特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」で恐竜の「肉球」は“ぷにぷに“か考えてみました!〈大阪市立自然史博物館〉
大阪市立博物館では、残すはあと1日となってしまった「スペイン 奇跡の恐竜たち」。
展示されている化石は貴重なものばかり。
そんなものの一つが、背中にコブがある肉食恐竜、コンカベナトールの「肉球」のあとがのこった化石の実物。
◆「スペイン 奇跡の恐竜たち」の記事をまとめてみる
【恐竜にも肉球があるのか見てみました!】
【でっかい恐竜が歩く姿を想像してみました!】
【恐竜と鳥の境界をさがしてみました!】
【と長居植物園で恐竜時代の植物たちを探してみました!】

花と緑と自然の情報センター前の案内
恐竜の学問上で「肉球」がどういうものを指すのかわかりませんが、思わず想像してしまうのが、イヌやネコの肉球。
「肉球」はもともと哺乳類の食肉目、イヌやネコやクマの仲間の足の裏にある、“ぷにぷに”の柔らかい部分のこと。
食肉目は狩りをする肉食動物が多いので、足音を消す役割があると言われています。
確かに、肉球を持つ動物の足跡は、足のあとではなく、肉球と爪のあとが残ります。
![]() イヌの足跡 ※展示されていません |
![]() ネコの足跡 ※展示されていません |
「足」のあとではなく、「肉球」のあとになってます。 ネコは爪のあとが残りません。 |
イヌやネコは、人間にたとえると人差し指から小指までの指と指の付け根だけを地面につけて歩いています。
その部分に柔らかい組織の肉球がついています。
指を自由に動かすためでしょうか、それぞれに指の肉球は一つだけ、そして付け根の肉球とつながっていません。
ですから、指の裏側が柔らかくなったというよりも、指の裏に柔らかい組織が新しくできた、という感じです。
そこで恐竜の肉球。
残念ながら、恐竜の肉球を見たことがある人も触ったことがある人もいません。
恐竜は絶滅して、残っているのは化石だけ。
でも、化石で残るのは骨ばかり。
肉球どころか肉の部分は残りません。

生体復元されたコンカベナトール〈スペイン 奇跡の恐竜たち〉
ところが。
水中に石灰質がたまってできたラス・オヤスの地層では、皮膚の化石が残っていたのです。
足の裏も。
それで恐竜の足の裏のウロコのパターンが、鳥の足の裏の脚鞘と言われる部分とよく似ていることがわかったのです。

コンカベナトールの指先の「肉球」化石〈スペイン 奇跡の恐竜たち〉
脚鞘は鳥の足の裏にある柔らかい組織のこと。
ということは鳥の肉球?!
言うまでもなく、鳥は獣脚類の恐竜から進化しました。
「現在まで生き残った恐竜」と言われることもあります。
それが恐竜にもあったのです。
ということは恐竜の肉球?
![]() ヤマドリの足跡 ※展示されていません |
![]() キジバトの足跡 ※展示されていません |
イヌやネコとちがっておおむね足(指)のあとになってます。 |
恐竜の足の裏に「肉球」があったのかどうかは、「肉球」の定義次第。
ただ、恐竜や鳥の足跡を見ると、指の形が残っています。
鳥や恐竜の「肉球」は、イヌやネコの「肉球」とは、ちょっとちがうようです。
もしかすると、恐竜の「肉球」は“ぷにぷに”でないかもしれません。
![]() 獣脚類恐竜の足跡 〈スペイン 奇跡の恐竜たち〉 |
![]() アロサウルスの足跡 〈本館 第2展示室〉 |
やっぱりイヌやネコよりもとり鳥に近いあしあと。 |
いやいや、恐竜が生きていた時のことはだれにもわかりません。
会場にあるのはコンカベナトールの肉球の化石と、コンカベナトールかも知れない恐竜の足跡化石。
実物をじっくり観察して、仮説を立てて、実験は無理かもしれなけど、考察してみましょう。
恐竜の肉球はどんな感じだったのかを。
それから、実物ではありませんが、恐竜の足跡は本館の第2展示室にもあります。
そちらもぜひ!
タグ♦ スペイン 奇跡の恐竜たち 恐竜
■参考外部リンク■
スペイン 奇跡の恐竜たち/2015年3月21日(土・祝)~5月31日(日)/大阪市立自然史博物館
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タグ: スペイン奇跡の恐竜たち 大阪市立自然史博物館 spaindino-osaka コンカベナトール 恐竜 足跡 肉球 フィールドサイン ディノトラック

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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
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