【 どんぐり】

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秋になると欲しくなる1冊。実は一年中使えます!『どんぐりハンドブック』いわさゆうこ 著 文一総合出版 刊

 秋になると、子どもたちがなぜか集めはじめるのがどんぐり。
 みんな同じように見えるどんぐりにも、いろいろと種類があります。
 日本に自生しているどんぐりを集めた図鑑。
 それが『どんぐりハンドブック』。

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 どんぐりの説明から、どんぐりができる樹木の特徴も載っています。
 そんな本ですから、どんぐりだけでなく葉っぱからもどんぐりの木が探せるようになっています。
 ですから落ちていたどんぐりが、どの木から落ちたのかもわかるかもしれません。

近畿では里山の定番コナラのドングリ

 どんぐりの定義にはいろいろありますが、この本ではブナ科樹木の堅果のこととしています。
 そすると、実はどんぐりにも思ってもいないような形があり、なんと、クリもどんぐりになってしまいます。
 ほかにも花が咲いてから数ヶ月でできるどんぐりから、1年以上かかって次の年になってやっと熟すものまで。
 形も丸いのから細長いの、三角のものまで様々。

まとまってできるシラカシのどんぐり

 この本でどんぐりのことを勉強して近所を歩いてみると、実に色んな所にどんぐりの木があることがわかります。
 公園はもちろん、道端や垣根まで。
 特に垣根のどんぐりの木は毎年刈り込まれどんぐりができないので、まったく気づきませんでした。

できるのに2年かかるクヌギの若いどんぐり

 そんなどんぐりのできない木には葉の形の索引がついています。
 解説ページには、花の写真もありますから、どんぐりの無い季節でもだいじょうぶ。
 一年中、どんぐりの木のことがわかります。

中身が出てしまったブナのどんぐりの殻斗

 ということで、山から雑木林に、公園街路に、垣根まで。
 いたるところに生えている、そして植えられているどんぐりの木の世界。
 『どんぐりハンドブック』で1歩踏み出してみると面白いかもしれません。

■参考外部リンク■
文一総合出版

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2015年の金剛山のブナは豊作?

 ちょっと遅れた初詣に登った金剛山。
 毎年最初の登山は最も登山者が多いと言われる千早本道。
 標高差600メートル。
 延々と続く階段は「登山者」におもしろくないと敬遠され、小学校が耐寒登山に使う道でもあり「登山者」にバカにされることもあります。
 でも、8合目直前からブナ林がひろがり、金剛山の中でも多くのブナを間近に見られる屈指の登山道です。

葉が落ちた千早本道八合目の冬のブナ林
ブナ林
ヤドリギがたくさん付いているのがわかります

 東北のひとにとって、ブナという木はそれほど大騒ぎするほどではないかもしれません。
 しかし、暖かいところではほかの木々に負けてしまうブナは、大阪近辺では標高800メートル以上で、神社やお寺に守られスギやヒノキの植林を免れたところだけにしか見られない樹木です。
 最も高い金剛山以外は、すべて1000メートル以下という大阪周辺の山では、ブナが残っているところは数えるほどしかありません。

特徴的なブナの葉
ブナの葉
中心の主脈から左右に伸びた側脈の先が凹んでいるのが特徴
普通側脈の先は飛び出してます

 8合目からブナ林の中を歩いていると、いつもとちがうことに気付きました。
 殻斗(かくと)があちこちに落ちています。
 「殻斗」はどんぐりの帽子のような部分。
 クリのイガイガのところも殻斗です。
 落ちているのはもちろんブナの殻斗。

ブナのどんぐりの殻斗
ブナの殻斗
カシやナラのどんぐりのような帽子型ではなく
ブナはクリのように全体を覆うタイプ
登山道で何度も踏まれたようでトゲがなくなっています

 ブナ林ですから落ちていて当然と思うかもしれません。
 ところが、ブナはほかのどんぐりの木とちがい、どんぐりはあまりなりません。
 実際、金剛山のブナ林では秋から冬にかけてブナのどんぐりを見ることはほとんどありません。
 それが、あちこちに落ちているのです。

ブナのどんぐり
ブナのどんぐり
でっぱりが3つある三角錐のような変わった形のどんぐり
これが殻斗の中に二つ入っています

 今落ちているのは、そんなに古いものではありません。
 去年の秋に熟して落ちたものでしょう。
 ブナは7~8年おきに豊作になると言われます。
 ということは、2015年は金剛山のブナの豊作の年だったのかもしれません

