【 コウガゾウ】

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恐竜は怪獣じゃないってことがよくわかる!「メガ恐竜展2017-巨大化の謎にせまる-」〈大阪南港ATCホール〉

 恐竜の魅力は人それぞれと思います。
 なんとなく怪獣を彷彿させる姿がいいという人は多いような気がしますが、恐竜の面白い所の一つには、生き物としての限界への挑戦があります。
 それは、大きさへの挑戦。
 恐竜が怪獣でない理由の一つです。

 怪獣、たとえばゴジラ。
 最初は身長55メートル。
 その後増減をしながら最新作では118.5メートル。
 謎の熱線やら光線やらを出すのはともかく、この身長は怪獣の証です。
 なぜなら、動物が陸上でこの高さになるまで成長することは不可能だから。

ティラノサウルス生体復元
核実験でゴジラになるゴジラサウルスはこんな感じ
ちなみに実際にゴジラサウルスという恐竜はいます

 体が大きいということは、もちろん体重も重くなります。
 わかりやすいよう四角い立方体の生き物だとしてます。
 高さが2倍になると幅も2倍、奥行きも2倍。
 ということで、体積は2倍の2倍の2倍で8倍になります。
 体積が8倍ということは、重さも8倍。
 ところが、地面に接しているところは2倍の幅と2倍の奥行しかないので、4倍。
 つまり、8倍になった体重を支える面積はたった4倍にしかならないので、底で支える重さは2倍になるのです。

ディプロドクスの足の裏!

 仮にゴジラが立ち上がったヒグマと同じような体だとします。
 すると身長90メートルのゴジラだったら、体長3メートルのヒグマの体重の30×30×30の27,000倍。
 足の裏で支える重さは30倍。
 簡単にいえば、足を30倍丈夫にしなければならないということです。
 生き物の足を30倍丈夫にするなんて、どうすればいいのかちょっと想像もできません。
 だからゴジラは怪獣なのです(ほかにもいっぱい理由はありますが)。

クマではなくて巨大ナマケモノのパラミロドン

 怪獣のように生き物が体を大きくするというのは、それだけ難しいのです。
 それに果敢に挑んだ現実の生き物が、恐竜なのです。
 たとえば最大の恐竜と言われるアンフィコエリアス。
 全長58m。
 体高9.2m。
 半身展示されているヨーロッパ最大のトゥリアサウルスなら。
 全長30m。
 体高5.5m。

前半身だけでもでっかい!トゥリアサウルス

 アンフィコエリアスなら全長は初期のゴジラの身長を超えています。
 怪獣です!?
 いやいや、怪獣ではありません。
 恐竜の全長は、口の先から尻尾の先までを真っすぐ伸ばした長さ。
 現在恐竜は頭から尾を水平にしていたと考えられていますので、恐竜の高さ(体高)ではありません。
 アンフィコエリアスの場合は高さが10メートルたらず。
 ゴジラよりずっと小さい。
 でも、現在最大の陸上動物と言われるアフリカゾウの高さが3mあまりですから、陸上動物としてはとんでもない高さです。
 そういう意味では、怪獣の域かもしれません。

肩の高さ(肩高)3.8mとアフリカゾウより大きいコウガゾウ

 しかし恐竜は怪獣ではなく、現実の生き物。
 ゾウより大きくなるには、ゾウにはない秘密があります。
 たとえば隙間を多くして軽量化した骨、とても呼吸の効率がいい気嚢を持った肺。気嚢は軽量化の役に立っています。
 その他、大きな体を維持するために大量の植物をとにかく噛まずに飲み込む。
 さらに長くした首を動かすだけで体を移動しなくても(体力の消耗を最小限にして)広い範囲をどんどん食べていく。
 それらがパネルで次々と説明されます。
 ほかにもなぜここまで巨大化しなければならなかったのかや、巨大化のメリットとデメリットなど、幅広い解説も。
 それを絵や写真ではなく、巨大な恐竜の骨格を見ながら、読んでいくことができます。

巨大恐竜のまとめパネル

 そして、ショップでは公式図録。
 図録というと、展示物のカタログ的なものをイメージするかもしれませんが、これはちがいます。
 一応、展示されているものもほとんどの画像が載っていますが、むしろ読み物。
 恐竜巨大化のパネルの内容が、読みやすくまとめられています。
 今までの例からでも、一般書店では販売されないでしょうから(自然史博物館のショップやジュンク堂書店なんば店では棚に並ぶかもしれませんが)、恐竜巨大化の謎に興味を持った方にはおすすめです。

 そして、図録では、基本的に一つの展示物には一つの写真ですので、気になった恐竜、気になった骨は写真を撮ることをおすすめ。
 フラッシュや三脚の使用、動画の撮影は禁止されていますが、それ以外は「撮影歓迎」になっています。

■参考外部リンク■
メガ恐竜展2017-巨大化の謎にせまる- 大阪開催【公式サイト】
大阪市立自然史博物館

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)

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genre : 学問・文化・芸術

天井高くてもちょっと狭そうな恐竜がいた!「メガ恐竜展2017-巨大化の謎にせまる-」〈大阪南港ATCホール〉

 大阪南港のATCホールで夏の間開かれている恐竜博。
 夏のATCホールのmandai presentsとなると、対象がちっちゃな子供。
 今まで何度か恐竜展がありましたが、どちらかと言うとイベントの要素が強く、恐竜の学術的展示を見たい人にはちょっと残念でしたが、今回はちがいます。
 恐竜好きの子供はもちろん、恐竜の学術的展示を見たい人もや楽しめる恐竜博です。
 なぜなら、ベースが幕張メッセで行われた「メが恐竜展2015」で、毎年春に恐竜など古生物展を開催している大阪市立自然史博物館が主催メンバー。
 今回もブロガー招待が行なわれ、運良く当選しました。

