河内長野で見かけたイタチはニホンイタチかチョウセンイタチか?
河内長野市にある大阪府営植物園の花の文化園。
その駐車場から園目指して石川を渡っている時に、何か動いているものが。
ネコくらいの大きさですがネコよりもずっと細長い生き物。
イタチです。

立ち止まる河内長野の石川のイタチ
大阪にいる野生のイタチというと、ニホンイタチとチョウセンイタチ。
名前の通りニホンイタチは日本の在来種。
チョウセンイタチはシベリヤイタチ、タイリクイタチとも呼ばれていることからもわかるように、東アジア大陸部からの外来種。
ニホンイタチはチョウセンイタチの亜種とされ、外見もよく似ていますが、ちがいもあります。
まずは尻尾の長さ。
尾長(びちょう/尻尾の長さ)が頭胴長(とうどうちょう/頭からお尻までの長さ)の半分以上あるのがチョウセンイタチ。
尾長が頭胴長の4割くらいがニホンイタチ。
つまりニホンイタチのほうが尻尾が短いということ。

人と自然の博物館の
ノロイ立ちの
ニホンイタチの剥製

人と自然の博物館の
タイリクイタチ
(チョウセンイタチ)の剥製
それからニホンイタチは褐色がかった黄土色で、チョウセンイタチは褐色がかった山吹色。
つまり、チョウセンイタチのほうが黄色いということ。
街のあまりきれいでない川の近くに住むのがチョウセンイタチで、田畑があるような里の川にの近くに住んでいるのがニホンイタチ。
体はチョウセンイタチのほうが大きいのですが、成長途中だったりメスだったりしたら、もうわかりません。
尻尾の長さ以外はなんかあやふやです。
それで河内長野で出会ったイタチはどちらでしょう。
色は濃い茶色という感じで、尻尾は短そうです。
場所は石川の上流で周りには住宅もありますが、田畑や雑木林が中心。
ということで、暫定ニホンイタチ。
ニホンイタチ(日本鼬)
ネコ目 イタチ科 イタチ属
日本固有種
棲息環境:川や湖沼などの水辺,森林,
日本での分布:北海道(移入),本州,四国,九州,
日本の侵略的外来種ワースト100:北海道,離島,

振り向く河内長野の石川の暫定ニホンイタチ
とてもよく似ているニホンイタチとチョウセンイタチ。
遺伝子レベルでは違う種類といえるほどの差が見つかり、染色体の形も違っていることがわかってきました。
となると、在来種のニホンイタチの遺伝子に、外来種のチョウセンイタチの遺伝子が混ざりにくいということになります。
チョウセンイタチ(朝鮮鼬)
ネコ目 イタチ科 イタチ属
棲息環境:川や湖沼などの水辺,森林,
日本での分布:天然分布・対馬
人為的移入・本州中部地方以南,四国,九州,
別名:シベリアイタチ,タイリクイタチ,
日本の侵略的外来種ワースト100:西日本,

大阪南部の住宅街の川で出会った暫定チョウセンイタチ
カメラや天気が違うので単純に比較できませんが黄色で尾が長い
となるとニホンイタチは守られそうな気もしますが、チョウセンイタチと住む所や食べ物、それから行動がかぶっているところがあります。
同じとこに住んで、同じものを食べて、同じ時間同じ場所で行動する(同じニッチで行動する)動物は共存できない、とまでいかなくても共存しにくいという法則があります。
チョウセンイタチが増えることは日本イタチが減ることになります。
つまり、元からいなかったチョウセンイタチが日本にいるということは、その分だけ元からいたニホンイタチがいなくなったのかもしれません。
■参考外部リンク■
兵庫県立 人と自然の博物館
大阪府立花の文化園公式サイト
外来種ハンドブック(地人書館)
タグ: イタチ ニホンイタチ チョウセンイタチ シベリアイタチ タイリクイタチ 侵略的外来種

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