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タグ: ブナどんぐり金剛山千早本道

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どんぐりの種類が増えていっぱいに! 秋から冬の錦織公園

 晩秋の錦織公園で見られるどんぐりの木(ブナ科)8種類の記事を公開した直後、もう1種類のどんぐりの木を見つけました。
 ということで、新たに出会ったものを含めて錦織公園の9種類(IWO調べ)のどんぐりの木をあらためて紹介します。

ブナ科
┣クリ属
┃┗【クリ(栗)Castanea crenata

落葉高木

モンブランケーキの材料にもなる食べる栗です。

「どんぐり」というイメージではありませんが、ブナ科の立派などんぐりの木。

里山では定番の木の一つなので、公園にもあちこちにあります。
元からあったものと植栽されたもの、両方があるのかもしれません。

ただ、盛んに集める人がいるので、クリの実を目にすることはありません。
中身の無いイガ(殻斗)は山のように見かけますが。

もちろん、公園の管理者の許可無くクリを大量に持ち帰るのは、やってはいけないことです。

普通にスーパーなどで目にするクリよりも小さいクリもあります。
山などに自生していて、「柴栗(しばぐり)」と呼ばれます。

クリの野生種と言われ、つまりお店で売っているクリは実が大きくなるように改良された栽培品種。
でも植物学的には、同じ「クリCastanea crenata」。

錦織公園では、小さなクリは未舗装の林の中で見かけますので、こちらは元から生えていたクリかもしれません。

┣シイ属
┃┗【ツブラジイ(円椎)Castanea crenata

常緑高木

旧記事を書いた直後に見つけたどんぐりの木。

アク抜きをしないで食べられるどんぐりなので、里山で不作の時の食べ物(救荒植物)として育てられることもあります。

錦織公園では、食べられるどんぐり3種のひとつ。
ただし、ほかの2種はどんぐりができなかったり、木が小さく量が少なかったりで、それなりの量が集められるのはこのツブラジイだけ。

ブナのように殻斗(どんぐりのぼうし)が全体を覆っているのがツブラジイ。
ただ、ブナとイヌブナは殻斗の中にはどんぐり二つ。
ツブラジイやスダジイは、一つだけ。

同じシイ属のスダジイとは、同じ種とされることもあるほどよく似ています。
スダジイとくらべると、名前のようにどんぐりが丸くて小さい(上左)のがツブラジイですが、中には長め(上右)のもあり、ほかの特徴と合わせて考える必要があります。

ほかには、樹皮が平滑(ツブラジイ)と縦に裂ける(スダジイ)、幹は真っ直ぐ伸びる(ツブラジイ)とよく分枝する(スダジイ)などがあります。

錦織公園では、北東の山谷千樹の径の竹林の近くと、河内の里つつじの丘の鉄塔の近くにあります。
鉄塔付近は公園以前からの木が残されているとききましたので、救荒用に植えられていたものかもしれません。

錦織公園のものは、成長した木でも樹皮が平滑、途中での分枝がほとんどない、どんぐりは丸いものが多い、ということで、ツブラジイとしました。

┣ブナ属
┃┗【イヌブナ(犬椈)Fagus japonica

落葉高木

大阪では山の標高の高いところに生える樹木。
ほんとうに高いところにはブナが生えますので、その周囲、杉が植林されていないところにブナやミズナラなどと混ざって生えているようです。

そんな木がどうして標高100メートル余りの里山公園にあるのかはわかりません。

ほかの種類の樹木のようですが、葉脈から分かれた支脈の先が凹むという、普通の葉と逆の葉縁はブナの仲間の特徴。
少なくとも、ブナ属なのはまちがいないでしょう。

標高の低いところでも育つことはできるようですが、ほかの樹木に負けてしまうので自生していない、ということも聞きます。

しかし、錦織公園ではほかの木々にあまり邪魔されない日当たりの尾根に生えているというのに、花もどんぐりも見たことがありません。
そしていつ見ても調子が悪そうで、気になります。
やはり温かいところは苦手なのでしょう。

