何度も延期になった2013年の
岩湧山の
茅場かやばの山焼き、やっとおわりました。
冬には黄金になっていた岩湧山山頂が、真っ黒になっています。

真っ黒になった岩湧山山頂
この岩湧山山頂は「
茅葺屋根かやぶきやね」などに使われる
茅かや(岩湧山の場合はススキ)の伝統的な栽培地となっています。
瓦屋根かわらやねがあたりまえになった今でも、神社や古い建物などの茅葺屋根に使うために守られています。

滝畑ダムから見上げた黄金色の冬の岩湧山の茅場
ススキ原を維持するためには手入れが必要です。
空き地や荒地でもそこに生える植物はどんどん入れ替わっていきます。
そしてもうこれ以上変わり様がないという状態に落ち着きます。
その状態を「
極相きょくそう」といいます。
木や草もないような荒地には、まず草が生え、そして木が生え、極相に向って木の種類が変わっていくのが普通です。

緑色の初夏の岩湧山山頂西尾根
ススキは草原の終わりくらいに生える植物で、次第に木が生え森に変わっていきます。
もちろん茅場もほっておけば木が生えてススキがなくなってしまうでしょう。
ですから冬にススキを刈り取った後を焼いて木が生えないようにしているのです。
ススキは冬に枯れますので、地面の上を焼いても平気です。
しかし木は地面の上の部分が燃えてしまいますので成長することができません。

燃えた後の岩湧山山頂付近
とはいえ、木は冬になって葉を落としていても生きていますので、枝や幹には水が詰まっています。
よく見ると、所々で燃え残っています。
そこで
刈払機かりはらいきで燃え残った木を刈り取っていました。
夏には緑色、冬には黄金色になるススキ原も、人が手を加えているからこそ維持できる風景なのです。
タグ:
ススキ
岩湧山
春の岩湧山
茅場
茅
- 関連記事
-
theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用