【 エンマコガネ】

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きっとたくさんいるはずなのに希少な虫? 小さなエンマコガネ

 ジョロウグモの巣に小さな甲虫がひかかっていました。
 もう絶命しているようです。

この記事にはの画像があります。


 色は黒。


 大きさは1センチもありません。

Onthophagus atripennis

 丸いのでコガネムシの仲間のようです。
 この雰囲気は、エンマコガネの仲間でしょうか。

コブマルエンマコガネ

 エンマコガネは小さいのに種類が多く、じっくり見ないと種類がわかりません。
 画像を拡大すると。

 背中の翅のない部分、前胸が丸くなっていますが、角度を変えると真ん中あたりが少し凹んでいるようにもみえます。
 頭も小さな角があるようにちょっとだけ尖っているようにも見えます。

瘤円閻魔金亀子

 コブマルエンマコガネのオス?

 エンマコガネの仲間はセンチコガネと同じように動物のうんちを食べる糞虫ですが、ほかに動物の死骸やキノコなども食べます。
 センチコガネとちがい樹木が多く広い公園だと見つけることもあります。
 きっとたくさんいる普通の虫だと思いますが、めったに出会えない虫です。

コブマルエンマコガネ
瘤円閻魔金亀子
Onthophagus atripennis
昆虫綱 甲虫目 コガネムシ科 ダイコクコガネ亜科

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タグ: コブマルエンマコガネエンマコガネコガネムシ甲虫分中

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うんちビオトープの虫たち


 夏の金剛山のガンドガコバ林道。

 大きなトラックも走れるように広くしっかりと作られた林道のまんなかに、アレが。

 うんち。

 それもけっこう大きいやつ。



この記事には動物のうんちの画像があります。





ガンドガコバ林道から見た金剛山
ガンドガコバ林道から見た金剛山



 ということでうんちのプロファイリング。

 まず見た目から哺乳綱食肉目。
 イノシシやウサギは除外。
 もちろんネズミやリスも除外。

 大きさは中型犬くらい?
 ということで、イタチやテンは除外。

 考えられるのは、アライグマ、アナグマ、ハクビシン。
 そして中型犬。



林道に落ちていた謎のうんち
林道に落ちていた謎のうんち




 外来種と考えられるハクビシンは大阪では見つかっていないという話もありますし、うんちもこれより小さいようですので、除外。

 山の中なので比較的新しい外来種のアライグマも除外。

 アナグマが残りましたが、野生のアナグマはものを食べるとき土も一緒に食べるようで糞(ふん)は見た目水分の少ないズシリとした感じのものになるようです。

 ということで、これは中型犬?

 どうせ山だから、と飼い主が放置したものでしょうか。



 さてとりあえず飼い犬とちょっと残念な結論が出たうんちですが、よく見ると虫がたかっています。
 カメムシの仲間のようです。

 カメムシの口は刺す口ですからうんちの水分を飲んでいるのでしょうか。



これも糞虫?のカメムシの仲間(ホソヘリカメムシ?)
これも糞虫?のカメムシの仲間(ホソヘリカメムシ?)




 もしやと思って落ちていた棒を使ってウンチをひっくり返してみると、穴が空いています。
 食べ痕です。

 穴の大きさからしてエンマコガネ。

 ちょっとほじくり返してみると、2匹のエンマコガネが出てきました。

 金剛山の初エンマコガネです。



 エンマコガネはセンチコガネと同じ動物の糞などを食べる食糞性(しょくふんせい)コガネムシと呼ばれる種類です。

 二匹はよく見ると、ちょっと形が違うようです。

 ひとつは丸い頭(正しくは「前胸背板(ぜんきょうはいばん)」)。もう一つは小さな角のようなものが2つあります。

 エンマコガネは小さく見た目だけで区別するのは難しいのですが、そこはいつもの様に強引に。

 頭がまるくなっているのが多分「クロマルエンマコガネ」。
 頭の真ん中がへこんで角みたいになっているのが多分「コブマルエンマコガネ」。



ちょっとかこいいコブマルエンマコガネ
ちょっとかこいいコブマルエンマコガネ




奈良公園の常連クロマルエンマコガネ
奈良公園の常連クロマルエンマコガネ



 金剛山ではセンチコガネをよく見かけますが、エンマコガネは小さいためか見たことがありません。

 これが金剛山で初めてのエンマコガネです。

 もっと他にもいるかな、と思ったのですが、うんちをバラバラにしてしまって食事のじゃまをするのも悪いなと思い、うんちとエンマコガネをあつめておきました。



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タグ: エンマコガネクロマルエンマコガネコブマルエンマコガネカメムシ糞虫金剛山の虫金剛山金剛山の甲虫金剛山の昆虫

