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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

冬の鳥の候 七十二候第六十九候「雉始雊」と第七十二候「鶏始乳」


 立春直前の晩冬。

 鳥の七十二候が2つあります。

 ひとつは1月中旬ごろの第六十九候「雉始雊(きじ はじめてなく)」。

 もう一つが立春直前の最後の第七十二候「鶏始乳(にわとり はじめてとやにつく)」。



 「雉始雊」は、「オスのキジが鳴き始める時期」。

 「鶏始乳」は「鶏が卵を産み始める時期」を表しています。

 どちらも鳥の繁殖に関係しているように思えます。

 ところがキジの繁殖期が始まるのは3月頃から。

 ニワトリに至っては、家畜(家禽)化が激しくよくわかりません。



「雉始雊」ころの下赤阪の棚田のキジのオス
「雉始雊」ころの下赤阪の棚田のキジのオス




 ともあれ、大阪平野部では、留鳥の子育ての様子は晩冬から春にかけてに見かけます。

 モズの百舌鳥太郎も畑にやってきて食べ物の催促をはじめるのは年末から年始にかけてでした。

 どうして餌が少ない冬に始めるのかわかりませんが、何か理由があるでしょう。



「鶏始乳」ころの名古屋の熱田神宮の野良鶏
「鶏始乳」ころの名古屋の熱田神宮の野良鶏




 ちょうど「雉始雊」の頃に見かけたキジは、オスとメスがペアになっているようでしたが、縄張り意識が強いキジの鳴き声はよく聞きます。
 冬に鳴き始めるというのは不思議です。

 年中卵を産んでいるニワトリも、それは品種改良の結果。

 昔のニワトリはもしかしたら冬から春にかけて卵を生んでいたのかもしれません?



 ただ七十二候には時々つかみ所のないものもありますので、もしかしたら、これもそういったものの一つという可能性もあります。

 季節を表す自然現象を72個も集めるのは、たいへんです。



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タグ: 七十二候雉始雊鶏始乳キジニワトリ

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七十二候第五十七候「金盞香」。「金盞」ってキンセンカではありません?


 暦(こよみ)の上では冬が始まり、山に雪が降り始めるようになる二十四節気(にじゅうしせっき)の小雪(しょうせつ)の直前です。

 立春(りっしゅん)から数えて57番目の七十二候(しちじゅうにこう)、「金盞香」。

 よみは「きんせんか さく」。
 または「きんせんか こうばし」。



 「金盞」つまり「金盞花(キンセンカ)」は地中海原産のキク科の観賞用植物です。
 別名「カレンデュラ」。

 花期は品種によって変わりますが3月から6月まで。

 冬には咲きません。



キンセンカ「ドワーフ・アリスオレンジ」の花(京都府立植物園2011年3月)
キンセンカ「ドワーフ・アリスオレンジ」の花(京都府立植物園2011年3月)




 ふしぎに思っていると、この「金盞」はスイセンのこと。

 「きんさん」とも読みます。

 「盞(さん)」は玉(ぎょく)製の小さな杯(さかづき,はい)のこと。
 細かいことを表す「戔(さん)」と器を表す「皿」を合わせた形声文字(けいせいもじ)。

 スイセンは冬に咲く花。

 たしかに咲く時期はキンセンカよりもスイセンのほうがピッタリです。



「ニホンズイセン」の花(錦織公園2013年2月)
「ニホンズイセン」の花(錦織公園2013年2月)




 スイセンは地中海原産のヒガンバナ科の観賞用植物。

 特に原種のスイセンは、園芸種ではよく目立つ6枚の花被片が細く糸状。
 真ん中のオシベとメシベを囲む副花冠の方が目立ちますので、杯のように見えます。



「金盞」にぴったりの原種スイセン「ナルキサス ロミエウキシイ(種名)アトラスゴールド(園芸品種名)」(花の文化園2011年3月)
「金盞」にぴったりの原種スイセン
「ナルキサス ロミエウキシイ(種名)アトラスゴールド(園芸品種名)」
(花の文化園2011年3月)



 花の少ない冬に咲く植物としてあちこちに植えられていますが、大阪平野部でもスイセンが咲くのはもう少し先のようです。

 今回も少しフライング気味の七十二候でした。



まだ葉だけの「金盞香」の頃のスイセン(大阪城公園2013年11月)
まだ葉だけの「金盞香」の頃のスイセン(大阪城公園2013年11月)
この頃のスイセンは野菜のニラに間違われることがあります。
スイセンは食べると毒がありますのでご注意ください。
食べなければさわっても問題ありません。



 ちなみにスイセンは室町時代以前に中国から入ってきたと考えられています。

 ただ、中国では「金盞花(ジヌジャヌファ)」はキンセンカのこと。
 そして「金盞子(ジヌジャヌズ)」はタンポポのこと。

 スイセンは日本と同じ「水仙(シュィシャヌ)」です。

 ですから「金盞香」は日本オリジナル。

 実際中国の第五十七候は「野鶏入水為蜃(イェジルシュィウェィシェヌ/やけいみずにいり おおはまぐりとなる)」になります。

 ただ、鳥のキジが海に入って貝の大きな蛤(蜃)になるというふしぎな意味です。



中国にいるキジのコウライキジの亜種ニホンキジ(下赤阪の棚田)
中国にいるキジのコウライキジの亜種ニホンキジ(下赤阪の棚田)




