地衣類に隠れた忍者のような繭
公園のケヤキの大きな木。
太い樹皮にはたくさんの地衣類。
地衣類は菌類が藻類を共生させた生き物。
見た目はコケに似ていますが、キノコの仲間。
木にひっついていても寄生はしていません。足場に利用しているだけ。
栄養は、共生させている藻類に光合成してもらっています。
その地衣類。
おそらくはコフキヂリナリアというよくある地衣類をみていると、なんか変なものがひっついていました。
なんか、鉛筆キャップのような形。
ガの繭のようです。
そう。
ガの繭。
突起のない形と1センチとちょっとの大きさからすると、多分キスジコヤガ。
コヤガの仲間の幼虫は地衣類を食べます。
地衣類を食べるガの幼虫は意外といますが、コヤガの特徴は、地衣類を体につけてカモフラージュすること。
小さいので、その気になって探さないと見えないかもしれません。
そして、繭もこのように地衣類でカモフラージュします。
地衣類を観察しようとして偶然見つけたもの。
地衣類はとても成長が遅く、1年でも数ミリしか成長しません。
栄養もそんなに多くようには思えません。
でもイモムシを蛾になるまで成長させるだけの栄養を持っているわけですから、地衣類といえども侮れません。
そして食べるだけでなく、カモフラージュに使ってしまおうというイモムシのしたたかさ。
この繭を見たのは冬。
春になるまでの数ヶ月、目のいい鳥から逃げるための手段なのでしょう。
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