【 セツブンソウ】

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小さな節分草の花の意外な秘密?

 節分の頃に咲き始めるセツブンソウ。
 キンポウゲ科の石灰岩地帯を好む好石灰植物。

小さなセツブンソウ
セツブンソウ

 キンポウゲ科の花といえば、萼(がく)。
 花の下にある緑色の葉っぱみたいな部分。
 変化が激しく、いろいろなパターンがあります。
 これが緑色の葉っぱみたいなのと、まるで花びらのようなものがあります。
 さらに、萼が花びらみたいになって、花びらそのものが無くなったり別のものに変わったりするものもあります。

 その組み合わせを調べてみたらこんなかんじになりました。

花弁\萼普通の萼咲くと落ちる萼花弁みたいな萼
普通の花弁 キンポウゲ属
フクジュソウ属等
   
花弁は小さい     ルイヨウショウマ属
キンバイソウ属
花弁は筒状     レンゲショウマ属
オダマキ属等
花弁は萼に隠れる     トリカブト属
花弁は蜜腺     セツブンソウ属
オウレン属等
花弁は無い   カラマツソウ属
モミジカラマツ属
イチリンソウ属
ミスミソウ属等

 じっくり見てみるとおもしろいのが、キンポウゲ科の花。
 セツブンソウは「花弁みたいな萼+花弁は蜜腺」型。
 花弁のように見えるのは、もちろん萼。
 先が黄色い雄蕊のようなものが蜜腺。つまり元は花弁。
 でも、正面から見てると普通のきれいな花に見えるのがおもしろいところ。

花を裏側から見ると萼がない!

 キンポウゲ科の花に出会ったら、横から見て緑色の萼があるかないかを確認して、どのタイプの組み合わせか考えてみるとおもしろいかもしれません。


セツブンソウの画像は別館にもあります。
【いきもの を ぱちり! セツブンソウ】

■参考外部リンク■
大阪府立花の文化園公式サイト

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タグ: セツブンソウ花の文化園キンポウゲ科の花萼の花白い花春の花春植物

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専門家の落とし穴? 保護の対象にする4つの「種」のちがい

 専門家でありながら、視野が狭くてトンデモに走る人がいることはすでに書きました
 なぜ、専門家でありながらトンデモに走るのでしょうか。
 たとえばすでに書いた、チョウを守れば自然環境を守ることになると言ったチョウの専門家。
 その方のポイントは何でしょうか。

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4つの種

 自然を守る、環境を守ると言っても、実際に活動を行う場合、対象が「自然」や「環境」では漠然としていて、何をすればいいのか具体的なことがわかりません。
 また、許可を得たり支援を受けたりするための説明がしにくく、理解されにくいということもあります。
 そこで、特定の生き物を選んで、具体的にわかりやすく、活動しやすくすることがあります。
 その「種」は、4つに分けることができます。
 キーストーン種、アンブレラ種、シンボル種、希少種です。

◆キーストーン種

 絶滅した時、他の生物や環境に大きな影響を与える種のこと。
 たとえば、ニホンオオカミが絶滅したため、シカが増え、シカが山の木や草、そして畑のものを食べるなどの被害が起きているといわれることがあります。
 この場合のニホンオオカミがキーストーン種になります。
 ただし、オオカミがもとからいなかったと言われる屋久島でもシカの食害が増えていることや、同じような害が起きているクマやニホンザルについては説明できていません。
 現実はこのように安易に決められるほど、簡単なものではないようです。

チュウゴクオオカミ〔天王寺動物園〕
チュウゴクオオカミ
ニホンオオカミとエゾオオカミは環境省レッドリスト絶滅

◆アンブレラ種

 行動範囲の広い動物を指します。
 その動物を保護することは、同時に行動範囲の環境も保護することにもなります。
 行動範囲が広いということは、体も大きいということになり、多くの場合、大型の哺乳類や鳥類になります。
 クマやオオタカなどが代表的アンブレラ種です。

イヌワシ〔天王寺動物園〕
イヌワシ
環境省レッドリスト絶滅危惧IB

◆シンボル種

 その地域や場所を象徴する種のこと。
 通常、よく目立ち、多くの人に好感を持たれる種が選ばれます。
 その反面、よく注意していないと、その場所に元からいた他の生き物の絶滅や、環境を破壊してしまうことにもなりかねない危険性を持っています。
 たとえば、ゲンジボタルを保護するため、幼虫の餌となるカワニナをほかの地域から大量に持ち込み、その地域に住んでいたカワニナを減らしてしまうことなどがあります。

