最後に登場するスエコザサ(牧野富太郎さん)鈴木貞夫さん
植物学者の牧野富太郎さんを主人公のモデルにしたと言われるドラマ、らんまん。
半年間の放送が今週で終わります。
最終週のタイトルは「スエコザサ」。
牧野さんが見つけたササの和名と学名に亡くなった妻の名を織り込んだもの。
牧野さんの性格を表すとともに、ドラマの脚本家の方の考えも表しているように思います。
鉢植えなので牧野富太郎展が終わればバックヤード?

和名はもちろん学名にまで自分の妻の名前をつける牧野さんは、なかなかに自由な方だと思います。
ドラマは牧野さんをモデルにした槙野万太郎さんを形式上主人公としながら、脚本家の方はその妻の寿恵子さんを主人公として描きたかったように思います。
週タトルに植物の和名を使いながら、あくまで植物は脇役として一般的な人間の視点で描かれていたことにも納得できます。
それは意図的なものではなく、脚本家の方の植物に対する認識なのかもしれませんが。

ドラマでは言及されないと思いますが、スエコザサもこのままではありません。
牧野さんが新種として命名した後、植物学者の鈴木貞夫さんによってアズマザサの変種に分類されました。
ちょっと残念な気もしますが、牧野さん自身先人の分類をいくつも変更しています。
植物学がより精度を上げるためには必要なことです。

ドラマでは植物は小道具大道具であまり説明がなかったですが、様々な植物園や博物館などで牧野富太郎展が開かれ、わかりやすい解説がついたり、常設展示されていない植物が展示されたりしています。
それぞれの施設でちがうでしょうが、ドラマが終わるとそういった展示も終了してしまうでしょう。
特に牧野富太郎展の期間に限り展示されているものは、しばらく見られないかもしれません。
もちろん牧野さんが命名した植物は身近に生える植物にもあります。
ただ外国人に命名された植物のほうが圧倒的に多いので、最初の一種に出会うまで時間がかかるかもしれません。
でも、興味が持てれば、それもたのしいと思います。
スエコザサ
寿衛子笹
Sasaella ramosa (Makino) Makino var. suwekoana (Makino) Sad.Suzuki
イネ科 アズマザサ属 種アズマザサ 変種スエコザサ
分布:宮城県より西の本州
固有種

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