700から800メートルの尾根を車で走ることができる
紀泉高原スカイラインがある
和泉葛城山いずみかつらぎさん。
その和泉葛城山からスカイラインと反対の方向、
鍋谷峠なべたにとうげにむかって2つのハイキングコースがあります。
一つは和歌山側の山腹を通る「近畿自然歩道紀泉南伊勢街道ふれあいルート」の「NO4 牛滝丁石地蔵を訪ねるみち」の一部。
もう一つがアップダウンを繰り返しながら尾根伝いに行く道。
その尾根伝いの道を行くと、1時間ほどで標高860mの
大石ヶ峰おおいしがみねに到着します。
標高858mの和泉葛城山よりも高いのですが、植林された杉にかこまれて全く展望はききません。
そこから小堂峰の方へ下りていくつもりが、道を間違え北側に下りてしまったのですが、その時、杉に覆われ薄暗い中に青白い花が咲いていました。
ヤマアジサイ(山紫陽花)の群生です。

大石ヶ峰のヤマアジサイの群生
この日は曇りで光が少ない中、まるで青白く蛍光しているよう。
道中時々ヤマアジサイは咲いていましたが、これだけ集まっているとまたちがう植物のようです。

大石ヶ峰のヤマアジサイの花
この和泉葛城山から鍋谷峠に向かう尾根の道は、近畿の
分水界ぶんすいかいでもあります。
分水界とは、日本の場合は太平洋に流れる川と日本海に流れる川の境のことです。
日本ではは多くの場所で山の
尾根おね(
嶺みねと嶺をつなぐ筋)を通るので「
分水嶺ぶんすいれい」がよく使われます。
ただ地図を見てもわかるように日本の周りには太平洋・日本海以外にもたくさんの海があります。
そこでオホーツク海と瀬戸内海は太平洋、東シナ海は日本海として北海道から九州まで分けたのが「中央分水嶺(中央分水界)」。
そこにオホーツク海・瀬戸内海・東シナ海との中央分水嶺の支線を加えたものが「大分水嶺(大分水界)」です。
和泉山脈に走るのは太平洋と瀬戸内海を分ける支線になります。
ところが、太平洋と瀬戸内海の境については省庁の組織などによってもかわり、和泉山脈の南の紀の川のさらに南が分水嶺になることもあります。
このように日本の分水界はまだ一つに統一されていないのが現実です。
そこで、今回は、堀公俊著『日本の分水嶺』山と渓谷社(ヤマケイ文庫)を参考にしました。
タグ:
ヤマアジサイ
大石ヶ峰
紀泉山脈
梅雨の花
夏の花
青い花
アジサイ
分水嶺
- 関連記事
-
theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用