ゲンジボタルのひかり〔橿原市昆虫館〕
ゲンジボタル
16都府県のレッドリストに記載

◆希少種

 数が少なくなった種のこと。
 わかりやすいのは、レッドデータブックに記載された種。
 絶滅にひんしている場合はすみやかに保護活動を行う必要があります。
 ただし、キーストーン種やアンブレラ種でない場合、注意をしなければシンボル種と同じ過ちをしてしまうことになりかねません。

オオムラサキ〔橿原市昆虫館〕
オオムラサキ
環境省レッドリスト準絶滅危惧

落とし穴

 例のチョウの専門家は、希少種をシンボル種として保護活動をしてしまったようです。
 保護活動は資金も必要ですし、活動のためにその場所の持ち主の理解を得て許可してもらうことも必要です。
 シンボル種という目立って好感を持たれる生き物なら、だれでも直感的に保護の必要性を感じることができるでしょう。
 しかしその結果、なぜチョウを保護するのかという単純で基本的なことにすら、答えることができなくなり、チョウさえ保護すれば他のことは考えなくてもいい、という状況に陥ってしまったようです。
 これは愛好家が専門家になって活動家になった場合に起きる落とし穴なのかもしれません。

 こういった基本的な説明は大切なことで、活動を行う上でもちゃんと説明できないことは、お世辞にもいいことではないと思います。
 そして、このような活動が個人の資産や一般のスポンサーの寄付などで行われているのであるのならばまだしも、行政などから補助を受けている場合は、明確な説明ができないことはとても問題があるのではないでしょうか。
 そのチョウの専門家はどうなのかはわかりませんが。

セツブンソウ 〔花の文化園〕
セツブンソウ
環境省レッドリスト準絶滅危惧

安易は至難

 生き物や環境を守るため行動を起こすことはとても大切だと思います。
 しかし、具体的な行動に至る前に現状を把握し、どの生き物をどのように守っていくのかを、十分考えなければならないのではないでしょうか。
 特定の生き物が好きでその生き物が絶滅しそうだからといって、安易に保護活動を行うのは、「保護」の名を借りた「破壊」になりかねません。

 生き物を見るときは、こういった落とし穴を避けるため、できるだけ視野を広くし、想像力を働かせることが必要なのかもしれません。
 そして、私たちが思っているほど簡単でも単純でもないことを意識することも。
 言葉では簡単な、たった2文字の「自然」や「環境」が、実はとても複雑なものだったのです。

■参考外部リンク■
天王寺動物園HOMEPAGE
橿原市/橿原市昆虫館
大阪府立花の文化園公式サイト

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タグ: キーストーン種アンブレラ種シンボル種希少種保護活動チュウゴクオオカミイヌワシゲンジボタルオオムラサキセツブンソウ

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今年も小さな小さな節分草がさきはじめました。花の文化園


 2015年2月3日は節分(せつぶん)です。

 節分は二十四節気以外の季節の区切りを表す雑節(ざっせつ)の一つ。

 本来は四季の始まりの立春・夏至・秋分・冬至それぞれの前日のことですが、今では立春の前日のことを指します。

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 ということで、今年も節分の頃に咲き始める節分草です。

 キンポウゲ科センツブンソウ属の多年草。

 多年草と言っても、春先に芽を出し、花を咲かせ、夏が始まる前に枯れて、次の春まで地面の下でじっと待っている春植物(スプリング・エフェメラル)。

 ですから出会えるのは春先のわずかな間だけ。



 西日本の石灰岩地帯にしか生えないと言われる珍しい植物です。

 大阪では絶滅危惧 I 類。
 絶滅の危機に瀕しています。



 そんな節分草を簡単に見ることができる場所の一つが、大阪府河内長野市の植物園、花の文化園。

 今年も節分を前にして咲きはじめていました。



花を咲かせるためだけのような小さな節分草
花を咲かせるためだけのような小さな節分草




咲きかけのつぼみと
咲きかけのつぼみと




蟲師のように光っているように見えます
「蟲師」のように光っているように見えます




 花の文化園の節分草の見頃は2月後半。

 狭い範囲ですが、一面咲いている姿を見ることができるのは、もう少し先。

 そうなったら、きっとホームページで教えてくれるでしょう。



タグ♦ 節分草 花の文化園

■参考外部リンク■
大阪府立花の文化園公式サイト


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タグ: セツブンソウ節分花の文化園冬の花白い花キンポウゲ科の花絶滅危惧種大阪CR+ENNT

