いくつもある登山道の中でも一番登山者が多いと思われる千早本道。
ほぼ一合目ごとに標識があるわかりやすい道。
そんな千早本道で、初夏の5月初旬の千早本道で出会った草花です。
※今回の「花」は学術的な生殖器官としての「花」ではなく、様々な色や形に変化した苞や萼も含む「見た目の花」を指します。
※「○合目」というのは、登山口から山頂までを、歩く時間でおおまかに十等分したものです。
※今回は、「○合目」の標識を過ぎてから次の表示が現れるまでを「○合目」とまとめています。
※標高はGPS付きカメラに記録されたものです。目安としてください。
▲九合目(分岐・楽な道) 標高1061m▲
ここでも道はふたて手にわかれます。
八合目から山腹の道で入った場合、まっすぐは楽な道、右の階段は杉林の中を通る近道。
八合目からまっすぐ階段を登ってきた場合は、左へ行くと楽な道、右へ行くと近道になります。
今回は楽な道を行きました。
こちらは広葉樹が多いところを通り、頂上広場のすぐ下は春から秋までいろいろな花が咲く花畑になっています。
ニシノオオタネツケバナ(西の大種漬花)
アブラナ科 タネツケバナ属
二年草
日本での分布:近畿以西の本州,九州,
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タネツケバナ(種漬花)にオオバタネツケバナ(大葉種漬花)などよく似た名前と姿の親戚がいます。
花の形、葉の形、そして高野山のものと同じ葉の形ということで、最終的にニシノオオタネツケバナ(西の大種漬花)になりました。
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コハコベ(小繁縷)
ナデシコ科 ハコベ属
一年草
別名:ハコベラ,
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,
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ウシハコベとよく似ていますが、雌しべの先が3つに分かれているように見えること、茎が紫色をしてることがコハコベの特徴です。
春の七草の「ハコベラ」です。
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ヘビイチゴ(蛇苺)
バラ科 ヘビイチゴ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄,
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このように千早本道ではあちこちで咲いています。
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ムラサキケマン(紫華鬘)
ケマンソウ科 キケマン属
二年草
別名:ヤブケマン,
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄,
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▲九合目花畑 標高1071m▲
千早本道で一番花が咲いているところです。
ここが唯一の花畑になるのは千早本道でおそらく唯一の日当たりがいいところだからでしょうか。
ニリンソウ(二輪草)
キンポウゲ科 イチリンソウ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,
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1本の茎の先に2輪の花を咲かせるのが名前の由来です。
この2輪は同時に咲かず、片方が先に成長して先、残りがそれを追うように成長して咲きます。
そのため2輪揃って咲いていても花茎の長さや花の大きさがちがうことがあります。
転法輪寺の境内でもいっぱい咲いています。
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カキドオシ(垣通し)
シソ科 カキドオシ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄,
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オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)
ゴマノハグサ科 クワガタソウ属
越年草
別名:瑠璃唐草,天人唐草,星の瞳,
ヨーロッパ原産の帰化植物
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄,
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外来種の雑草が山頂付近にあるのが、登山者が山ほどくる金剛山の千早本道だからでしょうか。
しかしここまでの間に見かけなかったので、日当たりの悪いところは苦手なのでしょう。
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ニョイスミレ(如意菫)
スミレ科 スミレ属
多年草
別名:ツボスミレ
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,
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他のスミレが終わってから咲き始める遅咲きのスミレです。
千早本道では山頂近くでよく見かけますが、平地でも田畑や林でも咲くスミレです。
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▲頂上 標高1095m▲
ユキザサ(雪笹)
ユリ科 ユキザサ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,
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ユリ科のイメージから離れた小さな花が咲きます。
山頂トイレの横で咲いていました。
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金剛山好きの間では今ひとつ評判が悪い千早本道ですが、あちこちに今まで紹介した以上の花が咲いています。
比較的安全に登れる道として、わりと余裕を持って道端の花を見ることができるのではないでしょうか。
シーズンの土日で登り下りの人がいっぱいの時でなければ、ちょっと足元を見てみるのもいいかもしれません。
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