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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

錦織公園で“本当に”春の七種さがし


 1月7日です。

 春の七種(ななくさ)です。



 「おや?」と思う人も少なくでしょう。

 なぜなら、今は2月下旬。



 そもそも春の七種は明治よりもずっと昔から1月7日の風習でした(一部地域を除く)。

 そう、本来は昔の暦(こよみ)、旧暦、太陰暦(たいいんれき)の1月7日なのです。

 太陰暦は月の動きに合わせた暦で、太陽暦と比べると毎年ずれが生じます。

 そのため1月1日は、二十四節気の雨水(うすい)直前の新月の日と決められています。

 2015年は2月19日が旧正月。

 そして2月25日が1月7日になります。



 ということで、旧正月前の錦織公園(にしこおりこうえん)の河内(かわち)の里に春の七種を探しに行きました。

 里山を残した大きな公園に中にある河内地方の農家を模したエリアです。

 毎年年末年始には春の七種が展示されていますが、さすがに旧正月までは置かれていません。

 ここには擬似的な田畑が作られていますので、「田畑の雑草」と言われる春の七種もあるかもしれません。



芹(せり)
和名:セリ(芹)
セリ目 セリ科 セリ属
多年草 丈.20-50cm 冬.常緑
分布:北海道~九州
適地:湿地や畦道
水分の多い土壌や水の流れがゆるやかな浅瀬などを好む水田雑草。
タグ:セリ
野菜でもありますが、水辺の雑草。

周囲に田んぼがあるため池は多いのですが、安全確保のために近寄れません。

そんな中で水辺に近寄れる場所の一つが河内の里。

でも、セリが生えているのは田んぼの角。

ここにはオモダカも生えていますので、意図的に生やしているのかもしれません。

薺(なずな)
和名:ナズナ(薺)
アブラナ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草 丈.10-50cm 冬.ロゼット
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
田んぼの畦などにも生える水田雑草。
タグ:ナズナ
乾燥気味のところでも生えるありきたりの雑草なのですが、よく手入れされている錦織公園ではあまり多くありません。

丈が高いため簡単に刈られてしまうのでしょうか。

この日は花を咲かせているのはもちろん、ロゼットも見つかりませんでした。

右の画像はお正月展示のナズナです。
御形(ごぎょう)
和名:ハハコグサ(母子草)
キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草 丈.10-30cm 冬.ロゼット
分布:北海道~沖縄
適地:人里の道端、田の畦
全体が綿毛に覆われ白っぽく見える。
タグ:ハハコグサ
ナズナ同様乾燥気味のところでもよく生える雑草。

河内の里でもよく見かけます。

越年草ですので、去年芽を出して、ロゼット状態で暖かくなるのを待っているのでしょう。

繁縷(はこべら)
和名:コハコベ(小繁縷)
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草 丈.10-20cm 冬.常緑
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
花柱3個,雄蕊1~7本。
タグ:コハコベ
これもありふれた雑草です。

地面を這うように成長するので草刈りから逃れやすいのでしょうか、よく見かけます。

仏の座(ほとけのざ)
和名:コオニタビラコ(小鬼田平子)
キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草 丈.5-25cm 冬.ロゼット
分布:本州~九州
適地:湿地を好む
水田雑草。
タグ:コオニタビラコ
水田雑草ということで、公園ではなかなか見かけません。

右の画像はナズナと同じようにお正月展示のものです。
下の画像は河内の里でみつけたもの。

一見コオニタビラコのようですが、大きいのでヤブタビラコではないかと思います。
菘(すずな)
和名:カブ(蕪)
アブラナ目 アブラナ科 アブラナ属
越年草 丈.20-60cm 冬.ロゼット
分布:アフガニスタン原産
適地:代表的な野菜
食用部分は胚軸。
タグ:カブ
これは雑草ではなく野菜です。

外来種で野生化はしていないようですので、カブ畑以外では見つからないでしょう。

ところが冬野菜として河内の里の畑では毎年育てられていますので、見ることができました。

蘿蔔(すずしろ)
和名:ダイコン(大根)
アブラナ目 アブラナ科 ダイコン属
越年草 丈.50-100cm 冬.ロゼット
分布:地中海原産
適地:代表的な野菜
食用部分は胚軸と根の一部。
タグ:ダイコン
こちらも外来種の野菜です。

一部には野生種があるようですが、普通はみかけません。

こちらも冬野菜として畑で栽培されているので、見ることができました。




 ということで、7種類揃えることはできませんでした。

 でも、ここの田畑は擬似的な小さなもの。

 普通の田畑だったら、カブとダイコン以外はきっと見つかったことでしょう。

 機会があれば、探してみたいと思います。

 でも、むやみに田畑に入ることはお勧めできることではありませんので、機会はいつやってくるか……



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タグ: 春の七種春の七草セリナズナハハコグサコハコベコオニタビラコカブダイコン錦織公園

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七十二候第六十六候「雪下出麦」と第六十七候「芹乃栄」 寒い冬でもがんばってます。