ということで、このどんぐりを食べることは不可能です。

┣マテバシイ属
┃┗【マテバシイ(馬刀葉椎)Lithocarpus edulis

常緑高木

温暖な沿岸部に自生する常緑樹。
街路樹に使われますが、ここには自生していなかったと思います。

ということで、石畳の里でしか確認できていません。

どんぐりが細長いのが特徴。
そしてアク抜きしなくても食べることができるどんぐり。
むかしは炒って食べたそうです。

ただ、どんぐりが熟すのには、およそ1年半が必要。
小さいのに時間がかかります。

錦織公園のどんぐりの内、アク抜きがいらない数少ないどんぐり。

木が小さく1箇所でしか確認されていませんので、誰かがどんぐりをまいたのかもしれません。

┗コナラ属
 ┣コナラ亜属
 ┃┣コナラ節
 ┃┃┗【コナラ(小楢)Quercus serrata

落葉高木

公園内で一番多い樹木と言われるどんぐりの木。
大阪の里山では最もポピュラーな樹木で、葉は肥料、幹はホダ木や薪や炭などいろいろ利用されていました。

引き伸ばしたラグビーボールのようないかにもどんぐりらしい形。
ただし、形にはバリエーションがあり、アラカシのように丸いものからマテバシイのように細長いものまでいろいろあります。

殻斗(どんぐりの帽子)にはウロコのような模様があり、アラカシやシラカシと見分けることができます。

元から生えていたものもあると思いますが、多くが植林されたものでしょう。
里山ではよくある、切られた幹の周りから枝がたくさん伸びたおもしろい形の台場切りされたコナラは見られません。

 ┃┣クヌギ節
 ┃┃┗【クヌギ(櫟)Quercus acutissima

落葉高木

近畿の里山ではコナラと並んでポピュラーな樹木ですが、錦織公園ではコナラほど多くありません。

どんぐりが大きく横から見ると四角、殻斗が反り返った太いトゲに覆われているのが特徴。
近縁のアベマキ似ていますが、ここにはないようです。
葉や樹皮はクリに似ています。

 ┃┗ウバメガシ節
 ┃ ┗【ウバメガシ(姥目樫)Quercus phillyraeoides

常緑高木

常緑で、強い刈り込みにも耐えることができるので、垣根によく使われます。
ただ、そういうウバメガシにどんぐりはあまりできません。

鱗状の殻斗はコナラに似て、どんぐりはコナラ以上にラグビーボールのような形をしています。
2個セットで枝につき、マテバシイと同じように熟すのに1年半ほどかかります。

上質な木炭の材料としても有名で、炭焼きの盛んなところでは里山にもよく植えられるようです。
大阪南部や和歌山などでは海岸林によく生えます。

園内でも垣根に使われているところもありますが、大きく育っているところもあります。
特にどんぐりの森のはずれには、大きなウバメガシの小さな林があります。

 ┗アカガシ亜属
  ┣【アラカシ(粗樫)Quercus glauca

常緑高木

人の手が入った照葉樹林でよく見かける常緑樹。
大阪丘陵部のほったらかしのままの森(極相)の主要な樹木と考えられます。

ということで、園内ではあちこちに大きいのから小さいのまでいろいろ生えています。
園内のコナラは植樹されて30年以上。
老木が多く、このままではアラカシだらけになると言われています。

どんぐりは心なしが真ん中より先のほうが一番太くなっているのが特徴。
でも、どんぐりによって差が大きいので単純にどんぐりの形だけでは見分けられません。

殻斗は横縞模様で、シラカシと同じ。

ウバメガシと同じ刈り込みにも強いようで、河内の里では垣根に使われています。

  ┗【シラカシ(白樫)Quercus myrsinifolia

常緑高木

アラカシによく似た常緑樹どんぐりですが、錦織公園では少数派。
限られたところにしか生えていません。

どんぐりは中央あたりが一番太くなりますが、そんな感じのアラカシのどんぐりもありますので、ちょっと注意が必要。
葉もどんぐりもアラカシによく似て、なれないと見分けるのがむずかしい。
そんなとき、公園ではとりあえず「アラカシ」とすれば大体あっていると思います。

どんぐりがたくさんがまとまってつくのはシラカシの特徴。

名前は葉や幹が白いのではなく、木材になる部分(材)が白いことが由来。

「白」に惑わされないように。

 ということで、新しく追加された錦織公園のどんぐり。  まだ生えていても不思議じゃないどんぐりはありますので、これからも新しい発見があるかもしれません!

