【 ズニケラトプス】

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特別展「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」と長居植物園で 恐竜ビオトープを感じてみる! ララミディア大陸編


 トリケラトプスの仲間がいっぱい見られる「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス-知られざる大陸ララミディアでの攻防-」。

 となりでは特別陳列「恐竜戦国時代の『エサ』?!-化石と長居植物園で知る植物の進化-」が開催中。

 植物園の中にある会場の立地を活かし、化石と一緒に今も生きている恐竜時代の植物を紹介しています。

 恐竜は白亜紀末の大絶滅ですべていなくなってしまいましたが、意外と植物は生き残っていたりします。

 そんな恐竜時代のビオトープを体験できるのが、長居植物園。




会場へ向かう階段




 ということで、会場で紹介されていた化石と、植物園にある化石の親戚や似ている植物を並べてみた第三弾。

 今回はケラトプシア類が多様化したララミディア大陸の白亜紀後期の植物の前編です。



中生代 白亜紀
後期 1億50万年~6600万年前 ケラトプシア類の繁栄

花が咲く被子植物はジュラ紀から白亜紀の間に誕生したと言われています。

初期の被子植物のひとつアルカエアントゥスは花の構造などからモクレンの仲間と考えられています。

つまり、モクレンは初期の被子植物の花の構造を残しているのです。

その特徴の一つがオシベとメシベが渦巻きのように並んでいること。

また花弁(かべん)と萼(がく)の区別がつかないところも初期の花の特徴とされます。

カラタネオガタマ
被子植物門 双子葉植物綱 モクレン目 モクレン科
産地:中国
展示:長居植物園内 大池東 マグノリア園

もうモクレンの花は終わってしまいましたが、同じモクレン科のカラタネオガタマが咲いていました。

確かに近くで見るとメシベが「彡(さん)」のように螺旋(らせん)に並んでいます。

オガタマの花はとても甘い香りがします。

中生代 白亜紀 後期
セノマニアン 1億50万年~9390万年前
ガマズミ属の一種の葉
被子植物
スイカズラ科
産地:アメリカ
展示:恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス

見るからに広葉樹の葉。

白亜紀後期になり、被子植物の時代になったことを象徴しているようです。
オオデマリ
被子植物門 双子葉植物綱 マツムシソウ目 スイカズラ科
園芸品種
展示:長居植物園内北 桜園南西

現在のガマズミ属のひとつ、オオデマリ。

アジサイと似ていますが、アジサイはバラ目アジサイ科ですのでちがう植物です。
どちらも目立つ花は装飾花(そうしょくか)とよばれ、種ができない花。

オオデマリは花全体を装飾花にした園芸品種で、野生種はガクアジサイのように周辺だけが装飾花になります。

中生代にすでに装飾花があったのかどうかは、わかりません。

セノマニアン
中生代 白亜紀 後期
チューロニアン 9390万年~8980万年前
ズニケラトプス
鳥盤類
ケラトプシア類
産地:アメリカ
展示:恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス

東アジアで誕生したケラトプシア類が、ララミディア大陸(北アメリカ西部)に渡った最初のケラトプシア類。

プシッタコサウルスよりももっと大きく、頭のフリルも角も大きくなっているので、もっと古い時代にアジア風のケラトプシア類がいたのでは、と想像します。

アロウカリア
裸子植物
ナンヨウスギ科
産地:北海道
展示:恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス

花を咲かせる被子植物ばかり紹介しましたが、まだまだ裸子植物の球果植物もいます。

シダ類もキカデオイデア類も絶滅はしていませんが、新しく登場した被子植物と球果植物が大半を占めていました。

ナンヨウスギ
球果植物門 マツ綱 マツ目 ナンヨウスギ科
原産:オーストラリア
展示:花と緑と自然の情報センター 入口前 庭園内

現在も生き残っているナンヨウスギ。

枝や葉の雰囲気は化石とちょっとちがうようにも感じますが、生きた状態のまま瞬時に化石になったわけではないでしょうから、まったく同じというわけには行かないのでしょう。

草食恐竜によく好まれた植物だそうですが、今の草食哺乳類にはどうなのでしょうか。

チューロニアン
中生代 白亜紀 後期
コニアシアン 8980万年~8630万年前
コウヨウザン属に近縁なヒノキ科の果実
裸子植物
ヒノキ科
産地:北海道
展示:恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス

「果実」となっていますが、針葉樹なので球果のことです。
マツで言うと松ぼっくり。

子房や中花被が大きくなった被子植物の果実と違い堅そうですが、植物繊維の塊と考えると、草食動物にとっては美味しい食べ物なのかもしれません。
コウヨウザン
球果植物門 マツ綱 マツ目 ヒノキ科
産地:中国・台湾
展示:長居植物園内北 渓流東