 会場は9つのテーマに分けられ、恐竜の巨大化を中心に、生物巨大化の謎が解かれていきます。

メガ恐竜展2017

01 地球には巨大生物がくらしていた

 入るといきなり生きていたときの姿に復元された生体復元の恐竜が出迎えてくれます。
 おなじみのティラノサウルスは羽毛なし。
 最近、羽毛があったかもしれないと言われていたのが、今年やっぱりなかったかもしれないとなったので、ちょうどいいかもしれません。
 それに合わせた展示かどうかはわかりませんが。

ティラノサウルス生体復元

 奥に行くと、恐竜以外の「巨大生物」がたくさん出てきます。
 最大の魚竜とも言われるショニサウルスの頭。
 頭だけでもこんなにもでかい!

ショニサウルス

 天井からは首長竜のタラソメドン。
 頭は恐竜よりも小さいですが、体よりも長い首を持っています。

タラソメドン

 そして恐竜より昔の古生代に生きていた大型節足動物ウミサソリの仲間、ミクソプテルス。
 化石とよく似た格好をした生体復元が展示されています。

ミクソプテルス

 化石から得られる情報はどれも不完全で、そこから生きていた姿を作るのは、ほとんど骨しか見つからない恐竜の場合はほとんどが想像にならざるを得ません。
 そういうものの展示を嫌う人もいますが、等身大の生体復元モデルがたくさんというのは、生きていたときの姿が想像しやすく大歓迎です。

02 地球史上、最も大きな陸上動物「竜脚類」

 化石を中心に竜脚類がたくさん。
 それだけでなく、竜脚類の巨大化の秘密がパネルで展示されています。
 それを読んで、化石で確認できます。

竜脚類

03 竜脚類の起源「三畳紀」

 大きというイメージが強い恐竜ですが、誕生した三畳紀には小さい恐竜も当たり前だったようです。
 奥からプタテオサウルス(頭部)、コエロフィシス、エオラプトル、パンファギア。
 コエロフィシスですら、中型犬くらいの大きさ。
 重さならもっと軽いはず。

コエロフィシス、エオラプトル、パンファギア

04 竜脚類が大繁栄した「ジュラ紀」

 竜脚類が竜脚類らしくなったジュラ紀。
 竜脚類だけでなく、肉食の獣脚類や鳥盤類も展示。
 ディプロドクス、アロサウルス、ステゴサウルスなどの化石でジュラ紀の世界を再現しています。

ディプロドクス、アロサウルス、ステゴサウルス

 恐竜自体だけでなく、うんちの化石も。
 恐竜が巨大化したので、うんちも巨大。
 もちろん、文字通りに石になっていますので、汚くありません。
 そのはずです。
 化石の中には石英のようなものが見え、石になったことがわかります。

恐竜の糞化石

05 世界中に放散、そして絶滅した「白亜紀」

 アルゼンチンにいたアマルガサウルス。
 首から背中の長い骨が特徴です。
 ほかにもいろいろ展示されています。

アマルガサウルス

06 巨大化した獣脚類

 もちろん、最強の肉食恐竜と言われるティラノサウルスの骨格もあります。
 人が少なければ、最初に戻って生体復元と見比べると、おもしろそう。

ティラノサウルスの骨格

07 新生代の巨大動物

 恐竜絶滅後、恐竜に替わって地上で繁栄した哺乳類。
 コウガゾウのような大きな種類も生まれましたが、竜脚類の恐竜ほど巨大化はできませんでした。
 その理由が解説されます。

コウガゾウ

08 大きくなれなかった竜脚類

 信じられないほど巨大な獣脚類ばかりでしたが、エウロパサウルスのように「ちっちゃい」獣脚類もいました。
 なぜ「ちっちゃいのか」も解説されます。
 といっても人間よりずっと大きいですが。

エウロパサウルス

09 巨大化の謎にせまる

 そして、関西初公開の恐竜。
 ヨーロッパ最大の竜脚類トゥリアサウルス登場。
 前半身だけですが、ほんとでかい!
 前にある陸上哺乳類最大級のコウガゾウとくらべても、圧倒的な差。
 そして、どうしてここまででっかくなったかの総まとめ。

トゥリアサウルス

 最後はお約束のグッズコーナー。
 オリジナルグッズもたくさんで、そのほか恐竜グッズもいろいろ。
 子供でなくてもつい買ってしまいそうです。

 と、今年は今までとちがって恐竜の学術的展示を見たい人にとっても見どころ満載。
 博物館とちがい天井が高い見本市会場なので巨大恐竜たちもゆったり。
 一頭をのぞいてですが。

 もちろん、小さい子供にとっても巨大恐竜の化石や生体復元はおもしろいものばかりでしょうし、展示場の外にはいつものように巨大遊具や飲食コーナーもたくさん。
 ゆっくり見て、遊んで、食べて、もう一度見て、と一日楽しめます。
 そして、会場は駅に直結し、屋内駐車場完備、レストランやショップがたくさんのショッピングエリアもあって、外に出ればそこは海が見えるテラス。
 隣にはフェリーが停泊しているときもあります。
 恐竜展を見終わっても、いろいろ楽しむこともできるATCホールのメガ恐竜展2017です。

■参考外部リンク■
メガ恐竜展2017-巨大化の謎にせまる- 大阪開催【公式サイト】
大阪市立自然史博物館

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