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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タグ: どんぐりクリツブラジイイヌブナマテバシイコナラクヌギウバメガシアラカシシラカシ

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秋です。いろんなどんぐりを見てみよう! 錦織公園

 冬も間近の晩秋。
 どんぐりの季節。
 ということで、錦織公園へどんぐりを見に行ってきました。

 錦織公園のどんぐりの木、つまりブナ科の樹木は8種類(IWO調べ)。
 さあ、どんな感じでしょうか。

ブナ科
┣クリ属
┃┗【クリ(栗)Castanea crenata
食べる栗のクリです。
「どんぐり」というイメージでないかもしれませんが、ブナ科の立派などんぐりの木です。
もともと里山にはよくある木ですので、錦織公園にもあちこちにあります。
ただ、盛んに集める人がいるので、クリの実を目にすることはありません。
中身の無いイガ(殻斗)は山のように見かけますが。
もちろん、公園の管理者の許可無くクリを大量に持ち帰るのは、やってはいけないことです。
普通にスーパーなどで目にするクリよりも小さいクリもあります。
山などに自生していて、「柴栗(しばぐり)」と呼ばれます。
クリの野生種と言われ、つまりお店で売っているクリは実が大きくなるように改良された栽培品種。
でも植物学的には、同じ「クリCastanea crenata」。
錦織公園にも実の小さな栗がありますので柴栗かもしれません。
┣ブナ属
┃┗【イヌブナ(犬椈)Fagus japonica
大阪では山の標高の高いところに生える樹木。
ほとんどの山が標高1000メートル以下でスギやヒノキが植林されまくっているので、生えているところは限られます。
そんな木がどうして標高100メートル余りの里山公園にあるのかはわかりません。
公園を作ったとき勢いで植えてしまったのでしょうか。
ほかの種類の樹木のようですが、葉脈から分かれた支脈の先が凹むという、普通の葉と逆の葉縁はブナの仲間の特徴。
今のところたった2本しか見つけていません。
大阪では平野部よりも寒いところで育つ樹木のためか、錦織公園では花もどんぐりも見たことがありません。
そしていつ見ても調子が悪そうで、気になります。
┣マテバシイ属
┃┗【マテバシイ(馬刀葉椎)Lithocarpus edulis
温暖な沿岸部に自生する常緑樹。
ここにはちょっと場違いかも。
ということで、石畳の里でしか確認できていません。
どんぐりが細長いのが特徴。
そしてアク抜きしなくても食べることができるどんぐり。
むかしは炒って食べたそうです。

ただどんぐりが熟すのには、およそ1年半が必要。
小さいのに時間がかかります。
錦織公園のどんぐりの内、アク抜きがいらない唯一のどんぐり。
同じマテバシイ属のシリブカガシはまだ確認できていません。
┗コナラ属
 ┣コナラ亜属
 ┃┣コナラ節
 ┃┃┗【コナラ(小楢)Quercus serrata
公園内で一番多い樹木と言われるどんぐりの木。
大阪の里山では最もポピュラーな樹木で、肥料から材料や燃料といろいろ利用されます。
引き伸ばしたラグビーボールのような形で、どんぐりらしい形。
殻斗(どんぐりの帽子)にはウロコのような模様があります。
元から生えていたものもあると思いますが、多くが植林されたもののようです。
そのため、里山ではよくある、切られた幹の周りから枝がたくさん伸びたおもしろい形の台場切りされたコナラは見られません。
 ┃┣クヌギ節
 ┃┃┗【クヌギ(櫟)Quercus acutissima
近畿の里山ではコナラと並んでポピュラーな樹木ですが、錦織公園ではあまりありません。
どんぐりが大きいのと、横から見ると四角、殻斗が反り返った太いトゲに覆われているのが特徴。
葉や樹皮はクリに似ています。
 ┃┗ウバメガシ節
 ┃ ┗【ウバメガシ(姥目樫)Quercus phillyraeoides
常緑で、強い刈り込みにも耐えることができるので、垣根によく使われます。
ただ、そういうウバメガシにはあまりどんぐりはできません。
鱗状の殻斗はコナラと似ていますが、どんぐりはコナラ以上にラグビーボールのような形をしています。
2個セットで枝につき、マテバシイと同じように熟すのに1年半ほどかかります。
上質な木炭の材料としても有名で、炭焼きの盛んなところでは里山にもよく植えられるようです。
またマテバシイと同じように海岸林によく生えます。