右は雄花ですから、化石とはちがいます。

スギの仲間らしく樹高が30mを超えるそうですが、ここのはまだ子供、人の背丈をやっと超えたくらいです。

30mになるのはあとどれくらいの時間が必要でしょうか。
コニアシアン
サントニアン 8630万年~8360万年前
カンパニアン 8360万年~7210万年前
中生代 白亜紀 後期
マーストリヒチアン 7210万年~6600万年前



 白亜紀後期になって被子植物が目立ってきました。

 そしていよいよ次回はトリケラトプスのマーストリヒチアンの植物です。



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タグ: 恐竜戦国時代の覇者!Ceratopsia球果植物恐竜ビオトープカラタネオガタマオオデマリズニケラトプスアロウカリアナンヨウスギコウヨウザン

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特別展「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」で でっかい草食恐竜に出会う![大阪市立自然史博物館]


 タイトルにあるようにこの特別展はトリケラトプスが主人公。

 もちろん特別展のテーマとして選ばれるのですから、人気のある恐竜です。



「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」案内板と立て看板と幟
「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」案内板と立て看板と幟
地下鉄長居駅3番出口を出るとこの3点が出迎えてくれました。




 人気の秘密は、頭にある3本の大きな角とその後ろの大きなフリルという、ほかの草食恐竜とちがって頭に剣と盾を持ったようななんだか強そうな姿だからかもしれません。

 このトリケラトプス。

 けっこう変わった恐竜のようです。



 トリケラトプスの変わったところ。

 見ての通り大きな頭。

 角とフリルの大きさだけでなく、頭そのものも結構な大きさです。

 展示されているケラトプシア類(トリケラトプスの仲間)の化石を見ると、頭が大きいのは基本的な姿のようです。



会場入り口で出迎えてくれるトリケラトプスの128cmの大きな頭
会場入り口で出迎えてくれるトリケラトプスの128cmの大きな頭




 展示の後半でトリケラトプスとティラノサウルスが並んでいますが、比べるてみるとトリケラトプスの頭はそれほど大きいようには感じません。

 それはティラのサウルスが頭が大きい恐竜だから。

 出口近くにある同じ草食恐竜のディプロドクスと比べたら、トリケラトプスはびっくりするほどの大きな頭なのがわかります。

 ディプロドクスは全長20mを超える大きな竜脚形類の恐竜。でも展示されている頭は70cm。

 トリケラトプスは全長10m足らずで体は半分以下なのに、入り口で展示されている頭は倍近くの128cm。

 長さが倍近いのですから、大きさはもっとちがいます。

 ただしそれぞれ首と尻尾の割合が全然ちがいますし、展示されているディプロドクスは大人ではないかもしれませんから、単純に比べることはできませんが。



出口近くのディプロドクスの70cmの小さな頭
出口近くのディプロドクスの70cmの小さな頭




 なぜこんなにも頭の大きさに差があるのかというと、ひとつは植物の食べ方のちがいと考えられています。

 ディプロドクスは植物を引きちぎってそのまま丸飲み。

 もちろん丸飲みでは植物はまともに消化できません。

 胃袋の中に溜め込んだ石ですりつぶします。

 ですから頭に強い筋肉はいりませんから大きくなりません。



 ところが、トリケラトプスは歯ですりつぶしてから飲みこむのです。

 つまり、よく噛んで食べる。

 強い力がいりますから、強い筋肉がたくさん必要で、その支えとなるために頭も大きくなります。

 そしてこの食べ方はウシやヒツジのような今の草食哺乳類と同じ。

 ですから、トリケラトプスの歯の役割や並び方もシカやウシやヒツジと似ているところがあります。

 ちがう進化の道筋をたどった生き物が、同じような環境で似たような形になる収斂進化(しゅうれんしんか)の一つの例でしょうか。

 と言っても、シカやウシやヒツジもトリケラトプスほど頭は大きくありませんが。



トリケラトプスの顎
中生代の草食動物のトリケラトプスの顎


シカの顎(常設展第3展示室)
現在の草食動物のシカの顎(常設展第3展示室)
※特別展会場では展示されていません。

顎の先で植物を切りとり、隙間があって、奥の歯ですりつぶすという役割が同じ。



 ケラトプシア類が頭でっかちになりながらララミディア大陸に広がり多様化していくことができたのも、よく噛んで食べることがよかったのかもしれません。

 今の動物でも、繁栄している大型の草食動物の多くはトリケラトプスと同じようによくかんで食べる口や歯になっています。



ララミディア大陸最初のケラトプシア類のズニケラトプス
ララミディア大陸最初のケラトプシア類のズニケラトプス
この時すでにトリケラトプスの顎と同じつくりになっていました。
※ほかの画像と比べやすいように角度を変えています。




 特別展会場の出口近くに現在の牛の仲間の頭の骨も展示されているのですが、下顎が展示されていないのが残念。

 時間があれば博物館本館の常設展第3展示室に行って確認してみてください。

 色々な生き物と比べてみるとおもしろいと思います。

 そして第2展示室には特別展会場にはいない恐竜の化石も展示されています。

 特別展のチケットで常設展示も見られますので、行かないのはもったいない!



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