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絶滅危惧種のセツブンソウが見頃になっていました。2月下旬の花の文化園


 大阪の南河内地域にある植物園の花の文化園。

 名前のように園芸植物を中心としてはじまった植物園ですが、現在は大阪や日本の絶滅危惧種など貴重なな植物を栽培し展示しています。

 そんなものの一つがセツブンソウ(節分草)。

 キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草です。

 名前の由来は節分の頃に咲くことから。

 花の文化園では今年も節分の頃に咲きはじめました

 そして梅が咲きはじめた2月下旬。



たくさん咲いているセツブンソウ
たくさん咲いているセツブンソウ
時期ははずれていないので日蝕みはいないはずです。




 本州の関東以西の落葉広葉樹林で石灰岩質のところを好むという結構自生地が限られそうな植物。

 日本のレッドデータ検索システムで調べてみると15府県で準絶滅危惧種以上のランクに指定されています。



小さな花と2枚の葉と短い茎のセツブンソウ
小さな花と2枚の葉と短い茎のセツブンソウ




 驚いたのは、大阪で絶滅危惧 I 類に指定されていること。

 もちろん絶滅の一つ手前のランクということもありますが、レッドデータブックに記載されているということは、自生地があるということです。

 それに驚きました。



キンポウゲ科らしく光が当たるときれいなセツブンソウの花
キンポウゲ科らしく光が当たるときれいなセツブンソウの花




 IWO(いきもの は おもしろい!)の基本フィールドになっている南大阪は、花崗岩、火山岩、砂岩泥岩とそれらが風化してたまったもの。

 そして山林は広い範囲で人の手が入った里山やスギ・ヒノキの植林地帯。

 落葉広葉樹があるのは里山か山地の標高の高いところの一部。

 ちょっとセツブンソウが自生するような環境とは思えません。

 大阪府のページで調べてみると、やはり大阪北部のようです。



二つの花が重なって八重咲のように見えます
二つの花が重なって八重咲のように見えます




 そんな大阪でセツブンソウを見ることができる数少ない場所が花の文化園。

 植えられているのは梅林の中。

 梅を見に来た時には足下にも目をやって、セツブンソウの小さな花も見てください。



フクジュソウも咲きはじめました
フクジュソウも咲きはじめました
場所によっては咲いていません
場所によっては咲いていません
花の文化園ではフクジュソウのほうがちょっと遅れて咲きます。



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タグ: セツブンソウ春の花白い花花の文化園フクジュソウ黄色い花萼の花キンポウゲ科の花

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節分 セツブンソウが咲き始めました。


 自生する場所が限られる野草のセツブンソウ。

 雑節の一つ、立春前日の節分を迎え、セツブンソウ(節分草)が咲き始めました。

 といっても、山の中ではありません。

 植物園。
 大阪の河内長野市(かわちながのし)にある花の文化園です。



頭を少し出したセツブンソウ
頭を少し出したセツブンソウ




 このようにセツブンソウはまず蕾(つぼみ)を出します。



頭を全部出したところ
頭を全部出したところ




 蕾のまわりを包んでいるのは萼(がく)ではなく葉。

 赤っぽく見えるのは紅葉で有名な赤い色素のアントシアンが多いため。

 それはまだ十分に成長していない葉を太陽の光から守るため、と思います。



頭をもたげてきたセツブンソウ
頭をもたげてきたセツブンソウ




 キンポウゲ科の花らしく、太陽に向かうべく頭をもたげてきます。



葉を広げて今にも咲きそうになっています
葉を広げて今にも咲きそうになっています




 ここまでくると葉も緑色。

 ゆるみはじめた花の中にはオシベメシベが見えます。



花が開いてきたセツブンソウ
花が開いてきたセツブンソウ




 透明感がある白い花弁(はなびら)は、花弁ではありません。

 実は蕾を保護するために包んでいた萼(がく)が花弁のようになったもの。

 でも蕾のときには、葉が包んでいたので完全に萼の役割はなくなっているようです。



花開いたセツブンソウ
花開いたセツブンソウ




 真ん中に固まっている紫色のものがオシベとメシベ。

 そのまわりを囲んでいる先に黄緑色の丸いものがついたのが花弁が変化したもの。
 先の丸いのが蜜腺。

 まだ黄色くなっていないので、熟していないのかもしれません。



 ここで咲いているセツブンソウはまだわずか。

 梅が本格的に咲き始める2月中頃には見頃になることでしょう。



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タグ: セツブンソウ花の文化園白い花春の花初春の花節分初春の花の文化園キンポウゲ科の花