 1月。
 新しい年のはじめ。

 一年で最も寒くなると言われる小寒を挟んだ七十二候(しちじゅうにこう)の「雪下出麦」と「芹乃栄」。
 一年で最初とその次の候です。

 よみは「ゆきわたりて むぎのびる」と「せり すなわちさかう」。

 もうちょっとわかりやすくると「麦、雪の下で芽を出す」と「芹、よく育つ」。

 寒い中でも成長している様を表しています。



里山の農家を再現した錦織公園の河内の里の風景
里山の農家を再現した錦織公園の河内の里の風景
大阪南東部の南河内(みなみがわち)地方の農家の雰囲気を再現した河内の里。
小さいですが、田畑のビオトープが再現され、ほかにも今の河内地方では見ることがなくなった茶畑や、和紙の原料となるコウゾやミツマタなどが栽培されています。
隣にはコナラを中心とした里山のビオトープもあります。



 日本では稲刈りが終わってから田植えまでの間にムギを育てることがあります。

 冬はムギが育つ季節。

 そして多年草のセリも青々しています。

 ムギはこのまま育って春に収穫を迎えます。
 セリはいつでも食べることができます。

 植物が枯れて寒々とした冬でも、身近で青々としている植物をみて、暖かくなりはじめる春を思っていたのでしょうか。



青々している「雪下出麦」の頃のムギ
青々している「雪下出麦」の頃のムギ
河内の里では田んぼではなく畑に植えられています。
ほかにダイコンやカブなどが育っていました。



 もちろん本州の太平洋側平野部では冬でも枯れない草はたくさんあります。

 その中からムギとセリが選ばれたのも、身近で大切な食べ物だったからかもしれません。



ちょっと元気がなさそうな「芹乃栄」の頃のセリ
ちょっと元気がなさそうな「芹乃栄」の頃のセリ
セリは田んぼの一角に生えています。
田んぼそのものは雑草もなくきれいですので、意図的に残されているのだと思います。
水辺が好きなセリですので、ちょっと元気が無いようにみえるのは、田んぼの水がなくなったためかもしれません。



 この後、二十四節気(にじゅうしせっき)は一年で一番寒いという「大寒(だいかん)」になりますが、七十二候では春を思わせるような候が続きます。



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タグ: 七十二候雪下出麦芹乃栄セリムギ錦織公園河内の里

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春の七種は食べるだけじゃなくて探してみるのもおもしろいかも


 1月7日は七草粥の日。

 正しくは「七種(ななくさ)の節句(せっく)」。

 七草粥(ななくさがゆ)を食べて無病息災(病気も災いもないこと)を願います。



 七種、七種類の草はこのように歌われています。


「芹(せり)、薺(なづな)、御行(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)、これぞ七種(ななくさ)」


 もしかしたら全部聞いたことがない植物かもしれません。

 ということで確認するため、この時期には七種を展示している大阪の錦織公園(にしこおりこうえん)の河内の里に行ってみました。



お正月モードの錦織公園の河内の里
お正月モードの錦織公園の河内の里




 河内の里の里の家に通じる小さな橋の上に7つのプランターが並べら、それぞれに七種が1種類づつ植えられています。



和名:セリ(芹)
セリ目 セリ科 セリ属
多年草

芹(せり)
水辺を好みます。
河内の里の田んぼや錦織公園の近くの田圃にも生えています。


和名:ナズナ(薺)
フウチョウソウ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草

薺(なずな) 薺(なずな)
実の形が三味線のバチに似ていることから「ペンペングサ」と呼ばれるようになった、といわれています。
空き地や畑の畦などによく生える草です。
実ができていればわかりやすいと思います。


和名:ハハコグサ(母子草)
キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草

御形(ごぎょう)
葉には短く白い毛が生えていて、白っぽく見えます。
春には舌状花がない小さくて黄色い花を咲かせます。


和名:ハコベ(繁縷)
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草

繁縷(はこべら)
普通の雑草ですが、コハコベなど他のハコベ属の種類とよく似ています。


和名:コオニタビラコ(小鬼田平子)
キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草

仏の座(ほとけのざ)
ロゼット状のときは、タンポポなどほかのキク科とよく似ています。

和名が「ホトケノザ」という植物がありますが、そちらはシソ科。
春の七草の「仏の座」とはちがいます。


和名:カブ(蕪)
フウチョウソウ目 アブラナ科 アブラナ属
一年草・越年草

菘(すずな)
古くから野菜として食べられていましたが、中国から伝わった外来種と考えられています。
野生化はしていないようでうですので、意外と弱いのでしょうか。


和名:ダイコン(大根)
フウチョウソウ目 アブラナ科 ダイコン属
一年草・二年草

蘿蔔(すずしろ)
古くから食べられていますが、こちらも外来種。
野生種が見られないのはカブと同じ。
昔から食べられているようですので、野菜化が著しくて自然に生きる力が弱くなっているのかもしれません。




 ということで、セリ、カブ、ダイコン以外は今では雑草としても生える植物。
 いや、セリも水辺で見かける雑草のひとつ。

 逆に雑草で見かけないのはカブとダイコンだけ。

 近所に畑や田圃があったらのぞいてみると、カブとダイコン以外の五草と出会えるかもしれません。



 ところで、春の七種を食べる1月7日は本当は旧暦。

 2014年は2月6日。

 まだ一ヶ月先です。



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