 実際に無いものが見える自然現象の「蜃気楼(しんきろう)」。

 これは大蛤()がを吐いて幻の閣を作り出すと思われていたことが由来です。

 古代の中国では、陸上の鳥が神秘的な力を持った貝になると考えられていたのでしょう。

 富山湾などで見られる蜃気楼は、冬の風物詩になっていますので、寒くなる季節を表しています。

 とはいえ、この七十二候ができた時の中国の都の長安は海から1000キロも離れた内陸。

 言い伝えだけで考えだされたものなのでしょう。



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タグ: 金盞香七十二候形声文字六書スイセンキンセンカキジ

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天王寺動物園でキジの足を見ました。やっぱり地面の上の鳥っぽい!


 外国だけでなく日本の動物も展示されている大阪市の天王寺(てんのうじ)動物園。

 新世界ゲートの右側に鳥ばかりを集めたコーナーがあります。

 その中にいるのが、キジ。
 ニホンキジ(日本雉)です。

 日本の固有種で、日本の国鳥です。



天王寺動物園の雄と雌のキジ
天王寺動物園の雄と雌のキジ




 千早赤阪村(ちはやあかさかむら)の棚田で出会った鳥です。

 その時は長い尾を伸ばして歩く姿の恐竜をイメージしましたが、狭い檻の中ではやっぱり鳥。

 それでも近くから見ることは動物園だから。

 棚田ではよくわからなかった足を見てみます。



恐竜ぽく見えないのは尾羽根が短いから?
恐竜ぽく見えないのは尾羽根が短いから?




 かかとに後ろ向きについている第1趾(し)、人間の親指に相当する指です。

 ちょっと上の方から生えて短く、爪がやっと地面に付く程度。

 樹の枝に止まらない、地面を歩く鳥の特徴です。



キジの趾(あしゆび)
キジの趾(あしゆび)
左側の短いのが第1趾。




 動物園で見ることができる動物は、必ずしも野生にいる姿と同じではありません。

 しかし近くでじっくりと見ることができない動物を観察できるのが動物園。

 生き物が住んでいる自然と、飼育されている動物園、標本が展示されている博物館。

 それぞれの役割を理解して、使い分けると生き物と自然についてより多くのことを知ることができると思います。



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棚田を二本足で歩きまわる大きなキジ


 大阪唯一の村の千早赤阪村(ちはやあかさかむら)。
 大阪に二つしか無い棚田百選のひとつ、下赤阪(しもあかさか)の棚田があります。



 田植えが終わった下赤坂の棚田では「ケーン、ケーン」とキジの鳴き声が聞こえます。

 キジは平地の藪のあるところにも住みます。
 田畑と雑木林が残るようなところだと、住宅街のそばでも住んでいたりします。

 でも地面の上で生活する大きな鳥のためか、鳴き声は聞こえても姿はあまりみかけません。

 下赤阪の棚田のまわりは雑木林や果樹林に覆われているので、声は聞けても姿は見えないでしょう。



6月の日本の棚田百選の下赤阪の棚田
6月の日本の棚田百選の下赤阪の棚田




 そう思いながら棚田をロケハンしていると、反対斜面のみかん畑に動くものが。

 タヌキ? イノシシ?
 とおもったら、鳥です。
 キジです。

 赤い顔に黒いからだに灰青色と茶褐色の羽。

 オスのキジです。

灰青(はいあお)茶褐色(ちゃかっしょく)
日本の伝統色 和色大辞典



棚田のとなり斜面のキジ
棚田のとなり斜面のキジ



 棚田の周りにはまだキジがいるようで、ロケハンの途中でばったり出くわしました。

 キジは飛ぶのが嫌いなのか走って藪の中に逃げて行きました。

 オスのキジの全長(背中をまっすぐに伸ばした時のくちばしの先から尾の先までの長さ)は80cm。

 それが田んぼの中を走っていく姿は迫力があります。



キジ(雉子,雉)

キジ目 キジ科 キジ属
カラスより大きい
留鳥
生育環境:林のある草原,林のある農耕地,
日本での分布:本州,四国,九州,
日本の国鳥


長い尾羽を尻尾に見立てると獣脚類の恐竜に……見えない。
いや、オビラプトルの仲間に見えないこともない?
大きさはアビミムスくらい?



 イヌやネコのように体全身を使って走るのではなく、二本足を使って「たったったっ」と走っていく姿は、同じくらいの大きさの鳥のアオサギ(全長90cm)とちがって、重さを感じる迫力があります。

 でも食べ物は基本植物。
 動物は食べても昆虫くらい。

 見た目の割に気が弱そうです?



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