公園でも垣根に使われているところもありますが、大きく育っているところもあります。
特にどんぐりの森のはずれには、大きなウバメガシの小さな林があります。
 ┗アカガシ亜属
  ┣【アラカシ(粗樫)Quercus glauca
人の手が入った照葉樹林でよく見かける常緑樹。
ほったらかしのままの森(極相)の主要な種と考えられます。
ということで、園内ではあちこちに大きいのから小さいのまでいろいろ生えています。
園内のコナラは植樹されて30年以上。
老木が多く、このままではアラカシだらけになると言われています。
どんぐりは心なしが真ん中より先のほうが一番太くなっているのが特徴。
でも、どんぐりによって差が大きいので単純にどんぐりの形だけでは見分けられません。
殻斗は横縞模様で、シラカシと同じ。
  ┗【シラカシ(白樫)Quercus myrsinifolia
アラカシによく似た常緑樹どんぐりですが、錦織公園では少数派。
限られたところにしか生えていません。
葉もどんぐりもアラカシによく似ています。
どんぐりは中央あたりが一番太くなりますが、そんな感じのアラカシのどんぐりもありますので、ちょっと注意が必要。
どんぐりがたくさんがまとまってつくのはシラカシの特徴。
名前は葉や幹が白いのではなく、木材になる部分(材)が白いことが由来。
ですから、外から見ただけではわかりません。
「白」に惑わされないように。

 広い錦織公園には今の季節たくさんのどんぐりが転がっています。
 見つけた時にはどの木のどんぐりか調べてみると、おもしろいと思います。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園


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2014年 今年の金剛山のブナの実の異変?


 大阪と奈良の境にある金剛山。

 地元では馴染み深い山ですが、日本海軍の戦艦、海上自衛隊のイージス艦の艦名に使われるくらいですから、決してマイナーな山ではないでしょう。

 きっと。






 金剛山の山頂付近にはこの辺りでは珍しいブナ林が広がります。

 ブナは和泉葛城山と大和葛城山にもあり、特に和泉葛城山のブナ林は国の天然記念物にも指定されていますが、木の大きさや数、林の広さでは金剛山にはかないません。



金剛山のブナの巨樹
金剛山のブナの巨樹




 毎年6月から7月にかけて、金剛山のブナ林では大量のどんぐりが落ちます。

 本来ブナのドングリが落ちるのは秋。

 どうして季節はずれに落ちるのかわりませんが、落ちているドングリに緑色のものが少なくないことに意味がありそうです。



2012年6月下旬に落ちていたブナのドングリ
2012年6月下旬に落ちていたブナのドングリ
ナラやカシのどんぐりとちがってトゲトゲの殻斗(かくと)に
覆われているのがブナの特徴




 東北などでは野生動物の貴重な食べ物になるブナの実ですが、数年に一度豊作になるというサイクルでドングリがなるそうです。

 つまり不作なのが基本。

 ということは、不作の年には熟す前にドングリを落とすのでしょうか。



若いブナのドングリ
若いブナのドングリ
ドングリも三角形なのがブナの特徴




 金剛山へ行くようになって数年。

 6月から7月にかけてはかならず大量のドングリが落ちていました。

 ところが今年、2014年。

 6月下旬の金剛山に登りましたが、ブナ林ではまったくドングリを見かけません。

 ということは、ブナのドングリはブナについたまま?

 もしかすると、今年の金剛山は、ブナドングリの豊作の年かもしれません。



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和泉葛城山 天然記念物のブナどんぐりは? 「梅雨の落果」


 本来は秋に落ちるはずのブナ(山毛欅)のどんぐりが、なぜか梅雨(つゆ)の時期に大量に落ちていた金剛山(こんごうざん)山頂付近のブナ林。

 このような現象がよく起きるのかどうかわかりませんが、これを「梅雨の落果(らっか)」と勝手に名付けました。

 「落果」とは、この実が熟す前に落ちてしまうことです。



2012年の金剛山ブナ林の「梅雨の落果」(モミジ谷東尾根)
2012年の金剛山ブナ林の「梅雨の落果」(モミジ谷東尾根)




