【 オオムラサキ】

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「特別展 昆虫」〈大阪市立自然史博物館〉にで、で、で、で、でっかい虫っ!

 大阪市立自然史博物館で開催中の「特別展 昆虫」。
 タイトルのように「昆虫」という大きなくくりの展示がいっぱい。

全体について書いたのはこちら
「特別展 昆虫」〈大阪市立自然史博物館〉は、む、む、む、む、むしだらけっ!

この記事にはの画像があります。


あと650m

 専門的な展示ばかりでなく、小さな子供も楽しめる展示もあります。
 そのひとつが、でっかい昆虫。
 大きさは2メートルくらい。
 日本の昆虫を30~200倍に拡大した模型です。
 記念写真ポイントにもなっています。

 最初は200倍のニホンミツバチ。
 日本在来種のミツバチです。
 普通、はちみつとして売られているものは日本では外来種となるセイヨウミツバチが集めたもの。
 どちらもよくにていますが、野原で見かけるのは、セイヨウミツバチのほうが多いような気がします。


 ミツバチは後脚に花粉を串団子みたいにしてつけるのですが、左右で花粉の有りバージョンと無しバージョンに分けられています。

ニホンミツバチ

 そして30倍のオオムラサキ。
 日本の国蝶とされています。
 にもかかわらず、いまだ野原で見たことはありません。
 見るのは昆虫館だけ。

オオムラサキ

 オオムラサキなどタテハチョウ科の特徴は前脚が折りたたまれ、胸にピタリとひっついて、4本脚のように見えること。
 この超巨大オオムラサキは前脚がちょっと浮いていて、ちょっとヘンに感じます。
 ただ、ピタリとひっついていると本当に4本脚に見えてしまうので、あえて浮かして6本脚ですと、とわかるようにしているのかもしれません。


 45倍のミンミンゼミ。
 東京の博物館ではじまったからでしょう。
 最初からここでやっていたならクマゼミになったかも?


 セミの仲間は背中にかっこいい模様がよくあります。
 クマゼミは翅の筋が黄緑色できれいなのですが、背中はちょっと地味。
 ミンミンゼミのほうが背中の模様はかっこいいので、よかったかな?

ミンミンゼミ

 最後は30倍のオオクワガタ。
 ノコギリでもミヤマでもなくオオクワガタ。
 日本最大のクワガタムシなので、2メートルの大きさも違和感がない?

オオクワガタ

 大顎の先トンガリと内側のトンガリ(内歯)がかっこいい。


 超巨大昆虫はこれで終わりですが、いろんな虫の本物の昆虫標本がたくさんあります。
 これだけたくさんの昆虫を一度に見られる機会はそんなにないと思います!

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タグ: 特別展昆虫大阪市立自然史博物館ニホンミツバチオオムラサキミンミンゼミオオクワガタ

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専門家の落とし穴? 保護の対象にする4つの「種」のちがい

 専門家でありながら、視野が狭くてトンデモに走る人がいることはすでに書きました
 なぜ、専門家でありながらトンデモに走るのでしょうか。
 たとえばすでに書いた、チョウを守れば自然環境を守ることになると言ったチョウの専門家。
 その方のポイントは何でしょうか。

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4つの種

 自然を守る、環境を守ると言っても、実際に活動を行う場合、対象が「自然」や「環境」では漠然としていて、何をすればいいのか具体的なことがわかりません。
 また、許可を得たり支援を受けたりするための説明がしにくく、理解されにくいということもあります。
 そこで、特定の生き物を選んで、具体的にわかりやすく、活動しやすくすることがあります。
 その「種」は、4つに分けることができます。
 キーストーン種、アンブレラ種、シンボル種、希少種です。

◆キーストーン種

 絶滅した時、他の生物や環境に大きな影響を与える種のこと。
 たとえば、ニホンオオカミが絶滅したため、シカが増え、シカが山の木や草、そして畑のものを食べるなどの被害が起きているといわれることがあります。
 この場合のニホンオオカミがキーストーン種になります。
 ただし、オオカミがもとからいなかったと言われる屋久島でもシカの食害が増えていることや、同じような害が起きているクマやニホンザルについては説明できていません。
 現実はこのように安易に決められるほど、簡単なものではないようです。

チュウゴクオオカミ〔天王寺動物園〕
チュウゴクオオカミ
ニホンオオカミとエゾオオカミは環境省レッドリスト絶滅

◆アンブレラ種

 行動範囲の広い動物を指します。
 その動物を保護することは、同時に行動範囲の環境も保護することにもなります。
 行動範囲が広いということは、体も大きいということになり、多くの場合、大型の哺乳類や鳥類になります。
 クマやオオタカなどが代表的アンブレラ種です。

イヌワシ〔天王寺動物園〕
イヌワシ
環境省レッドリスト絶滅危惧IB

◆シンボル種

 その地域や場所を象徴する種のこと。
 通常、よく目立ち、多くの人に好感を持たれる種が選ばれます。
 その反面、よく注意していないと、その場所に元からいた他の生き物の絶滅や、環境を破壊してしまうことにもなりかねない危険性を持っています。
 たとえば、ゲンジボタルを保護するため、幼虫の餌となるカワニナをほかの地域から大量に持ち込み、その地域に住んでいたカワニナを減らしてしまうことなどがあります。