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秋になっても奈良公園は糞虫がいっぱい!

糞虫の楽園、奈良公園


 春から初夏にかけて糞虫(ふんちゅう)ウオッチングしてきた奈良公園。糞虫の楽園です。

 公園内で糞虫の姿を目にできるのは10月くらいまで。
 ということで、行って来ました。

 平城遷都1300年祭のおかげで近鉄と周辺私鉄等のお得な乗車券がありますので、今がチャンスです。



今回は糞虫(動物の糞を食べるコガネムシ)の記事です。
糞虫や鹿の糞の画像もあります。
糞虫や鹿の糞が苦手な方は【記事の下へ】をクリックしてください。
記事の下にジャンプします。




「糞虫」とは


 まず、「糞虫」です。

 簡単に言うと動物のうんちに集まる虫のことです。

 なかでも背中が硬い(はね)で覆われている甲虫のコガネムシとコガネムシに近い仲間のうち、動物の(ふん)を食べる種類を指す言葉です。
 「食糞性(しょくふんせい)コガネムシ」とも言われます。

 糞虫の中でもオオセンチコガネやセンチコガネは「フンコロガシ」といわれることがありますが、日本には「フンコロガシ(タマオシコガネ)」はいません。
 オオセンチコガネ、センチコガネはフンコロガシとはちがう種類になります。

フンコロガシ(タマオシコガネ)の標本[大阪市立自然史博物館]
フンコロガシ(タマオシコガネ)の標本[大阪市立自然史博物館]




糞虫は住み分けている?


 春から夏にかけてここには何度か足を運びました。

 奈良公園の糞虫はもちろん鹿の糞に集まります。
 鹿は奈良公園中にいますので、いたるところに鹿の糞はありますが、糞虫はどこにでもいるわけではありません。

 日当たりのいい芝生の上の糞には小さなマグソコガネばかりで、大きなセンチコガネたちをみかけることはありません。
 ところがオオセンチコガネがいっぱいいる飛火野ではあまりマグソコガネは見かけません。

芝生の上の糞の中で見つけたマグソコガネ
芝生の上の糞の中で見つけたマグソコガネ



 ファーブルの『昆虫記』を読んでいると、糞虫のいるところにはマグソコガネあり、という感じがしましたが、奈良公園のマグソコガネはセンチコガネにいい場所をとられているようにも見えます。

 ただ、糞の塊の下を見ると穴が開いていることがあるので、夜の間にエンマコガネやセンチコガネが食べに来ているようです。


奈良公園といえばルリセンチコガネ


 奈良公園の糞虫というと、やはり青い構造色できれいなオオセンチコガネ、別名「ルリセンチコガネ」でしょう。
 ルリセンチコガネを確実に見ることができる場所が飛火野の林の中。

 最初はなかなか見つからないと思っていたのですが、1匹見つけると2匹3匹と連続してみつかり、気がつくとルリセンチコガネだらけです。

 もちろん、飛んでいるものや地面をはっているものも少なくありませんが、やはり糞虫を見つけるのは鹿の糞の塊、です。


糞の塊の中から出てきたもの


 ためしに7センチくらいの糞の塊をほぐして見ました。

ほぐす前の鹿の糞の塊
ほぐす前の鹿の糞の塊



 糞の中やその下から見つかったのはオオセンチコガネとセンチコガネが1匹ずつ、大きいエンマコガネ2匹、小さいエンマコガネが13匹でした。
 同じくらいの大きさの塊をいくつかほぐしてみましたが、おおむねこんな感じでした。

