動物園
大阪府立弥生文化博物館
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館[トップページ]
近つ飛鳥博物館
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