ゲンジボタルのひかり〔橿原市昆虫館〕
ゲンジボタル
16都府県のレッドリストに記載

◆希少種

 数が少なくなった種のこと。
 わかりやすいのは、レッドデータブックに記載された種。
 絶滅にひんしている場合はすみやかに保護活動を行う必要があります。
 ただし、キーストーン種やアンブレラ種でない場合、注意をしなければシンボル種と同じ過ちをしてしまうことになりかねません。

オオムラサキ〔橿原市昆虫館〕
オオムラサキ
環境省レッドリスト準絶滅危惧

落とし穴

 例のチョウの専門家は、希少種をシンボル種として保護活動をしてしまったようです。
 保護活動は資金も必要ですし、活動のためにその場所の持ち主の理解を得て許可してもらうことも必要です。
 シンボル種という目立って好感を持たれる生き物なら、だれでも直感的に保護の必要性を感じることができるでしょう。
 しかしその結果、なぜチョウを保護するのかという単純で基本的なことにすら、答えることができなくなり、チョウさえ保護すれば他のことは考えなくてもいい、という状況に陥ってしまったようです。
 これは愛好家が専門家になって活動家になった場合に起きる落とし穴なのかもしれません。

 こういった基本的な説明は大切なことで、活動を行う上でもちゃんと説明できないことは、お世辞にもいいことではないと思います。
 そして、このような活動が個人の資産や一般のスポンサーの寄付などで行われているのであるのならばまだしも、行政などから補助を受けている場合は、明確な説明ができないことはとても問題があるのではないでしょうか。
 そのチョウの専門家はどうなのかはわかりませんが。

セツブンソウ 〔花の文化園〕
セツブンソウ
環境省レッドリスト準絶滅危惧

安易は至難

 生き物や環境を守るため行動を起こすことはとても大切だと思います。
 しかし、具体的な行動に至る前に現状を把握し、どの生き物をどのように守っていくのかを、十分考えなければならないのではないでしょうか。
 特定の生き物が好きでその生き物が絶滅しそうだからといって、安易に保護活動を行うのは、「保護」の名を借りた「破壊」になりかねません。

 生き物を見るときは、こういった落とし穴を避けるため、できるだけ視野を広くし、想像力を働かせることが必要なのかもしれません。
 そして、私たちが思っているほど簡単でも単純でもないことを意識することも。
 言葉では簡単な、たった2文字の「自然」や「環境」が、実はとても複雑なものだったのです。

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タグ: キーストーン種アンブレラ種シンボル種希少種保護活動チュウゴクオオカミイヌワシゲンジボタルオオムラサキセツブンソウ

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橿原市昆虫館のオオムラサキをよくみてみよう!


 大和三山の一つ天香久山(あまのかぐやま)の麓にある橿原市(かしはらし)昆虫館。

 大きな温室には一年中蝶が飛び交っています。

 6月になるとゲンジボタルの成虫の展示が始まりますが、そのころ温室ではオオムラサキが飛びはじめます。


この記事にはの画像があります。





橿原市昆虫館の放蝶温室
橿原市昆虫館の放蝶温室



 オオムラサキはタテハチョウ科の日本の在来種で、日本を象徴する蝶、国蝶です。
 開張(かいちょう)(はね)を広げた時の幅)が10センチにもなるという日本では大きい蝶。

 クヌギやコナラなどの樹液にあつまるのですが、人間を殺すこともあるスズメバチですら押しのけるほど“強い”蝶です。



オオムラサキ(大紫)
タテハチョウ科 オオムラサキ属
棲息環境:広い雑木林,
幼虫の食草・食樹:エノキ等,
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,
日本の国蝶

羽が紫色のオオムラサキのオス
羽が紫色のオオムラサキのオス
羽が黒いオオムラサキのメス
羽が黒いオオムラサキのメス




 だからでしょうか、人間が近寄ってもまったく逃げようとしません。

 放蝶温室の蝶たちは天敵のいない昆虫館で生まれ育ったためかわりと逃げないのですが、それでもカメラを近づけていけば逃げていきます。

 しかしオオムラサキはマクロ撮影できるほど近づいても逃げません。
 触ってみたいところですが、当然禁止されているのでそれはガマン。

 生きた蝶を観察するいい機会です。

 ということで、接写をしました。



 オオムラサキをじっくり見ていると、なんか、足に違和感があります。
 よくみてみると4本しかありません。

 蝶は昆虫ですから6本のはずです。

 もしかしたら2本欠けてしまったかもしれないと思いましたが、どのオオムラサキも4本です。

 退化、それとも進化したのでしょうか。



足が4本(2対)?に見えるオオムラサキ
足が4本(2対)?に見えるオオムラサキ




 その謎も近づいて見ればわかります。

 前脚の2本が折りたたまれて胸にひっついているのです。

 多少短くなっているようですが、まだなくなってはいません。

 前脚が足としては退化しているのはタテハチョウ科の特徴です。

 しかし味を見る機能は残っているので、短いながらも残っているのでしょう。



前脚を折りたたんでいたオオムラサキ
前脚を折りたたんでいたオオムラサキ




 日頃は見ることができない蝶を生きている状態で間近に見ることができ、発見があった、橿原市昆虫館の放蝶温室です。



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タグ: オオムラサキ橿原市昆虫館

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