家にはたくさんのスミレがあります。
そのほとんどは、勝手に増えたもの。
花は春にしか咲きませんが、咲かない花(閉鎖花)が春から秋まで種をつくり、まわりに飛ばしまくります。
ですから、何かを植えている鉢から、何も植えていない鉢までスミレだらけになってしまいます。
とってしまわなければならないのですが、成長している姿を見ると、ついつい先延ばしになってしまいました。
花は来年の春まで咲かないというのに。
そして、ある日。
スミレの葉に黒いイモムシが。
黒いだけではありません。
黒い毛、いやトゲが生えています。
スミレを食べる、トゲのある黒いイモムシ。
ヒョウモンチョウの仲間にちがいありません。
この頃はまだスミレの葉に隠れるほどの大きさ
ヒョウモンチョウはオレンジ色に黒い斑点がある翅のチョウのグループです。
ヒョウモンチョウの中でもどうやら、ツマグロヒョウモンのようです。
ツマグロヒョウモンの幼虫はスミレを食べます。
増えすぎたスミレを食べてもらって、きれいな蝶の誕生を見ることができれば。
と、様子を見ることにしました。
オレンジ色がなんとなく毒々しい幼虫さん
とりあえず、見つけた幼虫を一つの鉢に集めました。
葉が食べられ無くなってくると養生に回し、新しい鉢を用意します。
ヒョウモンチョウの幼虫は頭がいいようで、徹底的に食べつくす前にほかに探しはじめます。
あとどれくらいできれいな蝶が見られるのだろう。
ところが。
脱皮直後の頭はオレンジ色
幼虫は最終的に10匹以上。
おそらく1匹のメスが産んだと思うのですが、大きさはいろいろ。
どういうわけか成長に差があります。
ともあれ、草食動物というのは食べ物の効率が悪く、とんでもない量の植物が必要となります。
10匹以上がどんどん食べ、どんどん成長していくので、どんどんスミレの葉がなくなっていきます。
養生がおつきません。
体長4センチ余りでおそらく終齢幼虫
しかたがないので、近所の道端で雑草になっているスミレの葉をもらうことにしました。
年に数度、きれいに草刈りされる場所なので、大目に見てくれる、はずです。
スミレが減ってしまうと放浪をはじめてしまうので水槽に保護して、毎日束ねたスミレの葉を入れます。
それをはじめて2日後、はじめて幼虫を見つけてから10日。
2匹が蛹になっていました。
おしりのところ糸でくっつけて蛹になります
そして1週間。
すべての幼虫が蛹になったころ。
最初の蛹から無事オスが羽化しました。
ところが、蛹から出るのは一瞬、見逃してしまいました。残念。
タテハチョウの仲間らしく足は4本に見えます

一番目の2本は折りたたんでいます
蛹になった順に羽化していき、無事全部羽化。
羽化した蝶は翅が固まると空へと放します。
最終的に蛹になったのは12匹。
内、メスはたった3匹。
オスとは1:3。
メスが少ない理由は、よくわかりません。
オスのヒョウモンチョウ

メスのヒョウモンチョウ
タグ:
ツマグロヒョウモン
タテハチョウ
イモムシ
毛虫
蝶
- 関連記事
-
theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用