 ブナのどんぐりは、豊作のあと何年か不作が続くサイクルでどんぐりをつけます。

 不思議なのはブナ林全体が同じタイミングで豊作・不作になること。
 理由はわかっていませんが、何かの方法でブナ林全体に「豊作にしよう」とか「不作になろう」とかの情報が行き渡っているかのようです。

 情報を伝えるというと、人間は声や文字を使いますが、植物はどちらも使えません。

 声を出せなく文字を持っていない昆虫などでは、フェロモンと呼ばれる物質を出して、情報を伝えています。

 つまり、それと同じ事をブナもしているのでしょうか。



ブナのドングリと殻斗
ブナのドングリと殻斗




 「フェロモン」といっていいのかどうかわかりませんが、植物が物質を出して外に働きかけをしていることは知られています。
 たとえばイモムシに葉を食べられた時、天敵のハチを呼ぶ物質を出したり。

 ですから、仲間の植物と一緒に行動するための物質があっても不思議はないでしょう。
 植物同士が「語り合う」物質です。

 今年の「梅雨の落下」も、そうした物質を使った金剛山のブナたちの「申し合わせ」の結果かもしれません。



 それを確かめようと和泉葛城山(いずみかつらぎさん)山頂付近の天然記念物のブナ林へと行きました。

 和泉葛城山は金剛山から岩湧山(いわきさん)を挟み西南西へ二十数キロ離れています。
 若干標高は低いものの、気候はそれほど変わらないと思います。
 もし今年の気候が「梅雨の落果」をもたらしたのなら、和泉葛城山でも大量にどんぐりが落ちているはずです。

 そうではなく、金剛山の「梅雨の落果」がブナたちの「申し合わせ」結果であれば、和泉葛城山では「梅雨の落果」が無いかもしれません。



 果たして和泉葛城山のブナ林は?

 「梅雨の落果」はありません。
 遊歩道やブナの根本の落ち葉の上にはどんぐりも殻斗も落ちていません。

 木道などにはいくらか落ちていますが、茶色のものばかりで殻斗のすり減った様子などから、去年の秋のもののようです。


 ということは、金剛山の「梅雨の落果」は気候ではなく、金剛山特有の理由があること。
 そしてブナの落果を促す物質は金剛山から二十数キロ離れた和泉葛城山へは伝わらないこと。
 この2つのことが考えられます。



和泉葛城山の木道に落ちていたブナのどんぐりの殻斗(2012年7月)
和泉葛城山の木道に落ちていたブナのどんぐりの殻斗(2012年7月)




 これはあくまで状況から推測したことでしかありませんが、なかなか興味深いことです。

 しかし、金剛山のブナたちが「梅雨の落果」を決めた理由についてはわかりません。

 ブナの不思議です。



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タグ: ブナどんぐり和泉葛城山金剛山

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金剛山の夏のブナのドングリの謎


 梅雨の金剛山(こんごうざん)

 千早本道(ちはやほんどう)の八合目過ぎ。

 この緯度ではめずらしいブナ林が現れます。



金剛山千早本道八合目付近のブナ林
金剛山千早本道八合目付近のブナ林




 今年はなぜか一面にドングリが落ちています。

 太くて短くて曲がったトゲトゲに覆われている殻斗(かくと)(殻)に覆われたブナのドングリです。
 ここ数年、全く見かけなかったブナのドングリが、大量に転がっています。

 金剛山は山頂を囲むようにブナ林がいくつもあります。

 そのどれもブナのドクグリがいっぱい落ちています。



大量に降りている梅雨のブナドングリ
大量に降りている梅雨のブナドングリ




 ブナは数年おきにしか実をつけず、実がなるときは大量につけます。

 ですからいままで見たことがなかったブナのドングリがいっぱいあることは納得できます。

 しかしブナも他のドングリと同じように、落ちるのは秋。

 まだ夏至にもなっていない梅雨。
 夏はこれから、暑さのピークもまだ先。

 落ちているのはどんぐりを包む殻(殻斗)がまだ緑色のもの少なくありません。
 茶色のものも、実が熟したのではなく、緑色の殻斗が枯れたのでは、と思えてきます。



まだ緑色のブナドングリ
まだ緑色のブナドングリ
4つに割れる殻斗と三角形のドングリが2つ入っているブナ
4つに割れる殻斗と三角形の
ドングリが2つ入っているブナ




 梅雨の大量のブナのドングリ落下。

 理由は何でしょうか。


 謎です。



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