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蟲師 特別篇「日蝕む翳」の美しい花 節分草


 「蟲師」。

 明治か大正か昭和初期か定かでない時代の日本のどこかを舞台とした、変わった“生き物”の「蟲(むし)」とその専門家の「蟲師(むしし)」と人々の物語。

 漆原友紀(うるしばら ゆき)さんの作品です。



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「蟲」と「蟲師」

 「蟲」について、1巻の冒頭にこうあります。

およそ遠しと
されしもの

下等で奇怪
見慣れた動植物とは
まるで違うと
おぼしきモノ達

それら異形の一群を
ヒトは古くから
畏れを含み いつしか
総じて「蟲」と呼んだ


 「蟲」とは目に見えない、この世のあらゆる生命よりも命の源流に近いもの、とされます。

 ときに人に害を与えることがあり、それを治したり防いだりするのが「蟲師」。

 主人公の蟲師ギンコが日本を旅しながら蟲で困る人々と出会っていきます。

 日本らしい自然と不思議な生き物の「蟲」が織りなす美しく時には悲しい物語。



 2005年から2006年にかけてアニメーション化、2007年には実写映画化もされました。
 2008年に第10巻が出版され、現在最終巻となっています。

 それから5年と少し、2014年1月に新作とそのアニメーション化された作品が公開されました。

 それが「日蝕む翳(ひはむかげ)」。



「日蝕む翳」

 日食が起こり日が陰ると無数の蟲が現れます。

 「日蝕み(ひはみ)」という蟲も空に現れ、小さな蟲を取り込みます。

 ところが日蝕みは日食が終わっても空で太陽を隠したまま。
 日食と思って現れた蟲を取り込み続けます。

 日蝕みは直接人間に何かをするわけではありません。

 しかし、太陽を隠されると農業はもちろん日常生活にも支障が出てきます。



 日蝕みの退治方法は、地面の下に残った“根”に光を当てること。

 “根”は地面の下に隠れていますが、その場所には異変が起き、本来その時期には咲かない花が咲いていたりします。

 そして見つかったのが林の中で季節外れの花が咲く場所。

 薄暗い林の中で小さくて白くてきれいな花が一面咲いています。

 そこを掘り返すと、果たして日蝕みの“根”が見つかりました。

 日蝕み退治と、日蝕みの亜種の月蝕みによって特異体質になってしまった双子の姉妹の話を折込みながら、物語は進んでいきます。



節分草

 日蝕みの“根”の上で咲いていた季節外れのきれいな白い花。

 これは架空の花ではないようです。

 おそらくセツブンソウ(節分草)。

 キンポウゲ科の多年草。



花の文化園のセツブンソウの花
花の文化園のセツブンソウの花




 春先、落葉広葉樹の林床で咲きます。

 樹木が葉を伸ばす前、太陽光が林床に届く間に葉で栄養を作り花を咲かせようという作戦です。

 ちょうど節分の頃に咲くことが名前の由来と言われていますが、地域によって節分から離れた時期に咲くことも少なくありません。



 「日蝕む翳」は、服装から温かい季節の話のようです。

 セツブンソウが咲いているのも葉が茂って薄暗くなっている林の中。

 もちろん本当ならばセツブンソウは花も葉も枯れ、地面の上には何も残っていない時期です。



たくさん咲いている花の文化園のセツブンソウ
たくさん咲いている花の文化園のセツブンソウ




 セツブンソウは関東以西の本州の落葉広葉樹林で石灰岩を好むということで、生息場所が限られる植物。

 見た目の美しさから盗採が後を絶たず、そのうえ開発による環境の変化などで減少、環境省のレッドデータブックでは準絶滅危惧種。
 まだ絶滅の指定はないものの、西本州の15府県で何かのカテゴリーに指定されています。

