秋になったら落ちてるギンナンはイチョウの果実じゃない?
でっかいタマゴを見に行った自然史博物館がある長居公園。
イチョウがたくさんの実をつけていました。
秋です。

「実」といいましたが、「果実」ではないかもしれません。
木にできるタネが含まれたものですから、国語的には「果実」でも間違いないと思います。
でも、生物学上では、「果実」とはいえません。
ちょっと不思議に思いますが、生物学で「果実」は被子植物の花の子房がタネを含んでふくれたもののこと。
イチョウは被子植物ではなく裸子植物なので、この時点でギンナンは「果実」ではありません。

「子房」はタネになる胚珠(はいしゅ)を包んだメシベの一部。
胚珠が子房に包まれているので、「被子植物」。
ということで、「裸子植物」は子房が無いので胚珠が裸になっています。
果実は子房がふくらんだものですから、子房が無い裸子植物は果実でないということになるのです。

じゃあ、ギンナンの柔らかいところは何かというと、種子の周りを覆っている種皮(しゅひ)が大きくなったもの。
見た目は果肉のように見えても、もとになった部分が子房じゃないので、果実ではないのです。
見た目が同じようならどっちも果実でかまわないと思います。
でも果実じゃないことがわかると、いろいろなことがわかってきます。

イチョウは雌雄異株なので雄株にはギンナンはなりません
ギンナンを見つけた時には、観察してみるとほかにも身近な果実とちがうところが見つかるかもしれません。
ちょっと臭いですが。


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