7センチほどの糞の中と周辺から見つかった糞虫(桝目は5mm角)〈オオセンチコガネ(青)とセンチコガネ(金)〉
7センチほどの糞の中と周辺から見つかった糞虫(桝目は5mm角)
〈オオセンチコガネ(青)とセンチコガネ(金)〉



7センチほどの糞の中と周辺から見つかった糞虫(桝目は5mm角)〈死んだふりをする大き目のエンマコガネ〉
7センチほどの糞の中と周辺から見つかった糞虫(桝目は5mm角)
〈死んだふりをする大き目のエンマコガネ〉



7センチほどの糞の中と周辺から見つかった糞虫(桝目は5mm角)〈激しく動き回る小さ目のエンマコガネ〉
7センチほどの糞の中と周辺から見つかった糞虫(桝目は5mm角)
〈激しく動き回る小さ目のエンマコガネ〉



 エンマコガネは1センチほどの大きいものと1センチに届かない小さいものがいます。
 ほとんどが糞の中から掘り出したものなので、糞だらけ。
 観察したあとは逃がすので水でジャブジャブ洗うわけにも行きませんので、なかなか特徴をみわけるわけにはいきません。

 ということで、大雑把にエンマコガネとコエンマコガネということにします。


糞に集まる虫たち


 糞に集まるのは糞虫だけではありません。
 この糞もほっておいたらキンバエが集まってきました。
 別の糞の中にハネカクシの1種と思われる虫もいました。
 しかし一番多いのは、やはり糞虫です。

糞に集まってきたキンバエ
糞に集まってきたキンバエ



別の糞の中にいたハネカクシの一種と思われる虫
別の糞の中にいたハネカクシの一種と思われる虫




 秋も深まり糞虫たちの姿も減ってくるかなと思っていたのですが、まだまだいっぱいいるようです。


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タグ: 飛火野奈良公園センチコガネルリセンチコガネエンマコガネマグソコガネキンバエハネカクシ糞虫秋の奈良公園

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奈良公園へ瑠璃を探しに、GO!

今回は糞を食べるコガネムシの記事です。
シカの糞やコガネムシの画像もあります。
シカの糞やコガネムシが苦手な方は【記事の下へ】をクリックしてください。
記事の下にジャンプします。



 きれいなルリセンチコガネ。
 奈良と和歌山限定のルリセンチコガネ。
 もっと見てみたくてたまりません。

 しかし動物の(ふん)を食べる虫です。糞虫(ふんちゅう)です。
 動物の糞を探さなければなりません。しかも街中や住宅街ではだめです。

 野生の動物の糞なんてどこに行けば簡単に見れるでしょう。
 しかも新鮮なものを……



 あ、忘れてました。
 大阪から近くて、野生の動物の糞がいっぱいで、しかも間近に見れるところが!

 それは。

 奈良公園!!

 ということで、奈良公園行ってきました。

シカが自由な奈良公園
シカが自由な奈良公園





 近鉄奈良駅から坂を上っていくと興福寺(こうふくじ)があります。そのあたりから芝の敷地がはじまり、シカがあちこちでのんびりとしています。
 シカは芝を食べます。
 食べ物があるのですから、もちろん糞もあるはずです。
 しかも近くには自然いっぱいの春日大社(かすがたいしゃ)(もり)があります。

 きっとそこからセンチコガネも飛んできているはずです!



 ということで、探す必要の無いほどそこら中にころがっているシカの糞の塊をひっくり返してみると……

 糞に穴が開いてなにやら黒っぽい虫が動いています。
 でも小さい……

シカの糞の中の黒っぽい虫
シカの糞の中の黒っぽい虫



 シカの糞の大きさは1センチほど。
 ということは虫は数ミリの大きさです。

 ほじくりかえしてみると、体はコガネムシ状で、背中の(はね)には縦の筋が。
 そして頭が平たくシャベルのような形になっています。

 エンマコガネの一種のようです。
 もちろんセンチコガネではありません。
 瑠璃(るり)色でもありません。

エンマコガネの一種
エンマコガネの一種



 いたるところに動物の糞が転がっているというのに、こんなに観光客だらけでは、ルリセンチコガネはやってこないのでしょうか……



つづく!



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