 ただ条件を整えれば栽培はできるようで、栽培している植物園も少なくはないようです。



 アニメーションの中では、白い花弁(はなびら)がおぼろげに光を発しているようでした。

 実際のセツブンソウは残念ながら蛍光は発しませんが、キンポウゲ科の花らしく太陽の光を受け光っているように見えます。

 白い透き通るような花弁は、実は萼(がく)。

 本来の花弁は退化して、先に蜜腺(みつせん)をつけオシベやメシベと並んでいます。
 先が黄色くなっているオシベのようなのが、花弁が変化した蜜腺です。



日蝕みがいなくてもおぼろげに光っているような花
日蝕みがいなくてもおぼろげに光っているような花




花の文化園

 大阪南東部の植物園、花の文化園ではちょうど節分の頃から咲き始めます。

 場所は梅園の中。

 梅の花の季節まで咲いていることも珍しくはありません。

 花の文化園は毎月第3日曜日にコスプレの日を設け、コスプレイヤーに更衣室の無料開放などを行っています。

 2月にも開催されれば、ちょうどセツブンソウの花の時期と合うかもしれません。

 蟲師レイヤーは狙い目かも。

 ただしかなり寒いと思いますので防寒対策は必須でしょう。



セツブンソウが咲く花の文化園の梅園
セツブンソウが咲く花の文化園の梅園




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ちょっと遅い春がやって来てキンポウゲ科の花がいろいろ咲いています。花の文化園


 2月下旬は大阪では梅の花見イベントが植物園や公園でよく行われます。

 今年の2月は冷え込みが厳しかったようで、どこも梅の花は遅れ気味です。

 大阪南部の河内長野市(かわちながのし)にある植物園、花の文化園もちょっと遅れているようです。


まだ黒っぽい花の文化園の梅の里
まだ黒っぽい花の文化園の梅の里




 しかし、春を告げる日本の野草はしっかりと活動をはじめていました。

 まずは梅園のセツブンソウ(節分草)

 キンポウゲ科の小さな植物です。

 高さはわずか数センチ。
 先に小さな花を一輪つけます。

 草丈が低いので、小さな花も写真で見るとなんだか大きく見えます。



大接近したセツブンソウの花
大接近したセツブンソウの花




 セツブンソウの由来は、節分のころに花が咲くといわれることから。
 もう節分はすぎてしまいましたが、ほかの植物が育ち始める前に花を咲かせています。

 大きな木々が茂る山の中、落葉樹の森は今なら光が地面にまでとどきます。

 その一瞬を逃さず育つのがセツブンソウの作戦なのかもしれません。



たくさん咲いているセツブンソウ
たくさん咲いているセツブンソウ




 春の野草で有名なものの一つがフクジュソウ(福寿草)

 花の文化園には数カ所に植えられています。
 それぞれ環境が違うので、まだまだ(つぼみ)が固そうなものからかろうじて開き始めているものまでいろいろ。

 キンポウゲ科の花によくあるのが光る花びら。
 光が当たるとキラキラときれいに光ります。

 フクジュソウはきれいに光る花の一つです。

 が、この日は曇り。
 輝きは今ひとつでした。



かろうじて開いているシェードガーデンのフクジュソウの花
かろうじて開いているシェードガーデンのフクジュソウの花




 ふるさとの花園のユキワリイチゲ(雪割一華)。
 こちらもキンポウゲ科の植物です。

 花弁(かべん)(はなびら)の色が地味な上にちょっと厚ぼったくてなんだか葉のようです。

 実は花弁のようにみえるのは(がく)、葉が変化したものです。
 花は中心の小さな雌蕊(めしべ)の部分。
 本当の花弁はありません。

 キンポウゲ科の植物の花弁に見えるところは萼が変化したものも多いのです。

 もちろんセツブンソウもフクジュソウも。



ユキワリイチゲの花
ユキワリイチゲの花




 コセリバオウレン(小芹葉黄連)とバイカオウレン(梅花黄蓮)
 名前の通りどちらも同じオウレン属。

 園内の一番南にあるのがアジサイ園。
 アジサイばかりでなく小さな野草がところどころ植えられています。
 その中でも一足早く咲くのがこのオウレン属。



葉がセリに似ているのでコセリバオウレン
葉がセリに似ているのでコセリバオウレン

花が梅に似ているということでバイカオウレンで梅見の代わり?
花が梅に似ているということでバイカオウレンで梅見の代わり?
セツブンソウによく似ている花ですが、微妙に違います。




 梅はちょっと残念でしたが、セツブンソウが満開だったので、満足しました。



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